航空保安管制群本部  

ホーム > 「航空管制」(旧機関紙 及び 管制群本部 広報) > パイロットの眼

航空保安管制群本部

~パイロットの眼~   第4航空団 第21飛行隊 水野3佐


(令和8年5月更新)

 この度、管制群HP「航空管制」への投稿機会をいただきありがとうございます。私は、宮城県松島基地に所在する第4航空団飛行群第21飛行隊で勤務するF-2の教官操縦士です。
 F-2戦闘機は、航空自衛隊が保有する戦闘機の一機種で、平素から領空侵犯に対する措置や、地震偵察などの任務を行っています。しかしながら、ここ第4航空団のF-2戦闘機はそういった任務を行っておりません。
 第21飛行隊は、将来、日本全国のF-2部隊で各種任務を行う若年操縦者を養成することを任務とし、戦闘機操縦(F-2)課程という課程を受け持っています。本課程には、航空学生や防衛大学校等を卒業後、操縦要員として各操縦課程を経て、F-2操縦者として将来、日本全国の部隊に配置される操縦者がやって参ります。
 課程期間は約10カ月で、基本的なF-2の操縦(この課程で初めて戦闘機を操縦する。)はもとより、これまた初めての対戦闘機戦闘(いわゆる空中格闘戦)や要撃戦闘(インターセプト)といった戦技に関する課目を履修します。

 松島基地における航空管制上の特徴として、F-2の基本的な操縦を主に履修するため、特に難しい着陸操作をより多く演練する必要があることから、有視界飛行方式で連続離着陸訓練を複数機で行います。また、単発機であるF-2は、SFOといった模擬不時着パターンの訓練を複数回行います。これは、高高度から滑空しながら滑走路へ進入する方法で、場周経路を飛行する通常の着陸機とパターンや速度が大きく異なります。
 そのため、松島管制隊の管制官には非常に多くの苦労をお掛けしているとは思いますが、より多くの着陸訓練等が実施できるよう効率よくトラフィックをコントロールし、操縦者の要求に適切に応えてくれています。
 また、F-2に不慣れな課程学生操縦者が操縦(もちろん教官操縦士の監督下ですが。)しますので管制塔とのやり取りなどで、聞き逃しや、聞き間違え、聞き取りが出来ないケースが多発します。その際は、ゆっくり、丁寧に発唱してくれるケースもあります。

 第21飛行隊は、高頻度で松島管制隊と相互に部隊交流、研修を行い、お互いの任務や環境の理解に努めています。そういった成果が、より密度の濃い学生訓練に繋がっており、F-2操縦学生の育成は、第21飛行隊教官操縦士だけでなく松島管制隊の管制官の皆様のご理解とご協力があってこそと、強く感じます。
 操縦教育といった特殊な任務の特性上、松島基地以外では一部の基地にしか参りませんので、本記事をご覧になる殆どの方は接する機会はないかもしれませんが、松島基地での勤務や、第4航空団のF-2が課程教育の一環で飛来し、管制する機会がありましたら、ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申しあげます。

~パイロットの眼~






~パイロットの眼~   飛行開発実験団 飛行実験群飛行隊 飯塚3佐


(令和8年3月更新)

【はじめに】 
 皆さんこんにちは。私は、飛行開発実験団 飛行実験群飛行隊Cフライト(C―2試験担当)所属の飯塚3佐です。これまで私は、輸送機操縦士として、全国を飛び回ってきました。
 初任地は、小牧基地の第1輸送航空隊(C―130H)です。その後、美保基地の第3輸送航空隊にてC―2、また、入間基地の第2輸送航空隊でC―2及びU―4に搭乗してきました。一昨年の1月、岐阜に転属となり、その年の5月より、試験飛行操縦士課程(以下「TPC」という。)を約1年間履修し、その後、試験飛行操縦士(通称、テストパイロット)として勤務しております。
 管制隊の皆様には、これまで多大なご支援、ご助言を頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。

【岐阜基地の特性】
 飛行開発実験団が所在する岐阜基地は、現在、日本で運用されている飛行場の中で最も古い歴史を持つ飛行場で、これまで多くの試験などが行われてきました。その岐阜基地の特徴の1つは、ほとんどの運用が、RWY28で行われていることです。また、多機種の航空機が日常的に運用されていることも、岐阜基地の特徴であると考えます。
 飛行開発実験団所属の5機種(F―2、F―15、C―2、T―4、T―7)をはじめ、陸自ヘリ、海自哨戒機、岐阜県の県警ヘリ、消防ヘリ、川崎重工所属の航空機、航空教育集団の学生練習機(T―4、T―400、T―7)、更には、不整地着陸を行うC―130H等が岐阜基地にて、飛行訓練やそれぞれの任務に基づく飛行を実施しています。
 このように、岐阜飛行場の管制圏内においてそれぞれの着陸の速度、高度が異なる航空機が、異常な接近もなく安全に運航できていることは、管制官各位の適切な判断、コントロールによるところが大きいと、いつも感じています。
 
【飛行試験部隊の特性】
 飛行開発実験団が実施する飛行試験の多くは訓練エリアで行いますが、混雑した岐阜管制圏内で実施するものもあります。例えば、タワーフライバイ試験法です。
 この試験法は地上からの測量によって、飛行中の航空機の高度を測定し、航空機の高度計が適切かどうかを試験するものです。試験においては測定誤差を小さくするため、できる限り低高度で飛行する必要があります。また、幅広い速度域で確認する必要もあるため、低速から高速まで何回も測定します。さらにこの試験法はTPCでも教育しており、その際は複数機で飛行場を何十周も飛行しています。
 しかも、本試験では周囲の地形を考慮し、RWY10方向でのフライバイで測定しています。先述したとおり、ほぼRWY28運用の飛行場ですので、この試験間はほとんどの場合オポジットでの運用となり、管制との適切な連携が一層必要になる試験法です。

【おわりに】
 各試験担当者の念入りな試験計画、そして適切な管制によって、安全に任務を遂行しています。今後も管制官とのミーティングをはじめ、連携強化を図ることにより、安全かつ迅速に試験を実施し、ひいては、我が国の防衛力の更なる強化に繋がるよう励んでいきます。






~パイロットの眼~   中部航空方面隊司令部支援飛行隊 工藤3佐


(令和8年1月更新)

 皆様こんにちは!私は、中部航空方面隊司令部支援飛行隊(以下「中司飛」という。)の工藤3佐と申します。
 この度は、航空保安管制群ホームページへの投稿の機会を頂くことができ、大変光栄に思います。我々中司飛は、T-4による関東周辺で勤務する管理操縦者の技量維持を目的とした年間飛行訓練、目標機支援及びU-4による司令官等の指揮連絡に関する運航支援等を行っております。この度は、フライトを通じて私が感じる「他機情報の重要性」についてお話したいと思います。 
 
 中司飛は、入間基地に所在する部隊であります。入間基地は周辺に横田、立川及び厚木飛行場がある他に、民間の調布飛行場、本田エアポート及び妻沼滑空場などが所在し、多くの航空機等が飛行している環境であります。また、入間基地はT-4などの小型機、C-2などの大型機やCH-47などの回転翼機といった様々な種類の航空機が運航されている基地であります。そのため特にVFRで飛行している時は、他機と接近する可能性が非常に高くなります。
 その一方で、T-4及びU-4(一部機体を除く。)にはレーダーやT-CAS等は搭載していないため、目視による他機の把握には限界があり、他機情報の入手手段は航空管制官からのVOICEが頼みとなり、航空管制官からのタイムリーな他機情報は、他機との接近を回避するために大変重要であります。

 また、着陸時におけるファイナルの他機情報(特に機種情報)は、着陸間隔を考えるにあたり大変重要(機種に応じてファイナル速度が異なるため。)であります。幸いなことに、私が入間周辺を飛行する時には他機情報をタイムリーに発出して頂いているため、他機との接近を避けることができ、大変感謝しております。

 最後になりますが、航空機を安全に運航できているのは、平素から多大なるご支援を頂いている各基地の管制隊の皆様のお陰であると痛感しております。引き続きこれからも多大なるご支援を賜りますようよろしくお願いします。

祈 飛行安全!!

~パイロットの眼~

   

バックナンバー

→過去の記事はこちらから