美保管制隊
美保管制隊長 3等空佐 橋村 保祐
隊長挨拶
8月1日付で着任いたしました橋村です。基地の南東に大山、西には日本で数少ない連結汽水湖のひとつである中海を臨む風光明媚な場所で勤務できることを喜んでおります。
美保管制隊は、官民共用の美保飛行場(米子空港)のほか、出雲空港を離発着する航空機に対しても管制業務を実施しています。
引き続き、航空機の安全と運航効率の確保に努めてまいりますので引き続き、よろしくお願いいたします。
部隊紹介
美保管制隊は、航空機の安全かつ効率的な運航を支援する部隊です。美保管制隊の特徴は、大きく2つあります。我々が航空管制を担当するのは美保基地を離発着する自衛隊機だけではありません。美保基地に隣接し同じ滑走路を使用している米子空港を利用する民間機(国際線も含みます。)に対しても管制業務を提供していること、そして山陰地方にある空港の中で唯一、レーダーを使用した管制業務を実施していることです。隊のレーダー管制業務は美保基地/米子空港を使用する航空機は勿論のこと、担当空域(鳥取県中西部、島根県中東部及びその周辺)内 に所在する出雲空港(島根県)を利用する航空機に対してもレーダーによる誘導等を実施しています。米子、出雲空港を利用される皆様のために管制官だけでなく、無線、レーダーや電源の整備員も24時間体制で勤務しています。
隊員の訓練風景
集まれ!~分隊教練~
自衛官と言えば、「強靭な精神力をもって困難な任務に立ち向かう」というイメージをお持ちの方が多くいると思います。実はそれ、日々の訓練の賜物なんです。
私達自衛官は、精神を鍛練し、各種任務遂行のための基礎を作るために、「教練」※を実施しています。今回は、分隊(10名を基準とした部隊)の教練を実施しました。指揮官の「集まれ!」という力強い号令に瞬時に反応し、キビキビとした動作で定められた場所へ集まり、自動で整頓をします。基準となる隊員は、指揮官の前方6歩の位置にいなければならないという難しい間隔を一発で決めることができました。より強靭な精神力を得て、困難な任務を完遂できるよう今後も「教練」を行っていきます。
※教練とは:自衛官として身につけておかなければならない動作を訓練することです。不動の姿勢(気をつけ)に始まり、回れ右、右向け右等…沢山の動作があります。
トピックス
美保管制隊HPをご覧の皆さんこんにちは!今回は、9月18日(水)に行われた、境港市の中学生による、美保管制隊での職場体験学習の様子をご紹介します。
まず、はじめに導入として、映像による美保管制隊の概要、任務及び航空交通管制業務について説明しました。当初、学生たちは緊張した面持ちでしたが、航空自衛隊が保有する航空機に関する質問をしたところ、ようやく緊張が解け、目をキラキラと輝かせながら勢いよく手を挙げ、『F-35』、『E-767』とハキハキした声で答えてくれました。そして、なんと全問正解!(写真①)重かった空気は一変し、その後は、矢継ぎ早に学生の方から質問が飛び交い、和気あいあいの雰囲気となりました。
説明の後は、施設見学を行いました。まずは、管制塔。滅多に入れない場所という事で、ここでも目を輝かせ、興味津々の学生たちでした。
管制塔では、管制官が航空機を「目」で見て指示や許可などを与えていることを説明し、そのために使用する器材等を紹介しました(写真②)。
見学の途中、着陸態勢にはいった民間機が約6kmに到達した際、その様子を見ていた1人が、『あれ、B-767だ!』(写真③)と、型式を見事に言い当てました。
毎日、航空機を見ている管制官でも難しいと思うのに・・・と管制塔で勤務する隊員を含め、驚かされました。
タワーの次は、ターミナル・レーダー管制室(通称:ラプコン)へ移動しました。
ここでも驚かされたのは、レーダー画面を見た一人が、『この数字は、飛行機が飛んでいる高さでしょ!その横は、速度ね!』と友達に説明を始めました。私は、「な、何で知っているの?!博識すぎる!」と思うほどでした。
説明後は、シミュレーターによる模擬管制業務を体験してもらいました。
体験内容は、「訓練を終えたC-2型輸送機を美保飛行場に着陸させる。」ものでした。戸惑いながらも、隊員から助言を受けつつ、無事に着陸させることができました(写真④)。
2組目は要領を掴んだのか、スラスラと用語を喋る学生も・・・おり、「是非、管制官になってほしい!」と、思うほどでした。
今回の職業体験は、約2時間でしたが、この経験が、学生たちの将来の糧の1つになれば幸いです。私も刺激を受けた充実の2時間でした。
それでは、次回の更新まで SEE YOU.