防府管制隊
防府管制隊長 3等空佐 安藤 靖浩
隊長挨拶
防府管制隊ホームページへようこそ。令和4年3月に防府管制隊長を拝命した安藤3佐です。防府管制隊は、防府飛行場を離着陸し、その周辺空域を飛行する自衛隊機などの航空管制を行うことを任務としている部隊です。少人数部隊ながら隊員同士が協力し合い、様々な活動を積極的に行う活気ある部隊です。防府北基地は、航空学生をはじめ、パイロットを志す隊員を育成する第12飛行教育団の所在する基地であり、初級操縦課程という大事な時期の隊員に航空管制を実施することの重責を深く感じています。本ホームページでは、部隊行事や活動状況などを掲載いたしておりますので、防府管制隊を身近に感じていただけましたら幸いです。これからも隊員一同、任務遂行に邁進するとともに明るく事故のない部隊を目指して努力していく所存ですので、今後とも変わらぬご理解、ご協力をよろしくお願いします。
部隊紹介
防府管制隊の任務は、飛行場管制業務の実施及び保有器材の保守整備であり、航空自衛隊第12飛行教育団の操縦士育成等の訓練機及び陸上自衛隊第13飛行隊の実任務等機並びに近隣飛行場から飛行する海自及び民間航空機等の管制圏通過機に対する管制業務を安全かつ的確に行っております。また、飛行場管制業務を実施する上で、飛行関係部隊及び機関との情報の共有に務め、部隊の任務を円滑に遂行しております。これも皆様の平素からの安全に対するご理解とご支援の賜物と深く感謝申し上げます。我が隊は、少数精鋭の部隊であり暖かな家庭的な雰囲気のある部隊です。今後は、更に管制隊員の技量向上に努め、管制器材の運用中断の局限を図り、管制隊一丸となって任務の完遂に邁進する所存です。皆様の防府管制隊に対するご支援、ご協力を引き続き宜しく御願いします。
隊員の訓練風景
訓練生管制官の一日
昨今、訓練生パイロットにフォーカスした映画やドラマ等がヒットしています。
ここ防府北基地にも、航空自衛隊の操縦士の養成を主たる任務としており、日々訓練に励む若き隊員の姿を見ることが出来ます。
では、皆様は航空管制官が一人前になるまでの過程をご存知でしょうか?あまり日の目を見ることの無い職種ではありますが、我々も気の遠くなるような努力を積み重ねて国家資格の取得を目指しています。
本日は知られざる訓練生の一日をご紹介したいと思います。特に、航空自衛隊の管制官を目指している方や、興味のある方にとっては理解の進む記事だと思います。

航空管制特技を指定された新入隊員は、愛知県の小牧基地に所在する第5術科学校で約1年間に及ぶ基礎教育を受講します。卒業後は、北は北海道から南は九州まで、全国各地の航空保安管制群隷下部隊に配属され、各部隊の特性に応じた管制業務の実地訓練(英語のOn the Job Trainingの頭文字を取ってOJTと呼ばれる事もあります)を受ける事になります。
本記事では、9月に第5術科学校を卒業した隊員のOJTの様子を特集しています。

多くの訓練生にとって一番の正念場は、管制現場における実地訓練です。
ここでは、先輩管制官の監督下ではありますが、管制塔で有資格者と何一つ変わらない管制業務に取り組んでいます。
実際の航空機を取り扱ったり、関係機関と専門用語を用いて連絡調整を行っているので、現場の緊張感は凄まじく、訓練生に降りかかるプレッシャーは想像を絶するものがあります。
操縦士や乗員の生命に直接影響する仕事なので、時には厳しく指導されたり、訓練の中止を命じられる事もあります。
筆者にとっても苦い思い出が多い反面、この仕事に係る責任の重さを植え付けられた訓練であったと記憶しています。

現場での失敗をそのままにしていると成長は望めません。訓練生や教官は管制塔での勤務を終えると、その日の訓練について良かった点と修正すべき点について振り返ります。
防府管制隊ではホワイトボードとマグネットで交通状況を再現しながら、ブレインストーミングする時間を設けています。ここでは、訓練生は現場のプレッシャーから解放されて、のびのびと発言する事が出来ます。

管制訓練ばかりが仕事ではありません。
訓練生は隙間時間を見つけて体力練成に励みます。管制官である前に自衛官である事を忘れてはいけません。正確な統計はありませんが、筆者の経験上、「健康な精神は健康な肉体に宿る」という格言はあながち間違いではなく、訓練生における体力と知力には一定の相関関係があると考えています。
また、体力練成はデスクワークによるストレスを発散させる最高の習慣でもあります。

勤務時間を終えても訓練生の修練は続きます。
強制される訳ではありませんが、翌日の訓練に備えて規則や用語などについて自習を行います。もちろん、ゆっくり休んだり、仲間たちと外出する事もありますが、試験が近づくとその頻度は少なくなります。
それ故に試験を乗り越えた時の解放感は非常に気分が良いものです。
いかがだったでしょうか。決して楽な仕事ではありませんが、自らの成長を実感しながらストイックに努力を重ねる日々は刺激と充実感に溢れています。
そして、うまく管制が出来た時の快感は、何事にも代えがたいものです。ぜひ、私たちと共にこの唯一無二の道を追求してみませんか?
トピックス
今月のトピックス
1 飛行点検
2 焼き鳥フェスティバル
1 飛行点検
9月に入り、朝晩は幾分過ごしやすくなってきましたね。皆さまはどのような夏を過ごされましたか?防府管制隊は、お盆明けに「防府TACAN(タカン)定期飛行点検」という少し珍しいイベントがありました。今回のトピックスでは、タカンの飛行点検についてご紹介したいと思います。
飛行場には、無線航法援助施設というものがあります。その名の通り、無線電波を用いて航空機の安全で円滑な航行を支援する施設なのですが、タカンもその一つです。TACANのアルファベットは「Tactical Air Navigation system」を略したもので、日本語では「戦術航法装置」と訳されています。簡単に言えば、地上の送信アンテナ(多くの場合、飛行場の中心付近や、航空交通の要所に設置されています。)から送信された無線電波を、航空機に搭載された受信装置で読み取る事により、タカンからの方位と距離を知る事ができるという仕組みです。これによって、天候が悪くても航空機は現在の位置を知る事が出来たり、管制官は航空機同士の間隔を設定する事ができます。
このように、タカンは航空機の運用には不可欠な存在なので、故障や不具合が生じた場合の影響は計り知れません。したがって、その精度や作動状況等を定期的に点検する必要があるのです。タカンの飛行点検は、おおよそ半年に1回の周期で実施されます。

飛行点検を行うのは、埼玉県の入間基地に所在する「飛行点検隊」です。現在はUー680AとUー125という航空機が使用されており、写真(今回はU-680Aが来てくれました。)のような赤と白の特徴的な塗装が施されています(U-125Aには、捜索救難に従事する水色の機体も存在します)。機内には、電波の受信状況等を測定する専門員が搭乗しており、精度が定められた範囲内であるかどうかをチェックしています。
もちろん、防府管制隊の整備員もタカンの施設において点検項目に応じた作業に励んでいます。次の写真は、防府管制隊の整備員が意図的に電波の放射方位を変化させて、警報装置が正常に作動するかをチェックしている様子です。この項目では、一定以上の誤差が生じると不合格になるため、決してミスが許されない緊張感が伺えます(不合格になると最悪の場合、運用を中断する事もあり、飛行訓練が滞る可能性もあります。)

整備員や現場の管制官、そして飛行点検隊の頑張りが功を奏したのか、防府タカンはめでたく合格することができました。我々航空自衛隊の飛行安全は、操縦者や管制官だけでなく、施設や器材の保守と点検を行う整備員や飛行点検隊の絶え間ない努力の賜物なのだと改めて感じた、この夏の飛行点検でした。
2 焼き鳥フェスティバル
食欲の秋が近づいてきました。早いところでは、もうすぐ稲刈りも始まる時期でしょうか。続いてのトピックスでは、新米との相性も抜群な山口県の名物食材についての話題をお届けします。
皆さまは、山口県産の地鶏である「長州黒かしわ」をご存知でしょうか?水と空気の綺麗な山口県北西部で主に生産されており、一般的なプロイラ―の2倍である約100日間をかけて出荷しています。良質な脂肪分は臭みが少なく、ジューシーできめ細やかな肉質は旨味を多く含んでいることが特徴です。

先日、県北西部の中でも特に食鳥産業の盛んな長門(ながと)市において、焼き鳥フェスティバルが開催されました。長門市は、全国的に知名度の高い室蘭市や久留米市と並んで「日本7大やきとり」に指定されており、今回のフェスティバルでも全国の名店が集結して大きな盛り上がりを見せました。防府管制隊からも、脂の乗った働き盛りの中堅隊員達が参戦し、束の間のパライダスでゆっくりと羽を伸ばしていました。

ちなみに、「長州黒かしわ」の原種である「黒柏鶏」は防府市の玉祖(たまのや)神社が発祥の地で、現在でも境内で放し飼いにされています。天然記念物なので獲って食べることは禁止されていますが、美しく黒光りした羽毛が神々しい鶏なので、なかなか見応えがありますよ。皆さまも、ご健康に気を付けながら、食欲の秋を楽しんで下さい。
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