入間管制隊のホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。管制隊長の渡邊です。
入間管制隊は、航空自衛隊最大の人員と部隊が所在する、航空自衛隊入間基地において、航空機に対して指示や情報を与え、空の安全を守る航空管制業務を行う部隊です。
ここ入間基地は、航空機による輸送の拠点基地でもあります。日本は災害大国であることから、大規模震災等が発生した際は、救助のための人員や支援物資を被災地に届ける重要な飛行場となります。
2011年3月11日、私は初級幹部として入間管制隊に勤務しており、東日本大震災を経験しました。発災後は昼夜を問わず、今は退役したC-1輸送機が救援物資を載せ続々と北に向けて飛んで行ったことを記憶しています。当時は、息子が生まれたばかりでしたが、災害派遣に従事する自衛隊機が安全に、そして少しでも早く目的飛行場に到着できるよう航空自衛隊の航空管制官として最善を尽くすことが私の役目であると信じて任務に就いておりました。計画停電の最中、久々の帰途で入間基地に着陸するC-1輸送機に対して「がんばれー!」と懸命にエールを送る子供達に出会い、改めて、私達自衛隊が、この子達の笑顔を守らなければならないと決意したことを覚えています。
入間管制隊が任務を遂行するためには、航空機を運航する飛行部隊等と力を合わせ「One Team」となる必要があります。その実現のためには、相手に対する「敬意」と、現場を守ってくれている隊員とそのご家族に対しても「感謝」の気持ちを大切にしたい、そう考えています。
これからもチーム一丸となって任務遂行に邁進する所存ですので、引き続き、ご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
入間管制隊は昭和32年(1957年)に入間川管制分遣隊として発足し、昭和36年(1961年)に飛行場管制業務及び着陸誘導管制業務を、戦後進駐していた米軍から引き継いで現在に至ります。
入間管制隊が所在する入間基地は、航空自衛隊最大の人員と部隊数を擁しています。
また首都圏に位置しているため、総理大臣や防衛大臣をはじめとした国会議員、各種高官等VIPの輸送任務の他、防空レーダーやミサイル、航空機等の補用部品の緊急輸送などもあるため、24時間365日任務遂行の態勢にあります。
また、電車でのアクセスが良く、年に一回開催される「入間航空祭」は、県内外から10万人以上の来場者を迎える大規模なイベントとなっています。
(来場者数過去最高は、2013年の32万人)
汗ばむような日が続いた4月から一転、初夏の陽気を感じられる日が思いのほか少なく、まだまだ朝晩には寒さを感じることの方が多い今日この頃です。埼玉の暑さの本領発揮はこれからといったところでしょうか。
ゴールデンウィークも終わり、新年度の慌ただしさから少し落ち着いたこの時期に、入間管制隊は体力測定を実施しました。体力測定と聞くと、みなさんは学校で実施されるスポーツテストのようなものをイメージされるかもしれません。航空自衛隊の体力測定は、「体力測定Ⅰ」と「体力測定Ⅱ」に分かれており、前者については全隊員、後者については40歳未満の男性隊員と30歳未満の女性隊員が対象となっています。
種目別の記録に対する得点が、一定の年齢層ごとに定められており、種目ごとに得点に応じた取得級が決定し、合格基準も定められています。ⅠとⅡの各種目において、取得した一番低い級が各体力測定の級となります。
例)体力測定Ⅰ:「腕立て伏せ」 3級
「上体起こし」 3級
「3km走」 4級
→ 「3km走」で取得した4級が一番低い級になるので、体力測定Ⅰは4級
体力測定Ⅱ:「(斜め)懸垂」 4級
「走り幅跳び」 5級
「ソフトボール投げ」 3級
→ 「走り幅跳び」で取得した5級が一番低い級になるので、体力測定Ⅱは5級
年齢によって取り組む種目数は変わりますが、自衛官でいる間は毎年この体力測定を受け続けます。隊員一人ひとりが日頃の訓練の成果を存分に発揮し、記録更新を目指して頑張っています。
私たち自衛官は24時間365日、不測の事態に備え有事即応体制をとっています。ひとたび活動を開始したなら、不眠不休で行動する可能性もあります。そのため隊員一人一人が、自覚をもって日夜体力錬成に励み、過酷な任務に耐えうるよう心身共に鍛えています。退官する歳まで行われる体力測定は、隊員個々の運動能力の把握と、今後の訓練の指針となるだけでなく、日本の平和と独立を守るという自衛隊の任務に対する責任と覚悟でもあるのです。
満開だった桜の花も散り、あっという間に新緑の季節となりました。関東地方では3月に雪が降ったかと思えば、4月半ばには連日汗ばむ陽気となり、この春はとても短かったように感じます。ただでさえあわただしい年度替わり、季節だけでもゆっくりと流れてほしいと願うのは小官だけでしょうか。
この春、入間管制隊では異動にかかる行事が行われました。転出行事では、次の勤務地への期待と別れの寂しさが入り混じった表情で挨拶を行う隊員たちを、現隊員が労いと激励の気持ちを持って元気に見送りました。入間管制隊として、頼りになる仲間の転出は惜しいですが、今後の勤務地で更にスキルアップをして、また入間管制隊に戻ってきてくれることを期待しています。
いずれも入間管制隊を長く支えていただいた隊員です。
とても寂しいですが元気に見送りました。入間管制隊での勤務お疲れさまでした!
先日の記事【陸上自衛官に対するOJT】において登場した彼です。技能試験を無事突破し、資格と誇りと沢山の送別の品をもって陸上自衛隊の部隊へ帰って行きました。
(少し名残惜しそうですね。)
転入隊員の紹介行事では、上司により隊員の紹介が行われ、当該隊員が緊張しながらも意気込みを伝えてくれました。新しい隊員も加わり、入間管制隊は新体制で入間基地の空の安全を守ってまいります。
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