航空保安管制群本部  

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航空保安管制群本部

~ライトガン~                 千歳管制隊長 住田2佐


(令和8年5月更新)

 部隊運用とは、任務を滞りなく回すことではない。人を鍛え、仕組みを整え、文化を磨き続ける責任である。
 古人は言った。「不易流行」と。守るべき原理は揺るがせず、方法は時代に応じ変える。この峻別を誤れば、伝統は硬直し、改革は漂流する。

 「木を植える最良の時期は二十年前、次に良い時期は今」という格言がある。人材育成も同じだ。育成を後回しにした瞬間、二十年後の力を手放している。育成に近道はない。期待と責任を示し、挑戦の機会を与え、結果に向き合わせる。
 厳しさは悪ではない。本気で伸びると信じる意思の表れである。悪なのは理不尽と無関心だ。信じる者だけが、未来の責任を負う覚悟を持つ者だけが、正しく厳しくなれる。

 仕組みは簡潔で強靭でなければならない。資料の厚みが統率力に比例するなら、書庫が最高の指揮官になるはずだ。本質は紙幅ではなく、判断に宿る。
 形骸を削ぎ、要点を研ぐ。記録と確認は精緻に徹底する。その積層が組織を守る。

 部隊運用は管理ではない。未来を預かることである。
 言葉を尽くし、責任を引き受け、率先して背中を見せる。その積層が文化を作る。

 二十年後は今の一瞬一瞬の積み重ねである。その一瞬が、自分の、家族の、部下の、国家の運命を変える。
 木を植える者がいる限り、組織は静かに、しかし確実に前進する。
 私はまだ二十年の勤務経験を持たない。だからこそ、その来たる日に言い訳を残さない。

 さて、今日の木を植えに行こう。書庫を増やす前に。
 いつでも正しい光を射ることができる組織であり続けるために。

植木






~ライトガン~                新田原管制隊長 梶原2佐


(令和8年3月更新)

大切にしている先輩からの教え


 気が付けば先輩の立場となることが多くなり、自らが受けた先輩からの教えを、後輩に繋いでいかなければならないと思うようになりました。これまで先輩から頂いたご指導(教え)の中で、私が大切にしているものの一部を、将来の航空自衛隊を担う後輩の皆さんに紹介したいと思います。

1 安易に他人に依存しない
 休暇や出張で不在中に、同僚にサポートしてもらおうが、自分自身が担当であることには変わりはない。当然、同僚が代わりにやってくれたことも、自分自身がやったことである。同僚には感謝こそしても、責めてはいけない。そうしないと、次はきっと助けてくれない。

2 上司に丸投げしない
 悩みに悩んで、先が全く見えない場合でも、せめて腹案くらいはもって上司に相談する。上司に答えをすぐに求める行為は、自分が成長する機会を失することになる。大した苦労もせずに答えを手にして、何の向上があろうか。悩めば悩むほど成長が勝ち取れる。

後輩思い


3 逃げてはいけない
 何でこの報告をこの隊員に実施させるのだろうと思うことがある。任せることは否定しない。しかし、手柄は部下に、責めは自分に。良い報告は、部下に実施させ、悪い報告ほど、自分が行う気概を持ってもらいたい。いくら強烈な上司であっても、やせ我慢して上司と部下の間に立つ。そのような姿勢を持たないと、部下からの信頼は得られない。

 私は、これまでの勤務の中で、数々の失敗を重ねてきましたが、その度に諸先輩方に助けて頂きました。これからの厳しい時代を乗り越えていくためには、後輩の皆さんの活躍が必要不可欠です。「先輩風」ではなく「後輩思いの風」を吹かせている先輩の話には、是非、最後までお付き合い下さい。






~ライトガン~                 那覇管制隊長 清水3佐


(令和8年1月更新)

 最近、「運転者 未来を変える過去からの使者」という小説を読んだ。どん底にいる主人公が、ある日、自らを「運転者(運を転じるもの)」と名乗るタクシー運転手と出会い、人生を見つめ直し、自分を変えていくという内容だ。
 皆さんは、何をやっても上手くいかないとき、どのように考えるだろうか。自分はなんと運が悪いのだろう、この世は理不尽に不公平だ、と絶望するだろうか。

 日々の職務の中では、絶望とまではいかずとも、つまずきや焦り、不安や苛立ちは必ずある。私は現在、隊員を指導する立場にあり、自分のこと以上に隊員の苦悩に直面している。自分が未熟であるのに、後輩をどう指導すべきかが私の苦悩である。
 そんな中で手に取ったこの本には、報われない努力はないことが記されていた。短い期間の努力で結果が出ることを期待しすぎているだけ。たとえ自分自身が報われなくても、その努力は誰かに引き継がれ、必ず誰かの幸せとなる。だから努力は必ず報われるのだと。
 
 多様性、個人主義の時代にあっても、組織を重んじる自衛隊には、この「つなぐ」精神こそ不可欠ではなかろうか。自分が報われなかったとしても、後輩のため、組織の未来のため、将来の日本のためになる。だから、めげずに前向きでいよう。私の残りの自衛隊生活、後輩たちにつなぐ努力を惜しまず、また、後輩たちにその精神を伝承していこうと心新たにした次第である。
そして現在の自分、自衛隊、そして日本があるのは、過去の功労者たちがつないでくれた結晶であることも、決して忘れてはならないだろう。

   

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