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近年、募集難や退職者、休職者の増加により、人的基盤の確保は増々厳しい状況になってきております。限られた人員で任務を遂行しつつ、様々な問題による人員の減少を防いでいくためには、職場において適切な人間関係を築くことが、今まで以上に求められてきているのではないかと感じています。
今回はこの職場の人間関係について、私が日頃から意識し、隊員に指導しているポイントを3つ紹介します。
1つ目は、隊員相互に尊重し合い、思いやりの気持ちをもって接することです。職場の隊員は、任務を達成するという共通の任務を持つかけがえのない大切な仲間です。隊員一人ひとりそして全隊員がこのような気持ちを保持し、コミュニケーションを取る際は、相手の立場、状況、感情を考慮し、適切な言葉を選んで話をするよう指導しております。
2つ目は、隊員相互間で「ほどよい距離感」を保つということです。この距離感というものが、良き人間関係を築くうえで極めて大事であることは皆さんも承知のことと思います。距離が近いことは人間関係において有益となることが多いですが、お互いが求める距離感に差が生じてしまうと、不快と感じハラスメント等に繋がりかねません。相手に不快な気持ちを持たれず、かつ仕事を行ううえでスムーズにコミュニケーションをとることが可能な「ほどよい距離感」を保つよう指導しています。
3つ目は、感謝の気持ちと謙虚な姿勢を心掛けることです。そうすることで他者への尊重が深まり、信頼関係を得られやすくなります。信頼関係を構築することができれば、任務を遂行するうえで協力は得られやすくなり、勘違いなどによるハラスメントも起こりにくい人間関係が築けるのではないかと考えます。
最後に、年齢、階級、価値観等が違う様々な人が存在する職場において、適切な人間関係を築くことは決して簡単なことではありませんが、部隊長が核心となり今回述べたようなことを自ら実践し、全隊員に強く意識させることで可能となると考えます。言葉足らずではありましたが、今回の記事が皆様の職場の人間関係向上に少しでも参考になれば幸いです。
約20年前、私は飛行要員として胸を躍らせながら幹部候補生学校へ入校した。しかし、卒業直前の航空身体検査で操縦は不合格となり、その瞬間、夢を諦めざるを得ない落胆と同時に顔が青ざめるのを感じた。なぜなら、操縦者になる事しか考えていなかった私に、幹部自衛官として人の前に立ち、指導することなどできるのか、という不安があったからである。
そんな時、当時の区隊長から「お前はバランス力がある。」という言葉を頂いた。当時は何となく受け止めていたが、今は「相互の立場を尊重できる」という意味で捉えている(都合よく)。以降私は、不安渦巻く中、このバランス力という言葉にすがる様にして生きてきた。そして、今更ながら意外と重要であると思っている。
人は争う。職場でも例外ではなく、意見の相違により険悪な雰囲気になることはよくある事だ。それは皆、信念を持って仕事を一生懸命にやっているのだから仕方ない。しかし、結局は感情を持つ人間対人間である。お互いの業務を尊重・理解し、敬意を持った言葉を使うだけで、結果が大きく変わることもある。もちろん、戦わなければならない時はあるし、何よりも軸足は「任務遂行」から離してはいけない。
少し甘い考えかもしれないが、これからもバランス力を意識していくつもりである。しかし、区隊長からの言葉が、「お前は可もなく不可もない男だ」という意味だったかもしれないと、たまに不安になる。まぁいっか。
隊員の育成において「自己肯定感」と「自己効力感」を持たせることが重要であると考える。
「自己肯定感」とは、「ありのままの自分を価値ある存在として受け入れられる感覚」のことを言う。自分の良いところだけでなく、欠点や失敗も含めて認識した上で、「それでも自分には価値がある」と思える状態を指す。さらに失敗しても自分はダメだとあきらめることなく、不完全な自分を許すことができる感覚のことだ。
「自己効力感」とは、「自分にはある行動を成功させる力があると信じることのできる感覚」のことである。資格取得や業務の特定の状況や課題に対して自分はできると思えることだ。「できるはずだ」と信じている人にとっては、その過程で困難に遭遇しても粘り強く取り組み、途中であきらめにくくなる。
隊員の育成においては、自己肯定感を基礎として自己効力感を高く持たせるようにすべきである。普段から一人のかけがえのない人間として、大事な仲間として接することにより自己肯定感を確保し、小さな成功体験を積ませ、達成できたことを上司や同僚が評価することにより自己効力感を高める。
このように自己肯定感と自己効力感を高める取組を両輪とすることで隊員育成が進むのではないだろうか。
隊員は言うまでもなく「自衛隊の宝」である。その宝の価値を生かすために引き続き日々悩み奮闘していく所存である。

意思決定を繰り返すことで判断の質が低下する現象は、心理学では「決定疲れ」と定義されています。
私達は普段の生活で意識無意識に関わらず、毎日約3万5千回の意思決定を行っているそうです。その意思決定には、家を買うという大いなる決断から、朝食でコーヒーを飲むという些細な選択も含まれます。
これら大小の判断回数が増えれば増えるほど脳は決定疲れを起こし、精神的なショートカットやバイアスに頼りがちになり、結果として良質な判断ができなくなることが証明されています。
我々自衛官は、厳しい局面においても最適な行動が求められます。ですから、良質な判断をするため、平素から情報や選択肢を必要最小限まで絞る努力が必要であると言えます。
アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏がいつも黒いタートルネックにジーンズ姿だったのは有名な話です。
服を選ぶという決定を捨て、ビジネス上の決定に集中したのです。彼はまた、「最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ」とも言っています。
皆さんの職場(ハード面)や業務(ソフト面)には「決定」を誘うものがどのくらいありますか?目で見えるものや聞こえるものも意思決定の材料になります。
「なんだか疲れるなあ」「最近ミスが多いなあ」と感じる方、もしかして決定疲れになっていませんか?