青野原駐屯地
~ 入隊の軌跡 ~
自衛官候補生
旅立ち!新任地へ
2020.6.30
8AAGp Training Unit
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陸上自衛官として、2等陸士として、新たな任地へ旅立つ彼らの3ヶ月を振り返る…

ついに旅立つ自衛官候補生…いや新隊員たち


6月29日付で2等陸士となった彼らは、今日(6/30(火))駐屯地所在隊員に対してそれぞれの任地を紹介され、各人ごとに出発していきます。

このメンバーで行動するのは本当に今日の紹介行事が最後です。

…とその前に…実は昨日の日曜日に一人、先に旅立った自候生がいます。

自衛官候補生課程で任期満了し、退職した者です。


彼は3ヶ月を通して自分と向き合い、そして自衛官ではない新たな道を選びました。

…もちろん残念ではありますが、しっかり3ヶ月を全うしたことは本当に素晴らしいと思います。


そんな彼を日曜日の朝にみんなで見送りました。

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彼にはこの厳しい3ヶ月を乗り切ったという誇りと自信をもって新たな道へ臨んでもらいたいですね!

そして、本日16時30分、自衛官候補生課程修了隊員の紹介行事が行われました。

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大勢の先輩たちの前にも臆することなく、自分の行き先を胸を張って大きな声で言っていました。


ほんとに立派に成長しましたねぇ (;_;)

さて、今回が「入隊の軌跡」最終回ということで、実は6月26日(金)に各営内班の代表(各班長推薦の隊員です!)にこの3ヶ月の感想についてインタビューをしました!


質問(Q1~9)は枠内のとおりです。

  1. 特に印象に残った訓練は?その理由は?
  2. 入隊当初と現在の営内生活の印象の違いは?
  3. つらかったことは?どうやって克服した?
  4. 楽しかった瞬間はどんな時にあった?
  5. 班や区隊などの単位で一体感を感じた瞬間はあった?それはどんな時だった?
  6. 年齢が大きく違う同期とともに過ごすことに不安はなかった?
  7. Q6がうまくいった理由または難しさを克服した方法は?
  8. この教育で得たものは?
  9. 学生や転職を考えている同年代に入隊を勧めるならどんな言葉をかける?
  10. この教育が終わった今の気持ちをどうぞ(動画)

カメラで撮られながら話すことにみんな緊張していましたが、言いたいことはきっと伝わると思いますので、ぜひ最後まで読んで、そして聞いてやってください。

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第1班 柳川2士

Q1 印象に残った訓練

A1 戦闘訓練

一番陸自らしい訓練だったことと訓練直後に班長から指導されたことをみんなで話し合い、それが次の訓練の結果につながって達成感があったし、隊舎に帰ってきてからの整備も時間がない中で班の仲間と協力ができて一体感を感じることができたからです。


Q2 営内生活の印象は?

A2 最初は(年齢の違いで)警戒されたけど、もともと自分から話しかけていくタイプなので、すぐに仲良くなれました。部屋はもっと狭いと思っていたので十分だと感じたし、決まり事ももっと厳しいものだと思っていたのですぐに慣れました。


Q3 つらかったことは?

A3 2週間の戦闘訓練期間

戦闘訓練そのものよりも、隊舎に戻ってきてからの整備にすごく時間がかかったので、時間の無さで精神的に追い詰められました。でも、班でお互いに助け合ったり、愚痴をこぼしたりしてストレスを解消できたので乗り越えることができました。


Q6 年齢が離れた同期との付き合い

A6 (自分が28才なので)会話がかみ合うか不安だったけど、話しかけてみると心配するほどではなかったです。


Q9 入隊に悩む人へ

A9 興味があるのにやらないよりは思い切って入ってみれば、やめることになっても良い経験になると思います。自分は入ってよかった。胸を張って(自衛隊を)勧められます。


Q10 本教育の感想をお願いします。

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第2班 増井2士

Q1 印象に残った訓練

A1 25km行進訓練

他の訓練もしんどかったけど、最後に正門を通って駐屯地の皆さんに迎えてもらいながら歩いているときの高揚感と仲間と一緒に全員で完歩できた時の一体感をよく覚えています。


Q2 営内生活の印象は?

A2 起床が6時とか23時に寝ないといけないとかが最初はつらかったけど、今はさすがに慣れました。でも、月曜日の朝はやっぱりまだつらいです。あと、家に帰った時、親に「ごはん食べるの早くなったね」と言われました。


Q3 つらかったことは?

A3 入隊直後は体力面がすごく不安で気持ちが沈んでいましたが、1週間くらいするとベッドバディが相談に乗ってくれたり、休日などに家族が励ましてくれて何とか乗り切ることができました。
⇒ 班長たちは彼のことを「教育半ばから(良いほうに)変わった」と話していました。


Q4 楽しかった瞬間は?

A4 新型コロナの影響でG.Wに外出できなかった時期にみんなで体力練成をしたときは楽しかった。


Q8 この教育で得たものは?

A8 学生の時は積極的ではなかったけど、今は仲間が困っていたら(例えば、装具の整備が遅れていたり…など)自分から手助けするようになりました。


Q9 入隊に悩む人へ

A9 体力がなくても、スタミナや筋力は自然についてくるのですごく自慢できますよ。たぶん普通の会社だったら体験できないことができると思います。規則正しい生活や余暇の時間の使い方、それに団体生活の中で仲間意識も高まる…とか。(自分は)入ってよかったです。


Q10 本教育の感想をお願いします。

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第3班 長2士

Q1 印象に残った訓練

A1 戦闘訓練と射撃訓練

戦闘訓練は人生であんなに地面を這ったことはなかったし、砂埃もすごくてしんどかったです。射撃では銃が思ったより重く感じたし、25m射撃の後、「射距離が伸びたら当たらないんだろうなぁ」と思っていたら、意外と当たって「的が見えていたら当たるものなんだ」と驚いたことを覚えています。


Q2 営内生活の印象は?

A2 24才で入隊して周り(高卒入隊の子たち)とやっていけるかと思ったけど、予想に反して楽しく過ごせました。班の仲間も年上だからと変に気を遣わずタメ口で話してくれて同期として付き合うことができました。(入隊前は)一人暮らしだったので団体生活に最初は緊張したけど、1週間くらいで慣れました。


Q3 つらかったことは?

A3 ハイポートと体育訓練

入隊前の職場は体を動かすものではなかったので、運動中心の科目はつらかったです。でも、休日などに同期と一緒に体力練成をして乗りこえました。


Q5 一体感を感じた瞬間は?

A5 25km行進の一番最後、入門から駐屯地の皆さんに迎えられながら歩いて隊舎前で止まった瞬間、一体感や充実感、達成感をすごく感じました。みんなで歩いたから完歩できたと思っています。
あと、訓練後のごはんはいつもおいしかったです。一番好きなメニューはローストビーフ丼でした。


Q9 入隊に悩む人へ

A9 普通の企業ではできないことができる場所だと思います。仲間との協力・連携ができたとき、すごい達成感を得られます。ぜひ入隊してみてはどうですか。


Q10 本教育の感想をお願いします。

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第4班 前田2士

Q1 印象に残った訓練

A1 戦闘訓練

ほふく・偽装・射撃など一般の人たちが考える自衛隊を全て網羅しているし、やっぱり精神的にも肉体的にも一番きつい訓練だったからです。


Q2 営内生活の印象は?

(彼はあまり不安などが少なく、最後まで楽しく過ごせたようだったので違う話になりました。)

A2 もともと消防、警察、自衛隊に関心があって、特に銃に対する興味が強かったので自衛隊に入隊しました。
初めて銃を持った時は、正直なところ最初はおもちゃ感覚だったけど、実際に射撃をして、これが使い方によって凶器になることを実感してからは、教育を受けた通りにしっかり管理して慎重に扱わなければいけないと思いました。


Q3 つらかったことは?

A3 新型コロナによる外出禁止

全く出られなかったのはつらかったです。筋トレが好きだったので、仲間と体力練成をしてストレスを解消していました。


Q4 楽しかった瞬間は?

A4 班長のアドバイスで射撃が当たるようになった時と体力検定で順位が5番目になったときです。努力した結果が出たことがうれしかった。


Q5 一体感を感じた瞬間は?

A5 宿営訓練の時

みんなで協力して天幕を張っているときは一体感があったと感じました。


Q6 年齢が離れた同期との付き合い

A6 体力的に大丈夫か不安でした。(高卒すぐなら体力がある人ばかりだと思っていた。)


Q7 どうやって克服したの?

A7 地道に土・日曜日に走りました。駆け足はとにかく走るほどに早くなるので。


Q8 この教育で得たものは?

A8 粘り強さです。もともとしんどいことは後回しにする性格だったけど、(この教育では)しんどくてもやらないといけない環境にあったから、「やるべきことはやる」これが当たり前になりました。入隊前はいろんな場面で気持ちが先に負けていて、たぶん今思えばこれが健康にも影響していたと思います。よく体調不良に陥っていたので…。最近は体の調子がいいです。


Q9 入隊に悩む人へ

A9 特に今やりたいことがないなら“とりあえず入隊”でもいいと思います。任期満了すれば退職金もあるし、仮に24才で入隊しても26才退職(詳しくはこちら)ならまだまだ就職口はあると思うし、それに自衛隊に入隊したからこそ自衛隊の援護サポートも受けられるのでいいことのほうが多いのではないでしょうか。


Q10 本教育の感想をお願いします。

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第4班

村山 元自候生

Q-a 任期満了を決めた理由

A-a もともと団体行動に不安がありました。入隊してみたら、教育や訓練は大丈夫だったけど、やっぱり集団生活を続けることが無理でした。本当は4月に辞めたいと思っていたけど、先に2人が辞めていくのを見て、せめてこの3ヶ月間(自衛官候補生課程の全期間)はやろうと思いました。

⇒あえて紹介しませんでしたが、4月中旬と下旬に一人ずつ辞めています。


Q-b 周囲の反応は?

A-b みんなに「体力もあるし、学科もいいのにもったいないなぁ」と引き留められました。

⇒区隊長に確認すると実際に成績もよかったそうです。彼が頑張った証拠ですね。


Q1 印象に残った訓練

A1 戦闘訓練

泥・埃まみれになりながらの訓練だったし、体力的にもきつかったからです。


Q3 つらかったことは?

A3 生活の中で一人の時間がないこと。

ひたすら我慢しました。でも、みんなといることが辛いわけじゃなくて、ふと一人の時間がないことにストレスを感じることがあったということです。


Q4 楽しかったことは?

A4 射撃訓練と体育訓練(体力増強運動)の時間

射撃は全体の中で当たったほうなのでうれしかった。筋トレが好きだったので、体育訓練は前向きにできました。


Q5 一体感を感じた瞬間は?

A5 戦闘訓練などの整備が大変な時にみんなで分担して装備品の手入れをしたとき


Q9 入隊に悩む人へ

(「あえて勧めるなら何て言う?」…と質問してみました。)

A9 (自分は)高校の友達を誘って一緒に入隊できていれば(選ぶ道が)違ったかもしれないと思ったので、もし、自分のように団体生活に不安がある人は周りを誘って入隊すれば、入隊直後の不安が少なくて、生活になじみやすいと思います。


Q10 本教育の感想をお願いします。

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第5班 三原2士

Q1 印象に残った訓練

A1 25m射撃

数cm引き金を引くだけであんな凄い威力の弾が発射できることにショックを覚えました。班長に指導された安全管理をきちんとすることや遊び半分で使うものではないと強く感じました。


Q2 営内生活の印象は?

A2 最初は班内の誰も口を開かず無口だったけど、今ではケンカができるほど仲良くなりました。入隊当初は班内の年長がリーダーシップをとってくれて、年下がそれについて(従って)いけたことがうまくいった要因だと思います。


Q3 つらかったことは?

A3 起床が6時だったこと

今もきついです。自分は目覚ましをかけても起きられないほど朝が弱く、よくベッドバディが起こしてくれました。


Q4 楽しかった瞬間は?

A4 班長が誕生日や修了式などの行事があるたびにレクリエーションをしてくれたこと。


Q5 一体感を感じた瞬間は?

A5 区隊でハイポートをやっていたとき

みんなで足並みをそろえて走りながら大きい声を出したり、仲間同士遅れているやつを引っ張って助けたりしている姿を見たときは隊が一つになった気がしました。


Q8 この教育で得たものは?

A8 がまんすること、協力すること、責任感

あらゆる場面を通じて精神的に強くなれたと実感しています。親にも「しっかりしてきたね」と言われました。


Q9 入隊に悩む人へ

A9 自分は同じ高校の同じクラスのヤツと複数人でこの教育隊に入隊して、そのつながりから同期の輪を広めた(絆を深めた)ので、できるなら自分の友達をを誘って一緒に入隊できれば不安も少ないと思います。


Q10 本教育の感想をお願いします。

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第6班 宮野2士

Q1 印象に残った訓練

A1 戦闘訓練

(すでに入隊している)大学の先輩から聞いてはいたけど、ほふくがこんなにきつく、しかも数種類あるとは思っていなかったからです。


Q2 営内生活の印象は?

A2 こんなヤツら(同期の事です)とやっていけるんか?と思っていたけど、厳しい訓練を乗りこえる度に団結を感じていった。(別れが近づいた)今は少し寂しく感じています。


Q3 つらかったことは?

A3 普段の生活です。

寮生活の経験はありましたが、そのときよりもきつかったです。どこへ行くにも集団行動だし、決まり事も多かったし。最初は言われるからやっていたけど、でも今では「やらなければ」に変わりました。


Q5 一体感を感じた瞬間は?

A5 25km行進訓練

みんなで黙って歩いていたけど「つらくても前に進む」という気持ちが一緒だと感じました。駐屯地についた時は自分が旗持ち(先頭)でみんなを引っ張って入門したこともあってすごい達成感がありました。


Q9 入隊に悩む人へ

A9 今の仕事が楽しくない、体を動かすのが好き、だったら飛び込んでみてはどうでしょうか。一般的な仕事とは180°違うオンリーワンの職業(射撃、戦闘訓練など)なので、環境を変えるには一番だと思います。


Q10 本教育の感想をお願いします。

正直、こんなにいろんなことを話してくれるとは思っていませんでした。このインタビューの一週間前に質問内容を渡してはいたんですが…。


いやぁ、うれしいですね。

話していると「なるほど」と感心させられたり「そういう考え方もあるのか」と納得させられることがありました。

新任地や他の職業でも変わらず“常に敏感に何かを感じ取って”成長していってほしいですね。

3ヶ月という長く、しかし自衛隊人生で考えると瞬きのごとく短い期間、彼らとともに多くの訓練時間を過ごしました。

時には班長に内緒で彼らを手助けしたり、あるいは班長もびっくりするほど激指導したりしましたが、これらを通じて感じたことは、“教育の重要性”です。

地域にもよりますが、よくも悪くもまだまだ自衛隊は一般的とは言い難い側面があります。

しかし、それ故に入隊してくる者は、見るものすべてが新鮮であまり先入観がありません。

したがって、教育者の指導や態度がキビキビしていたらそういう隊員が、逆にダラけていたらやはりそういう隊員が育つのです。


だからこそ、私たちは自分をしっかり律して事に臨まなければならないと、教育隊に密着しながらもその外側から見ていた私は、改めてそう感じました。


彼らに教えてもらったことも多かった今日までの3ヶ月、新隊員のうち半分以上がここを出ていきますが、同じ陸上自衛隊にいれば出会うこともあるでしょう。

お互いに名前を忘れても顔くらいは覚えているでしょうから、その時はぜひ目をそらさず、「班長!※」と声をかけてほしいですね!

※陸曹には「班長」って言っとけば、名前が分からなくても結構反応してくれるんですよ。陸自あるあるです。

長らく「入隊の軌跡」をご覧いただきましたみなさん、つたないブログを今日まで読んで下さって本当にありがとうございました。

これを機に少しでも自衛隊に興味を持っていただいて、できれば周囲のお友達やご家族と自衛隊の話をしていただけたら嬉しく思います。

そして今後とも陸上自衛隊青野原駐屯地をよろしくお願いします。

最後に、ここを巣立った新米自衛官たちが新たな大地で活躍できますように祈りつつ…。


<(^o^)/~~~

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