いよいよ春も本番・・・と思いきや、なんと東京都心では積雪を観測!
このあたりも今朝まで雨が降り、どんより雲が空を覆っていましたが、駐屯地の桜はなんとか花を咲かせて、希望を胸にやってくる若者たちを迎えようとしていました。
我々の仲間としてやってくる若者たちに気持ちよく使ってもらおうと、教育隊の要員たちは万全の態勢を整えました。
廊下、居室、ロッカー、洗面所に洗濯室、そして乾燥室などきれいに準備していますね。
ちなみにロッカーは一人につき一枠半(真ん中は共用)、靴用のものは1つ与えられます。・・・ちょっと少ないかな?
さっそく若者たちが着隊しました。
・・・ちょっと不安気ですね。でも大丈夫!受付では広報官や教育隊要員たちが懇切丁寧に案内してくれます。
今年は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、駐屯地到着までに検温を済ませ、マスク着用で来てもらうなどの対策を行い、受付も少人数ずつ、できるだけ至短時間に済ませています。
続いて、手荷物検査があります。
ハサミやカッターナイフなどの刃物、常備薬を含む薬類などは一度ここで預からせていただき、教育隊による点検をしたのち、問題なければ本人に返されます。
手荷物検査が終われば、今後約3か月間指導に当たる担任班長が各班の居室へ案内してくれます。
まずは入隊予定者全員の受付などが完了するまで、関係書類の必要事項や準備された諸物品に氏名などを記入しながら待つことになります。
昼食の時間になりました。
自衛隊は部隊(集団)行動が基本。みんなで食堂へ向かいます。
食堂の様子は、別の機会に紹介します。
ちなみに、区隊長の話では、このときの食事の様子はみんな終始無言だったらしいです (- -;)
みんな出会ってまだ数時間ですから仕方ないですね。
でも、これが数週間たつと驚くほど親しくなっているので、その様子は楽しみにしていてください。
区隊長はじめ、要員は午後からの行動についてミーティングです。
あわせて、受付時に預かった物品の点検をしています。
午後からは入隊に向け、準備が進みます。
教育隊があらかじめ準備しておいた本教育間の生活に必要な諸物品を全員で確認したり・・・
それらの物品に記名しつつ、自分の荷物をロッカーに収納していますね。
また、別の班は薬物検査(尿検査)をしています。
こちらでは、各班長、班付(班長を補佐するとともに、班員の模範隊員となる者)が営内(駐屯地内)生活のしつけ事項を教えたり、班内の親睦を深めたりしています。
そうこうしているうちに、区隊長の面談が始まりました。
ここでは、現在の心境や家庭の事情、これまでの経験や得手不得手、趣味や持病などを確認します。
着隊した入隊予定者の身上(心情)を把握して、今後の教育をよりよくするために実施するものです。
上の写真の隊員が1区隊長、下が2区隊長です。
とても和やかな雰囲気でした。入隊予定者たちも積極的に話をしていましたよ。
ちなみに区隊長とは・・・
のことです。
班長より教育隊における立場が上位にある人ですね。
教育は、基本的に区隊単位で実施されるものが多いですから、事実上、区隊長があらかじめ定められたプログラムに沿って教育を主導していくと言えます。
だから区隊長がまず、最初に面談を行うわけです。
さて、面談中にまた別のことが始まりました。
どうやら、体育訓練で使用する被服のサイズ合わせですね。
本教育隊では、ジャージの上下、Tシャツ、ショートパンツ、迷彩シャツ、皮手袋のほか、所有の有無により、ランニングシューズ、体育館シューズ、サンダルの購入が必要みたいですね。
別の職業でいうところのスーツや作業着のようなものです。訓練に必要なので購入してもらうんですね。
なお、これをご覧いただいている皆さんが想像している“自衛官”が着ているもの、そう、迷彩服です。
これは、明日以降に貸与されます。詳しくはそのときに・・・。
夕食を終え、今日を終えるためにあと2つあります。
お風呂とベッドメイキングです。
食事のときと同様に班付が浴場まで案内します。当駐屯地の浴場がどのようなものかは別の機会に紹介したいと思います。
つづいて自分の寝床を作ります。
これも班長、班付が丁寧に教えてくれていますね。
自衛隊では常に水平直角!美しいですね。
さあやってみよう!!
・・・
・・・苦戦していますねぇ(^^;)
班長!!出番です!
「ここを真ん中にして・・・」
「これをこう入れ込んで・・・」
「こうやって直角三角形をつくるんだよ」
「この三角を作ってから・・・」
みんな三角をつくるのに苦労しているみたいです。この“三角”が気になる人はぜひ自衛隊へ!!
ではもう一度やってみよう!
今度は協力してうまくいったみたいです。
ちょうどこの時間帯に各居室、会話が生まれてきました。
自衛隊が重視する“団結”の第一歩ですね。
ようやく一日の終了を迎えます。
着隊から気が休まらない一日でした。
入隊予定者からは、
「父が元自衛官で自ら志願した」「広報官に勧められて・・・」「ほかの職業との併願で・・・」
など、様々な理由で陸上自衛隊を選んだことを聞きました。
今日の消灯ラッパを聞きながら、自分が作ったベッドの中で「明日も楽しみだ」と思う人や「やめとけばよかった」と思う人もいるかもしれませんが、そんな彼らが、教育を修了したときにどんな顔で、どんな言葉を残すのか楽しみですね。
では、今回はここまで。
最後に、係を指名された人たちの頑張っている様子をご覧ください。