今回は練度判定・・・技能試験と言ったほうがわかりやすいでしょうか、これを紹介します。
これまで練成してきた訓練課目が、自衛官候補生として必要な練度に達しているかを試されます。
先週の金曜日(8日)に基本教練(停止間・執銃時)と歩哨、そして本日(11日)に銃の分解結合の練度判定が実施されました。
まずは、基本教練から。
基本教練は自衛隊のすべての動作の文字通り基本ですから、まず服装から正さなければなりません。
班付の指導を受けてお互いに服装を直しています。
準備が整ったら、さっそく1区隊から判定開始です。
少し緊張していますかね。
続いて、2区隊です。
やっぱり緊張してますね (^^;)
なかなか頑張っていましたね。
まずこれができないと、教育後半に待つ戦闘訓練などの野外行動に支障がでます。
しかし、この様子なら大丈夫、心配はなさそうです。
各班長からもお褒めの言葉があったみたいですよ。
午後からは歩哨の練度判定です。
いつ訓練したんだ?と思われるかと思いますので、少しだけ訓練の様子をお届けしますね。
5月6日に訓練しました。
ちなみに、「歩哨(ほしょう)」というのは、いわゆる“見張り”のことです。
外敵の接近をできるだけ早く察知して対処するための重要な役割です。
写真ではわかりませんが前方から発見されないために、彼らはゆっくりゆっくり動いています。
自衛隊は激しく動き回るイメージが強いと思いますが、こうやってじっとしていることも実は多いのです。
そして、5月8日(金)、練度判定が実施されました。
青野原演習場へは駆け足です。
班長がそばで厳しい視線を送り緊張感が高まる中、自候生たちは不定期に現れる仮想敵(班付がやってます)を見逃すまいと目を凝らしていました。
ちょっと写真では伝わりにくいんですが、とても静かに、班長に指導されたことを忠実に遂行していました。
片方が敵を見落としても、もう一人がすぐにフォローして連携もしっかり取れていましたね。
しゃがんで草の中を進んでいるのは交代に向かっている様子です。
見張りが敵にみつかっては話になりませんから、とにかくひっそりとしなきゃダメなんです。
ちなみに、壕(ごう)と呼ばれるこの訓練で使用した穴ですが・・・
こんな感じになってます。
班長と班付が準備しました。
近い将来、彼ら自身が訓練の中で掘ったり、あるいは教育隊の班長として準備することになります。
最後は銃の分解結合ですね
本日(11日)に実施されました。
分解結合は以前に掲載しましたので、雰囲気だけのお届けです (^^)
目の前に班長がいて、時間まで計測されて緊張していましたが、しっかり実力を発揮できていました。
どうだったでしょうか?
特に基本教練は動画でご覧いただきましたが、なかなか様になってると思うんですが?
もちろんまだまだ直さなければならないところはたくさんありますが、入隊からひと月、執銃の訓練は時間にして数日分だけですから、まずはこれだけできれば十分合格です!
歩哨訓練は写真だけでは伝えきれない難しさがあります。
監視の仕方、報告要領、交代要領など事細かく決まっていることをわずか一日で彼らはなんとか覚えました。
これは彼ら一人ひとりが寸暇を惜しんで勉強をした成果ですが、それを支えたのはやはり仲間の存在だと思います。
取材をしていると、訓練の待ち時間に仲間とその要領を確認しあう姿をいつも目にします。
課目によって練度に個人差がありますが、できる者は苦手としている者に積極的に教え、苦手な者も決して気後れせず得意とする者に自ら教えを乞う・・・
私は他の組織を知りませんが、これほどの数の人間が誰一人遅れることなく、助け合って課題を克服できることは本当にすごいことだと思っています。
まだ、彼らはこのすごさ、すばらしさに気づいてはいないと思いますが、これからさらに厳しい訓練に挑むとき、そしてこれをみんなで乗り越えたとき、きっと何か感じてくれると思います。
さて、今回はここまでです。
彼らはこのあと休暇に入る予定です。
本当は一度自宅へ帰り、ご家族に元気な姿を見ていただきたくて準備した期間なのですが、この度の自粛要請延長に伴い、残念ながら原則外出はできません。
遊び盛りの彼らにとっては本当につらいと思いますが、ぜひこれを自らを鍛える好機と捉え、6月下旬の修了式でご家族に立派な姿を見せることができると信じて乗り切ってほしいですね。
ではまた <(^o^)