これまで日本は日本国憲法のもと、専守防衛を貫き、ほかの国を脅かすような軍事大国とならないとの基本的な考えで、国の防衛に取り組んできました。ここでは、このような日本の防衛の基本政策について見ていきましょう。
専守防衛
専守防衛とは、外国から武力による攻撃を受けた時にはじめて防衛力を用い、その場合であっても、日本を守るために必要最小限のものにとどめるなど、憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢のことをいいます。
軍事大国とならないこと
日本は、国を守るための必要最小限を上回り、ほかの国を脅かすような強大な軍事力を保持することはありません。
非核三原則
非核三原則とは、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずという原則を指し、日本はこれをかたく守っています。
文民統制の確保
文民とは一般に軍人ではない人を指すとされています。文民統制はシビリアン・コントロールともいい、民主主義の国において国民の代表である政治が軍事力を統制することを意味します。
日本の場合、国会、内閣、防衛省という三つのレベルで、政治による自衛隊への統制がはたらく仕組みを設けています。
まず、国民を代表する国会が、自衛官の人数、主な組織などを法律・予算の形で決定するといった権限を持っています。
次に、内閣の一員である内閣総理大臣や防衛大臣は、憲法において文民でなければならない、つまり、現役の自衛官であってはならないとされています。内閣総理大臣は自衛隊に対する最高の指揮監督権を持っており、防衛大臣は自衛隊の仕事を統括します。
防衛省においても、防衛大臣がトップとして自衛隊を管理・運営することに加え、防衛副大臣、防衛大臣政務官などが防衛大臣を助ける体制をとっています。
以上のように、文民統制の制度を整備していますが、これがきちんと機能するためには、国民のみなさんひとりひとりが国の防衛に対して関心を持っていただくことが重要です。