①国の防衛(ぼうえい)はなぜ必要なの?

国の防衛はなぜ必要なの?

 みなさんは自衛隊(じえいたい)が何をするための組織(そしき)であるか知っていますか。
 自衛隊(じえいたい)の一番大事な、そして自衛隊(じえいたい)にしか果たすことのできない任務(にんむ)はわたしたちの国、日本を防衛(ぼうえい)することです。
 政治(せいじ)経済(けいざい)、社会のあり方を、ほかの(だれ)かに強制(きょうせい)されるのではなく、わたしたち自身で決めていくためには、わたしたちの国の独立(どくりつ)を守らなければなりません。また、平和と安全はわたしたちが安心して生活し、繁栄(はんえい)を続けていく上でなくてはならないものです。
 しかし、こうした国の独立(どくりつ)や平和そして安全は、残念ながら願うだけで実現(じつげん)できるものではありません。
 例えば、みなさんが強盗(ごうとう)にあったり、暴力(ぼうりょく)をふるわれたりした時、警察(けいさつ)()べばすぐに助けがきて、犯人(はんにん)逮捕(たいほ)してくれると思います。しかし、国際(こくさい)社会では、ほかの国に何かを(うば)われたり、攻撃(こうげき)をされたりしたとしても、警察(けいさつ)のように(たよ)れる存在(そんざい)はないのです。
 話し合いや協力といった手段(しゅだん)により、平和や安全が(おびや)かされるような状況(じょうきょう)になることを未然に(ふせ)ぐことはもちろん重要です。しかし、国を確実(かくじつ)に守るためには、日本がきちんと自分たちの国を守る意思と能力(のうりょく)があることを周りに(しめ)し、日本から何かを(うば)うのは(むずか)しいとほかの国に思わせることが必要です。さらに、それでもほかの国に()()まれるような場合には、確実(かくじつ)に守り切るようにしておくことが必要なのです。
 自衛隊(じえいたい)が多くのお金と労力をかけて、どのような状況(じょうきょう)にも対処(たいしょ)できる力を(つね)維持(いじ)しているのは、ほかの国と戦争をしたいからではありません。自衛隊(じえいたい)万全(ばんぜん)態勢(たいせい)を整えているということを(しめ)すことで、ほかの国に「日本とは戦争をしたくない」と思わせ、戦争が起きないようにすることが自衛隊(じえいたい)にとっての一番の勝利なのです。このようにほかの国に対し、日本を()めることを思いとどまらせる力を「抑止力(よくしりょく)」といいます

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