航空自衛隊の職種の一つである空中輸送員(ロードマスター)には、CH-47JやC-130H等の輸送機の空中輸送員と政府専用機の空中輸送員(民間機の客室乗務員に相当)があります。
   輸送機の空中輸送員は、乗客に対して所要のブリーフィングを行うほか、貨物室の責任者として、出発地では人員、貨物の搭載しゃ下に関する計画の立案及び機体の重量重心の算出を行います。また、飛行中は人員、貨物の監視、緊急状態発生時における機内の安全確保等の業務を行い、経由地では出発地と同じく、次の飛行の機内準備、乗客に対して所要のブリーフィング等を行います。
   我々ヘリコプター空輸隊は、CH-47Jにより主要航空基地間及び全国に点在する離島や山間部のレーダーサイト等を結ぶ端末空輸を行っています。また、災害派遣では、被災者等及び救援物資等の空輸のほか、空中消火活動を行うこともあります。
   CH-47Jの空中輸送員になるためには、特技を問わず、部隊に配置されている隊員の中から希望者を募り、選抜試験に合格したのち、第3輸送航空隊(美保)の空中輸送員基礎課程及び空中輸送(戦術輸送)員課程に入校し、卒業後、各ヘリコプター空輸隊に配置となります。
Q.空中輸送員になろうと思ったきっかけを教えてください。
A.消防員として勤務していた頃、ヘリコプター空輸隊との搭乗員救出訓練実施中、機体の説明を行っている空中輸送員の自信に満ちたかっこいい姿に憧れました。それをきっかけに空中輸送員という職種について興味がわき、自分もなれる可能性があると知り、希望しました。
Q.空中輸送員になるために努力したことは何ですか?
A.選抜試験には学科試験と口述試験があるので、学科試験の準備、口述試験の演練を行いました。また、空中輸送業務に関する情報収集を行い、体力が必要な職種であると知り、体力練成も行いました。
Q.空中輸送員になって1番思い出に残っていることは何ですか?
A.初めての訓練飛行で、機内から見た空、飛んでいる感覚が一番思い出に残っています。その時、実際にフライトをしているという感動とともに、一つ一つの行動が命に関わる危険な状況につながるかもしれない航空業務の責任の重さを感じました。
Q.空中輸送員になって良かった点を教えて下さい。
A.フライトはパイロットやエンジニアと連携し、全員で一丸となって取り組まなければなりません。難しい場面もありますが、任務を完遂した際の達成感が非常に大きいのが、良かった点だと思います。また、私は那覇で勤務しているのですが、天候が良い日のフライト中に時折目に入る海はとても綺麗です。時には鯨や海亀が見えることもあります。
Q.空中輸送員として勤務する中で、大変だと感じることはありますか?
A.CH-47Jの空中輸送員は、一般的な人員貨物の輸送だけではなく、救難ホイストの操作、機外に装備されているカーゴフックを使用しての貨物の懸吊、空中消火に用いる消火バケットの操作、飛行場以外の場所に着陸する際の航空機の着陸誘導等、多種多様な業務を行っています。それに伴う訓練、準備が大変だと感じるときもありますが、どれも重要なものなので、やりがいがあります。