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機上整備(CH-47J)

三沢ヘリコプター空輸隊 2等空曹 古木 聡尋


   航空自衛隊のCH-47J輸送ヘリコプターには機上整備員(FE:フライトエンジニア)が搭乗し、飛行に必要な各種飛行データの算出、飛行中の各種機器の操作、システム監視、不具合発生時のパイロット補佐などを行っています。加えて、必要に応じ、地上において軽易な整備作業を行うこともあります。まさに整備員、パイロット、空中輸送員の架け橋的存在であり、航空機のシステムから運航及び航空輸送に関わる幅広い知識、過酷な環境においても各種作業をおこなう技術、体力及び不屈の精神力が求められます。また、ヘリコプター空輸隊の主たる任務は空中輸送ですが、災害派遣にも出動します。
   機上整備員になるためには、隊員の中から選抜される試験を受けて合格しなければなりません。選抜試験に合格した隊員は、茨城県の陸上自衛隊航空学校での「上級陸曹機上整備員課程」において、数か月間の厳しい教育及び訓練を受け、機体の構造及び機能に関する知識を修得します。卒業後は、三沢、入間、春日又は那覇基地に所在する、いずれかのヘリコプター空輸隊において勤務することになります。




Q.機上整備員になろうと思ったきっかけを教えてください。

A.CH-47Jの整備に携わる中で、機上無線員と接しているうちに、航空機に搭乗してみたいと思ったのがきっかけです。機上整備員の方が、航空機の構造機能に幅広く精通し、整備員と懸け橋となり、パイロット及び空中輸送員とも連携しながら任務を遂行する姿に憧れて希望しました。



Q.機上整備員になるために特に努力したことがあれば教えてください。

A.前特技が計器整備であり、計器系統には自信があったのですが、機体構造やエンジン系統、油圧系統など計器以外の系統に関する知識がほとんどなく、全系統に関する知識及び技能を習得するという点について特に努力しました。
また、油に触れるような整備作業は行ったことがなかったため、時間をかけて技能習得に努めました。



Q.機上整備員になって思い出に残っていることがあれば教えて下さい。

A.陸上自衛隊での上級陸曹機上整備員課程では、飛行訓練の課目「緊急手順」の時に、私自身がパニックになり、地上での訓練とは違い、平常心でいることの難しさを痛感させられました。厳しい中にも愛情ある指導を受けて無事課程を修了できたこと。また航空自衛隊に戻り、TR訓練(訓練可能航空士)を乗り越え、OR(行動可能航空士)として初めてフライトし、離島への空輸任務を降雪の中で実施し、緊張しました。その中でも任務を達成できたことは感動的であり、一番の思い出です。



Q.機上整備員になってよかったと思うことがあれば教えて下さい。

A.各種任務及び訓練を通じて地上勤務では体験することのできない経験をできることです。また、CH-47Jの空中輸送能力を生かした任務を遂行できた時の達成感は忘れられません。さらに、上空から四季を感じることができることです。



Q.今後の目標を教えて下さい。

A.航空機に関する知識、技能を向上させ、どんな任務にも臨機応変に対応でき、パイロット、空中輸送員及び航空機整備員に信頼される機上整備員になることです。今後もコミュニケーションを図り、日々努力していきます。