専門基礎(理工学専攻)

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理工系のどの分野に進んでも必要な基礎知識を修得することが目的です。
 いずれも高等学校で学ぶ数学、物理、化学が重要な基礎となっており、第1学年、第2学年にまたがって履修します。また、防衛大学校の特色に鑑み、学年制を考慮したカリキュラムとなっています。

何を学ぶ?どう学ぶ?

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第1学年で履修する科目の殆どは言うまでもなく、高等学校までに勉強したことを基礎として授業が進められますから、受験科目だけではなく、高校での主要な科目については、すべて学習しておく必要があります。
 理工系では、数学Ⅲまでは当然とし、採用試験で化学を選択した学生も物理基礎程度は履修しておかなければなりません。化学基礎についても同様です。
 人文・社会科学専攻の学生についても、専門基礎ではありませんが、教養教育の必須科目として数学、物理、化学があるため数学Ⅰ・Ⅱなどもよく理解しておいてください。

主な科目とその概要

数学Ⅰ

行列および行列式の基礎理論について、主に連立1次方程式を題材として学びます。

数学Ⅱ

1変数関数の微分および多変数関数の偏微分を学びます。応用として、不定形の極限、1変数関数の増減や極値、2変数関数の極値などを求めます。

数学Ⅲ

1変数関数の積分および多変数関数の重積分を学びます。応用として、曲線の長さ、面積、体積、曲面積などを求めます。

理工学入門

第1学年初学期に専門学科に係る様々なトピックスに触れ、基礎学力を向上する機会です。教官の専門を生かしたたくさんのテーマが用意され、高等学校で身につけた能力に応じて学びます。

物理学Ⅰ

物理学の基礎として、力学的運動が、微分・積分という基本概念から構成されていることを学びます。その際、物体を質量が一点に集中した大きさのない点(質点)の運動として扱います。

物理学Ⅱ

惑星や人工衛星の運動など、複数の質点にかかわる運動を学びます。さらに、大きさのある物体を、運動中に質点間の相対位置が変化しない体系(剛体)として捉え、回転運動の効果などを学びます。

物理学Ⅲ

電磁気的な力を電場や磁場の概念から理解し、荷電粒子の運動や、電磁場の時間変化によって生じる典型的な現象について学びます。

化学Ⅰ

原子構造と周期表の関係、さらに分子構造と分光学との基礎的な関係を学ぶことにより、化学の基礎に対する理解を深めます。

化学Ⅱ

化学反応や化学熱力学の基礎について学びます。さらにその応用として溶液、電気化学、さらには固体物性に対する理解を深め、化学物質の一般的知識を広げます。

基礎科学実験

光速の測定、電磁誘導現象、酢酸エチルの合成、生体構成物質の抽出などの実験を行い、自然科学現象を観察したり基本的な定数を求めるなどの体験をします。

化学実験

アセトアニリドの合成、酵素反応を利用した不斉還元、酸化還元滴定、凝固点降下法による分子量測定、反応速度の測定などの基本的なテーマで化学実験を行い、化学の理解を深めます。

物理学実験

音速の測定、電流がつくる磁場、光のスペクトル分解、放射線吸収などの実験を行い、報告書を作成します。考察する力や報告書を書く力を身につけます。

授業科目と単位数

教育・訓練