教育課程

授業風景の写真

防衛大学校の教育課程は、文部科学省の定める大学設置基準に準拠し、教養教育・外国語・体育・専門基礎の科目と専門科目(人文・社会科学専攻及び理工学専攻)を一般大学と同じように教育するとともに、本校独自の防衛学(防衛に関する学術分野)の教育を行います。
 その他にも国内外の著名人による全校的な課外講演や、内外の教授による学科単位の特別講義、授業の一環としての施設見学などがあります。

本校の教育の特色は、文理交差教育を重点とした教養教育と並んで、外国語、体育、防衛学、専門基礎を単なる共通教育ではなく、幹部自衛官に必要な全学共通基盤教育と位置づけ、専門教育及び専門の枠を超えた教育プログラムを並立させているところにあります。プログラム履修生は、各プログラムの指定する科目の単位を修得することによって、所属する学科での学士号のほかにプログラム修了証書を受け取ることができます。

学位について

本科卒業生には、他の一般大学と同様に学位(学士)が授与されます。
 ※注:平成3年度より、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構による外部審査を経て、学位(学士)が授与されます。

取得できる学位
人文・社会科学専攻学士(人文科学)、学士(社会科学)のいずれか
理工学専攻学士(理学)、学士(工学)のいずれか

本科教育体系

教育体系の概要は(図1)のような構成になっています。教養教育における文理交差教育は、平成24年度のカリキュラム改正の際に重点化された考え方であり、建学の精神に基づいて、理工学専攻の学生に対する人文・社会科学教育、人文・社会科学専攻の学生に対する、自然科学及び工学教育を強化する内容になっています。学際教育は学群学科の枠を超えたカリキュラムであり、危機管理、安全科学、生命科学の3つのプログラムがあります。国際教育は多文化理解とコミュニケーション能力開発を目的とした国際交流プログラムと、本科学生の約5%を占める留学生との共同生活、本科学生の約10%に機会の与えられる海外派遣等によって充実が図られています。

(図1)本科教育体系図

文理交差教育

理工学専攻では、(図2)のように、社会科学基礎としての「政治学」「経済学」「法学」(うち2科目必修)だけでなく、「思想と文化(または心理学)」「歴史概論」「近現代史概説(または日本外交史)」「国際関係論基礎」「地域研究」などの科目を必修として学びます。なお、自校史教育である「戦後史と防衛大学校」のほか「憲法」と「国際法」は専攻にかかわらず必修科目となっています。

人文社会科学専攻では、(図3)のように、 「数学」「物理」「化学」といった自然科学の基礎科目だけでなく、地球海洋ほか工学系の学科の開講する、各分野の現代科学入門ともいうべき<実践的理科教育科目群>の中から2科目が教養の必修となっています。さらに、3学年次には物理・化学・生命化学を内容とした「自然科学実験」が教養必修科目として新設されました。人社系の場合、専門基礎として新設された「社会現象と統計」と合わせて、実験やデータ処理も学ぶことになります。

(図2)文理交差教育概念図(理の文)

(図3)文理交差教育概念図(文の理)

新しい教育プログラム

人社系3 学科、理工系11 学科による専門教育以外に、専攻や学群・学科の垣根を越えて柔軟な科目履修を可能とする、新たな教育プログラム制度が2012 年度からスタートしています。この制度は、各学科の必修科目等をコアとし、教養教育科目だけでなく、他学科・他専攻の特色ある科目を有機的に組み合わせたり、新科目を共同で開発するなどして、各学科の主たる教育体系を損なうことなく時代の趨勢に応じた新たな教育分野を展開することができるようにしたものです。
 現在、学際教育分野には、本校の特色を生かした「危機管理」「安全科学」「生命科学」の3 つのテーマ別プログラムがあり、プログラム履修を希望すれば、所属学科以外の複数学科にまたがる教育科目を各テーマに沿って学ぶことができ、学際的な視点から準専門的知識を修得し、視野を広げ、総合的な問題解決能力を高める素地が得られます。また、これらとは別に異文化コミュニケーションに重点を置いた国際教育分野には国際交流プログラムがあります。
 皆さんは、2 学年に進級後、各学科のプログラム・コースごとに指定された科目群の中から必要な単位を修得すれば、各プログラムの修了証書を受け取ることができます。なお、いずれのプログラムも修了のために卒業に必要な単位が増加することはありません。

新しい教育プログラムの図

(1)危機管理プログラム

21世紀の現代にあっては、安全保障環境の不確実性、不透明性、自衛隊の任務の地理的、機能的な拡大等が加速度的に進行しています。こうした事態への対応力を高めるため、危機の予測、回避、対処、再発防止に関する危機管理学と、それを技術的に支える方法論について学習します。

主なプログラム科目

「危機リスク管理原論」、「危機管理政策」、「危機事案研究」、「災害組織論」、「化学災害概論」、「バイオセキュリティ論」、「防災工学」、「土木地理学」

(2)安全科学プログラム

防衛・防災システムが非常事態において正しく機能するためには、システム全体が健全な状態に保たれていなくてはなりません。そこで、従来の自然科学、工学、人文社会科学や身体運動の科学といった枠を超え、非常事態という特殊かつ極限的な環境において、人間を含めた組織、機能の安全を保障するための総合的な科学技術体系を構築するための基礎について学びます。

主なプログラム科目

「安全科学総論」、「放射線の科学」、「システム工学」、「情報セキュリティ概論」、「強度設計」、「船舶工学」、「飛行制御システム」、「大規模災害概論」、「身体運動の科学」

(3)生命科学プログラム

近代科学の発展は、他方で危険な微生物や化学物質による安全保障上の新たな脅威をもたらしています。こうした生命環境の変化に対応し、生物・化学兵器対処や、汚染の除去といった自衛隊に新たに求められる任務遂行に必要な、生命科学等に関する基本知識と生命科学分野における課題を化学の基礎に基づいて理解し解決するための基礎を学びます。

主なプログラム科目

「生命化学」、「生体分子化学」、「微生物学」、「防災化学」、「生命と情報」、「科学と倫理」、「危機管理特論」

(4)国際交流プログラム

自衛隊活動の国際化に対応して、多文化理解の素養や国際的なコミュニケーション能力を集中的に習得します。具体的には、さまざまな国々の文化、英語以外の第二外国語の会話を重視した基礎知識、そしてインターネットとともに発達した新しいメディアによる多様な国際的なコミュニケーションの可能性などを学びます。

主なプログラム科目

「多文化共生論」、「異文化コミュニケーション概論」、「日本文化史」、「地域研究」、「地域情報学」、「インターネットメディアコミュニケーション」、「独・仏・中・露・朝鮮・アラビア・ポルトガル語特講」

教育・訓練