応用化学科

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化学は物質の結合、反応、物性などを探求し、理解する学問であり、目的に合った特性、機能を持つ物質を創造する学問です。
 応用化学科では、無機化学、有機化学、物理化学、分析化学などの基礎的な教育分野と、反応化学、燃料化学、火薬学、生物化学などの応用面の教育研究分野を網羅しています。したがって、材料・資源から環境・生命、さらには防災・減災までの一貫した知識体系が構築され、自然や化学への興味を深めるだけでなく、化学に関連した事象への対応力が培われます。
 応用化学科での3年間は、合理的な思考に基づいた正確な判断力・実行力を身につけた自衛官の育成に結びつきます。応用化学科は、理工学系学生に共通した基礎教育を担う伝統な学科ですが、常に先端科学を見据えて研究領域を拡充し、新しい分野に挑戦する学科でもあります。

何を学ぶ?どう学ぶ?

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応用化学科には、応用無機化学、応用有機化学、応用物理化学、応用分析化学、高分子化学、反応化学、燃料化学、火薬学、生物化学、細胞分子生物学、ゲノム生物学の11教育研究分野があります。
 各分野に共通した基礎的な知識から、応用・発展的な内容への理解が深まるように、各講義・演習科目を体系的に配置しています。各教育分野が有機的に連動することにより、専門的な知識をさらに深めていくことができます。
 第4学年の卒業研究では、11の教育研究分野からテーマを選んで、教官のマンツーマン指導を受けることができます。選んだテーマに基づき、1年かけて実験・議論を繰り返し、卒業論文を完成させます。

主な専門科目とその概要

無機化学

各元素の性質と化学を周期律表を基に講義。原子構造、化学結合、量子力学についても学びます。

有機化学

有機化合物の諸特性と反応性に関する系統的な理解を促すための講義を行います。

物理化学

物質を構成する原子や分子が集合して存在している場合を様々な熱力学関数をもとに解釈して、平衡論についての理解を深めるとともに、物質の変化を取り扱う上での基礎知識を得ます。

分析化学

溶解、分離、濃縮、元素の化学状態の分析について、また、その理論的基礎となる溶液内化学平衡の概念、溶液内化学反応の特徴、各種化学平衡とその分析化学への応用について学びます。

応用無機化学

遷移元素(d電子及びf電子元素)、電子不足結合、混合原子価化合物、錯体、無機溶液化学、機能性無機材料についての講義を行います。

応用有機化学

有機化学の基礎を反応論と構造論から正しく理解することが目的。官能基別に講義を進め、複雑に見える有機化合物の性質や反応がどのような法則のもとに理解されるのかを講述します。

応用物理化学

量子力学と分光学により原子構造、分子構造及び化学結合について講義します。

高分子化学Ⅰ

繊維やプラスチックの素材である汎用高分子から高性能・高機能高分子にいたるまで高分子素材の合成法及び成型法を明らかにします。

反応化学

反応速度定数について経験則から統計論的アプローチまでの広い範囲を講義するとともに、物質移動等の化学工学の初歩に触れることにより化学反応の基礎と応用の橋渡しも試みます。

燃料化学

化石燃料の将来やその有効利用について環境問題と関連して学習。その有効利用については燃料電池の種類や構造、実現性などについても考えていきます。

火薬学Ⅰ

黒色火薬、産業用爆薬、高性能爆薬、ロケット用推進薬などの火薬類の性能及び試験法、発破などの基礎知識とともに、燃焼と爆轟の違いについて学びます。

生命化学Ⅰ

細胞の構造をはじめ、糖質、アミノ酸、脂質など生命維持に必要な化学物質の構造、性質について学びます。さらにたんぱく質、酵素、核酸などについても講義します。

細胞生物学

生きた細胞内で起っている出来事(成長、合成、分解、分裂等)について学習します。さらに植物や微生物などを用いたバイオテクノロジー技術についても講義します。

化学演習・応用化学ゼミ

第1学年、第2学年で学ぶ化学の基礎的な事項や、第3学年、第4学年で学ぶより高度かつ専門的な内容に関してそれぞれ演習問題を解きつつ化学全般についての理解を深めます。

授業科目と単位数

教育・訓練