機械工学科

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機械工学は、身の回りにある家電製品をはじめ、生活に欠かせない自動車などの工業製品から人と動物の動きを模擬するロボット、宇宙探査のためのロケットやローバまで、あらゆる機械を生み出す「ものづくり」の学問です。
 熱、流体、材料、機械運動など機械工学の基礎となる力学科目から、機械の制御、新材料の創成、加工の技術、ロボットの設計など先端の題材を扱った科目まで、基礎と応用を体系的につないで学ぶことで、知的想像力に富み、合理的で柔軟な思考力を持つ人材の育成を目指します。

何を学ぶ?どう学ぶ?

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1.機械工学の基礎となる「4つの力学」
 機械を動かすための動力の発生原理を学ぶ「熱力学」、流体の性質や動力としての活用を学ぶ「流体力学」、壊れない機械に必要な材料の強さを学ぶ「材料力学」、機械の動きの性質を学ぶ「機械力学」、これら4つの「力学」を通して、「ものづくり」に必要な機械工学の基礎を修得します。

2.機械の性能を向上させる技術
 機械を効率よく動かすための制御技術やコンピュータの活用術、電子工学や人間工学の融合により複雑な機械の動きを可能にするメカトロニクスや生体機械工学、強度に優れた機械の材料を創りだす機械材料学、精度よく効率的に部品を製作するための加工学などを、実例に即した教育や演習を通して学びます。

3.「ものづくり」の実践
 モノの構想を具体化するのに必要な「設計と製図」を演習し、材料を加工して実際のモノを作る「基礎機械実習」の体験を通して、「ものづくり」の構想から製造までの過程や加工技術を学びます。

4.機械工学の総仕上げ
 卒業研究では、それまでに修得した機械工学に関する知識・技術を使って、学生が選んだテーマを教官の指導を受けながら研究することで、未知の問題を自ら解決する能力を養います。

主な専門科目とその概要

熱力学

熱エネルギーと動力との関係を学習し、応用としてガソリンエンジンなどの熱機関の原理を修得します。

流体力学

流体の物理的性質を理解し、空中、水中を推進する原理を学び、流体からエネルギーを取り出す原理を学びます。

材料力学

材料の強さと変形に対する考え方を学び、構造物や機械を設計する技術者としての基礎知識を養います。

機械力学

機械とこれらを構成する要素および部材の振動現象を解析的かつ物理的にとらえる能力を養います。

機械材料

機械材料の基礎知識について、代表的な金属やセラミックスから新素材やナノマテリアルまで幅広く修得します。

制御工学

動的システムの基礎概念について、フィードバック系を中心に周波数領域での取り扱い方を修得します。

自動車工学

エンジン特性や走行性能および振動と乗り心地から操縦安定性までの基礎知識を習得します。

精密加工

工業製品の表面を高精度に仕上げる切削、研削、研磨に関する精密加工の基礎知識を学び、加工のメカニズムや加工現象について修得します。

メカトロニクス

ロボットアームを思い通りに動かすために必要なモータ制御の知識や動作の作り方について学びます。

システム制御

実システムで実際に利用されている、システム制御技術の基礎的な概念について学びます。

生体機械工学

人の動作の仕組み、生命維持、生物の動きについて、機械力学、機構学、材料力学、流体力学などの観点から、工学としてとらえて理解します。

機械設計製図

基礎科目で学んだ知識を駆使して設計計算を行い、コンピュータによって設計図面に表現します、概念図、組立図、部品図と「ものづくり」現場を仮想体験します。

機械工学実験

座学の知識およびその関連性を深めるとともに、各教科の実際の現象や各種機械の性能評価、測定機器の取扱い方、データ整理法などを体験します。

コンピュータ演習

コンピュータの基礎知識について学び、それを動かすソフトウエアの仕組みやプログラミングの技法を演習を通じて修得します。

機械工学創造実習

これまでに学んだ知識を活用して、設計から制作、試験まで「ものづくり」の一連の過程を実体験で学びます。

授業科目と単位数

教育・訓練