島嶼部を含むわが国に対する攻撃への対応

 対水上戦等の各種作戦に加えて、電磁機動戦などの新たな領域における情報作戦等の非物理的作戦を組み合わせた領域横断(クロス・ドメイン)作戦を実施するとともに、陸空自及び米軍の各部隊とも連携して、敵の侵略を阻止します。

対潜水艦戦

 潜水艦の捜索から撃沈までの一連の作戦を対潜水艦戦といいます。近年、運動性能、静粛性、攻撃力が向上し、半永久的に潜行を続けることのできる原子力潜水艦の増加により、海上交通の安全に対する脅威がさらに大きくなっています。
 このような状況に対応するため、自衛艦隊は装備の近代化を着実に進めるとともに、隊員の技能、練度の向上に努めています。

対空戦

 対空戦は、空からの攻撃に対し、船団や水上艦艇を防護することを目的としています。対空戦では、各種武器を用いて縦深性のある防御網を構成することが必要であり、自衛艦隊は対空戦を得意とするイージス護衛艦(左)の装備を推進しています。

対水上戦

 近年、多くの水上艦艇は射程の長い艦対艦ミサイル(SSM)を装備しており、水上での戦闘は遠距離からのSSMによる攻撃が主流となっています。
    水上攻撃能力は、上陸侵攻を企図する艦艇を攻撃するため、また、相手のSSM装備艦艇による攻撃から我が国の船舶を防護し、海上交通の安全を確保するため欠くことのできないものです。

機雷戦(対機雷戦)

 機雷戦とは、敷設された機雷に対して、その脅威を回避、排除または防御して、使用しようとする港湾や水路などに敷設された機雷の脅威から安全な状態を得るための作戦です。
自衛艦隊では、主として掃海隊群所属の掃海艦艇により、機雷の捜索、探知、識別、潜水士や掃海具などによる処分を実施して、わが国の海上交通の安全を確保します。

機雷敷設戦

 機雷敷設戦とは、わが国(特に島嶼部)に侵攻しようとする敵艦船を機雷によって撃破またはその行動を制約するために所要の海域に機雷を敷設する作戦です。
自衛艦隊では、主として掃海隊群が本作戦を主導します。

電磁機動戦

 電磁機動戦(EMW)は、電子戦を包括する概念であり、電磁波作戦環境を掌握して、適切な電磁波管理の下において、我の電磁波運用と敵の電磁波制圧を行うことで電磁波領域における相対的優位性を獲得する作戦です。

統合防空ミサイル防衛

 わが国の弾道ミサイル防衛は、イージス艦による 上層での迎撃とペトリオットPAC-3による下層での迎撃を、連携させて効果的に行う多層防衛を基本としています。

統合防空ミサイル防衛能力向上への取組

護衛艦「まや」及び「はぐろ」は、令和4年11月16日及び19日に米国ハワイ州カウアイ島の太平洋ミサイル射場から発射された弾道ミサイル標的に対して、SM-3ブロックⅡA(まや)及びSM-3ブロックⅠB(はぐろ)による迎撃する試験を実施しました。発射した迎撃ミサイルは、大気圏外において標的にそれぞれ命中し、迎撃試験に成功しました。 このように海上自衛隊は、弾道ミサイル迎撃能力の向上を図り、統合防空ミサイル防衛能力の整備に努めています。