受講前は陸上を焦点とした思考でしたが、本講習を通じ野山を越え、海を渡り、空を飛び、世界規模へと飛躍することができました。
講習では豊富な識能・経験を持つ教官・講師から多くの事を学びました。現在進行形で変化する世界情勢を始め、国連の成り立ち・背景や関係法令等を教官等の体験談を交え、ディープかつアカデミックに理解することができました。
総合研究ではグループ作業で過去のPKOの実績・特性に基づき、歴史的、地勢的、多面的に考察し作戦デザインを作成、現在の法令等を踏まえ、国連・日本国のエンドステートを見積り、統幕・自衛隊として如何に戦略構想に反映するかを考察する手法は、部隊における任務に直結していると感じました。
この間、討議、意見発表を通じ各自衛隊・他省庁の参加者の考えを共有し、統合や各組織への理解を深めることができました。最後に、本講習に関わって頂いた方々に感謝するとともに、全世界の国民が恐怖と欠乏から免れ、恒久で平和な国際社会となることを願います。
第28回国際平和協力基礎講習受講時
普段メンタルヘルス担当として海外派遣隊員のケアをする中で、実際に彼らがどのような活動をしているかを知らないまま対応することのもどかしさを感じる場面が多く、本講習を希望しました。
まずは講師陣の充実度に驚かされました。PKOや国連での勤務経験はリアリティがあり、自衛隊での勤務とは全く異なった視点からの講話は、大変刺激があり興味をそそられました。世界に出て働くということの重要さと大変さ、そこから得られる知見は国内の勤務だけでは決して得られるものではありません。また、部外講師の講話も、紛争地域での武力解決だけではない「話を聴く」や「教育」といった観点からの介入法は、メンタルヘルスにも通じるものがあり、こういった教育が普及することを切に願うとともに、自衛隊内でも応用できると考えます。陸海空自衛官・他省庁の方々を交えた総合研究では、普段では得られない思考過程の連続に難しさと面白さを感じながら、ニュースを見る観点にも変化が出てきました。
最後に、毎日大変充実した日々を送ることができ、このような機会をいただいたことに感謝致します。
第28回国際平和協力基礎講習受講時
国際平和協力基礎講習は、過去に国際平和協力活動に従事した経験のない私にとって貴重な学びの機会であり、国連平和維持活動に関する理念や原理原則といった基礎的事項、自衛隊の国際平和協力活動に関する法体系や意志決定プロセス、部隊等派遣の基本的な流れやその特性等、幅広い知識を身に着けることができました。
教官や講師の方からの講義は大変興味深く、海外での豊富な活動経験に基づいた多角的な知見から、意義、重要性、苦難を克服するための手法について学ぶことができました。また、本講習に参加していた陸海空自衛官、外務省出向経験者、他省庁の方々と意見交換する機会も多く、異なる専門分野から得られた知識や経験を共有し合い相互理解を深められたことは、とても有意義なことでした。
国際平和協力活動は世界情勢の変化を背景に、より適切な手法に進化しています。本講習で得た知見を基盤としつつ、さらなる知識の拡充を図り、今後の自衛隊の任務に貢献できるよう取り組んでいきたいと思います。
第28回国際平和協力基礎講習受講時
経験豊富な教官陣による講義、多様なPKO参加経験を有する学生との討議、現場からのオンライン講演など、本教育の特色は数多くあるが、派遣部隊「指揮官」となり得る者を対象とした教育であるという点に、何よりもその魅力が凝縮されていると思う。
受講者は、客観的な立場からPKOの現状やあるべき姿を論ずるのではなく、複雑かつ困難な状況下、自分がPKO参加部隊長であったら具体的に「どう行動するのか」を問われる。緊張感あふれる2週間の教育を通じ、PKOに関する実践的な知識と判断力を向上させることができた。
私は現在、自衛隊による国際平和協力活動等の計画立案を担任している。PKOに限らず、国外災害救援、在外邦人等輸送など、幅広い分野で教育の成果を活かしていきたい。
第13期国際平和協力上級課程入校時
2024年7月8日から19日まで東京で開催された国際平和協力上級課程(PKOCCC)について、いくつかの考えや感想をお伝えできることを大変嬉しく思います。
まず、世界平和と安全、という共通の目標を持つ 13 か国からの同僚たちと一緒にこのコースに参加できたことは光栄でした。このコースは、国連平和維持活動の派遣部隊指揮官およびセクター司令官に任命されうる上級将校向けに設計されています。幅広い軍事的背景と国連平和維持活動へのさまざまな経験を持つ参加者がいたことで、紛争地域における平和維持に向けた取り組みを統合することの重要性をよく理解することができました。
国際平和協力センター(JPC)と安全保障ガバナンス研究所(ISG)による本課程の共同運営は称賛に値します。国連高官職での豊富な経験を持つ教官による実際の国連PKOのシナリオを用いたプレゼンテーション、教室での議論、演習を通じて、すべての教育内容が効果的に理解できるよう配慮されていました。これらは、コンゴ民主共和国(MONUSCO)の地域担当者(RAO)、マリ(MINUSMA)の元セクター司令官、南スーダン(UNMISS)の軍事部門司令官によるライブディスカッション、およびUNMISSの地域事務所長による教室でのプレゼンテーションによってさらに効果的なものとなりました。
全体として、本課程は参加者の期待に応え、国連平和維持活動が平和に大きく貢献し、多国間協力にとって大きな意義を持つことを再確認する場でありました。さまざまな政治レベルで前向きな解決に向けた共同の取り組みが行われている一方で、無視できないのは、平和維持活動の運用レベルと戦術レベルでの共同の取り組みです。決定的な要素は、国連ミッション内の 3 つの構成要素※2間の努力の統一です。この相互関係は永続的である必要があり、現在の状況に関係なく、常に強化されなければなりません。
さらに、平和維持ミッションにおける国連のマンデートの包括的ガイドラインの遵守は極めて重要です。この文書は法的拘束力があり、任務を遂行するためにミッションに与えられた権限を意味します。平和維持活動のマンデートは、武装解除、動員解除、社会復帰 (DDR)、治安部門改革 (SSR)、選挙、人権、法の支配などの分野での支援、政治プロセスの促進、民間人の保護などの分野で拡大しています。脅威はもはや対称的ではなく、国連の平和維持環境が多面的であることが明らかになっています。したがって、国連の指揮統制メカニズムは、各部隊内のさまざまな指揮レベルに確実に伝わるように、指揮官によって完全に理解され、論理的に適用される必要があります。その後、ミッションの指揮系統を通じて作戦準備態勢を維持することも重要です。これは、国連平和維持部隊がプレゼンス、態勢、プロファイル (PPP) を通じて、強固な姿を示すためです。
要約すると、本課程 は、変化する平和維持環境において効果的に活動するために必要な知識、スキル、特性を備えた将来の派遣部隊指揮官を育成するために強く推奨されます。平和維持活動は、国際的な連帯による平和と安全を実現する上で不可欠な要素です。
“vinaka vakalevu※3” アリガトウゴザイマス。
※1 フィジー語の「こんにちは」の意
※2 国連本部〜国連ミッション〜軍事部門に至る階層であり、上位から「戦略」、「作戦」及び「戦術」の3階層を構成
※3 フィジー語で「ありがとう」の意
第13期国際平和協力上級課程入校時
国際平和協力上級課程(PKOCCC)の重要性を少なく評価することはできません。というのも、この課程は上級将校に対して、最新の国連による平和維持の深く、かつ信頼性のある識見と知識を提供するものであったからです。
この観点から、私を課程参加者に指名したザンビア共和国政府、そしてザンビア陸軍司令部に感謝申し上げます。また、課程参加者としての私を受け入れた国際平和協力センター(JPC)と安全保障ガバナンス研究所(ISG)にも感謝申し上げます。
このコースの狙いは、複雑な平和維持活動 (PKO) における部隊、大隊、セクターの指揮官の役割と責任について教育して、将来の指揮官を育成することでした。また、その目標は、参加者に次のこと(現代の紛争における作戦環境の複雑さとその特徴、現場の国連システムと現地における多様な機関、複雑な PKO の各構成要素の能力と限界、および国連 PKO の法的枠組み (AC2、SOFA、ROE))を理解させつつ、最新の情報を把握させることでした。
このプログラムでは、平和維持活動の原則とその実践的な適用にも重点が置かれ、指揮官の責任と役割、交渉と調停の原則を適用するために必要なスキルが強調され、また、国連の主要な横断的課題である人権、文民の保護、紛争関連の性的暴力、子供の保護、性的搾取・虐待について討議を重ねました。
コースは短くて凝縮されていましたが、必要な分野の教育であり非常に有益でした。講義は、JPC/ISG の有能で知識豊富な教官と、長年にわたって十分な経験を積んできた専門家によって行われました。
教育内容は十分で有益でした。教育技法も適切で効果的でした。部外講師による(国連ミッションの)運用と経験についての講義があったことも非常に有意義でした。
また、部外講師の中には、国連ミッションの現地担当者、現地事務所長(UNMISS 平原氏)、軍事部門司令官(UNMISS)がおり、彼らが時間を割いて国連における詳細な知識と豊富な経験を共有してくれたことに大変感謝しています。
私は、国連中央アフリカ共和国多元統合安定化ミッション(MINUSCA)に大隊長として派遣される準備をしており、また同様の今後の派遣にも、習得した知識が役に立つものと認識しています。
第13期国際平和協力上級課程入校時
今回、本講習に参加させていただき、自分の想像以上の学びと経験をすることができました。国際平和協力活動に関する基礎的事項から、国内外法体系、WPS、自衛隊派遣にまつわるプロセス等、様々な角度から国際平和協力活動について理解を深めることができました。特に部内外講師であるNGO職員、国連職員、派遣計画に携わる統合幕僚監部職員と、それぞれの立場で得た教訓や今後の課題を直接伺えたことは、非常に貴重な経験でした。改めて平和の大切さを自覚するとともに、平和構築の任務の必要性と重要性を強く感じました。
本講習では陸海空の「統合」の枠を超え、他省庁の受講者とも意見交換や討議の場があり、各組織への理解も深めることができました。講義の中でもありましたが「他者の受容」は平和環境構築の一歩であり、本講習はまさにそれを体現していると感じます。本講習での学びや新たな縁を大切にして、今後の勤務により一層邁進したいと思います。
第27回国際平和協力基礎講習受講時
本講習では理念、原理原則から関連法規及び派遣現状と幅広く学べただけでなく、経験豊富な講師からの体験談を聴講し、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
これまでは、搭乗員としての視野を広げることに重きを置いていましたが、国際社会での平和維持や安全保障における多様な視点やアプローチについて学んだことで、視座を高め、国内にとどまらない多角的な視点から物事を捉えて判断することの重要性も学ぶことができました。
また、陸上自衛隊、航空自衛隊及び各府省庁の方々との交流は、単なる意見交換だけでなく、連携して任務を達成するための重要なステップであることを再認識するとともに、互いの理解を深め、共通の目標に向けて協力することの重要性を実感しました。
最後に、本講習に関わった講師、教官及び受講生に感謝し、今後も様々な人との交流を通じて、視座を高めていくとともに、本講習で学んだこと及び築いた関係性を今後の業務に活かしていきたいと思います。
第27回国際平和協力基礎講習受講時
「我が国の国益に関わる場所で、何かしらの天災や人災が起こり、これに対し先進国の一員として、また米国のパートナーとして、果たすべき義務的なもの」
本講習受講まで、私の「国際平和協力」に対する認識は、恥ずかしながら大まかに以上のようなものでした。
今回、日頃の業務から離れ、国際平和協力のことだけを考える5日間をいただき、私の認識は大きく変わりました。
「世界では劣悪な生活環境を理不尽に強いられている人々が大勢かつ常に存在し、国際平和協力はこれらの人々を助ける極めて素晴らしく、尊いものであると同時に、常に必要とされているもの」
本講習を経て、私はこの認識を得るとともに、国際平和協力に関するたくさんの知識及び観点を学んだことで、実際に活動するにあたっての思考や心構えが整いました。今年度の国際緊急援助活動の要員として控える身として、いざという時、積極的かつ効果的に活動に取り組む原動力を得ることができたと感じています。ありがとうございました。
第27回国際平和協力基礎講習受講時
本講習では、陸海空の自衛官及び他省庁から受講生が集まり、座学やグループワークを通してお互いの仕事を学びながら、国際平和協力という一つのテーマについて学ぶ、貴重な機会となりました。前職で国連勤務していたので、国連PKOの活動については一定の理解があったものの、そこに日本がどう貢献し、派遣された自衛官が地元の方々に親しまれながら活動している様子を伺い、改めて国際平和協力の有意義さについて実感しました。
受講生は、過去にPKOに派遣された方、ソマリア沖での海賊対処に従事された方、災害時の国際救援活動に参加された方など海外経験が豊富で、自衛隊の国際貢献について幅広く学ぶ機会となりました。このような貴重な講習に参加する機会をいただき、国際平和協力センターの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
第27回国際平和協力基礎講習受講時
陸・海・空の自衛官及び11か国の留学生とともに学ぶ貴重な機会を頂き、大きく3つの成果を得ました。
一つ目は、経験豊かな国内外の講師陣から、国連PKOに関する最新の知識を学べたこと。
二つ目は、留学生を交えた実習を通じ、国連PKOの司令部要員としての疑似体験ができたこと。
三つめは、留学生との交流を通じ、様々な国の軍事事情について理解を深められたことです。
受講期間を通じ、海外の軍人たちと英語により様々な議論を交わすことにより、彼らがより身近な存在となり、大げさに言えば我が国の防衛においてパートナーとなりうる国々の“顔”が見えてきたように感じています。これは同時に、我々自衛官も彼らから日本国の“顔”として見られているということであり、プレッシャーもありましたが、大きなやりがいにも繋がりました。また、課外の文化交流もよい思い出です。
将来ある後輩たちに、この課程の受講を強くお勧めします。
第12期国際平和協力中級課程入校時
国際平和協力中級課程は、国際平和協力活動等における幕僚勤務に必要な知識及び技能の修得の機会であるとともに、国際協力の重要性を改めて認識する機会でした。
約半月の短期間ではありましたが、自衛官8名に加え11か国12名の諸外国軍人・軍属の留学生とともにPKO活動を想定した計画立案や演習を通じ、平和維持という共通の使命をもって真剣に議論を交わす中で、言葉や文化等の違いを乗り越え、相互理解を深め強い結束を得るとともに、互いの国に対する信頼や敬意を醸成することができました。
このように、同じ使命・価値観の下に結束する国際協力の場は、国と国との理解や信頼を深める上で重要かつ必要であり、このことは、国際平和協力活動等に日本が参加する大きな意義であると改めて感じました。
本課程で修得した知識と技能、そして国際感覚を、今後の各種国際協力や訓練の場で活かせるよう、引き続き努力していく所存です。
第12期国際平和協力中級課程入校時
令和5年度国際平和協力中級課程(UNSOC)に参加でき非常に光栄です。本課程では国連幕僚要員として必須の基礎教育を実施し、特に総合演習(INSTEX)で必要とされる実践的なスキルに重点を置いて教育されます。教官陣は国連ミッションでの経験があり、高度な専門知識と教育技法で教育を実施します。課程教育全般及びその構成は非常に素晴らしく、日本人学生からの親身なサポートにより、より良い教育を受けることができました。
国連本部での幕僚勤務等に必要な知識を身につけることができますので、日本のUNSOCに入校されることを強くお薦めします。
第12期国際平和協力中級課程入校時
私はベトナム平和維持活動局で勤務しており、国連が実施したMINUSCAとUNMISSへの参加経験があります。そのため、是非日本のUNSOCに参加して、理論への理解をより深め、自身の経験を共有したいと思っていました。
本課程は非常に専門的で、実践的でした。世界各国の様々な宗教、人種で構成される留学生たちが活発な議論を実施し、色々と考える良い機会となりました。
講師陣の教育技法は素晴らしく実践的な経験もあり、講義は一方的ではなく、練習問題や質疑応答を通じて学生は積極的に参加していました。学生は興味を持って講義や実習を受け、それが教育成果に表れていました。
日本人学生はプロ意識を持って真剣に授業に取り組む一方、課業後は留学生を手厚くもてなしてくれました。本課程を通じて、日本や日本人だけでなく世界中の人たちと知り合うことができたことに感謝しています。
第12期国際平和協力中級課程入校時
防衛省 統合幕僚学校 国際平和協力センター
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電話:03-3268-3111(代)内線32216
FAX:内線32249
1等陸尉 佐藤 大
「第28回国際平和協力基礎講習の学び」