2025年1月、トランプ大統領が第47代大統領に就任した。トランプ大統領は選挙期間中から、「アメリカ・ファースト」、「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」を旗印に、主に経済および国境管理・移民政策を主論点としつつ、安全保障においては「戦争を終わらせる」と主張していた。具体的には、ロシアによるウクライナ侵略の早期終結、イランに対する圧力強化を通じた中東地域における親イラン武装勢力の活動の抑止、また対中国関税の導入などによる台湾情勢の安定化について言及していた。
このうち、ロシアによるウクライナ侵略の早期終結について、トランプ大統領は就任後早期にプーチン大統領との会談の意向を示していたが、同年2月、第2期政権において初となる米露首脳電話会談が実現し、同月にはゼレンスキー大統領との間で米ウクライナ首脳会談が行われた。8月にはアラスカにおいて、トランプ大統領就任後初となる米露首脳会談が行われ、双方が建設的と評価したものの、停戦合意には至らなかった。その後も継続して米露、米ウクライナ間協議が行われ、11月には米国はウクライナ、ロシア双方に和平案を提示した。米国は、この和平案についてウクライナ、ロシア両国との協議に加え、欧州首脳とトランプ大統領が協議を行うなどの取組を行った。2026年1月には初となる米露ウクライナの三者間協議も行われるなどの動きがみられた。一方で、同月現在では停戦の見通しは立っておらず、今後の進捗が注目される。
中東情勢について、トランプ大統領は、2025年5月、第2期政権における初の本格的な外遊先として中東諸国を歴訪し、サウジアラビアなどと巨額の武器移転に合意するとともに、第1期において推進した中東和平構想である「アブラハム合意」への加盟を呼びかけた。さらに、シリアのシャラア暫定大統領とも会談し、シリアへの制裁解除を指示するなど、中東地域を重視する姿勢を見せた。
ガザ情勢について、2025年1月の第2期政権成立以前から、バイデン前政権がイスラエル、エジプトおよびカタールと行う停戦協議に次期政権での担当者を参加させ、同月19日に三段階からなる停戦を実現させたが、この停戦は3月には崩壊した。一方、その後も米国は停戦に向けた努力を継続し、9月にはイスラエルとハマスの双方に人質の解放と協議の開始を求める提案を行ったが、直後にイスラエルがカタールに所在するハマス事務所への攻撃を行った。これに対し米国はイスラエル、カタール両国との首脳会談を通じ事態を収拾し、同月末には「ガザ紛争終結のための包括的計画」を発表した。トランプ大統領は翌10月にイスラエルとハマスの双方がこの計画に合意したと発表したうえで、イスラエルとエジプトを訪問し、「永続する平和のためのトランプ宣言」を発表した。米国は同月、人道支援・国際協力の調整のため軍民調整センターを設立し、2026年1月には「平和理事会」を設置するなど継続した取組を行っている。
イランとの関係では、政権成立後の2025年2月、イランによる核開発と中東地域における不安定化活動に関し、同国へ最大限の圧力をかけるとの方針を決定したうえで、イランに対し核開発にかかる協議を要求するとし、合意に至らなければ攻撃するとの意向を示した。その後、米イランの間で当局間協議が行われたが、6月に生じたイスラエルとイランの間の攻撃の応酬において、米国は「ミッドナイト・ハンマー作戦」としてイランの核関連施設を爆撃した。米国はこの爆撃によりイランの重要核濃縮施設を完全に破壊したとしつつ対話の継続を呼びかけた。その後もイランは、自国の核開発はあくまで民生用途であり核兵器開発の意図はないと主張したが、同年8月には英国、フランス、ドイツがイランによる核合意の重大な不履行を理由に過去の全ての対イラン安保理制裁の再発動手続きに着手し、翌9月にはこの制裁が再適用された。2026年1月には経済状況の悪化などを背景に前月に発生したデモがイラン全土に拡大したほか、鎮圧を図る政権側と衝突し多数の死傷者を出す事態となった。これに対しトランプ大統領は介入の可能性を示唆する発信をしたほか、同月末には空母打撃群がイランに向かっているとし、早期に協議に応じるよう発信した。イランはこれに反発しつつも、トルコやサウジアラビアなど地域諸国の仲介を受け入れる形で、2月には米国との協議が行われた。
協議が難航するなか、同月28日、イスラエル国防省は「イスラエルへの脅威を排除するため、イランに対する先制攻撃を行った」と発表した。同日16時ごろにはテヘランで複数の爆発音が確認された旨が報道され、これに続き、トランプ大統領は、イランに対し「大規模な軍事活動」を開始したと発信した。テロ支援政権が核兵器を持つことは決して許されないのが米国および自身の政権の一貫した政策であるとしたうえで、イラン国民に向けて体制の転換を視野に行動するよう呼びかけた。
同日、米中央軍は大統領の指示による「エピック・フューリー作戦」の開始を発表した。米中央軍は、イランの革命ガードの指揮統制施設、イランの防空能力、ミサイルおよび無人機(ドローン)の発射拠点、軍用飛行場などを攻撃対象とするとともに、数百発に及ぶイランのミサイルおよび無人機による攻撃への防衛に成功し、さらに、米側の死傷者は報告されておらず、米国の施設に対する被害は最小限で、作戦への影響はなかったと述べた。また、戦闘開始から数時間で陸・海・空の各種精密誘導兵器を使用するとともに、低コストの自爆型攻撃用無人航空機(LUCAS:Low-cost Uncrewed Combat Attack System)を実戦で初めて使用したとしている。
また、同日のイスラエル軍によるパクプール革命ガード総司令官など7人の高官殺害発表に続き、3月1日、トランプ大統領はイラン最高指導者ハメネイ師が死亡したと発信した。当初、イラン側は本米国の声明を否定していたが、イラン国営通信がハメネイ師の死亡を認める旨を報道した。以後、イラン側は、イスラエルに加え、湾岸諸国に所在する米軍関連施設や空港・港湾、エネルギー施設などに対し、ミサイルや無人機により数次にわたって攻撃を行い、米国・イスラエルとイランによる攻撃の応酬が継続することとなった。
同月2日、革命ガード海軍はホルムズ海峡の封鎖を発表し、この海峡を航行する全ての船舶が攻撃対象となると述べた旨の報道がなされた。その後、イラン側の警告に応じなかった民間タンカーが攻撃を受けたとの報道や、イランによる機雷敷設などの報道が相次いだ。同月12日、故ハメネイ師の後継者となったモジタバ師は声明を発表し、敵への圧力の一環としてホルムズ海峡の封鎖を継続する旨言及した。こうしたなかで、トランプ大統領は、イラン側との協議継続を示唆しつつ、イランがホルムズ海峡を完全に開放しない場合は、イラン各地の発電所およびエネルギーインフラを攻撃する旨を繰り返し発信した。
4月8日、トランプ大統領は自身のSNSに、イランがホルムズ海峡の完全かつ即時で安全な開放に同意することを条件に攻撃を2週間停止すると投稿した。その後、イランのアラグチ外相もイランに対する攻撃の停止を条件として攻撃を停止すること、また、2週間の期間に限り、イラン軍との調整を通じ、ホルムズ海峡の安全な航行を可能にする旨発信した。加えて、パキスタンのシャリフ首相は停戦の仲介を実施しており、今後パキスタンにおいて米イラン両国の停戦交渉を実施する予定との旨を投稿したほか、イスラエルもトランプ大統領の決定を支持することを表明した。
同日行われたヘグセス戦争長官1とケイン統合参謀本部議長の記者会見2においては、攻撃停止は一時的なものであると強調したほか、イランが交渉による解決に応じない場合に、戦闘を再開するため、引き続き軍を中東に展開していると発言した。
同月11日、バンス副大統領率いる米国代表団は、パキスタンにおいて、ガリバフ国会議長率いるイラン代表団と戦闘終結に向けた協議を実施したが、約21時間の協議の結果、合意には至らなかった。
同日、米中央軍は、ミサイル駆逐艦2隻がホルムズ海峡にて機雷掃海活動に向けた作業を開始した旨、今後、水中ドローンを含む追加部隊を派遣し、掃海作業を行う旨を発表した。また、13日午前10時(米東部時間)からアラビア湾およびオマーン湾におけるイラン港湾への出入りを封鎖すると発表した。
同月15日、トランプ大統領は、イランとの停戦協議が近くパキスタンで実施される旨発言した。19日には、イランのアラグチ外相が、イランによるホルムズ海峡封鎖解除を発表したが、その後、米国側が海上封鎖を継続する旨発信したことに反発した革命ガードは、再度ホルムズ海峡の封鎖を宣言した。両国間の第2回の停戦協議が実現に至らないなか、同月22日、トランプ大統領は、イラン側から統一された提案が示されるまで、攻撃の一時停止を無期限で延長すると発表した。
海上封鎖をめぐり、米中央軍は、同月20日、イラン船籍の貨物船1隻に対し、警告に応じなかったとして発砲し、阻止した旨を発表した。さらに、ほかの統合軍の担任区域(AOR:Area of Responsibility)でもイラン船籍や制裁関連船舶への海上阻止行動を実施しており、インド太平洋軍により、インド洋および太平洋においてタンカー2隻を拿捕したと発表した。イラン側においては、22日に革命ガード海軍が貨物船3隻に発砲し、うち2隻を拿捕したと発表した。
こうしたなか、5月3日、米中央軍は、大統領の指示のもとでホルムズ海峡周辺における商船の航行の自由を回復するため、同月4日から「プロジェクト・フリーダム」の支援を開始すると発表した。一方で海上封鎖は継続するとし、こうした動きに反発したイラン側により周辺国や米艦船などへの攻撃が行われたとされた。同月5日、ルビオ国務長官は、作戦の目的を達成したとして「エピック・フューリー作戦」は終了し、「プロジェクト・フリーダム」に移行しているとの認識を示したが、同月6日には、トランプ大統領が自身のSNSで、海上封鎖は引き続き有効とする一方で、「プロジェクト・フリーダム」を短期間停止すると発信した。その後、海上封鎖と双方による攻撃の応酬が継続するなかにおいても、米国とイランは合意に向けた交渉を続け、同年6月15日、米国およびイラン双方が戦闘終結などに関する覚書に合意した旨を発表するに至った。同月18日には、トランプ大統領とイランのペゼシュキアン大統領、さらに仲介者としてパキスタンのシャリフ首相がこの覚書に署名した。
インド太平洋情勢について、2025年1月に就任したピート・ヘグセス戦争長官は、就任時に各軍へのメッセージを発出し、トランプ大統領のもと「力による平和(Peace Through Strength)」を実現するため、「戦士の精神(warrior ethos)」の再興、軍の立て直し、抑止力の再確立の3点を柱とするとし、特に抑止力の再確立については、インド太平洋地域において中国がもたらす侵害を、同盟国などと協力して抑止するとした。
またヘグセス長官は、同年2月にベルギーで開かれたウクライナ防衛コンタクトグループおよびNATO(North Atlantic Treaty Organization)国防相会合で、米国はインド太平洋で中国という同格の競争者に直面しており、欧州の安全保障はNATO加盟国が国防費の増額などにより取り組むべきとした。そのうえで、欧州諸国が地域の安全保障に向き合うべきとしつつ、引き続き米国はNATOおよび欧州との防衛協力にコミットするとした。同年5月のシャングリラ会合においては、欧州の同盟国が負担を共有するにつれ、米国は、優先的な戦域であるインド太平洋に注力できるとし、近隣諸国や世界に対する中国の振る舞いは、緊急の警鐘であるとした。また、「アメリカ・ファースト」は「アメリカだけ(アメリカ・アローン)」ではないとし、共通の脅威に対する団結を呼びかけ、同盟国などとの関係を強化することで、地域の平和と安定を維持することを発信した。加えて、南シナ海および「第一列島線」において、力または威圧によって現状を一方的に変更しようとするいかなる試みも容認できないとした。そのうえで、インド太平洋地域の同盟国も、GDP(Gross Domestic Product)の5%を国防支出などに充てるとしているNATO加盟国を見習うべきである旨述べた。
また、同年10月、トランプ大統領に同行して訪日したヘグセス長官は小泉大臣と初会談を行い、急速に厳しさを増すインド太平洋地域の安全保障情勢について率直な意見交換を行い、認識を共有したうえで、高市総理とトランプ大統領との会談において一致した事項を踏まえつつ、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくことを確認した。特に、小泉大臣からは、わが国として主体的に、防衛力の抜本的強化と防衛費の増額に引き続き取り組んでいく決意を表明し、ヘグセス長官は支持を表明している。

「戦争省」の表札を取り付けるヘグセス戦争長官【米戦争省】
その他の地域に関して、トランプ大統領は、欧州のNATO加盟国が対GDP比5%の国防費を負担し、欧州の防衛に責任を持つべきと主張していたが、同年6月に行われたNATO首脳会合において、2035年までに、加盟国の国防支出などの目標について、中核的国防支出を少なくとも対GDP比3.5%、国防・安保関連支出を最大同1.5%の同5%に引上げることが合意された。また、トランプ大統領は、中国のプレゼンスなどを理由としてパナマ運河を、北極圏における安全保障などを理由としてデンマークの自治領であるグリーンランドを、米国が保有すべきとの認識を示した。
パナマ運河については、2025年4月にヘグセス長官がパナマを訪問し、米軍艦艇によるパナマ運河の使用およびパナマに所在する基地への米軍の展開について合意したと発表した。
グリーンランドについては、2026年2月に、NATOが、グリーンランドを含む北極圏の安全保障を強める取組として「アークティック・セントリー3」を発表した。
2025年1月の就任直後からトランプ大統領は軍による南部国境警備を開始し、不法移民と薬物の流入を取り締まるとしていた。同年9月以降、米国はカリブ海周辺に多数の艦艇を派遣し、薬物密輸船とする船舶を撃沈した。また、ベネズエラのマドゥーロ大統領が国内の麻薬カルテルを主導し米国に薬物を流入させていると非難していたが、2026年1月、ベネズエラに対し法執行機関の支援とする電撃的な攻撃を行い、マドゥーロ大統領を拘束、米国に移送、現在裁判が行われている。今後の西半球、南北米州への第2期トランプ政権の動向が注目される。
第2期トランプ政権は、2025年12月、国家安全保障戦略(NSS:National Security Strategy)4を発表した。冒頭の大統領メッセージでは、トランプ政権は米国と世界を瀬戸際から救出したとし、国内外で米国の強さを取りもどし、世界に平和と安定をもたらすために緊急かつ歴史的な速度で行動しているとした。また、第2期トランプ政権は、国境を強化し、1兆ドルの投資5により軍を増強し、また、同盟を再構築し、NATO加盟国による国防支出などの対GDP比5%引上げ目標を含め、同盟国に対し共通の防衛に向けた貢献を増やすよう求めてきたとした。そのうえで、あらゆる取組において米国を最優先する姿勢を示した。
目的および手段においては、国家としての存立確保、市民の幸福と利益の優先、外部からの脅威に対する防護、国境管理、移民対策をあげた。世界で最も強力で、技術的に進んだ軍隊の保持や米国民や米国の在外資産、また、同盟国を守るための核抑止力および「ゴールデン・ドーム」構想6を含む次世代ミサイル防衛の構築をかかげた。加えて、インド太平洋を自由で開かれたものとし、全ての死活的なシーレーンにおける航行の自由の維持、安全で信頼性のあるサプライチェーンと重要鉱物へのアクセスの維持、西半球の安定と統治能力の確保、自由で安全な欧州の維持、中東の安定確保をかかげ、AI、バイオ、量子などの米国の技術および標準が世界を前進させることを確保する旨記載した。

米国のためのゴールデン・ドーム構想(概念図)【米戦争省(Courtesy of Lockheed Martin)】
また、上記を達成する具体的な手段として、軍事力、同盟ネットワーク、地理的条件と天然資源、ソフトパワー、産業の再活性化・国内回帰、次世代技術などを列挙している。
またNSSにおける原則として、トランプ大統領の外交政策は「アメリカ・ファースト」であるとし、基本原則は、焦点を絞った国益の定義、力による平和、不干渉主義への指向、柔軟な現実主義、勢力均衡、同盟国による国防費増額としての公平性などをあげた。また、これにかかる優先事項は、防衛面の負担の共有と転換、平和による諸地域の再編、防衛産業基盤の再活性化を含む経済安全保障などをあげた。
地域については、西半球に関して、トランプ版モンロー主義を掲げ、西半球における米国の優位性を回復し、米国本土を守り、重要地域へのアクセスを保護するとする一方、アジアについては、インド太平洋は経済的・地政学的戦場であり、米国はこの地域での競争に今後も成功していくとし、自由で開かれたインド太平洋(FOIP:Free and Open Indo-Pacific)へのコミットメントを再確認した。また、トランプ大統領は、30年以上の米国による誤った対中認識を覆したとし、大規模な知的財産窃取やサプライチェーンに対する脅威などから、米国経済および国民を保護する必要があるとした。さらに、同盟国などと連携するとし、インドとの関係を向上、日米豪印の協力を促進するとした。
台湾については注目が集まるのは当然とし、半導体生産における優位性もあるが、その主たる理由は「第二列島線」への直接アクセスを提供し、北東アジアと東南アジアを二つの明確な戦域に分断する点にあるとした。また、世界の海上輸送の三分の一が南シナ海を通過していることを考慮すると、米国経済に重大な影響を及ぼすという認識を示し、理想的には軍事的優位性を維持し、台湾をめぐる紛争を抑止することを優先課題に位置づけるとともに、台湾海峡をめぐる一方的な現状変更は支持しない旨の宣言政策を維持するとしている。さらに、「第一列島線」における侵略を阻止できる軍隊を構築するとし、一方これは米軍単独では不可能であり、そうすべきでもないとして、同盟国が集団防衛のため、支出を増やし、行動していくことが重要とした。そのうえで、同盟・パートナー諸国に対し、米軍が港湾およびその他の施設により自由にアクセスできるようにすること、自国の国防費を増やすこと、侵略を抑止する能力へ投資することなどに外交努力の焦点を当てるとした。さらに、インドや日本を含め南シナ海に関して利害を共有する全ての国との協力が重要としている。また、トランプ大統領が日本と韓国に対し負担増を主張していることを踏まえ、米国はこれらの国々に防衛費の増額を促す必要があり、その焦点は、新たな能力を含め、敵対勢力を抑止し第一列島線を防衛するために必要な能力に置かれるべきとした。台湾やオーストラリアについても、国防費増額に関する断固たる姿勢を堅持するべきとした。
2026年1月、前月に公表されたNSSに続き、第2期トランプ政権は国家防衛戦略(NDS:National Defense Strategy)を公表した。NDSでは、2025年1月のトランプ大統領就任時、米国は防衛産業基盤を含む産業の海外外注や、体制転換・国家建設などの目標不明確な海外戦争への長期関与などにより、冷戦後最も危険な安全保障環境に直面していたが、トランプ大統領就任後この状況は変わったとした。そのうえで、戦争省は「力による平和」の回復に集中し、柔軟かつ実践的な現実主義に基づき、世界を冷静に直視し、国益に奉仕するアプローチを採用するとした。
安全保障環境としては、「アメリカ・ファースト」の観点から、脅威を評価・整理し優先順位付けすることが不可欠としつつ、重要度の低い脅威も無視せず、持続可能な形で対処するとした。そのうえで本土・西半球、中国、ロシア、イラン、北朝鮮および複数戦域での問題の同時発生について述べた。また、NSSと整合する形で「力による平和」を実現するとして、①米国本土の防衛、②対立ではなく力を通じたインド太平洋における中国抑止、③米国の同盟国およびパートナーとの負担分担の増大、④米国防衛産業基盤の抜本的強化の4つの主要取組をあげた。
特にインド太平洋における中国抑止については、中国との安定した平和、公正な貿易および相互尊重に基づく関係を追求するも、強者の立場からの交渉が重要とした。また、中国について、米国に次ぐ世界第二の国力を有し、軍備増強の速度、規模および質は歴史的であり、西太平洋向けの戦力に加え、遠方目標への能力も含んでいるとした。また、この地域が間もなく世界経済の半分以上を占めることにかんがみれば、米国民の安全・自由・繁栄はこの地域で「強者の立場から貿易・関与できる能力」と直結することから、この地域が中国などに支配されれば、米国の世界経済へのアクセスが実質的に拒否され、再工業化を含む経済的展望に長期の悪影響が生じうるとした。このため、「第一列島線」に沿って強固な拒否的防衛を構築し、地域の主要な同盟国などに対し、集団防衛のためにより多くを実施するよう促すとした。さらに、この地域において米国に有利でありつつ中国も受容可能な「相応の平和」は可能であり、それがトランプ大統領の外交の前提であって、戦争省の取組はその基盤となる強靭性を作り出すものとした。また、中国との対立を目的とせず、「力による平和」に基づく抑止を通じて安定を維持し、戦略的安定の確保、衝突回避および緊張緩和に重点を置くとした。
ロシアについては、NATO東方加盟国に対する、持続的だが管理可能な脅威とし、ウクライナ侵略において、軍事力・産業力の深い蓄積と、周辺地域で長期戦を継続する国家的覚悟を提示しているとした。また、世界最大の核戦力の近代化・多様化、海中・宇宙・サイバー能力により、米国本土への脅威もありうるとし、本土防衛が必要であるとした。一方で、欧州のNATO加盟国は経済規模・人口・潜在軍事力でロシアを大きく上回り、対GDP比5%の国防支出などにもコミットしているとした。そのうえで、米国は欧州への関与を継続しつつも、本土防衛と中国抑止を優先するとし、ウクライナ侵略の終結も、何よりまずは欧州自身の責任であるとした。
北朝鮮については、韓国と日本への直接の軍事的脅威であるとし、特にミサイル戦力は通常・核兵器とその他の大量破壊兵器で両国の目標を攻撃しうるとした。また、核戦力は米国本土を脅かす能力を高めており、規模の拡大と高度化が進むことで、米国本土に対する核攻撃という「明白かつ現在の危険」を構成するとした。
これらに加え、複数戦域における問題の同時発生について、複数の潜在的敵対勢力が協調的または機会主義的に行動する可能性に備えるのは合理的であり、同盟国などは集団防衛における公正な負担を担うべきとし、これは正当であるのみならず、戦略上も不可欠とした。同盟国がNATO首脳会合で定められた対GDP比5%の基準で国防に投資すれば、同時多発的な侵略も抑止しうる十分な戦力を共同で生み出せるとし、主要地域で有利な勢力均衡を維持できるとした。そして、米軍が本土防衛とインド太平洋に重点化し、その他の地域では同盟国などが一次的責任を担い、米国は重要であるがより限定的な支援に移行することで、今後数十年の「力による平和」を支えることが可能とした。また、模範的な同盟国、すなわち、必要な水準で国防支出を行い、地域の脅威に対し、米国の重要であるがより限定的な支援のもとで、より多くを目に見える形で実施している国々との協力および関与を優先するとした。
防衛産業基盤については、米軍を再建・近代化し、将来にわたって世界最強の地位を維持するための中核的基盤であり、本NDSにおける全ての主要取組を支える存在とした。また、部隊の即応性などや、大統領が取りうる軍事的選択肢は、防衛産業基盤の能力に依存しているとし、戦争省は自前の能力を拡充するとともに、非伝統的なベンダーの活用を拡大し、議会や既存ベンダーなどとも連携し、防衛産業能力の回復を促進するとした。さらに、防衛産業基盤の強化は、同盟国などが集団防衛における負担をより多く担う際、米国がそれらを装備面で支援するためにも決定的に重要とした。

フランス・ノルマンディーで練成訓練に参加するヘグセス戦争長官【米戦争省】
バイデン前政権においては、わが国を含むインド太平洋地域の同盟国とのパートナーシップを深化させるとともに、日米豪印や、豪英米3か国による安全保障協力枠組みであるAUKUS(オーカス:Australia – United Kingdom – United States)7などの多国間枠組みを通じて、FOIPを推進する姿勢が示されていた。
第2期トランプ政権においても、2025年11月、マレーシアで行われた拡大ASEAN(Association of Southeast Asian Nations)国防相会議でのヘグセス長官による各国との協議において、同様の方針が示されている。特に、過去3年間で5回目となる日米豪比防衛相会談においては、FOIPという共通のビジョンの推進に対する継続的なコミットメントが強調され、4か国による抑止力や即応性に焦点を当てた共同的な取組を再確認すること、協調的な防衛協力活動を強化することとされた。また、中国による東シナ海および南シナ海を不安定化させる活動への深刻な懸念と、力または威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みへの強い反対が表明された。ヘグセス長官は、中国の董軍(とうぐん)国防部長との会談でも、南シナ海、台湾周辺やインド太平洋地域での中国の活動に懸念を示し、今後も自国の利益を守っていく旨伝達したほか、双方は、衝突回避などのため軍同士のチャネル確立の必要性について一致したとしている。またヘグセス長官は、米比国防相会談では南シナ海での運用連携、相互運用性向上などを目的とする「タスクフォース・フィリピン」の創設などを発表し、米印国防相会談では、両国は緊密に連携してFOIPの実現に向けて尽力するとし、今後10年間の「米印主要防衛パートナーシップの枠組み」に署名するなど、各国との協議を積極的に実施した。AUKUSについても、米国は、同年10月の米豪首脳会談において全力で推進することとしている。
また、わが国との関係では、同年2月に行われたトランプ大統領と石破総理(当時)との会談において、尖閣諸島も含め、日本の防衛に対する米国のゆるぎないコミットメントが確認されている。
参照III部3章1節(多角的・多層的な安全保障協力の戦略的な推進)、I部3章3節(米国と中国の関係など)、III部2章1節3項(日米間の政策協議)、I部3章6節1項(オーストラリア)
中国の海洋進出をめぐる問題に関して、米国は2020年7月、およそ6年ぶりに2個空母打撃群を南シナ海に展開して演習を実施し、それ以降も地域の同盟国などに米国がFOIPの推進に尽力していることを示し続けるためにこの地域における空母打撃群の活動を継続している。2022年1月には、国務省が南シナ海における中国の海洋権益に関する主張を国際法に照らして検討した報告書を公表し、南シナ海の大部分に及ぶ中国の主張は不法であり、海洋における法の支配を深刻に損なう旨を指摘した。
インド太平洋地域におけるプレゼンス強化をめぐる動きとして、分散型海洋作戦8(DMO:Distributed Maritime Operations)を推進する海軍は、2019年12月、F-35B戦闘機を含む艦載機の運用能力を強化した強襲揚陸艦「アメリカ」を佐世保に配備し、グアムでは2020年1月、MQ-4C無人海洋偵察機(トライトン)が初展開している。迅速な戦闘運用9(ACE:Agile Combat Employment)を推進する空軍は、インド太平洋地域において、戦闘機や無人機を用いたACE訓練を実施している。さらに、マルチドメイン作戦構想を推進する陸軍は、人間の認知面を含む全ての領域などにおいて作戦を同時並行的に実施するマルチドメイン任務部隊10のハワイへの配備を2022年9月に発表し、機動展開前進基地作戦11(EABO:Expeditionary Advanced Base Operations)を推進する海兵隊は、EABOを実行する能力を保有する海兵沿岸連隊(MLR:Marine Littoral Regiment)を同年3月、ハワイに初めて配備した。沖縄に所在する第12海兵連隊は、第12海兵沿岸連隊に改編中である。さらに、2024年7月の日米2+2において、在日米軍をインド太平洋軍司令官隷下の統合軍司令部へと段階的に再構成していくと発表し、2025年3月末、自衛隊の統合作戦司令部の創設とタイミングを合わせる形で、在日米軍は統合軍司令部へのアップグレードを開始した。
このほか、米軍は、2018年3月には、空母「カール・ヴィンソン」を米空母として40年以上ぶりにベトナムに寄港させ、2023年には、約40年ぶりの韓国寄港となった戦略原子力潜水艦をはじめとする、各種米戦略アセットを朝鮮半島周辺に頻繁に展開12した。
米国は、FOIPへのコミットメントを示すとして、引き続き南シナ海における「航行の自由作戦」を実施するとともに、米海軍艦船と航空機による台湾海峡の通過を実施しており、今後も「航行の自由作戦」を継続する考えを明らかにしている。
一方、北朝鮮をめぐっては、2018年6月に行われた史上初の米朝首脳会談以降、米朝間で交渉が行われたが、北朝鮮の大量破壊兵器・ミサイルの廃棄に具体的な進展は見られない。2025年10月に実施された米韓首脳会談の結果をまとめた共同ファクトシート(同年11月発表)において、米国が持続的な在韓米軍のプレゼンスを通じた韓国防衛へのコミットメントを示す一方、韓国は米軍の支援のもと、通常戦力による対北朝鮮防衛を主導するために軍事力を強化する旨のコミットメントを示した。また、この共同ファクトシートでは、海洋・原子力分野でのパートナーシップ強化として、米国が韓国による攻撃型原子力潜水艦の建造を承認し、今後、建造について米韓で緊密に協力していくとした。
第2期トランプ政権においても、FOIPへのコミットメントが引き続き示されており、同地域における諸課題に対応していくため、米国と緊密に連携する必要がある。
参照3節2項2(南シナ海)、同2項3(台湾)、4節2項4(米韓同盟・在韓米軍)
2021年2月のバイデン大統領(当時)の演説において、新興技術のもたらす危険性と機会に対処し、サイバー空間における能力を強化し、深海から宇宙に至るまでの新時代の競争を主導するとして、国防政策における技術の重要性が強調された。
第2期トランプ政権が発出したNSSにおいては、国防分野における技術の重要性について、技術的に先進的な軍隊を装備・配備するとし、新興技術と基礎科学への投資により、将来の世代に向けた持続的な繁栄、競争優位性、軍事的優位性を確保するとしている。また、NDSにおいても、防衛産業基盤の強化において、AI(Artificial Intelligence)などの新技術を導入するなどとしており、今後の具体的な取組の深化が注目される。
第2期トランプ政権が公表したNDSにおいては、ロシアおよび北朝鮮の核戦力などの脅威について言及したうえで、米国は本土防衛のために核戦力の近代化と適応を行うとし、抑止力とエスカレーション管理に重点を置きつつ、核による脅迫に脆弱な状態に置かれることは決してないとした。
米国においては、従前から核抑止戦略として大陸間弾道ミサイル(ICBM:Intercontinental Ballistic Missile)「ミニットマンIII」、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM:Submarine-Launched Ballistic Missile)「トライデントIID5」搭載の戦略原子力潜水艦、核巡航ミサイル・核爆弾を搭載するB-52戦略爆撃機およびB-2戦略爆撃機からなる核の3本柱を配備している。一方で多くの兵器が設計寿命を越えていることから、3本柱の換装計画を推進する考えが示されてきている。
なお、バイデン前政権が発表した核態勢の見直し(NPR:Nuclear Posture Review)では、NATOの核態勢を支援するため、核・非核両用機(DCA:Dual-Capable Aircraft)の役割をF-15E戦闘機からF-35A戦闘機に移行する計画などが示されていた。また、同じくバイデン前政権が発表したミサイル防衛見直し(MDR:Missile Defense Review)では、ミサイル防衛について、米国を守り、攻撃を抑止するための最優先分野と位置づけ、敵の攻撃の利益を打ち消し、抑止が破れたとしても、被害を局限することに資するとしていた。また、グアムを含むあらゆる海外領土に対する攻撃は、米国に対する直接攻撃とみなすと宣言し、グアムはFOIPを維持するために欠かせない運用拠点であり、グアムの防衛は統合抑止の実現に資するとしていた。
ロシアとの間で締結していた中距離核戦力(INF:Intermediate-Range Nuclear Forces)全廃条約については、米国は、ロシアが条約を遵守していないとして2019年8月に脱退した。そのうえで米国は、同月に500km以上の飛距離を持つ通常弾頭仕様の地上発射型ミサイルの発射試験を実施するなど、この条約で発射試験や生産・保有が規制されていた、中距離射程を有する通常弾頭搭載地上発射型ミサイルの開発を進めている。
なお、米陸軍の地上発射型中距離ミサイルシステム「タイフォン」については、2025年9月の米海兵隊との実動訓練「レゾリュート・ドラゴン25」の一環で、岩国飛行場において、米軍が単独訓練を実施した13。
また、2021年2月にロシアとの間で5年間の期限延長を合意した新戦略兵器削減条約(新START(Strategic Arms Reduction Treaty))については、2023年2月にプーチン大統領が年次教書演説において、履行の一時停止を発表した。その後2025年後半になり、プーチン大統領から、ロシアは、米国が同様の行動をとるのであれば、2026年2月以降の1年間、この条約の中心的な数量制限を遵守し続ける用意がある旨発言があったのに対し、トランプ大統領は、良い考えと思う旨いったんは述べたが、2026年1月には、失効するのであれば、それでよい、より良い合意を結ぶだけだと述べた。その後同年2月に新STARTは失効した。トランプ大統領は、これまで中国を加えた軍備管理の意向を示してきており、新START失効後にも、多国間の軍備管理・戦略安定性の対話を提唱しているが、中国は、自国の核戦力の規模は米露に及ばないとして、米露間の核軍縮協議には不参加の意向を示している。今後における米露に中国を加えた3か国による核軍備管理の動向が注目される。
2026年4月3日、米国政府の予算教書が発表され、続く21日に戦争省予算案概要が発表された。2027米会計年度においては過去最大規模となる総額約1兆5,000億ドルが要求されており、これは前年度比で約42%の増額とされている。この予算案については、NDSで掲げられた4つの主要取組と整合させつつ、①抑止力の再確立、②軍の再建、③戦士の精神回復に向けた戦争長官の取組を継続するための資金を優先するとされている。主な要求項目として、防衛産業基盤の再建・強化のため、予算の半分超となる7,568億ドルを新能力への投資に充て、雇用創出や防衛装備品調達の増加を図るほか、国土防衛のための「ゴールデン・ドーム」の運用移行のため180億ドルを投資するなどとしている。
参照図表I-3-1-1(米国の国防省費の推移)

1 2025年9月、トランプ大統領は、国防省が行政機関の公式なやりとり、儀礼的場面、非法定文書において「戦争省(DOW:Department of War)」の名称を使うことができるとの大統領令を発出した。その後米国政府においては一般に「戦争省」「戦争長官(Secretary of War)」といった名称が用いられている。
2 2026年4月8日のヘグセス戦争長官とケイン統合参謀本部議長による記者会見では、同日時点で、「エピック・フューリー作戦」において、①イランの防空システムの約80%を破壊し、1,500以上の防空目標、450以上の弾道ミサイル保管施設、800機のドローン保管施設を攻撃し、②2,000以上の指揮統制中枢を破壊し、イラン軍が米国および友好国を攻撃する能力を低下させ、③イラン海軍の90%以上の通常艦を撃沈させ、150隻以上の船をアラビア湾に沈めるとともに、推定95%以上の機雷を破壊し、④ドローンの生産工場の約90%以上、弾道ミサイル生産工場の80%以上、核関連の産業基盤の約80%を攻撃したとしている。また、この作戦では、62回の爆撃を含む10,000以上の航空作戦を実施し、1,700発以上の弾道ミサイルおよびドローンを湾岸諸国のパートナーとともに迎撃したと述べた。 一方で、イラン側からの攻撃の例として、4月3日には、イラン国営通信により革命ガードが米軍のF-15戦闘機を撃墜した旨の報道がなされた。これに対し米中央軍は、同月5日、墜落した機体の乗員2名の救出が完了した旨、また、対イラン攻撃を継続する旨を公表したほか、トランプ大統領はこの救出作戦を「米軍の能力と勇敢さを示すもの」と評した。
3 NATOが主導する、中国やロシアを念頭に、北極圏や高緯度地域における安全保障を強化するための新たな領域横断の取組。デンマークの「アークティック・エンデュランス演習」に代表されるNATO加盟国の北極域近辺の演習を一つの指揮系統にまとめるもの。
4 国家安全保障戦略(NSS)と国家防衛戦略(NDS)はともに、法律により一定期間での議会への提出が定められている。NSSは、新たな大統領の就任から150日以内に、NDSは、大統領選挙後に新たな国防長官を指名した場合においては、上院による指名承認後、可能な限り速やかに、議会に報告書を提出することが合衆国法典第50編と同第10編でそれぞれ定められている。
5 国防省経費のみならず、エネルギー省なども含めた国防関連省庁の経費の全体を指す。
6 トランプ大統領が2025年1月に発出した大統領令では「米国のためのアイアン・ドーム(Iron Dome for America)」との表記であるが、のち「米国のためのゴールデン・ドーム(GDA:Golden Dome for America)」と呼称されるようになった。本書では単に「ゴールデン・ドーム」と呼称する。
7 インド太平洋地域における外交、安全保障、防衛の協力を深めることを目的に、2021年9月に設立された。
8 各アセットを分散し、ネットワークを介して統合することにより、圧倒的な戦闘力を集結させる作戦構想。
9 空軍戦力を分散配備し、分散配備された場所から迅速に展開する作戦構想。
10 全ての領域(陸海空、宇宙、サイバー、電磁波、認識面も含めた情報環境など)において作戦を実施することを通じて、敵の接近阻止/領域拒否(A2/AD(Anti-Access/Area Denial))の打破を目指す作戦構想である「マルチドメイン作戦構想」を前方で実行することを任務とした陸軍部隊。
11 敵の火力圏内において迅速に分散展開し、一時的な拠点を設置することにより前線での作戦を実行する作戦構想。
12 韓国政府高官は米戦略アセットの朝鮮半島周辺への展開について、2023年は17回であり、2022年の5回から大幅に増加したとしている。
13 地上発射型中距離ミサイルシステム「タイフォン」は、SM-6ミサイルおよびトマホーク巡航ミサイルの地上発射が可能な移動式発射装置を含むシステム。「タイフォン」のほかには、ハイマース高機動ロケット砲システムから運用する「PrSM(Precision Strike Missile)」精密打撃ミサイル、極超音速ミサイルを運用する「ダーク・イーグル」システムが開発中。