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第III部 防衛目標を実現するための3つのアプローチなど

3 日米間の政策協議

日米両国は、首脳・閣僚レベルをはじめ様々なレベルで緊密に連携し、二国間のみならず、インド太平洋地域をはじめとする国際社会全体の平和と安定や繁栄のために、多岐にわたる分野で協力関係を不断に強化・拡大させてきた。

日米間の安全保障に関する政策協議は、日米安全保障協議委員会(SCC:Security Consultative Committee)(日米「2+2」)、日米安全保障高級事務レベル協議、防衛協力小委員会など、防衛・外務の様々なレベルで緊密に行われている。中でも、防衛・外務の閣僚級協議である「2+2」は政策協議の代表的なものであり、重要な協議機関として機能している。

また、累次の機会を捉えて、日米防衛相会談を行い、両国の防衛政策や防衛協力について協議しており、加えて、事務次官や各幕僚長などの実務レベルにおいても、常日頃から協議や必要な意見交換などを行っている。

防衛省においては、日米安保体制の信頼性をさらに向上させるため、このような協議などを積極的に行い、日米間で情報や認識を共有するとともに、日米同盟の抑止力・対処力のさらなる強化に向けた具体的な取組について議論を行っている。

1 最近行われた日米首脳会談

高市内閣総理大臣は、2025年10月、訪日したトランプ大統領と日米首脳会談を行った。両首脳は、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくべく、幅広い安全保障協力を進めていくことで一致した。また、力または威圧による一方的な現状変更の試みに反対し、日米で綿密に連携していくことおよび台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて確認した。さらに両首脳は、北朝鮮情勢について認識を共有し、核・ミサイル問題に共に対処する必要性や、北朝鮮の完全な非核化に向けた確固たるコミットメントを確認した。

また、同年11月には日米首脳電話会談を行い、日米同盟の強化やインド太平洋地域が直面する情勢や諸課題について幅広く意見交換を行うとともに、現下の国際情勢のもとで、日米間の緊密な連携を確認した。さらに翌年1月にも日米首脳電話会談を行い、米国が建国250周年を迎えることに祝意を伝えつつ、記念すべき年を日米同盟の新たな歴史を切り開く一年とすべく、日米協力を一層深めていくことなどを確認した。

加えて、2026年3月には、高市内閣総理大臣は訪米し日米首脳会談を行い、互いの強固な信頼関係のもと、安全保障を含む幅広い分野で、質の高い日米協力を具体的に進め、日米同盟を更なる高みに引き上げていくこと、そしてミサイルの共同開発・共同生産を含む幅広い安全保障協力を進めていくことで一致した。

日米首脳会談(2026年3月)【首相官邸ホームページ】

日米首脳会談(2026年3月)【首相官邸ホームページ】

2 最近行われた日米防衛相会談

2025年5月、中谷防衛大臣(当時)はヘグセス米戦争長官とシンガポールにおいて日米防衛相会談を実施した。両閣僚は、同年3月の日米防衛相会談におけるやりとりを踏まえつつ、次の新たな展開を含む、日米防衛協力の取組について議論した。また、米戦争省が新たな国防戦略を策定するにあたり、日米両国の戦略の優先事項などが整合するように、緊密に擦り合わせていくことを確認した。さらに日米間のサイバー領域における協力を更に強化させていくことを確認した。

同年10月には、小泉防衛大臣はヘグセス米戦争長官と防衛省において日米防衛相会談を実施した。両閣僚は、急速に厳しさを増すインド太平洋地域の安全保障情勢について率直な意見交換を行い、認識を共有するとともに、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくことを確認した。特に、①日米の指揮・統制枠組みの向上について、在日米軍のアップグレードおよび自衛隊の統合作戦司令部の取組にかかる具体的な進展を歓迎し、平時から緊急状態までの日米の連携を一層効果的に実施するため取り組むこと、②南西地域における日米の共同プレゼンスの拡大について、より高度かつ実践的な共同訓練の各地、特に南西地域での拡充を含め、同盟の最優先事項の一つとして取り組むこと、③防衛装備・技術協力について、防衛生産・技術基盤の強化が共通の課題であることを認識し、日米の防衛生産・技術基盤を相互補完する重要性を再確認したうえで、日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS(ダイキャス):Forum on Defense Industrial Cooperation, Acquisition and Sustainment)のもと、AMRAAM(アムラーム:Advanced Medium-Range Air-to-Air Missile)などのミサイル共同生産や米軍艦艇・航空機の共同維持整備にかかる取組の追求を含む進展を歓迎し、一層推進することを確認した。さらに、日米を中核として、オーストラリア、韓国、フィリピンをはじめとする地域のパートナーとの間で、情報共有や運用面を含む協力を更に進展させていくことで一致した。

また、両閣僚は、抑止力を維持し、地元への影響を軽減するため、普天間飛行場の継続的な使用を回避する唯一の解決策である辺野古における普天間飛行場代替施設の建設と普天間飛行場の返還を含め、沖縄統合計画およびその他の既存の二国間取決めに従った在日米軍再編の着実な実施が極めて重要であることを確認した。また、在日米軍による事件・事故の再発防止のための協力を進めることで一致した。

日米防衛相会談(2026年5月)

日米防衛相会談(2026年5月)

両閣僚は引き続き同年11月にもマレーシアで日米防衛相会談を実施した。両閣僚は、米国の国家防衛戦略のほか、米国による韓国に対する原子力潜水艦の建造許可などについて意見交換を実施した。また、日米韓3か国による防衛協力が重要であり、日米同盟を基軸とした同志国連携を一層進展させ、抑止力強化のために具体的な取組を追求していくことの必要性についても議論した。さらに日米同盟の抑止力および対処力を引き続きスピード感をもって強化していくことで一致した。

その後も両閣僚は同年12月に電話会談を行い、同月に発生した中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射事案を含め、急速に厳しさを増すインド太平洋地域の安全保障情勢について意見交換を行った。また、両閣僚は、中国の行動は地域の平和と安定に資するものではなく、地域において緊張を高めるいかなる行為についても、深刻な懸念を表明するとともに、日米間で緊密に意思疎通し、連携していくことで一致した。

両閣僚は、翌年1月に米国において日米防衛相会談を実施し、変化する安全保障環境がもたらす課題に対応するため、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化する様々な取組について、引き続き切迫感を持って推進していくことで一致した。特に、南西地域における日米の共同プレゼンスの拡大について、自衛隊の防衛力強化の取組の進捗も踏まえて、同盟の最優先事項の一つとして、より高度かつ実践的な共同訓練の各地、特に南西地域での拡充を含め、一層取り組むことを確認した。また、防衛装備・技術協力についても一層連携していくことで一致し、小泉防衛大臣は、日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)について、次回協議の早期開催に向けて準備を進めていくことの重要性を強調した。さらに両閣僚は、統合防空ミサイル防衛能力や宇宙領域での協力を強化していく必要性について議論した。また、抑止力を維持し、地元への影響を軽減するため、普天間飛行場の継続的な使用を回避する唯一の解決策である辺野古における普天間飛行場代替施設の建設と普天間飛行場の返還を含め、沖縄統合計画およびその他の既存の二国間取決めに従った在日米軍再編の着実な実施が極めて重要であることを確認するとともに、在日米軍による事件・事故の再発防止のための協力を進めることで一致した。

参照図表III-2-1-1(日米安全保障問題に関する日米両国政府の関係者間の主な政策協議)、2節(日米共同の抑止力・対処力の強化)IV部3章2節(米国との防衛装備・技術協力など)資料28(日米協議の実績(2022年以降))資料29(日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)共同発表(仮訳))資料30(日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)閣僚会合(概要)(2024年7月))

図表III-2-1-1 日米安全保障問題に関する日米両国政府の関係者間の主な政策協議