自衛隊山形地方協力本部

HOME > 本部長の小部屋

本部長の小部屋

#6上山市

上山は良いところです。
城下町であり宿場町であり温泉があるという、全国でも珍しい観光コンテンツ三点セットが揃った町。よって、訪れる方も多く、蔵王への玄関口としても賑わっておりますが、私が上山で惹かれているのはそれらだけではありません。私の愛する上山三点セットは「石橋」「干し柿」「加勢鳥」です。

まず石橋ですが、着任早々に訪れた楢下宿で眼鏡橋(覗橋と新橋を二つ合わせて「眼鏡」)を拝見しました。これらは明治期の県令三島通庸が施した土木事業のひとつであり、重量制限はあるものの今でも一般車が通行することが可能です。現役で活用されながら楢下宿の景観にも溶け込んでおり、とても好ましく感じるこれらの石橋、当時の山形県が全額出資、施工した公共事業かと思っていたのですが、よくよく調べてみると、県の出資率は低く、地域住民に出資を強制し作らせていたという話であり、三島通庸、なかなかのやり手であったのだなあと感服仕りました。この楢下宿の眼鏡橋の他にも、市中心部から中山へ向かう国道13号線沿いに堅磐橋が保存されています。こちらは単体で「眼鏡」となっており、JR山形線の車窓からもチラッと視認することが可能です。

次に干し柿です。私が子供の頃、干し柿は身近にあるものではありませんでした。時期になってもおやつに出てくることは無く、浦沢直樹さんの漫画「MASTERキートン」の中で干し柿が題材となっていても、そうか、甘くて美味しんだろうなあ、と想像するにとどまっておりました。その後、40代に突入したのち、神様(=妻)の実家で作った干し柿を食べたとき、これはなかなかいけるおやつなのではと初めて認識しました。そして山形に着任後、冬を迎え、あの独特のクラシカルなパッケージに包まれた干し柿が店頭に並び始めました。しかもなかなかお高目な値が付いていますが、山形のおいしいものにもリストアップされておりますので、意を決して購入し食べてみたところ・・・ビックリしました。世の中のスイーツと言われるものがひれ伏すほどの上品な甘さです。ビニールひもから外すのももどかしく、ひとつ、ふたつ、みっつと、どんどん口に入れてしまいます・・・が、これは食べ過ぎると明らかに糖分過多です。「MASTERキートン」では月餅の小豆餡に干し柿が練りこまれていたというエピソードでしたが、そうか、これなら上品な甘さが表現できるのかと大いに納得いたしました。

三つめは加勢鳥です。2月、ちょうど「銀つば(=銀色の塗装を復元した新幹線車両)」が山形駅でお披露目されるというセレモニーがあり、それを堪能した後に上山に向かいました。どこでどのような形態で行われるのか、まったく知識を入れずに駅に降り立ったので、まずは客待ちをしているタクシーの運転手さんに「加勢鳥はどこに行ったら見られますか?」と問うたところ、「どこかが会場というわけではなく、あちこちを練り歩いてくるんだよ。」と教えてくださいました。街中には結構な量の雪が積みあがっていましたが、晴天で気温も高かったので、溶け出して洪水のようになった道をジャブジャブと進みます。すると、旅館が多く立ち並ぶ地区でお囃子の音が聞こえてきました。そしてついに加勢鳥の集団を発見。ちょうどある旅館の玄関先で舞い始めたところでした。「加勢鳥さまのお出ましだぞ~っ、そーれ!」「かっかっか~!かっかっか~!商売繁盛、火の用心!」さすがに自ら「奇習」と名乗るだけあり、ケンダイを被った加勢鳥たちが集団で踊る様、お囃子に合わせて発せられる口上、どれもこれもが奇怪です。私の感想を正直に申し上げますと、「あまりにも馬鹿馬鹿しい!でもこの不条理な世界を生きている我々は、めっちゃ癒される!」というものです。一人で見に行った私ですら笑いをこらえることができませんでした。もともとのルーツをたどれば「稼ぎ頭」が転訛して加勢鳥になったとも言われています。こんなに人を楽しくさせることができるのならば・・・次回、私は楽しませる側に回るつもりです。もちろん、ストローで燃料(=体を温める冷たい飲み物)を補給しつつ。

自転車乗りの目線で言うと・・・
どこか峠に登りたいなと思い向かったのは金山峠です。サミットへ向かう旧羽州街道の県道13号上山七ヶ宿線はおおよそ10%前後の勾配であり、センターラインの無い狭隘な山道で自転車にはうってつけの道でした。太陽を遮るように木々が覆ってるから盛夏にはちょうど良いな~、ただ、熊さんが出てきそうでちょっと怖いな~と思ってペダルを回していたら、路肩に何かがいます。近づいてみるとアナグマ親子(母1、子3)でした。おかあさんアナグマと目が合いましたので「君たち何やってるの?」と聞いたところ、大きな声で「しゃーーーっ!」と威嚇され、なんと私に向かって飛びかかってくるではありませんか。ヒルクラ中で脚に余裕がないのに、ここで逃げなくてはいけないのか!と絶望感に襲われながらも、サミットの方へ向け必死にダンシングして振り返ると凄い形相でおかあさんアナグマが追いかけてきます。ですが、アナグマは脚が遅いのですね。凄い形相で大きな威嚇の声を出しているのになかなか近づいてきませんでした。モサモサとお尻を振り振り走っているさまが必死なので、ちょっとかわいい。そんなアクシデントがありつつも、ふと前を見ると切通のサミットにとうちゃこ。宮城県七ヶ宿町との境です。当然、我がナワバリを出ることは許されませんのでUターン。 もうひとつ、上山の山道と言えば・・・蔵王坊平です。9月に開催予定のヒルクライムイベント(蔵王坊平ヒルクライムinやまがた)にエントリーしてみたものの、足切り時間の設定がシビアなことに申し込み後に気づきました。なんとか本番までに鍛錬を積みたいと思います。

鉄道好きの目線で言うと・・・
上山と言えば蔵王高速電鉄です。車両まで発注していたにもかかわらず開業に至らなかった悲運の会社ですが・・・開業していたとしても経営状況は厳しかったのではないでしょうか。国鉄線に並行する私鉄は客の取り合い競争をせざるをえません。私鉄側は運賃を国鉄と同程度もしくは少し高めに設定し、沿線住民を細かく拾っていくために停車場を多く設置することになるでしょう。蔵王高速電鉄の目論見書においても上山中心街には三か所の停車場を設置する計画でした。須川に橋台跡が残っているそうなので、近いうちに確認して参ります。

#1真室川町#2大江町#3山形市#4最上町#5白鷹町
#6上山市#7村山市#8南陽市#9舟形町#10遊佐町
#11高畠町

自衛隊山形地方協力本部Twitter 自衛隊山形地方協力本部YouTube 自衛隊山形地方協力本部Instagram 自衛隊山形地方協力本部Facebook

LINK

SNS運用方針
プライバシーポリシー
利用規約
サイトマップ