司令官日記

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11月に入り寒さが深まってまいりましたが、自衛艦隊はいついかなる時でもあらゆる事態に即応すべく、隊員の強靭な体力・精神力をもって誠実に任務を遂行してまいります。
それでは10月中の主な活動について紹介します。


●10月5日、陸上自衛隊東部方面総監 冨樫勇一陸将及び航空自衛隊中部航空方面隊司令官 門間政仁空将の来訪を受けました。懇談を通じ、我が国を取り巻く安全保障情勢が厳しさと不確実性を増しているなかで、防衛力の抜本的強化に向け、陸海空自衛隊の相互運用性をより一層向上させていくことを確認しました。


●10月8日、米海軍空母「ロナルド・レーガン」において、米海軍第7艦隊司令官 カール・トーマス中将及び韓国海軍作戦司令官 キム・ミョンス中将と、日米韓艦隊司令官懇談及び艦上昼食会を行いました。懇談では、3か国を取り巻く安全保障環境上の課題に対して足並みを揃えるとともに、望ましい安全保障環境の創出に向けて、より積極的に連携の強化に取り組んでいくことで一致しました。

●10月12日、海上作戦センターにおいて、ベトナム人民軍総参謀長兼国防副大臣 グエン・タン・クオン陸軍上級中将の来訪を受けました。我が国とベトナム社会主義共和国は、外交関係樹立50周年及び日ASEAN友好協力50周年という節目を迎え、日越海軍種間においても、交流行事や親善訓練を通し相互理解及び友好親善の深化を図っています。懇談では、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、今後も人的交流や能力構築支援を継続するとともに、防衛協力・交流を推進していくことで一致しました。

●10月13日、木原稔防衛大臣の視察を受けました。海上作戦センターは、グレーゾーン事態を含む平素から有事に至るあらゆる不測の事態に対し、他自衛隊、米軍及び関係省庁との緊密な連携の下で即応できる態勢の確立を目的として整備され、自衛艦隊司令部ほか主要司令部が所在し、海上自衛隊の作戦中枢として運用されています。

●10月15日~16日、嘉手納基地を研修するとともに、第5航空群(沖縄県那覇市)において、第52次派遣海賊対処行動航空部隊の帰国行事に参加しました。ソマリア沖・アデン湾における約5か月間の任務を無事完遂し、自信と充実感に満ちた顔つきの隊員を見て、とても誇りに思いました。今回の任務完遂は、隊員のご家族・ご友人の皆様方からのご理解とご支援のお陰であり、この場を借りて、改めて感謝を申し上げます。

●10月18日、航空自衛隊三沢基地において、航空自衛隊最新鋭の早期警戒機E-2Dを研修しました。また、北部航空方面隊司令官 安藤忠司空将及び第3航空団司令 大嶋善勝空将補と懇談し、海空協同の一層の深化を図ることを確認しました。

●10月19日、防衛装備庁下北試験場において、陸上装備庁が実施する「レールガン」の開発状況の現状について研修しました。自衛艦隊は、新たな装備品の開発にも積極的に取り組み、領土領海と国民の皆様を守り抜くための防衛体制の構築を継続してゆきます。

●10月24日、自衛艦隊前期指揮官会議を開催しました。この会議では、自衛艦隊に所属する各指揮官が一堂に会し、我が国を取り巻く複雑な安全保障環境に対して、如何に効果的に部隊を運用するか等について活発な議論を行いました。

昨年末に制定された国家安全保障戦略等を踏まえ、自衛艦隊は隊員が一丸となって「即応」・「精強」・「誠実」を勤務方針として、24時間365日、一分の隙もない万全な警戒監視態勢を維持し、我が国周辺海域の平和と安定に努めるとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、力による一方的な現状変更の試みや法の支配への挑戦を抑止するために、これからも積極的に貢献して参ります。 皆様の変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。


令和5年11月
自衛艦隊司令官
海将 齋藤 聡