司令官日記

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9月に入り、暦の上では暑さが落ち着く「処暑の候」となりましたが、まだまだ暑い日が続いています。自衛艦隊は、残暑の中でもあらゆる事態に即応するべく誠実に任務を遂行してまいります。
それでは8月中の主な活動について紹介します。


●8月6日、大湊基地において、派遣海賊対処行動水上部隊44次隊 護衛艦「まきなみ」の帰国行事に参加しました。「まきなみ」は、今年1月22日に大湊基地を出港し、3月中旬から7月上旬まで、ソマリア沖・アデン湾において海賊対処行動の任務に従事しました。また、往路復路において、インドやフィリピン等に寄港し、各国との友好親善及び相互理解を深めました。約半年間の派遣を終えた隊員をねぎらうとともに、本派遣に対するご理解・ご支援をいただいた隊員のご家族・ご友人に感謝の意を伝えました。


●8月11日~15日、オーストラリアのシドニーにおいて、日米印豪共同訓練(マラバール2023)停泊行事に参加しました。4か国艦隊司令官との懇談を通じて、日米印豪の友情を深めるとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、今後も一層の連携を図ることで一致しました。

●8月11日、豪海軍艦隊司令官クリストファー・スミス少将及び米海軍第7艦隊司令官カール・トーマス中将が、日米印豪共同訓練(マラバール2023)に参加中の護衛艦「しらぬい」を視察されました。

●8月11日、德田修一在シドニー日本国総領事を表敬訪問し、懇談を実施しました。IPD23「しらぬい」をはじめとした海自艦艇寄港への協力について謝意を申し上げるとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、共に努力していくことで一致しました。

●8月25日、日米比艦隊司令官懇談に参加するためフィリピンを訪問した際、松田賢一駐フィリピン日本国大使館次席公使を表敬し、懇談を実施しました。 IPD23「いずも」をはじめとした海自艦艇の寄港への協力について謝意を申し上げるとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、フィリピンとの関係強化等について共に努力していくことで一致しました。

●8月26日、マニラ寄港中のIPD23「いずも」を視察し、各部隊に対して訓示し、IPD23に従事中の各部隊に対して訓示するとともに隊員を激励しました。また、IPD23で活躍した優秀隊員に対して、チャレンジコインを贈呈しました。

●8月26日、米海軍第7艦隊司令官、豪軍統合作戦部長、比海軍航空群司令官、比空軍西部作戦司令官とともに、フィリピンのマニラから米海軍P-8A哨戒機に搭乗して、南シナ海上空を飛行し、同海域の状況を視察しました。

●8月27日、米海軍第7艦隊司令官カール・トーマス中将とともに、フィリピン海軍司令官トリビオ・アダチJr中将を表敬訪問しました。これに続き、フィリピン海軍艦隊司令官レナト・デイビッド少将との初めての日米比艦隊司令官懇談を実施し、3か国による共同訓練及び情報共有を強化するとともに、フィリピン海軍の能力向上に向けた各種取り組みを日米が支援することで一致しました。

●8月27日、IPD23「いずも」における艦上レセプションを越川和彦駐フィリピン日本国特命全権大使と共催し、各国参加者との友好関係を築き、相互理解の深化を図りました。

昨年末に制定された国家安全保障戦略等を踏まえ、自衛艦隊は隊員が一丸となって「即応」・「精強」・「誠実」を勤務方針として、24時間365日、一分の隙もない万全な警戒監視態勢を維持し、我が国周辺海域の平和と安定に努めるとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、力による一方的な現状変更の試みや法の支配への挑戦を抑止するために、これからも積極的に貢献して参ります。 皆様の変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。


令和5年9月
自衛艦隊司令官
海将 齋藤 聡