司令官日記

自衛艦隊のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。

清々しい初夏の季節である6月も、自衛艦隊は、あらゆる事態に対応するため、引き続き全力を尽くしてまいります。
それでは5月中の主な活動について紹介します。


●5月8日、第2航空群(青森県八戸市)において、第51次派遣海賊対処行動航空部隊の帰国行事に参列しました。長期にわたる任務を無事完遂し、自信と充実感に満ちた顔つきの隊員を見て、とても誇りに思いました。この際、特に活躍した若年隊員にチャレンジコインを手渡し、その労をねぎらいました。
なお、当該部隊は先般生起した在スーダン邦人輸送任務において、迅速に各種準備を実施するとともに、万が一の場合に備えた待機態勢を確立していました。
今回の任務完遂は、隊員のご家族・ご友人の皆様方からのご理解とご支援のお陰であり、この場を借りて、改めて感謝を申し上げます。


●5月8日、八戸基地において試験的運用中の無人航空機「MQ-9B(シーガーディアン)」を視察しました。同機の高い情報収集能力を実際に確認し、平素から自衛艦隊が実施する監視・情報収集活動の更なる強化に繋がるものと確信しました。

●5月13日、インド太平洋中東方面派遣(IMED23)の第1掃海隊(掃海母艦「うらが」、掃海艦「あわじ」)の帰国行事に参列しました。
特に活躍した若年隊員にチャレンジコインを手渡し、任務の完遂を直接労うとともに、任務へのご理解とご支援をいただいた隊員のご家族・ご友人に直接、感謝の意を伝えることができました。

●5月16日、米海軍太平洋艦隊情報戦司令部兼情報戦任務部隊指揮官ミシェル・ヴェルナッザ少将及び米海軍情報戦開発センター指揮官ブライアン・ブラズウエル大佐の来訪を受け、情報戦における一層の連携を確認するとともに、強固な日米同盟に基づく抑止力、対処力の強化を図っていくことで一致しました。

●5月17日、自衛隊横須賀病院で実施された「第一線救護衛生員」認定試験を視察しました。この「第一線救護衛生員」とは、有事等において、医師からの指示を得ることが不可能な場合、「第一線救護衛生員」が緊急救命行為(輸血や外科的気道確保等)を実施し防ぎえる死を予防するための制度です。困難な状況においても、仲間の命を守ろうと必死に試験に臨んでいる衛生員の姿を見て、非常に感激するとともに、とても頼もしく感じました。

●5月18日、水陸両用戦に関する日米会議で来庁されていた米海兵隊第3海兵遠征軍副司令官フリドリック・フリドリクソン准将、第7艦隊水陸両用戦司令官デレク・トリンク少将、陸上自衛隊水陸機動団長 梨木信吾陸将補及び掃海隊群司令と懇談し、水陸両用戦における一層の連携を確認するとともに、強固な日米同盟に基づく抑止力、対処力の強化を図っていくことで一致しました。

●5月18日、日米海軍種の下士官連携に尽力した前自衛艦隊先任伍長の青山宜弘准尉に対する第7艦隊司令官カール・トーマス中将からの感謝状贈呈式に陪席しました。このセレモニーは、温かくアットホームな雰囲気の中で行われ、日米の強固な絆を感じることができました。

●5月25日、令和5年度遠洋練習航海部隊の出国式典に参列しました。希望と期待で目を輝かせ整斉と出発した実習幹部の勇ましい姿を見て、とても頼もしく感じるとともに、海上自衛隊の明るい未来を確信しました。

●5月31日、令和5年度インド太平洋方面派遣(IPD23)部隊第1水上部隊の出国式典を実施しました。この活動は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、米・豪・印をはじめとしたインド太平洋地域の各国海軍等との共同訓練 や沿岸国との様々な交流行事を通じて、連携の強化及び相互理解の深化を図ることを目的としています。本任務に臨む使命 感と自信に満ち溢れた各隊員を目の当たりにし、非常に頼もしく感じるとともに、同部隊の活動がインド太平洋の平和と安 定に貢献することを確信しています。

昨年末に制定された国家安全保障戦略等を踏まえ、自衛艦隊は隊員が一丸となって「即応」・「精強」・「誠実」を勤務方針として、24時間365日、一分の隙もない万全な警戒監視態勢を維持し、我が国周辺海域の平和と安定に努めるとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、力による一方的な現状変更の試みや法の支配への挑戦を抑止するために、これからも積極的に貢献して参ります。 皆様の変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。


令和5年6月
自衛艦隊司令官
海将 齋藤 聡