司令官日記

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 令和4年12月23日に第52代自衛艦隊司令官として着任しました齋藤です。自衛艦隊は海上防衛の任を担う第一線部隊として、護衛艦、航空機、潜水艦及び掃海艇等を運用し、約25,000人の隊員が日々任務や教育訓練に励んでいます。「精強、即応、誠実」を勤務方針に、我が国の領域及び周辺海域の防衛、海上交通の安全確保並びに望ましい安全保障環境の創出のため、自衛艦隊の全隊員とともに全力で職務の完遂に邁進する所存です。

 さて、我が国を取り巻く安全保障環境は、周辺諸国の軍事力の増強や海洋進出、力による一方的な現状変更の試み等により、一層厳しさを増しています。加えて、インド太平洋地域における安全保障環境が複雑かつ不安定化の傾向を強めていることは大きな懸念です。このような情勢下、自衛艦隊は我が国周辺海空域における隙のない警戒監視活動を継続するとともに、統合運用と日米共同の深化や友好国との安全保障協力の強化、並びに海上保安庁とのより一層の連携強化等を推進し、平素の活動から防衛警備上のあらゆる事態に柔軟かつ適切に対応していきます。  また、自衛艦隊は、我が国から遠く離れたソマリア沖・アデン湾及び自衛隊唯一の海外拠点となるジブチにおいて、ヘリコプター搭載護衛艦とP-3C哨戒機、そして、これら部隊を支援する支援隊にとともに海賊対処行動を実施しております。加えて、2020年からは、海賊対処行動に従事する部隊をもってオマーン湾、アラビア海北部及びアデン湾の公海において情報収集活動も継続しております。これらの活動を通じ、中東地域における海洋の安定利用の確保及び海上交通の安全確保に努めてまいります。
さらに、日米印豪共同訓練(マラバール2022)やインド太平洋方面派遣(IPD22)等、海を通じた様々なグローバルな活動によって、海洋国家である我が国の繁栄にとって必要不可欠である「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、自衛艦隊一丸となって積極的に取り組んでまいる所存です。

海上自衛隊は、2022年に創設70周年という大きな節目を迎えました。そして、20年ぶり国内2回目となる「国際観艦式」を12カ国に及ぶ多数の艦艇・航空機に参加する中、岸田内閣総理大臣を観閲官としてお迎えし盛大に挙行することができました。自衛艦隊は、今後とも陸空自衛隊及び第7艦隊をはじめとする米軍部隊等と適切に連携し、抑止力と対処力を向上させ、我が国の平和と安全を確保する所存です。 

最後にこの場を借りてお知らせいたします。自衛艦隊としてのSDGsへの取組み、そして、帝国海軍以来、海上自衛隊も受け継いでいる虚礼廃止の伝統に則り、来年の小職からの年賀状については控えさせていただくことと致します。誠に恐縮ではございますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様におかれましても小職へのお気遣いは御無用に願いたく存じます。 本ホームページをご覧の皆様が良い年を迎えられますよう心より祈念致します。

令和4年12月23日
第52代 自衛艦隊司令官
海将 齋藤 聡