近年、国際平和協力活動などで自衛隊が海外に派遣される機会が増えています。さらにわが国の平和と安定を確保するための多国間・二国間の防衛交流も、具体的な行動を伴った協力へと深まりつつあります。このような国際的な実務の最前線は、究極的には固有の文化的背景をもつ人と人がじかに接する場となります。したがって、そうした現場で活動する幹部自衛官には、各国・地域の文化的特性を理解した上で、文化や宗教の違いによる摩擦を回避し、効果的なコミュニケーションを行う能力が必要です。
人間文化学科は、わが国の安全保障をめぐるこうした要請に応えるべく、人文科学の諸分野と語学の教育を通して、異文化理解/異文化コミュニケーション能力の育成を図ることを目標としています。
人間文化学科では哲学・心理学・世界史・日本史・地理学・文化人類学・言語文化などの人文科学の諸分野を幅広く学び、日本や世界各地域の文化、歴史、宗教などについての基礎的教養、ならびに異文化理解の学問的手法を身につけます。また本学科の特色として、専門科目として英語や第2外国語の授業を展開し、語学の教育に力を入れていることも挙げられます。学生は4学年になると、各自の興味にしたがって卒業研究を執筆し、論文作成能力と発表の手法を身に付けます。学科の授業は少人数のゼミナールが多く、卒業研究の作成に際しても丁寧な個人指導を受けることができます。このように教官と学生の距離が近く、アットホームな雰囲気をもつ本学科で、皆さんも一緒に学びませんか?
欧米の歴史を通して、歴史的な見方・考え方を修得します。
国際的な視野を養成するため、特に地域間の相互交流に留意しながら、アジア諸地域の歴史に関する基礎的事項を学んでいきます。
イスラームをはじめとする宗教の普遍性や多様性について幅広い知識を学びます。
フィールドワークや地図などの人間社会の分析方法を身に付け、場所・環境と文化との関わりや、集団の多様性と共通性など、異文化理解の基礎を学びます。
異文化のコミュニケーションにおいて生起する問題ならびにその解決方法を考察していきます。
各国・地域の時事問題や文化に関する英語分権を精読し、英語で発表し、英語で学術論文を書く手法を学んでいきます。
日本語・日本文学を通して、日本文化の独自性を学び、国際交流の際、正確な自己の理解に立脚した情報発信ができるようにします。
ゼミ形式で文献読解の方法、人文科学の各分野の方法論、論文作成、口頭発表の方法を習得します。
人間関係の諸相とその基礎理論・人間集団の統率の方法を、心理学の立場から学びます。
欧米の近代思想の主要潮流を学び、人間文化理解のための哲学的基礎を解明します。
摩擦や対立を生み出す宗教のメカニズムを理解するだけでなく、宗教がもたらしうる融和や調和の可能性について考察します。
様々なメディアの誕生と歴史的変遷を総合的に学び、メディアの本質構造をめぐる文化的な理解を深めます。