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各 種 訓 練

 

令和4年度大量傷者受入訓練『原点回帰』

 

 自衛隊中央病院は令和4年7月9日(土)、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い昨年度は実施できなかった大量傷者受入訓練を2年ぶりに行いました。

  本年度は「各種事態対処能力の向上」及び「関係部外医療機関との連携強化」を目的とし、首都直下地震発災24時間後を想定した訓練を実施しました。

  訓練は、大量傷者来院時の対処能力向上のため災害医療の基本コンセプトであるCSCATTT(「指揮・統制」「安全」「情報伝達」「評価」「トリアージ・治療・搬送」)の実行性向上、DCS(ダメージコントロール手術)適応傷者に対する救急室と手術室の連携要領を確認・実行するための演練を実施した。また、日本DMATを受入れて航空搬送病棟を運営し、SCU(航空搬送拠点臨時医療施設)に準じた運用の実効性向上を図るとともに、搬送先の入間SCU(基地)において航空搬送中に急変した患者を今年3月開院した自衛隊入間病院へ搬送し救命率の向上を図った。

  当日は週初めの天気と打って変わって快晴の下、東京消防庁、日本DMAT、 の部外関係機関及び陸上総隊、東部方面隊、自衛隊衛生学校、自衛隊入間病院の部内関係機関の参加により実効性向上に繋がる訓練ができました。

  首都直下地震の発生確率は30年以内に約70%と予想されており、引き続き本訓練の目的である「各種事態対処能力の向上」に努めてまいります。




令和元年度大量傷者受入訓練
『-災害拠点となりうる医療機関としての能力向上を目指し-』

 自衛隊中央病院は令和元年5月25日(土)、令和元年度自衛隊中央病院大量傷者受入訓練を行いました。  当院での大量傷者受入訓練の歴史は古く、昭和45年度に第1回訓練が行われ、今日まで継続して実施されています。

 本年度は、「災害拠点となりうる医療機関としての能力向上」を目的とし、都心南部を震源とするマグニチュード7.0の首都直下地震を想定して防衛医科大学校、陸上総隊、東部方面隊等の部内関係機関をはじめ、日本赤十字社、東京都、世田谷医師会、日本DMAT等の部外医療機関等の参加をいただき訓練を実施しました。

 前段訓練においては「発災直後の初動態勢の確立」を主要演練項目とし、病院の指揮幕僚活動、駐屯地内での負傷者救護、ライフラインの被害確認、子供受入施設の開設等を演練しました。 

 後段訓練では「超急性期(発災6~72時間)における、関係機関と連携した医療救護活動」を主要演練項目とし、大量傷者受入チームによる患者の受入・処置のほか、航空搬送支援班による被災地域外病院への患者航空搬送を演練しました。また世田谷医師会の開設する避難所救護所に対する支援を演練する等、中央病院が所在する自治体等との連携要領について具体化を図りました。

 本訓練には原田防衛副大臣、山﨑統合幕僚長、髙田東部方面総監をはじめ約240名のご視察、研修等をいただき、自衛隊中央病院の首都直下地震への取組みについてご理解をいただきました。




平成30年度大量傷者受入訓練 『 テロ・特殊災害への対応 』

 

 自衛隊中央病院は平成30年7月7日(土)、平成30年度自衛隊中央病院大量傷者受入訓練を行いました。  本年度は、年間多数の各種競技会等が開催される東京都の特性、近年の爆発物テロ事案の発生等を考慮し、多機関連携の基盤強化及び複合的な特殊災害への対処要領検証を主要訓練項目として実施されました。  訓練には警視庁、東京消防庁、世田谷区、世田谷区医師会等多くの部外機関が参加するとともに、東部方面隊からも多くの部隊・隊員が参加し、テロ対処のための連携要領を演練しました。

 当日は約1240名(中央病院約520名、東部方面隊等約320名、警察・消防・世田谷区・世田谷区医師会約100名、研修者約300名)が参加し、中央病院初の試みとなる世田谷公園の生地を活用した訓練を行いました。世田谷公園では化学剤と爆発物を使用した複合的なテロ発生の想定のもと、バイスタンダー(救急現場に居合わせた人)の活動や、警察、消防、自衛隊がそれぞれの持つ能力・役割を連携させ、除染、安全化、負傷者救護、分散搬送等の一連の行動を演練しました。

 また、発生現場近傍に設置された衛生支援施設(第一後方支援連隊衛生隊/第一師団)では、救命率を向上させるためのDCS(ダメージコントロール手術)をハイブリットモデル(外傷手術を訓練するための豚の臓器を使用したシミュレーションモデル)を使用して演練するとともに、中央病院に次々と搬送される化学剤傷者と爆発物傷者を同時に受け入れ、重症区分を判定し、迅速な治療を実施する訓練を行いました。

 朝霞訓練場では、協同訓練を行う東部方面隊が、世田谷公園でのテロ発生に連接させた爆破テロ対処訓練を行いました。朝霞訓練場で発生した重症患者(模擬患者)を中央病院へ航空搬送する訓練も予定していましたが、当日は天候不良により実施できませんでした。

 訓練は、陸上総隊司令官、大臣官房衛生監、東京都危機管理監など約300名の方々にご視察、研修をいただきました。
 本訓練を通じ、各機関のキーパーソンが顔の見える関係となり、互いの組織の特性を十分理解し、机上での検討を実動で演練することにより、多機関連携の一要領を確認・深化させることができました。

 自衛隊中央病院は、あらゆる災害等に適切に対応できるよう、多機関連携を更に充実させて実行力を強化してまいります。


  

平成29年度大量傷者受入訓練 『多様な役割への対応』

 自衛隊中央病院は、平成29年十月七日(土)、平成二十九年度大量傷者受入訓練を行いました。当院での大量傷者受入訓練の歴史は古く、第一回訓練は昭和四十五年度に行われています。
 今年度の訓練は、多様な事態への対処態勢の確立を目的に、「首都直下地震想定」から「テロ・特殊災害想定」へと変化し、①化学剤テロへの対応、②ダーティーボムへの対応、③爆発物テロへの対応、④患者航空搬送の四コ想定の枠組みで行いました。
 これらは、複数の想定を演練することにより職員の練度向上を図るとともに、当院が準備する特殊災害対処計画を様々な角度から検証しその能力を向上させる、また、東京消防庁をはじめとする各関係機関との連携強化をねらいとしたものでした。

 訓練は、防衛大臣のご視察をいただくとともに、自衛隊高官(陸上幕僚長はじめ陸将七名、陸・海将補十五名)、東京都危機管理監等、部内外約二百二十名の方々にご視察いただくことができ、当院の機能・特性及び各種事態対処における役割について更なるご理解をいただくことができました。

 自衛隊中央病院は、めまぐるしく変化する国際情勢、そして、オリンピック・パラリンピックに代表される国家的プロジェクトに適切に対応できるよう、各種事態への対応能力を周到に強化してまいります

 訓練の模様は、動画でご覧になれます。サムネイルをクリックしてください。

  

  平成29年度自衛隊中央病院大量傷者受入訓練


平成28年度大量傷者受入訓練
『一つでも多くの命を救うために』

 

自衛隊中央病院では、平成19年度から大規模災害の対処訓練を行っております。特に平成24年からは首都直下地震を想定した訓練を積み重ねて参りました。  

 今年は、これまでの訓練で得た成果・教訓等をもとに、更に自衛隊内での協同・連携、地域との連携を強化するとともに、災害対処計画や業務継続計画の実効性を検証して自衛隊中央病院の災害対処能力を向上させることを目的に、平成29年2月4日(土)に三宿駐屯地を主な訓練地域として実施しました。   

 訓練は、午前中に発災直後、午後は発災28時間後の超急性期の2つの場面に区分し、訓練における重視項目を①首都直下地震対処における三宿地区(駐屯地)及び近傍部隊・機関等との連携、②航空搬送拠点としての三宿地区(駐屯地)の活用の二つに定め、発災直後では初動対処の要領、速やかな状況把握と院務運営方針の決定、超急性期では自衛隊や地域との連携、航空搬送拠点的運用要領、患者航空搬送、同時多発患者への対応等の訓練を行いました。  

 当日は快晴のもと、中央病院職員と日本DMAT、世田谷区医師会等の関係機関及び部隊の約650名が訓練に参加するとともに、岡部陸上幕僚長、塚原大臣官房衛生監、田邉東京都危機管理監をはじめとする200名を超える方々に訓練視察・研修をいただき、首都直下地震をはじめとする各種災害において自衛隊中央病院の有用性をご確認いただくことができました。  

 本訓練では自衛隊中央病院初の試みである部外病院への航空搬送を行いました。

 これは、災害時に連携が予想される都立松沢病院、日本医科大学千葉北総病院、埼玉医科大学総合医療センター、平塚市民病院の4病院にヘリコプター(CH-47及びUH-1)を用いた患者搬送を行ったもので、各病院との連携強化を図ることができました。

 また、災害発生時、多くの病院は電力供給が途絶え平素使用している電子カルテが使用できないという想定で訓練が行われますが、自衛隊中央病院は免震構造による高い残存性と自家発電システム(コジェネレーションシステム)による電力共有により電子カルテが運用可能な施設であるという前提に立ち返り、災害時においても電子カルテを効果的に使用し、診療はもとより来院される被災患者さんの管理をどのように行うか検証することができました。

 訓練終了時、視察・研修をいただいた皆様にアンケート調査を行った結果、93.3%の方々から『大変満足した』または『満足した』とのご回答をいただくことができ、本訓練の目的達成と所望の成果を得ることができたことが確認できました。  

  自衛隊中央病院は本訓練で得られた成果をもとに、行政(都)や周辺地域の皆様から期待される役割をしっかりと果たせるように、来年度以降も訓練を重ねてまいります。  

  地域の「もしも」の時に、また、来るべき2020年の東京オリンピック開催も見据え、各種事態等に実力を発揮できる病院として、そして皆様に安心していただける病院として、その能力・実効性を高めてまいります。





平成27年度大量傷者受入訓練

 自衛隊中央病院では、首都直下地震を想定した大規模災害への対処能力の向上を図るため、大量傷病者の受入訓練を平成十九年から実施しています。  

 本訓練は東京湾を震源とする震度六強の揺れを観測したという想定で行われ、自治体、近郊医師会、日本赤十字社や災害支援ボランティアなどを含めて約500人が参加しました。  

 自衛隊中央病院では、発災後約二時間で半数以上の職員が登庁可能な態勢を常時維持しつつ、免震・耐震構造による施設の残存性、電力共有が途絶えた場合の自家発電能力(コジェネレーションシステム)、また、都内で唯一大型ヘリコプターの離着陸が可能な屋上へリポートを付設するなど大規模災害への対応に備えています。  

 訓練では、患者の状態に合わせて治療の優先度を選別するとトリアージをした後、重症、中等症患者への集中的な治療を練成しました。  

 また、ヘリポートでは傷病者の受入や激震地域外の病院への搬送準備訓練を行いました。これは新たな役割として、災害時の航空拠点(SCU)としての態勢を確立するためのものです。  

 その他にも、体育館を避難救護所・医療救護所として想定し、被災者への診療を行う訓練も実施し、自衛隊内だけでなく自治体や医療機関をはじめとした地域との連携も見据えた訓練となりました。