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防衛省・自衛隊 神奈川地方協力本部は、自衛官を目指している人を応援しています。

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〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町253-2

第33代 前本部長通信CAPTAIN


第33代 前本部長 夏井 隆
(なつい たかし)

1 等 海 佐

  • 部隊名    自衛隊神奈川地方協力本部
  • 部隊所在地  〒231-0023
           神奈川県横浜市中区山下町253番地2号
           TEL 045-662-9426
           FAX 045-662-9498

プロフィール


生年月日:昭和44年12月26日
出  身:宮崎県日向市
学  歴:宮崎県立宮崎西高等学校卒
防衛大学校36期(管理学)
略  歴:平成 4年 3月 海上自衛隊入隊
平成 5年 3月 練習艦隊(呉)
平成 5年11月 護衛艦「ゆうぎり」(横須賀)
平成 6年12月 護衛艦「やまゆき」(呉)
平成 7年12月 護衛艦「さわゆき」(大湊)
平成 9年 3月 護衛艦「むらくも」(横須賀)
平成10年 8月 防衛大学校指導教官(横須賀)
平成13年 8月 護衛艦「じんつう」砲雷長兼務副長(舞鶴)
平成15年 3月 ミサイル艇3号艇長(余市)
平成17年 3月 海上幕僚監部防衛課(市ヶ谷)
平成19年 1月 第3護衛隊(舞鶴)
平成19年11月 練習艦隊司令部訓練幕僚(呉)
平成20年11月 護衛艦「はたかぜ」砲雷長兼務副長(横須賀)
平成22年 3月 第1ミサイル艇隊司令(余市)
平成23年 8月 練習艦「しらゆき」艦長(呉)
平成24年 8月 アジア太平洋安全保障センター留学(ハワイ)
平成25年 1月 インド国防大学留学(インド)
平成26年 1月 第4護衛隊群司令部首席幕僚(呉)
平成27年 3月 護衛艦「みょうこう」艦長(舞鶴)
平成28年 8月 海上幕僚監部補任課服務室長(市ヶ谷)
平成29年12月 第6護衛隊司令(横須賀)

令和 元年11月 6日 〜 令和 3年10月31日
         神奈川地方協力本部 第33代本部長(横浜)



離任のご挨拶(3.10.28)

 いつも突然で申し訳ありません・・。

 令和3年11月1日付をもって、自衛隊神奈川地方協力本部長としての任を解かれ、新しい持ち場を命ぜられて、佐世保の地において西海の護りに当たることとなりました。自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧のみなさま方には、いつも心温まる叱咤激励をいただき、時には共に汗をかいていただき、約2年に及ぶ勤務期間中、本当にお世話になりました。本来であれば直接お目にかかり、心底からのお礼をお伝えしたいのですがこれかなわず。紙面を借りて心からの感謝の気持ちをお伝えさせていただきます。

 この横浜での、そして神奈川県各地での勤務を今振り返り、悔いは全くありません。完全に燃え尽きることができました。「燃え尽きる」というと何か終わった感ですが、そんな充実感と達成感、そして安堵感を正直感じております。地方協力本部での勤務を熱望していたとはいえ、慣れ親しんだ海上勤務を離れることに少しだけ不安はあったのですが、「少子化」「募集難」という言葉は俺には関係ねーな(笑)・・と催眠術のように自分に言い聞かせ、思い込ませて、勝手に楽観的な考えを持って着任した日を昨日のことのように覚えています。(「悲観的に準備し楽観的に実施する」ことが私の1つのポリシーです!)

 完全に燃え尽きることができたのは、やはり素晴らしい部下と、素敵な地域のみなさま方からのご理解ご支援があったからだと思います。とにかく、『部下の心に火をつけさえすれば絶対に大丈夫』、という確信はあったのですが、この火をつける方法が問題であり、多軍種多様な部下、一人ひとりに適した点火法を探すのには本当に苦労しました。しかし、幸いにして部下の心持と波長が、私の「点火法」とマッチングしたため、私を燃え尽くす勢いで部下は燃え続けたと思いますし、その成果が、元年度第2級賞状、そして2年度は27年ぶりの第1級賞状の連続受賞に結びついたと思います。そして令和3年度も、ここまでは、あの抜群の成績であった昨年度をも大きく上回る多くの方々に自衛隊を志願していただいており、(悪友の)某地本協力本部長からは「神奈川だけ地殻変動が起きている・・」と嫌味、訂正、驚嘆のコメントをもらうまでに至っております。全てが、素晴らしい部下の頑張りと、素敵な地域のみなさま方からのご理解ご支援のおかげです!

 自衛隊神奈川地方協力本部は、これからも地域のみなさまと共に前へ進み続けますし、私の宝である部下達は決して燃え尽きることはありません。今まで以上に、大火を燃やして回遊魚のごとく県内各地を動き回ると思いますので、今後も変わらぬご支援ご協力をよろしくお願いいたします。

 私の次の持ち場は、今の職務と全く異なり、まさに「防衛の正面」の配置ですが、立場、配置は違えど想いは今までと同じです。引き続き「持ち場を守り」、我が国の安全保障に貢献できるように鞠躬尽力、日々精進してまいります。これまでこの本部長通信を読んでいただき、本当にありがとうございました。みなさまとの「ご縁」は、これからも大切にしてまいります・・。

BON VOYAGE!

「本部長通信」 全92編 完

自衛隊神奈川地方協力本部 第33代本部長 1等海佐 夏井 隆



ざいさん(3.10.25)

【本部員】 【募集相談員各会長様】
 「財産」と書くと、財産のない私としては何か金銭的な価値をイメージするので(汗、表題はあえて平仮名で「ざいさん」と表記してみました。

 これまでの海上自衛官勤務で、1つ1つの配置ごとに本当に多くのことを経験し、学び、様々な人に出会い、人間として成長させてもらえたと感じているのですが、この自衛隊神奈川地方協力本部長という配置でも、「本当に成長したな・・」と、これまでの勤務を振り返って確信しております。まさに、『人が配置をつくり、配置が人をつくる。』

 護衛艦勤務では経験できない多くの民間の方々とのお付き合い、民間企業的な考え方での部務運営、海上自衛隊を離れて陸上自衛隊の一員としての勤務。そして、陸海空自衛官のみならず、事務官、非常勤隊員と多軍種多様な部下部員との日常。進路を悩まれていた多くの若者との面談、募集対象者のみならず保護者、学校の先生、協力者とのご縁。やればやるほどの成果が明確に、かつ数字で直ぐに現れる自衛隊では珍しい配置。(30人以上の)数多くの広報官と1対1で行動を共にし、広報官という職の辛さを直接体感した日々。ポスティングを広報官と一緒に実施し、投函先で広報官と一緒に「整列」して管理人様から直接注意をいただいた想い出もあります(汗。広報官と一緒に各地での市街地広報を行い、「無視」された時の辛さも経験(涙。可愛い広報官の「ミス」があれば、一緒に現地に赴いて謝罪したことも何度かありました。令和元年11月着任以来、少しでも感謝の気持ちや、励ましをお伝えしたく筆を走らせた日々。お世話になった方々への手書きの礼状、合格者に対する手書きの激励文はこれまでで913通を数えました。

 こんな1つ1つの経験、出来事、一瞬一瞬の時、空間が、私を人間として成長させてくれる貴重な「ざいさん」です。かって、イージス艦「みょうこう」の艦長として勤務していた際に作成した「足跡」の以下一部を今読み返し、改めて確信した内容があります。


 『指揮統率の方法にはこれといった決まりはない。しかし、今振り返って想えば、指揮統率も結局のところは人間関係ではないかと思う。艦長としての持ち場を守り、自分を飾ることなく部下との関係を人間対人間の関係としてとらえ、彼らに誠実に接していけば、きっと私の考えも部下に理解してもらえると信じる。部下を信じ、部下の良い面を伸ばし、部下の家族をも自分の家族と思い、今後も勤務していこうと思う。』


 そうです、結局は我々の仕事も大部分は「人間関係」なんだと思います。そしてこれまでの勤務で、広報官を始めとした部下部員との間で、本当に「濃い」人間関係を築くことができました。そしてそれこそが、まさに私の「ざいさん」の1つと確信しているところです。

 以前にも書きましたが、最近の若者は「薄い」人間関係を好む方もいらっしゃいますし、人とのお付き合いの方法に関し様々な考え方があるのも事実です。しかし、自衛隊に入隊していただければきっと、素晴らしい出会いがあり、素晴らしい仲間を作れ、そして素晴らしい上司部下にも出会い、素晴らしい人生になるのでは、とも思うのです。一人でも多くの若者に、こんな素敵な自衛隊を志願していただければ、と今、心底から思います。そして、一度しかない人生です。日々成長したいと思いませんか? 自衛隊は、間違いなく自身を成長させ得る職業ですよ! 改めて最後に、「陸海空 自衛官募集中!」。



足 跡(3.10.22)

【「みょうこう」足跡】 【募集課】
 令和元年11月にこの横浜の地に着任し、まもなく2年が経過しようとするこの時期に、自衛隊神奈川地方協力本部長としてのこれまでの勤務を振り返り、改めて自身で取り組んできた内容を「足跡」として整理中です。護衛艦「みょうこう」艦長時代に作成した「足跡」に続く拙作になるかもしれませんが、海上自衛隊では勤務録を作成するよう若い時分から指導されてきており、勤務内容を記録しておけば後々、読み返すことにより将来の勤務の参考になることもあります。本日は、自衛隊神奈川地方協力本部での業務の様子を読者の皆様方により理解していただくために、その足跡の中でも特に、「募集成績を上げるための神奈川地本としての取り組み」を一部要約し、簡単にご紹介したいと思います。

 【業務改善】この本部長通信で何度もご紹介しておりますが、広報官達が自分たちの職場に自信と誇りを持てるよう、そしてその自信と誇りを背景として活き活きと活動できるように、「働き方改革」を強力に推進し、コンプライアンス的に問題なければ徹底して表層的形式的な、あまり意義を見いだせないと「直感」した業務はトップダウンで直ちに廃止しました。(「会議を何度やっても、時間をかけて検討しても志願票は集まらない! こんな時間があるなら、今から学校訪問に行くこと! 解散!!」と、某会議で発言してしまいました・・汗)

 【隊風改革】「本部は本部」「事務所は事務所」「広報官は広報官」という縦割り的な雰囲気を感じていましたので、本部部員に対しては、各地の広報官の業務を慮って勤務するよう指導、広報官に対しても、本部部員の(いつも広報官を応援している)想いを大切にして活動するよう指導し、機会があれば本部部員の各事務所研修や、広報官と本部部員が一緒になっての市街地広報を計画実施させ、自衛隊神奈川地方協力本部として一体感のある隊風の醸成に努力しました。

 【広報官の意識改革】「歩く自衛隊の広告塔」である広報官に対しては、まずは「見てくれ」である頭髪、服装、制服の着こなし等の細かい点まで直接徹底して何度も指導しました。本部に来る何人もの広報官が、時折、本部長室に連れ込まれて・・涙。また、電話の受け答えについても、「声のトーン」だけで組織が評価されることもあるとして指導。外見の指導が終われば、次は内面の指導です。広報官達には第一線の部隊にも決して劣らない「厳しさ」を追求させ、募集成績も全開示し、自身が広報官の中でどの位置にいるのかを絶えず自覚させ、切磋堕落ではなく、真の意味での切磋琢磨の精神を広報官達に注入。また、ツイッターのフォロアー数増加(元年11月着任時フォロアー数 全国地本第23位:約7000人 → 3年10月フォロアー数 全国地本第2位:約35000人)(約28000人増加))を「やればできる」の一例として広報官教育に活用。信賞必罰の重要性はよく言われるところですが、これまで転出時に「まとめて」賞詞(自衛隊の中での表彰の1つ)を授与するやり方を見直し、功績が評価できれば直ちに授与(例:学校開拓やプロスポーツチームとのコラボ)し、広報官達に「頑張ったらしっかり評価される!」ということを理解させました。そして、現場の根拠のない、経験だけに基づく意見は排除し、科学的な分析を必ず実施(例:志願者に対する全アンケートの実施)させ、今の「社会情勢にマッチした募集広報の方法は何か」を常に研究(変化への挑戦)することにより、無駄な業務を広報官に実施させないことにも留意しました。そして、最後は目標管理です。広報官達は、与えられた目標(=ノルマ)ではなく、自分たちで目標を考え、その達成にばく進するのみ。「自分たちで立てた目標であれば、石にかじりついてでも達成せよ!」と、いつも叱咤激励しています(汗。また、指示命令の効果についても必ず数字的に「見える化」をさせて、広報官達のモティベーションUPの工夫に努めました。(例:令和3年募集案内強化週間(7月)時の成果 1 主要沿線の各駅におけるポスター設置 218駅/県内393駅 2 某ファーストフード店舗におけるリーフ設置 37店舗/県内187店舗 3 横断幕設置 42箇所 4 懸垂幕展張 12箇所)

 【現場主義】趣旨が曲がって伝わらないように、隊内メールを最大限活用して本部長自身の考え方を(ほぼ毎朝)直接広報官達に伝える工夫をし、少々関係が濃くなりすぎた広報官達も多数存在します(汗。そして、広報官と一緒に現場を回り、広報官の行う業務内容を自身で徹底して理解するとともに(理解しないと、広報官達に正しい指導ができません)、成績の伸びていない広報官には、どこに原因があるのかを2人で外回り中の業務車の中で考え、彼らが何に困っているかを直接確認することに努めました。指揮官が問題を直接把握すれば、スピード感をもった改善が可能だからです。要するに、「冷暖自知」(徹底した現場主義)をこれまで貫いております。

 本日の本部長通信は少々長くなりましたが、とてもこの紙面だけでは書ききれない足跡が残されていることに気づきました(驚。これまで、あまりにもたくさん歩き過ぎました(大汗。が、これからも広報官達と一緒に各地を歩き続け、頑張れる限り多くの足跡を残したいと思いますので、引き続き、自衛隊神奈川地方協力本部の広報官達をよろしくお願いいたします。



卒を視ること嬰児の如し(3.10.19)

【総務課】 【 初孫です】
 冬に向かって確実に季節は移ろいつつある中、日中は本当に清々しく、過ごしやすい季節になっております。自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方におかれましても、天高く馬肥える充実した秋をお過ごしのことと拝察いたします。

 さて、私事で恐縮ですが、本年8月に初孫が誕生し、里帰り出産ということで週末は初孫と自宅で過ごす機会が多々あったのですが、本当に力いっぱい「この世の終わりか?」と思えるくらいに一生懸命に大声で泣く孫を、時折娘から「パス」されて抱きかかえつつ、柄にもなく子守唄?を歌って泣き止ませようと試みるのですが全く効果なく。部下を動かす難しさを時折痛感している中、「赤ちゃんをあやすのはそれ以上に難しいな・・」と実感しつつ、「泣くのは赤ちゃんの仕事」「大人になって泣かないように、今のうちに一杯泣いてね!」と初孫に優しく語りかけたところでした。

 海上自衛隊で勤務すれば、他国海軍と一緒に仕事をする機会が多く、英語を話す機会も多くなります。このため、海上自衛隊として英語の語学教育にも力を入れているのですが、自分の英語力を反省しつつ、「英語が話せないのは語学力の問題だけではない。語学力の問題は半分だけで、残り半分は「教養」が十分でないから外国人と話せないのでは?」と感じていました。日本の歴史、文化、安全保障政策、我が国周辺の安全保障環境等に係る教養、知識がなければ、そもそも外国軍人に対し話題が提供できないので、英語が余計に話せないのでは? と勝手に思っておりましたので、私自身も日々、教養を身につけるべく読書を欠かさない努力をしております。その中で過去に読んだ本に、『卒を視ること嬰児の如し、故にこれと深谿に赴くべし。卒を視ること愛子の如し、故にこれと?に死すべし。』(将軍が兵に対して赤子のように接するならば、兵は深い谷底であっても行動を共にする。将軍が兵に対し我が子のように接するならば、兵は喜んで生死を共にする。)(「孫子の兵法」)という一節があり、私の大好きな言葉の1つでもあります。なぜなら、この言葉ほど、部下指導の真髄を述べている言葉はないと確信しているからです。

 赤ちゃんを必死に泣き止ませようとすると、何に対して泣いているのか?を必死に考えます。「お腹がすいているのか」「おむつを替えて欲しいのか」「眠いのか」「暑いのか」「寒いのか」等々。赤ちゃんは話すことができないので、泣いている理由をこっちで考えなければいけません。「孫子の兵法」で有名な孫武は指導的立場にある者に対し、この赤ちゃんが泣いている理由を必死に考える姿勢の大切さを説いていたのだと思います。つまり、部下は、普通であれば指揮官に対し直接考えを伝える機会が限られる。ましてや、不平不満のような類を指揮官に直接言えるはずがない。なので、指揮官自身が部下のことを知ろうと思わなければ、部下の本当の考えや想いを決して理解できない。指揮官には常に、部下が今何を思っているのか、部下が困っていることはないか、何かして欲しいことはないか、等々、物言わぬ部下の心情に必死に想いを至らせることが大切なんだろう、と感じた次第です。(もちろん、単純に部下の考え方に迎合することはしませんが。)

 小さな赤ちゃんからも学ぶことはたくさんあるものです。横浜の本部長室から、天高くそびえるランドマークタワーを眺めつつ、「卒を視ること嬰児の如し」と一人つぶやいたところでした。(でも、できるだけ夜は泣かないでね・・汗)



続 防衛白書説明(3.10.15)

【昨年度の白書説明風景】 
 神奈川県に発令されておりました緊急事態宣言の解除に伴い、これまで延期していた地方自治体に対する令和3年版防衛白書の説明を開始します。従前同様に、南関東防衛局との棲み分けで説明を実施しますが、それでも神奈川県内の大多数の市町村にお伺いすることになり、回遊魚状態が継続。またまた横浜の本部を不在にすることが多くなります。しかしながら、これまで2回の白書説明(令和元年及び2年版)と、募集相談員委嘱式を通じてすっかり濃い関係になっていただいた(と自分で勝手に思っている)首長様に、再びお会いして親しく懇談させていただくことを今からとても楽しみにしているところです。

 さて、本題の防衛白書ですが、今年度の特徴は以下の説明文に整理されますので、自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方には、少しでも防衛白書、引いては我が国の防衛政策等について関心を持っていただきたく、紹介させていただきます。

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 令和3年版防衛白書は、できる限り多くの皆様に、できる限り平易な形で、我が国防衛の現状とその課題及びその取り組みについて周知を図るため、様々な工夫を凝らしています。表紙の作画は、福井県や福岡県を基盤に活躍する墨絵アーティストの西元祐貴氏に依頼し、躍動的かつ重厚感ある騎馬武者により防衛省・自衛隊の「力強さ」、我が国の「強固な防衛意思」を表現しました。

 令和3年版防衛白書の大きな特徴の第1【質の高さ】は、主として令和2年度間の防衛省・自衛隊の活動や国際情勢を分かりやすく多面的に紹介していることです。特に海警法の問題を含む中国の動向や対立が一層顕在化する米国と中国の関係、日米防衛相会談などを通じた日米同盟の抑止力・対処力の強化、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向けた取組み、新型コロナウイルス感染症に対する防衛省・自衛隊の活動などについて詳しく説明しています。特徴の第2【分かりやすさ】は、スマホ等で再生可能な動画にリンクするQRコードを多数配置していること。そして第3【使いやすさ】は、本冊のスリム化、特集などのブックインブック化などにより利便性を追求していることです。

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 防衛白書説明後のわずかな時間に実施していただく懇談では、例年、多くの首長様から、防衛省・自衛隊の日頃の活動に対する理解と感謝の言葉をいただいており、そして、私からも、地方自治体様からいただいております募集等に係るご支援に対し感謝を申し上げておりますが、今年度もたとえわずかな時間であっても中身の濃い説明を心がけ、防衛省・自衛隊と、地方自治体様との間の相互理解を深めていく一助にできるよう全力で説明(と、笑いの絶えない「懇談」!)に努めます。そして、神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方におかれましても、ぜひ、令和3年版防衛白書に、引いては我が国の防衛政策等について関心を持っていただきたく、改めてお願い申し上げます。




援護課 予備自課(3.10.12)

【援護課】 【予備自課】
 自衛隊神奈川地方協力本部には、総務課、募集課とともに、退職自衛官の再就職を援護(支援)する援護課と、予備自衛官等を管理する予備自衛官課があります。本日は、この2つの課が実施している業務を簡単に紹介させていただきます。

 まず援護課ですが、彼らの任務は、平たく言えば退職自衛官と、(退職自衛官の再就職先になる)企業様との『橋渡し』を行うこと。自衛官の定年が早いということはよく知られておりますが、定年の早い自衛官が、退職後に安心して次の職に就職できるということは組織として極めて大切なことです。よく募集業務が「入口」、援護業務が「出口」と言われますが、この出口がしっかりしてこそ、親御さん達も安心して自分たちのお子様を自衛隊へ入隊させていただけます。

 今後は定年延長により抑制されていた自衛官の退職者数が増加するとともに、退職自衛官が再就職先に求めるニーズも多様化し、何よりもコロナ禍の影響により雇用環境も悪化しているために、募集業務と同じように援護業務に対する厳しさも増大しているのですが、援護課の「戦士」である援護マンたちは、退職自衛官のために少しでも条件の良い再就職先を確保するために日々、広報官同様に県内各地を回遊しているところです。

 次に、予備自衛官課ですが、自衛隊には、「予備自衛官」「即応予備自衛官」「予備自衛官補」の3つの制度があります。いずれも、普段は社会人や学生としてそれぞれの職業に就きながら、定期的な訓練に参加していただく制度なのですが、ごくごく簡単にそれぞれを説明すれば、「即応予備自衛官」は、訓練時から決まった部隊に配置されており、現職の自衛官とともに第一線部隊の一員として常備自衛官と同様の任務につくもの。「予備自衛官」は、主に後方支援に当たり、元自衛官と予備自衛官補教育修了者が採用の対象であり、「予備自衛官補」は、予備自衛官になるためのコースとして自衛官未経験者である一般の方が採用対象になっております。自衛隊神奈川地方協力本部は、全国の地方協力本部の中でも数少ない「予備自衛官課」を有する地方協力本部なのですが、予備自衛官課の部員たちは、予備自衛官の招集や訓練管理、そして予備自衛官等を雇用していただいている企業様から引き続き制度に対するご理解をいただく努力をしております。

 予備自衛官課の紹介の最後に、私がいつも予備自衛官訓練において、訓練に参加した予備自衛官に対しお話させていただいている内容をご紹介いたします。

 『本来の職業に加え、また、それぞれのご家庭の事情もある中、本訓練に参加されることは、我々がうかがい知ることのできないご苦労があることと思います。その意味では、みなさんは我々常備自衛官に負けない強い使命感を有しておられるはずであり、皆様方の訓練参加に、改めて敬意を表したいと思います。これから、「みなさんと一緒に働くことがない」ことを祈っておりますが、万が一、皆様方の力が必要になる状況になれば、一緒に日本のために頑張っていただきたいと思います。』

 援護業務も、予備自衛官業務も、自衛隊地方協力本部に与えられた重要な任務の1つです。そしてこの2つの業務は、県内企業様からのご理解が特に不可欠な業務でもあります。自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方におかれましては、(退職自衛官を雇用いただくという)援護や予備自衛官等の制度についてご存じでない方もいらっしゃるかと思います。この制度に関心、興味を持っていただいた方は、ぜひ、自衛隊神奈川地方協力本部までご連絡をお願いいたします。




持ち場を守れ(3.10.8)

【持ち場を守って某大学でオンライン講義!】 
 自衛隊の各部隊では、「指導方針」や「勤務方針」として、その部隊指揮官の方針を部下に明示します。私も「持ち場を守れ」と、自衛隊神奈川地方協力本部長としての勤務方針を定め、本部庁舎内はもちろん、各地の事務所、室に私の方針を掲示しているところです。以前にもご紹介しました、私がイージス艦「みょうこう」の艦長として勤務していた際に書き綴った「足跡」に、この「指導方針」(「勤務方針」)の考え方を私なりに整理した部分がありました。

『着任後、その艦の現状を把握することはもちろん大切だが、これに時間をかけるべきではない。艦長として勤務できるのは1年から長くて2年であるが、あっという間に任期は終了してしまう。そして、1年間かけてなし得なかったことは、それ以上の時間をかけてもなし得るものではない。着任したら、艦長はその艦を自分の艦として、速やかに自分の色に染めるべく初めから全力投球し、努力するべきだと思う。そのためには、まずは指導方針の徹底である。艦長の指導方針は、その艦の活動の源泉であり、団結の求心力になるべきものだと思う。指導方針は、着任時の訓示で述べ、その後は額縁に飾って艦内に掲示しているだけでは、絶対に全ての部下に徹底させることはできない。部下の前で積極的に指導方針を述べ続ける。この地道な努力が艦長には必要だと思う。』

 この考え通り、自衛隊神奈川地方協力本部でもよく、部下指導に際しては「持ち場を守れ!」と言い続け、賞詞や表彰状にも「持ち場を守る」という言い回しを使用し、徹底して私の考え方を注入してきましたが、総務課、募集課、援護課、予備自衛官課、及び各所の広報官、援護室員の総員が、これまでそれぞれの持ち場を本当によく守り抜いてくれたと感じています。

 就職率100%を維持し、退職自衛官の多様なニーズに応えるべく新規企業開拓を推し進める援護課。訓練参加率を高めるために、企業訪問や電話説明を繰り返し、広報官同様にポスティングを実施し続けた予備自衛官課。年間40回近くに及ぶ試験業務を完遂するとともに、募集業務に係る自治体との調整や学校調整、部隊調整を確実に実施する募集課。総務課は、各課各事務所が円滑に業務遂行できるように「かゆい場所に手が届く」サービスを実施。そして、自分たちの持ち場は担当地域!という気概を持って、地域を隅々まで歩き回り志願者を探し続ける広報官達。特に広報官達は、全人格をもって若者を感化し、入隊まで寄り添う真摯な勤務姿勢により入隊者との間に強固な信頼関係を構築し、その関係は、入隊後まで続いていることがほとんどです。

 私が艦長や隊司令として勤務する度に掲げる一貫した指導方針の「持ち場を守れ」ですが、これを選んでいる理由は、『自衛官としては何といっても「使命感」が大切だ』、という考えによります。我々に与えられる任務には、危険な内容も含まれる場合があります。その中にあって、「自分は自衛官だから」「自分は幹部だから」という気概があるからこそ、いかに危険な任務であっても躊躇なく取り組むことができるのでは、と思うのです。自衛隊神奈川地方協力本部の全部員が強固な使命感を持ち、今後もそれぞれの持ち場を守って強力に前へ進んでいくこと確信しております。

 このように、各部隊各基地には指揮官の方針が掲げられており、それぞれ考えがあるはずですので、基地見学の際にでも興味を持っていただければ、また違った角度からの見学ができるかもしれません。

 自衛隊神奈川地方協力本部の全部員へ、引き続き、持ち場を守れ!




日本体育大学との包括連携協定(3.10.5)

【協定調印式】 
 令和3年9月30日 自衛隊神奈川地方協力本部は、新たな取り組みの1つとして、日本体育大学との間で包括連携協定を締結いたしました。以前から、日本体育大学と自衛隊神奈川地方協力本部との間では、同大学保健医療学部救急医療学科と市ヶ尾募集案内所が「部隊見学」「職種説明」「大学授業への自衛隊衛生科隊員の講師派遣」などで協力関係にあったのですが、「現在の良好な関係を将来的に維持し、お互いの特性とニーズに基づいた、調整・連携が継続的に実施できる協力体制が必要」との認識から今回の締結に至ったものであり、教育、研究、社会貢献等の幅広い分野で相互に協力し、双方の発展に資するとともに、地域社会に貢献する人材の育成に寄与することを目的としたものです。

 【連携協力項目(抜粋)】

 ・安全保障に関する知識を有する人材育成に関すること

 ・防災等に関する知識を有する人材育成に関すること

 ・地域社会貢献に関すること

 全国的には、自衛隊大阪地方協力本部と近畿大学の間で同じような包括連携協定が存在しますが、先にも書きましたが自衛隊神奈川地方協力本部としては初めての取り組みであり、これまで試行錯誤しつつ本協定の締結のために「ばく進」した部下部員の労をねぎらうとともに、ご理解をいただいた日本体育大学関係者の方々に対し、協定締結式の場で心底からの感謝の意をお伝えしたところでした。

 我々の組織活動の1つの弱点としては、自衛隊員には転勤(異動)があるためにある業務の担当者が年々変わり、その結果、それまでの(良好な)関係が担当者の異動により「リセット」されることがあります。ですので、このような形で協定を正式に締結させていただくことは、今後の我々の業務の継続発展に直接結びつくものであり、私自身も本当に嬉しく感じた次第です。

 プロスポーツチームとのコラボや某鉄道会社県内全駅ポスター掲示などとともに、これでまた1つ、私が約2年前の着任時に勝手に設定した自身の目標(願望)をクリアーしました! やはり世の中の物事は、『やればできる』、という人間の気持ち次第でしょうか・・。

 本日は、自衛隊神奈川地方協力本部としての新たな取り組みの1つを、ご紹介させていただきました。日本体育大学の関係者の皆様、素晴らしいご縁を末永く、よろしくお願いいたします。



神無月(3.10.1)

【職業講話の一風景】 
 全国の神々が出雲に一同に会し、各地から神がいなくなるといわれる10月が始まりました。季節も秋本番。自衛隊神奈川地方協力本部の本部庁舎周囲の木々も衣替えを始め、近傍の山下公園や港の見える丘公園での散策も、本当に過ごしやすい季節になりました。

 9月も緊急事態宣言下での活動になりましたが、「自衛官候補生」「一般曹候補生(一次)」「航空学生」の採用試験を行ったほか、情報管理教育や防火管理者講習、人事担当者集合教育の部内教育を受講しつつ、各地(各学校)で防災講話や職業講話、制度説明会を実施させていただきました。そして10月の採用試験としては、「自衛官候補生」のほか、「一般曹候補生(2次)」「防衛医大(看護)(1次)」「防衛医大(医科)(1次)」を実施するとともに、10月には部内業務として「精勤章授与式」「情報管理検査」を行いつつ、各種の予備自衛官訓練を実施し、そして9月に引き続き令和3年度陸上自衛隊演習に参加と、コロナ禍であっても業務は目白押しです。

 そして、私自身も、10月には神奈川県内に所在するいくつかの大学において、お話をさせていただく機会をいただいております。少しでも多くの皆様方に防衛省・自衛隊の活動内容を知っていただきたく、調整を受けた各地の防衛講話や職業講話は第1優先で実施させていただいており、10月も多くの皆様方にお会いできる機会を、私自身楽しみにしているところです。

 と、ここまで打鍵したところで今春の出来事を思い出しました。4月に実施した某学校での職業講話では、100人近い学生を前についつい熱が入りすぎて、受け持ち90分間途切れなく、休憩なく話を続け、その話の最後に、「この息をしている間にも、親御さん達が授業料を払っているんだよ!」「なので、少しの時間も無駄にせずにしっかり勉強することが大切!」と、かつて高視聴率を誇ったドラマ「スクルーウォーズ」の滝沢先生ばりの熱情の入った話で講話を締めくくったのですが、後日、担当の先生から「今まで週に2、3回しか学校に来なかった何人かの学生が、本部長の職業講話以来、毎日学校に来るようになりました!」と感謝の言葉を伝えられことがありました・・。ん? 何か講話の趣旨が違うような・・。私の職業講話って、そんな講話なの?? と一瞬戸惑いもあったのですが、やはり、そのような言葉をかけていただくと嬉しいもので、素敵な思い出の1つです。

 いよいよ、令和3年度の募集についても、「防衛医大(看護)」(10月6日迄)「防衛医大(医)」(10月13日迄)「防大(一般)」(10月27日迄)が10月中に受付が締め切られ、残るは「自衛官候補生」と「高等工科学校」(11月1日から募集開始)の2種目のみとなります。

 時期はまさに「天高く、馬肥える秋」。令和3年秋という人生の一瞬を無駄にすることなく、自衛隊神奈川地方協力本部は引き続き総員で前に進んでまいります。



働き方改革に終わりなし(3.9.24)

【夫婦自衛官として活躍中!】 【課業外はジム通い!】
 先日、横須賀で勤務されている尊敬する1期上の優しい先輩から、この本部長通信の感想をいただきました。拙作を読んでいただいている事実に喜びを覚えるとともに、なお一層、「真面目」に書き綴らないと海上自衛隊に戻してもらえない、と気合を入れ直したところです(汗。

 いつだったか、正確には覚えておりませんが、たぶん私が30代後半の出来事だったと思います。当時勤務していた護衛艦の行動が立て込み、休みも十分に取れない中で艦の雰囲気も下げ下げモード。そんな時に、尊敬する1期上の怖い先輩(前述の先輩ではありません!)から言われた言葉を今でも覚えています。「誰かが働き方を変えてあげなければ、部下が可哀そうだ。幹部はいい。1年から2年で次の部隊に異動することができる。少しの間耐えれば、この苦しい状況から逃げることができる。でも、海曹や海士にはそれができない。彼らは耐えるしかない。」

 自衛隊神奈川地方協力本部に着任以来、部外に自衛隊を広報する機会が多い職場であることから、特に自らの職場に自信と誇りを持たせるべく努力してまいりました。なぜなら、広報官がいくら自衛隊の魅力を説明しても、自分たちが今働いている自衛隊神奈川地方協力本部に自信と誇りがなければ、決して「想い」を若者に伝えることはできないと思っていたからです。以前にもご紹介いたしましたが、「本部長の働き方改革」(本部長通信「働き方改革」進行中(2.11.1))を宣言し、どんな小さな業務でもコストパフォーマンスを考えさせ、改善の余地があればこれを見逃すことなくやり方を見直すように指導してきました。また、合理性妥当性があれば、部下からの直言をもって速やかにトップダウンで要領変更を決心し、ボトムアップによる余計な業務を部下にさせないように留意もしました。今の業務量は、小さな業務を積み重ねている結果であり、これまで改革が進まないのは、ボトムアップで進めているから、という思いがあったからです。

 防衛省・自衛隊として「働き方改革」を進めている中で、コロナ禍という大きな情勢変化もあり、従前の業務要領を変えざるを得ない状況にもなりました。例えば、1か所に集まっての会議ではなく、在所でのVTC会議。採用試験におけるWEB試験の導入。テレワークの推奨。各種行事も、取り止めや規模を縮小しての実施となっており、今の業務要領の中には、およそコロナ禍以前には思いつかなかった要領も多数あります。しかし、今の要領で問題なければ、ポストコロナでもこのやり方でいいのでは? と思いますし、今の業務要領を通じて、たとえ自衛隊であっても、今後の業務のやり方の伸展性や発展性、柔軟性による多様な働き方の可能性を大いに感じているところです。「海の都の物語」(新潮文庫)でしたか、「日本人へ 国家と歴史編」(文春新書)でしたか、塩野七生の著書の中に、『改革とは、今あるすべてを「無」にするぐらいの勢いが真の改革』と書かれていた記憶があります。この言葉ではありませんが、一度廃止してみて、「やっぱりこれって必要だよね」、という業務のみ復活させていくやり方が良いのかもしれません・・。

 防衛省・自衛隊も、「働き方改革」を推進中です。各部隊が採用している業務要領で参考になる内容は広く共有されており、それを見習いつつ、加速度的なスピード感で改革を進めておりますので、「働き方」についてもどうか安心して、防衛省・自衛隊を職業として選択していただければと思います。

 「誰かが変えてあげなければ、部下が可哀そうだ」。この言葉をいつまでも胸に刻んでおきたいと思います。



広報官が求める『数』(3.9.17)

【想いよ伝われ! 広報官教育の一風景】 
 部下の心情把握に努めることは、上司として当然のことであり、普段から部下部員への声かけに努めているのですが、先日、一般曹候補生の募集締め切り間近の厳しい時期に、ある広報官から『「志願票」(数)、「志願票」(数)と数ばかり自分に求められることが理解できない・・』といった趣旨の話をされてしまい、やはり自身(本部長)の考えを他人(広報官)に正確に理解してもらうことの難しさを痛感したところです。私が若かりし幹部候補生時代、当時の分隊長(直接の指導教官)から「人間は、自分の思っていることの80%しか口から言葉として外に出ていかない。人間は、他人の言葉の60%しか理解できない。つまり、人間は、自分が思っていることの48%しか他人に理解させることができない」、と言われたことがあります。この言葉、今でも本当によく覚えています・・。

 広報官からこのような趣旨の話をされましたので、一般曹候補生の志願が締め切られた翌日に、再度私の考えを広報官達に徹底したいと思い、以下の内容のメールを全広報官に伝えたところでした。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 何度も繰り返すが、広報官という職は『厳しい職』であるべき。一線の部隊にも負けないくらい厳しいもの。その厳しさの理由は、「数」にある。そして、その数は生数字ではない。その数に至るには、募集に係る日ごろからの研究や、人間関係の構築や、自身の人となりの研鑽(による人間的魅力の修得)が必要であり、その結果が最後の最後に志願票や入隊者という「数」に結びつく。この意味からも、昨年度を上回る結果を収めることができた事実は、間違いなく広報官達が昨年度より成長している証である。自信を持て。そして広報官達は、今日の成果に至る過程には、いつもどおり、各事務所、各広報官の支援に当たってくれた本部員がいることを決して忘れないこと。(感謝の気持ち)

 それでは、本日から次のステージに移行する。(略)まずは、せっかく獲得した志願票。確実に受験していただくための志願者へのケアと、そしてその後の「つなぎ」では、広報官の人となりで合格者を感化せよ。なので、広報官は自身の人間的魅力を高める努力を続け、誠実に丁寧に対象者に対応せよ。第1は当然、自衛隊に振り向いてもらうように努力。が、最終的に、やはり他の道に進むと決心した方に対しては、心の底から応援して送り出してあげること。このような立ち居振る舞いができる広報官こそ、人間的魅力にあふれている広報官である。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 上級部隊から地方協力本部に対しては、「目標」という形のノルマを課せられますが、実は自衛隊神奈川地方協力本部の広報官達は、このノルマを全く知りません。自衛隊神奈川地方協力本部の広報官達は、自分達で立てた目標達成に向かってばく進するのみ。そして、広報官達がばく進した跡に、「数」という成果がついてくるのみです。そしてそのためには、広報官達は自身の人間的魅力を高める努力をし続ける必要があると思うのです。

 厳しい職にある広報官達が、時に思い悩むことも当然であり、私自身も引き続き、広報官達の目線に立ち、冷暖自知の精神で現場を大切にし、そして自身の想いを100%彼らに伝えきる努力をし続けていきたいと思います。人間味に溢れ、思い悩みつつもばく進し続ける自衛隊神奈川地方協力本部の広報官達を、引き続きよろしくお願いいたします。




一般曹候補生(第2回)志願受付終了(3.9.10)

【協力者訪問及び市街地広報】
 9月6日(月)をもって、『一般曹候補生』(第2回)の志願受付が終了いたしました。志願していただいた方々におかれましては、自身の将来に係る選択肢の中の1つに、自衛隊への入隊の可能性を残していただき本当にありがとうございます。9月17日(金)以降の試験に際しましては、自衛隊神奈川地方協力本部として新型コロナウイルス感染防止策を徹底して行い、皆様方に安心して受験していただけるよう万全の態勢をとりますので、どうか安心して試験会場に来場していただきたいと思います。

 さて、自衛隊神奈川地方協力本部につきましては、今年度も全広報官の頑張りにより、本当に多くの方々に、令和3年度『一般曹候補生』を志願していただきました。昨年度に引き続き、今年度もコロナ禍の影響により自衛隊の魅力を募集対象者の方々に十分にお伝えすることができない中、「やればできる」「全ては気持ちの問題」という前向きな広報官の姿勢が、募集実績が好調であった昨年度をも上回る志願者数に結びついたと思いますし、広報官達の支援に当たった本部員を含め、私は、本当に部下達を誇りに思います。

 昨年度はほぼ毎日、私も苦労している広報官達と外回りを実施して、溺れるような大量の汗の中、必死に志願者を探し続けたのですが、今年度は広報官業務を「毎日」する必要もなく、それぞれの広報官が、それぞれの担当地域に応じた募集広報の要領を考え、そして1年間を通じて地道に募集活動を行い、相応の成果を収めていましたので、安心して「隔日」の広報官業務だけで済みました(汗)。それでも、暑い中での市街地広報や、学校回り、ポスター貼り替え、協力者訪問による情報収集、そして過去データの掘り起こしなど、毎日毎日、担当地域を早朝から時には夜まで駆け回る広報官達の苦労には、頭が下がる思いでした。そんな広報官達の汗と涙(?)のにじんだ苦労を経て、皆様からいただいた1つ1つの素敵な志願票。私には、こんな1つ1つの志願票が本当に愛しく思えてきます。

 今後は、できるだけ多くの方々に受験していただくとともに、合格された方々に是非とも自衛隊に入隊していただくことが大切になりますが、自衛隊神奈川地方協力本部の広報官であれば必ず、昨年度以上に活躍すると信じております。なぜなら、全ての広報官が自身の全人格、人となりで、進路を悩んでいる募集対象者の心を震わせ、感化し、自衛隊を選んでいただく好影響を募集対象者に与え得る広報官であり、全ての広報官が募集対象者にとって、再び会ってみたいと思われる人間、余韻の残る人間だと確信しているからです。自衛隊神奈川地方協力本部の広報官の人間「味」は、本当に素敵な「味」ですから・・。

 とはいえ、我々のこれからの活動にも皆様方からのご支援が不可欠でありますので、今後も引き続き、自衛隊神奈川地方協力本部の活動に対するご理解とご協力を宜しくお願いいたします。

 『一般曹候補生受験者の皆様、試験、頑張ってください!』



長 月(3.9.3)

【一般曹候補生 強烈募集中 !!】
 「秋」を感じることができる日々になってまいりましたが、自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧のみなさま方におかれましては、お元気でお過ごしのことと存じます。東京オリンピックも終了し、今はまさにパラリンピックが開催中。オリンピックを含め、多くのアスリートの活躍に勇気と感動をいただいており、自衛隊神奈川地方協力本部は、引き続き9月も「前へ」猛進し続けます。

 8月は、緊急事態宣言下での活動でしたが感染予防を徹底した上で、各地で自衛隊制度説明会を実施するとともに、横須賀等の基地見学、一般幹部候補生採用試験合格者に対する指揮官(第4施設群長)講話や、今年度7回目の自衛官候補生採用試験を実施しました。また、部内業務としても、8月定期異動に伴う転入者紹介行事や新着任者教育を実施。この間に各部員は夏季休暇を取得して、それぞれが心身を休ませる穏やかな休暇を過ごせたものと勝手に推察しております。そして、いよいよ天高く馬肥える「秋」本番に入っていきます。

 9月は、「自衛官候補生」「一般曹候補生(秋)」「航空学生」の採用試験を行うほか、情報管理教育や防火管理者講習、人事担当者集合教育の部内教育を受講しつつ、各地(各学校)で防災講話や職業講話、制度説明会を実施させていただきます。また、現在写真コンテストを実施中ですが、その優秀作品の展示会を広報センターで実施いたしますので、どうかご期待ください。

 9月は、何よりも我々が重視する募集種目の1つである『一般曹候補生(秋)』の志願が締め切られる月でもあります。自衛隊には多くの「コース」がありますが、自衛隊員の中核を構成するのは「自衛官候補生」と、この「一般曹候補生」です。このため特に、我々としてもこの2つの募集種目には力を入れているところであり、この志願者の確得に、今、この時点でも多くの広報官が県内各地を飛び回っております。昨年度の今頃は私自身も、当時低調であった志願者の確得のために、暑い中広報官達と一緒に各地で市街地広報を実施し、そしてポスティングを実施し、「溺れる」かと思うくらいの大量の汗の中、必死に街ゆく若者達へお声がけをしていたことを覚えております。と、ここまで打鍵して昨年度のこの時期に書いた本部長通信を読み返しました。昨年度も苦労していました・・あれ? 成長していないな・・汗。

 『キーボードを叩けば叩くほど、一般曹候補生の魅力を上手くみなさまに伝えられない自身を猛省しております。コロナ禍の影響により公務員志向が強まるとの予想もありましたが、ここまで全くの苦戦中。理由が分かれば手の打ちようもあるのですが、昨年度比で志願者の数が大幅に減る可能性のある現状を劇的に打開する術が思いつかず・・。少しでも一般曹候補生の良さをみなさまに理解していただきたく、この本部長通信に至った次第です。』(本部長通信「一般曹候補生 募集中」(2.8.31))

 令和3年度の一般曹候補生の志願締切は「9月6日」です。この本部長通信を書いているのが9月2日ですが、あと4日間あります。進路を迷われている高校生、専門学校生、大学短大生のみなさま、また、既卒者の方で転職をお考えのみなさま、どうか、その選択肢の1つとして、自衛隊への入隊に結びつく一般曹候補生への志願をお考えいただきたくお願い申し上げます。



同 期(3.8.27)

 最近、多くの採用試験合格者の方々と懇談する機会をいただいております。「進路を悩まれている合格者に対し話をして欲しい」という担当広報官からの依頼に基づく懇談が大部分なのですが、「自分の人生なので、この時期に色々な方々からお話を聞き、色々な方々と相談し、自らよく考えることが大切」、とお話をしております。自分たちの人生です。ある時期にふと、自身の人生を振り返った時に、後悔の少ない人生だったと思えるように、今、たくさん悩んで欲しいと思います!

 こんな懇談における若者との出会いの中で、今年度は特に、私の同期の子息とお会いする機会を幾度も得ております。若者と話をしていると、「ん? 君のお父さんって××?」と、実は父親が私の同期であったという事実を知ることが何度かありました。初めから知っていれば、お父さんの良いところ「のみ」を宣伝していたのに、と後悔するのですが・・。

 ただ、「人生に係るいくつも選択肢の中から、子供が自分と同じ道を選んでくれることに、お父さんも本当に喜んでいるだろう」と、同期をうらやましくも思ったものです。私の子供の就職先の選択肢には、残念ながら自衛官という選択肢は「全く」ありませんでしたが、子供たちには子供たちの人生もありますし、自身で選んだ道をしっかり歩んでもらえればと思います。とにかく、自分たちの子供が、自衛隊に入隊する時期になっていることに改めて、月日を重ねる速さに感慨を覚えているところです。

 防大生時代の同期、幹部候補生時代の同期、各教育課程の同期、幹部学校学生時代の同期、そして海外にもインド国防大学での同期、アジア安全保障センター時代の同期と、私にも多くの同期がいますが、この「同期」という言葉の響きに、私は心地良さを感じます。民間企業や他官庁等がどのような組織文化を持っているかは承知しておりませんが、自衛隊ではこの同期という枠組みを特に大切にするからです。例えば海上自衛隊では、船で一番若い幹部であっても「今日は同期会(つまり、同期との宴会)です」と言えば、艦長よりも先に堂々と、一番初めに上陸することが可能です。(決して、若い幹部がいつも遅い時間に上陸しいているということではありません。)そして、まさにこの同期が、自分たちを支えてくれる存在だからです。

 昨年度も、入隊後に待ち受ける団体生活や訓練に不安を覚え、何人かの若者が私に相談に来たことがありましたが、私の場合も最初は不安でした。親元を離れ、見知らぬ土地(横須賀)の山の上で、わずかしか年齢が違うとは思えない、貫禄のある多くの上級生に囲まれての生活に耐えられたのも、同じ環境にあった同期の存在があったからです。おそらく、私1人だけであれば耐えられなかったことも、同期と一緒だったので耐えることができた。そして、同期と一緒に成長することができたのです。ですので、相談に来た若者に対しても、自身の経験を踏まえて、一生の宝になる同期を大切にするようお話をしたところです。

 一生の仲間を手に入れることができる組織。そんな組織はそう存在するものではありません。この本部長通信を読まれている若者の皆さん、自衛隊で一生の仲間を手に入れてみませんか!

 【現在募集中の種目】
 ・一般曹候補生(9月6日締め切り)
 ・航空学生(9月9日締め切り)
 ・予備自衛官補(9月17日締め切り)
 ・防衛医科大学校(看護学科)10月6日締め切り)
 ・防衛医科大学校(医学科)10月13日締め切り)
 ・防衛大学校(一般)(10月27日締め切り)



避 航(3.8.20)

 豪雨災害により被害を受けられた方々に対し、心からお見舞い申し上げます。


 この時期になりますと、時折発生する台風が、我々の生活にも様々な影響を与えることになります。自衛隊神奈川地方協力本部としては、県内で大きな災害等が発生した際には、県内自衛隊部隊の中でまず一番に、県庁等へ連絡員を派遣して情報収集等を行う必要があるため、台風に係る情報を得たならば、どんな勢力の台風であっても少なからずの緊張感を持つのですが、海上勤務の場合も同じような緊張感をよく感じていました。

 といいますか、海上勤務の場合、台風の進路が自分の船の係留位置近傍となる場合は、いち早く出港し、台風の影響を受けない海域にまで進出して台風をやり過ごすこと(避航)が定石であり、自身の行動にも直接影響しますので、相当の注意力を持って台風の進路予想を行っておりました。この台風の際に指揮官(艦長)が行うべき判断は大きく2つ。いや、3つあると個人的には思います。1つ目は、まず出港するかどうか。台風の影響がそれ程ないと評価する場合は、港内で係留ロープを多めに取って耐える(船が大型化した現在、このやり方はほとんどありません。)という方法もあります。2つ目は、出港した場合、どの海域で台風をやり過ごすか。民間商船を含め、どの船も広い海域で運動の自由を確保した上で台風をやり過ごそうとし、その結果、何隻もの船が同じ海域に進出してくる場合があることも考慮しておく必要があります。そして3つ目は、いつ港に戻るかどうかです。指揮官(艦長)としてこの3つの判断を誤ると、台風によるダメージを船体に与えることになり、また乗員を怪我させる危険性もあります。また、進出する海域を誤ると、狭い海域内で多くの船と一緒に窮屈なスリリングさを味わいながら、暴風雨の中でいわば「のたうち回る」ことにもなります。加えて、乗員の士気を考えれば、台風の影響がいつ頃なくなるのか、を正確に判断し、安全と判断したならば速やかに港に戻るスマートさも求められます。

 この台風に対する避航も、船乗りとしてしびれる判断の1つでした。令和元年度観艦式に際しては、台風19号の関東接近に伴い、横須賀を始めとして東京湾各地に集結していた多くの観艦式参加艦艇が、一斉に避航したことは今でも私の記憶に新しく、またその避航場所も、各艦長の判断でまちまち(駿河湾、伊勢湾、瀬戸内海等)だったのを覚えております。若かりし3等海尉の時代、木更津の沖に避航していた際、幾隻もの民間商船が、走錨といって錨の力が足りずに風浪で船体が流され始め、衝突の危険を強烈に感じたことを覚えています。呉では、外海(太平洋)に進出することはもちろん危険ですし、多くの船が適当な間隔で錨を打てる海域も限られているために、伊予灘を何度も往復しつつ台風をやり過ごした記憶があります。

 いずれにせよ、海上勤務を含めて自衛隊での勤務は自然界にも関連しているダイナミックな仕事ですので、多くのみなさまに少しでも関心を持っていただくことを願っております。先日、TVで流れた台風情報をみつつ、ふと、海上勤務時代を思い出し、潮気がすっかり抜けた自身に寂しさを覚えたところでした・・。



破天荒(3.8.13)

【高速航行中のミサイル艇】
 世間は「お盆休み」であり、自衛隊神奈川地方協力本部の夏季休暇期間中と相まって、再びこの本部長通信もネタ切れ状態に陥りましたので、本日は、この時期になると思い出す「北の大地での想い出」について紹介させていただきます。

 私の「指揮官」としての原点は、初めて余市で勤務したミサイル艇3号の艇長配置です。以前の本部長通信(「爆弾低気圧の思い出」(3.2.12))でもご紹介したのですが、部下への情に流されて失敗した「荒天下での大湊から余市への回航」など、10名程度の少ない部下達との勤務でしたが、新米指揮官として大いに勉強になった配置であり、その時に学んだ多くのことが今の私の判断基準にもなっています。

 そのミサイル艇3号艇長として勤務していた際に、一人の部下の命を病気で失ってしまいました。指揮官として最もつらいことが、部下の命を失うことであることは言うまでもありません。彼は、非常に職人気質で「くせ」のある上級海曹でしたが、であるからこそ、若い私にも直言直球で意見具申をしっかり行う頼りになる部下の一人でした。そんな彼は、ある日健康診断で末期がんが発見され、直ちに小樽の病院に入院となってしまいました。自分でも余命わずかと知りながら、時折見舞いに行く私に対し彼は、私の勤務に参考となる多くの経験談を話してくれて、今でも感謝に堪えません。ある日私は、そんな彼に対し、ミサイル艇の雄姿を見せて元気づけようと画策し、丘の上の彼の病室から見える、船舶が輻輳する小樽港入口のギリギリ付近で高速航行訓練を実施しました。その時、彼からミサイル艇に電話がかかってきて、「よく見えます!」「ありがとうございます!」と言われたことを今でも思い出します。

 船舶が輻輳する海域での高速航行訓練は、普通はやるべき訓練でもなく、いわば私の思いつきの破天荒的にやったことです。しかし、今でも「やってよかったな〜」と、時折思い出しては懐かしんでいます。この出来事を含め、後の2回目の余市勤務(第1ミサイル艇隊司令)を含め、北の大地では本当に多くのことを学ばせてもらいました・・。

 夏休みで、多くの若者が自身の進路に悩まれていることと思います。自衛隊は、本当に自身を成長させてくれる組織であり、人と人との関係を大切にしてくれる組織です。ですので、ぜひ1度、我々に自衛隊について説明させていただく機会をいただければと思います。自衛隊のことを全く知らずに、自身の職業選択の1つから外れてしまうこと。これは本当に「もったいない」と思いますよ!



「アイデア無尽蔵」(3.8.6)

 先日、私の宝である部下部員から、「アイデア無尽蔵 俺たちにゴールはねェ」という色紙をプレゼントされました。『現状に満足せず、引き続き「前へ」』という気持ちを大切に! という部下部員からの熱い「励まし」と受け取ったところです(笑。

 自分としては決して「アイデア無尽蔵」のつもりではないのですが、他の地方協力本部に先駆けてのWEB試験実施や、広報官の目標管理の方法、ワークライフバランス(「働き方改革」)への取り組みから年末年始挨拶の方法(賀状ではなくクリスマスカード)等、神奈川としていくつかの新しい施策を実施してきたのも事実です。しかしながら、この「アイデア」の大部分は、実は他の地方協力本部からいただいているものなのです。

 私の1日は、他の地方協力本部のツイッター内容を確認することから始まります。様々なツイートには、自衛隊神奈川地方協力本部としても参考にすべき内容が溢れており貴重な私のアイデア源です。「アイデア無尽蔵」の理由を、このアイデア源に付け加えるとすれば、地方協力本部の仕事は、特に世間の動きに敏感になっておく必要があるので「敏感力」でしょうか・・。船で勤務していた際にはよく、「五感を大切に」という指導を受け、艦内の士官室で勤務している際にも、「艦の空気(におい)、振動、音等で艦がどういう状態にあるのか常に理解できるようにせよ」と指導を受けたものです(例えば、船の錨を巻き揚げる際、錨が海底から離れる瞬間があります。この瞬間を、船の振動や錨をつなぐ錨鎖の音の変化から見分ける能力が、船乗りには必要)。

 それから、これまでの勤務の中で、アイデアの具現化にはタイミングが本当に大切だと学びました。従前と異なる初めての施策を実施する際には、相当の不安が部下部員の間にあるのも事実です。私はそんな部下に対しては、「10年先は誰でもやる、できるようになる。今やることが大切!」と指導しています。今の私を勇気づけている言葉の1つに、サッカーJリーグの発足に尽力された川渕三郎氏の言葉があります。スポーツジャーナリストの二宮清純氏が紹介していたのですが、「時期尚早という人間は、100年経っても時期尚早という。前例がないという人間は、200年経っても前例がないという。」「仕事というのは、できないことにチャレンジして、できるようにして見せることをいう」という言葉です。この言葉に触れた際、本当に感動し、私も久しぶりに心が震えました。私もこんなポジティブな考えでいたいものだと・・。

 コロナ禍の影響により、社会の変化は相当のスピードを持って進行中です。防衛省・自衛隊の組織の中でも、最も世間の動きに敏感となるべき組織の1つである地方協力本部としては、今後も絶えず、世間の変化にスピード感を持って対応していく必要があり、その対応が、多くのアイデアに結びつくと考える次第です。先日、某ショップに衣料品を買い行ったのですが、その会計時に驚きました。衣料品をボックスに入れるだけで、機械が勝手に計算し、全く人を介せず会計を実施。民間企業のスピード感に本当に感心しました。自衛隊神奈川地方協力本部も、スピード感を大切にして8月も引き続き「前へ」進みます!



葉 月(3.7.30)

   
【本部長室へのお客様たち】 
 先日、2名の大学生が本部長室に遊びに来てくれました。どちらの方も、自衛隊と警察との間で進路を悩まれていたのですが、本部長室を退室される際にはどことなく「すっきり」した表情をされていました。自分たちの人生です。きっと後悔の少ない選択をしてくれると思います。このような若者との出会い、多くの素敵な出会いをいただける自衛隊地方協力本部長という仕事は、本当に素敵な仕事だと改めて感じたところです。

 7月には、自衛隊神奈川地方協力本部の独自施策として、「募集案内強化週間」を設定し、各地で市街地広報を集中的に実施しました。また、ポスター、横断幕の開拓も集中的に実施して、神奈川県内の多くの駅や、主要な場所に「自衛官募集中」というポスター等を掲示することができました。また、各地で実施された県立高校の校長会や、多くの学校での制度説明会にも参加させていただきました。コロナ禍の影響により予備自衛官関連の業務を延期せざるを得なかったものの、主たる部内業務として物品管理・整備補給検査の受検や、援護・募集の集合教育、転出者紹介行事を行ったところです。

 そして、いよいよ暑い8月に入ります。募集という業務にとっても、熱い時期(募集最盛期)に入ります。学校が夏休みに入る時期、多くの若者に基地見学等を実施していただき、将来の職業選択の1つとして自衛隊をイメージしてもらえるよう努力いたします。

 また8月は、部下部員の楽しみの1つである夏季休暇もございます。自衛隊という仕事は休みが少ないというイメージもあるかと思いますが、実際には、決してそうではありません。確かに、任務によっては土日も仕事があることは当然ですが、その代休と、年次休暇や特別休暇もあります。お盆やお正月、あるいはGWにおいては、その前後に代休や年次休暇をセットして、さらに長い長期休暇を取得することも可能です。艦艇勤務時代には、「月月火水木金金」という歌にも代表されるように、海に出れば曜日に関係なく仕事ですが、母港に戻ればほぼ毎日を、代休取得可能日として設定していた記憶があります。いつも言っているのですが、自分の職場に自信や誇りがなければ胸を張って自衛隊をアピールできない。防衛省・自衛隊としても働き改革を進めておりますが、この休暇だけではなく、「フレックス制度」「早出遅出制度」「育児休暇」等の諸制度も充実させているところです。

 さて、8月の定期異動で、多くの部員が新たな持ち場へ向けて出発します。また、自衛隊神奈川地方協力本部に多くの新しい部員を迎えます。年々によってメンバーが変わり、そしてまた新しい1つのチームとして目標達成に取り組むのも素敵なことです。先の制度面の充実を含めて、自衛隊という職場は、決して他職業に魅力的にも劣るものではありません。ですので、どうか一人でも多くのみなさまに、自衛官という職業に興味を持っていただければと思います。

 今回の本部長通信は、思いつくまま打鍵を進め、とりとめのない内容になってしましましたが、暑い日が続く折、皆様方に少しでも涼をお届けできればと思いました。まさに夏本番。お身体、ご自愛ください。



オリンピック(3.7.23)

【東京オリンピック/横浜スタジアム会場】
 もう8年前のことでしょうか、2020年の東京オリンピック開催が決定した際、私は日本を離れてインド国防大学に留学中であり、その決定を大学の研修先であったバンコクで知りました。その時、宿泊先のホテルのロビーでインド人の同期生に対し、東京オリンピック開催決定について誇らしげに自慢したことを今でも覚えております。その後、「4年に1回じゃない。一生に1回だ!」という、ラグビーワールドカップ開催時に使用された言葉もありましたが、自国で夏のオリンピックが開催されるのも一生に1回限りだろうと、TV観戦を楽しみにしているところです。

 それはさておき、オリンピックなどの国家的行事やイベントには、多くの自衛官も支援等のために参加していることをご存じでしょうか? もちろん、オリンピック競技そのものにも国の代表選手として多数の自衛官(10競技17名)が参加しておりますが、例えば開会式における航空自衛隊ブルーインパルスの展示飛行は特に有名でありますし、1964年の東京オリンピックの際に、開会式においてプラカードを持って入場行進を行ったのは防衛大学校の学生でした。今回のオリンピックでは、残念ながら自衛隊神奈川地方協力本部として直接支援する機会はないのですが、それでも、他部隊の多くの同僚(約85000人)が支援に当たっていることを誇りに思い、自衛隊神奈川地方協力本部近くの横浜スタジアム(野球会場)を毎日眺め、交通規制が行われている風景をみつつ、オリンピック気分を日々感じております。

 このように、自衛官になれば国家的行事やイベントにも参加する機会があり、いわば歴史に足跡を残す仕事も実施できます。このような貴重な経験がきっと、自身を成長させる糧にもなると思います。歴史に足跡を残し、自身を成長させることができる職業である自衛隊では現在、以下の多くの種目の募集を実施中です。少しでも自衛隊という「職」に興味のある方は、どうかご遠慮なさらず、自衛隊神奈川地方協力本部までご連絡ください。

・一般曹候補生(9月6日締め切り)
・航空学生(9月9日締め切り)
・予備自衛官補(9月17日締め切り)
・防衛医科大学校(看護学科)10月6日締め切り)
・防衛医科大学校(医学科)10月13日締め切り)
・防衛大学校(一般)(10月27日締め切り)

 オリンピック、パラリンピックの日本代表選手がスポーツの力で日本中を熱くし、そして日本代表選手の活躍がコロナ禍を吹き飛ばすことを確信しております。頑張れ、日本!



「コラボ」(3.7.16)

【「やす子」様とのコラボ】 【横浜FCとのコラボ】
 先日、ソニー・ミュージックアーティスツに所属する「やす子」様と、川崎市の溝の口募集案内所でお会いする機会を得ました。「やす子」様は元陸上自衛官であり、今でも現役の即応予備自衛官ですが、そのご縁で、自衛隊神奈川地方協力本部の広報活動にご協力をいただいたものです。最近テレビでも「やす子」様をよくお見受けしており、非常にお忙しい中での来所だったのですが、年配のこちらが恐縮する程、非常に礼儀正しく、私も瞬時に「やす子」様のフアンになりました。

 その後、来所時の様子を自衛隊神奈川地方協力本部のツイッターに投稿し、また「やす子」様自身のツイッターにも様子を投稿いただいたのですが、相乗効果もあり一気にツイッターのフォロアー数を増加させました。「やす子」様のご都合が許せば、今後も入隊予定者に対する激励や、自衛隊神奈川地方協力本部が実施する各種イベントへ参加をいただく予定であり、また1つ、人と人とのご縁が拡がったと、部員一同喜んでいるところです。

 「やす子」様との今回のご縁は、いわば芸人さんとのコラボですが、令和3年度は2年度に開拓したプロスポーツチームとのコラボも深化させております。以前から、試合によっては万人単位(コロナ終息後)の来場が見込める場所での広報活動は、自衛隊基地でのイベントに勝るとも劣らない広報効果が見込めると考えておりました。そして、コロナ禍の影響により自衛隊の各種イベントが取り止められる現状では、多くの募集対象者が来場するスポーツイベントは、我々にとっても貴重な出会いの場。また、我々の平素の活動を理解していただく上でも貴重な場です。

 幸いにも、神奈川県内には多くの人気プロスポーツチームが存在します。ですので、各地の広報官が何度もチームに足を運んで「貴重な出会いの場」を開拓し、これまでにサッカーJリーグの湘南ベルマーレ、横浜FC、SC相模原、そしてラグビートップリーグのダイナボアーズ(相模原)の試合において、広報ブースを出させていただき、多くの方々にお越しいただきました。さすが自衛隊神奈川地方協力本部の広報官S!

 自衛隊神奈川地方協力本部は、我々のみでの活動ではなく、今後も多くの方々、いろいろな分野の組織とのコラボを推進し、ハイブリッドでの広報活動に取り組みたいと思っております。我々とのコラボをご希望の方がいらっしゃいましたら、どうか遠慮なくお申し出ください! あ、お申し出がなくとも、こちらからお伺いすると思いますので、その際にはよろしくお願いいたします!(笑



「情報発信」(3.7.9)

 【HPとツイッター担当】
 熱海市で発生した土石流により被害にあわれた方々に対し、心からお見舞い申し上げます。

 「CNNが勝ったと言わない限り、米軍は勝利していない」(「統合幕僚長」 河野克俊著 WAC)。これは、情報発信の重要性を述べた米軍高官の言葉です。

 先日実施されました全国自衛隊地方協力本部長会議で、部外から講師をお招きして「情報発信」に係る講話をいただきました。情報発信の重要性は理解していても、実際にどう情報を発信するべきなのか、私自身には十分な知識なく、これまで担当に対し適切に指導してあげられなかった・・と、講話を聞きながら一人反省したところです。

 他の地方協力本部に比較して勢いがある(と勝手に評価している)自衛隊神奈川地方協力本部の情報発信担当であっても、十分な専門的教育を受けたことはなく、自助努力で部外の学校に短期間通い、最低限の知識を習得して業務に当たっています。そんな彼らの力になりたいと、講話終了後から、これまで脳みそが沸騰する程考え続けたのですが、やはり技術的な良いアイデアは浮かびませんでした(涙)(私は「ゼット世代」ではなく、「新人類」と言われた世代)。ただし、勤務環境の改善と、ハート面での指導はこれまで何度も行ってきました。

 例えば、情報発信の重要性は地本の業務の中でも特に重要であるため、私が着任後、それまでHPとSNS担当が兼務1人態勢であったのを改め、HP担当と、ツイッター担当の2人態勢としました。この処置により、いわば表と裏直、メインとサブの役割分担により途切れなく情報を発信できる態勢となりました。加えて、ツイッターとHPとでは、その期待効果が異なるため、ツイッターで面白い短い宣伝を実施し、ツイッターを見た方々をそのままHPに誘導する流れを確立し、フォロアー数の増加と、HP閲覧者数の増加に結びつけております。

 そして、ここでも得意の「やればできる」の精神を注入! 令和2年3月に、開設1年5か月の短期間をもってツイッター/フォロアー数1万人を達成。この当時は、神奈川地本は全国地本中23位/50個地本のフォロアー数でしたので、1万人に満足することなく『令和2年度中にフォロアー数2万人を目指す』と直ちに宣言。そして、目標どおりに令和2年11月にフォロアー数2万人に到達し、先日(3.6.16)には、フォロアー数3万人の大台に到達。フォロアー数では、全国地本中第3位の位置にまで進出したところです。

 また世間では『企業の「顔」』と言われるHPですが、多くの特設ページを自衛隊神奈川地方協力本部のHP上に開設させ、「飽きさせない」工夫を凝らしています。その企業の考え方を知るには、HPにおける社長の言葉を読むのが一番とも言われますが、確かに着任して1年以上、「この都度着任した・・」という挨拶のみではHPの読者に対し何ら新鮮味もなく、我々に興味を持っていただくことは難しいでしょう。ですので、ここまで率先垂範して本部長通信を更新し続け、これで71回目の本部長通信となりました。当面の目標を80回!に設定し、頑張ります!(汗)

 いずれにしましても、自衛隊神奈川地方協力本部は、引き続き情報発信に努めてまいりますので、自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧のみなさま方におかれましても、まずはツイッターのフォローをよろしくお願いいたします。次の目標は、大阪地方協力本部のフォロアー数を追い抜くことです!



「募集案内強化週間」(3.7.2)

【募集案内強化週間における市街地広報】 
 防衛大臣からの「第1級賞状」受賞の喜び冷めやらぬ中、高揚感を持って、いよいよ募集最盛期といわれる期間に突入しました。自衛隊神奈川地方協力本部として、今年度は7月1日を基準とした前後1週間を「募集案内強化週間」に指定しており、まさに現在、県内各地でいつも以上に広報官が、そして広報官に加えて普段は横浜の本部で勤務している本部員が、市街地広報に駆け回っているところです(今年度から、本部員も広報官と一緒に「現場」!と指導)。以前にもご紹介させていただきましたが、『人を動かすには、まずは動機づけ』ということがあります。何のためにやるのか? どんな意義があるのか? を部下に理解させた上で動いてもらえば、その任務の成果は高まるもの。また、人を動かすには「メリ」と「ハリ」も大切です。終わりがいつなのか、先の見えない中での「動き」では、部下の士気や任務の成果は下がるもの。「ここが勝負どころ」という瞬間に、どれだけ部下のやる気を引き出せるか。この「7月1日に向けて」という明確な目標を与え、「ここが勝負どころ!」と繰り返し広報官Sを叱咤激励してきたのですが、私の宝物である広報官Sがこれまで猛烈に活動し、今年度のこの時期に、以下の「成果」を収めることができました。

 これは第1に、我々の活動を理解してくださり、ご支援ご協力をいただいた地域のみなさま方のおかげですが、これに加えて間違いなく、広報官Sの頑張りの成果でもあり、今後の活躍がより期待できると確信したところです。さすが、神奈川地本の広報官S(自画自賛・・)

【成 果】
1 県内主要沿線の各駅におけるポスター設置 261駅/県内393駅
2 某ファーストフード店舗におけるリーフ設置 37店舗/県内187店舗
3 横断幕設置 42箇所
4 懸垂幕展張 12箇所
5 市街地広報計画 59箇所

 7月8日まで、この「募集案内強化週間」は続きます。この週間が終わるまで、いや終わってもなお、神奈川地本の広報官Sが県内を駆け回り、第1級賞状を受賞した昨年度以上の最終的な成果(入隊者数)を収めると確信しておりますので、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。また、お近くで市街地広報を実施中の広報官Sや本部部員に対し是非、暖かいご声援をいただければと思います。私も、業務に都合つく限り、市街地広報に参加し続けます! (おそらく、本部員が勝手に都合をつけるはずですが・・笑)

「大感謝」(3.6.25)

 昨年度のこの時期に、自衛隊神奈川地方協力本部は令和元年度の活躍が評価され、陸上幕僚長から「第2級賞状」を受賞しましたが、その際、私は全部員に対し次の話をしました。(本部長通信 2.6.22)

 『ある意味、まだ上(第1級賞状)があってよかったかもしれない。吉田兼好の「徒然草」に、易経の『亢龍の悔いあり』を解説した言葉がある。「天上に昇りつめた龍は後悔する。月は満月になれば欠け、物事は繁栄すれば衰退する。万事頂点に達してしまうことは、破綻へと向かう道理なのである。」と。我々は、未だ天上に昇りつめていない龍である。この悔いを懸念する必要もない立場にある。令和2年度は後のことは考える必要もなく、みなでより「高み」を目指す!』と。

 令和3年6月21日 自衛隊神奈川地方協力本部は令和2年度の活躍が評価され、平成5年度以来、27年ぶりに「第1級賞状」を防衛大臣から受賞しました。この栄誉は、自衛隊神奈川地方協力本部の全部員の努力、頑張りの結果であることはもちろんですが、地域のみなさまを含む多くの方々からのご支援ご協力のおかげでもあり、心底からの感謝の気持ちを込めて、今回の受賞に際し全部員に対し私が話した内容をご紹介させていただきます。

 総 員 宛
 感謝しよう 地域のみなさまに。
 感謝しよう 協力者(相談員を含む)のみなさまに。
 感謝しよう 支えてくれた家族に。
 感謝しよう 県内各部隊に。
 感謝しよう 一緒に戦った上司、同僚、部下に。
 感謝しよう 自分という存在にかかわる全ての人に。

 この成果は、指揮官を必死に支え、そして献身的に昼夜、休日を問わずそれぞれの持ち場を守り抜いた自衛隊神奈川地方協力本部全部員の頑張りの成果であり、総員の労を多とする。

 君たちが再び証明してくれた。つまり、世の中は何でも気持ちの問題。「やればできる」と。すべては気持ちの持ちよう。「やればできる」「やりきる」という覚悟があるかないか。できないのは、この覚悟が足りないだけ。なので、着任以来、一貫して繰り返し指導している。「やればできる」と。これを経験させたいので、最も効果的にかつ明確に数字で結果が現れるツイッターにも力を入れた。古人曰く。「能わざるにあらざるなし なさざるなり」(吉田松陰)(できないのではない。やらないだけだ)

 我々は、引き続き「戦う集団たるDNA」を大切にして、総員が、「最強地方協力本部」としての自覚を持ち、引き続き持ち場を守って前へ進むこと。ただし、謙虚さも忘れずに。最強最高を維持する方がより難しい。古人また曰く。「物満つれば覆るは天道なり。満を持するの工夫を忘るることなかれ」(佐藤一斉)と。

 では、本日から新たな一歩を、共に踏み出そう。第1級賞状の受賞。本当におめでとう。

 自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧のみなさまにお約束いたします。我々は、亢竜の悔いを感じることなく、令和3年度も天高く突き抜けます! 本当に、ありがとうございました!



「友 人」(3.6.18)

【インド国防大学卒業式での1コマ】
 インドは極めて親日的、知日的な国家であり、その理由は周知のとおりである。インド国防大学での講義においても、講師の日本に対する発言は極めて友好的なものであった。また、日系企業のインド進出に伴い、関連企業で働くインド人も増加しており、その場でも日本人から大きな影響を受け、かつ日本への関心を高める結果となっている。インドのトヨタ工場を研修で訪れた際、インド人工員が日本式の工場運営方式を実践し、日本語の「改善」という言葉が、「KAIZEN」として同工場のインド人工員に浸透していた。【インド留学記から抜粋】

 連日、新型コロナ関連の報道を見聞きしますが、その中でも特に、私は日本国内の状況とともに留学経験のあるインドの感染状況についても関心を持っています。インド人特有の距離感に圧倒され、国家としての多様性にも圧倒され、そして議論好きのインド人との日常会話にも圧倒されてきた留学生活でしたが、前記の親日感情を背景とした多くのインド人の優しさと、懐の大きさに包まれて留学生活を全うできたと、今でもインドの人々に対し感謝しております。

 このような私にとって想い出深いインドで、新型コロナ感染状況が極めて深刻という報道に触れる度に心を痛め、先日ついに居ても立っても居られなくなり、多数のインドの友人に連絡を取ったところでした。また同時に、当時の留学生仲間で最も深い親交があったシンガポール人の友人にも連絡を取りましたが、インドの友人からは、「なんとかやっている。インドを心配してくれてありがとう。日本も頑張れ!」という返信をもらい、またシンガポール人からも同様の返信をもらいました。いずれも、新型コロナに感染することなく、そして家族も大丈夫ということで一安心したところです。

 このやり取りを振り返り、私も「国際的な人間になったな・・。」としみじみ感じた(自画自賛(汗))のですが、国際的な仕事に興味のある方におかれてはぜひ、その職業の選択の1つに、自衛官という選択を加えていただければと思います。

 自衛隊に入隊すれば、海外で仕事をする機会もあり、他国の人間と一緒に仕事をする機会を通じ、友人の幅も世界に広がります。また、同期をはじめ国内でも一生の仲間をつくれるのですが、世界にも一生の仲間をつくることができます。私が留学を終えて日本に帰国した後も、インドから会議のために日本の防衛省へ来た同期生とも再会を果たし、そして来日したインド海軍参謀長(留学当時のインド国防大学学校長)とお会いする機会もあり、インドで培われた多くの人脈は今でも脈々と続いております。

 最近は逆に、濃いつながりを嫌がる若者もいると思いますが・・。様々な考え方があるとは思いますが、結局世の中は人間関係。仕事も人間関係。1度しかない人生ですので多くの友人、一生の仲間をつくるのも1つの素敵な生き方かとは思います。そしてその幅も、国内に限らず世界に広めれば、なお素敵な生き方なのでは・・とも思います。

 本日6月18日(金)は一般幹部候補生の志願受付の期限でが、自身の幅を広げることができる、そんな可能性のある職場の1つである自衛隊に、ぜひ興味を持っていただければと思います。



「7月1日に向けて」(3.6.11)

【昨年度の市街地広報】 
 これまでの海上自衛隊での勤務から多くのことを学んできましたが、その中の1つに、『人を動かすには、まずは動機づけ』ということがあります。何のためにやるのか? どんな意義があるのか? を部下に理解させた上で動いてもらえば、その任務の成果は高まるもの。また、人を動かすには「メリ」と「ハリ」も大切です。終わりがいつなのか、先の見えない中での「動き」では、部下の士気や任務の成果は下がるもの。「ここが勝負どころ」という瞬間に、どれだけ部下のやる気を引き出せるか。

 広報官にとって、重要かつ最終的な目標は入隊者の獲得ですが、そこに至るやり方(募集要領)は様々です。以前にも本部長通信で書いたのですが、時代変化にマッチングしたSNSによる情報発信も重要ですし、地道に掲示し続けるポスター・チラシによる広報活動も大切です。今回は、この地道に続けている広報活動の件について。

 自衛隊の存在を知ってもらう、自衛官を募集中であることを知ってもらうために、これまで広報官に対し、年間を通して担当地域でのポスター掲示場所等の開拓を指導してきたのですが、今年度は年間を通してではなく、募集のいわゆる最盛期を迎える7月1日を期限として猛烈な開拓を指導中です。具体的には、県内主要鉄道沿線の各駅におけるポスター設置(現時点で約180の駅に掲示中。某沿線×4は完全制覇!)、高校生がよく利用する某ファーストフード店内における募集案内リーフの設置(現時点で約20店舗に設置中)を進めております。また、7月1日の前後には、県内30か所以上に横断幕設置、県内11か所に懸垂幕を展張することで調整済みです。今年度は、「とにかく開拓せよ!」という曖昧模糊とした指示ではなく、目標を数字で明確に示し、期限も明確に設定(7月1日迄)した上で、広報官を開拓活動に当たらせておりますので、その成果も日に日に爆増中です・・。また、7月1日の前後2週間にわたって、県内各地で市街地広報(感染予防は徹底します)を計画中であり、当該期間中には神奈川県内で毎日、数か所の市街地で、広報官のみならず本部員も含め、そして「はまにゃん」「たま」「トップニャン」のマスコットも含め、自衛隊神奈川地方協力本部の部員総出で市街地広報を実施する予定であります。

 地域のみなさま方におかれましては、通勤を含むお出かけの際に、なぜか駅構内で自衛官募集のポスターが目につくな・・? ファーストフード店に行くと、なぜか自衛隊募集案内のリーフを見かけるな・・? と感じる機会が増えると思いますが、その際には、この本部長通信を思い出していただきたいと思います。

 私も、当然のごとく指揮官先頭で市街地広報に参加するつもりです。その際に、多くの方々とお会いできることを今から楽しみにしております。とにかく、現在自衛隊神奈川地方協力本部の全広報官は、7月1日に向けて爆走中でありますので、全力で激走中の広報官をお見かけした際には、暖かい励ましの言葉をかけていただければと思います。みなさま方から声をかけていただいた広報官は、マスクの下からきっと満面の笑顔を浮かべると思います・・。

 日に日に暑さも増してきております。お体ご自愛下さい。



「部隊訪問」(3.6.4)

「護守印」

 自衛隊神奈川地方協力本部に与えられる任務を遂行するには、神奈川県内に所在する陸海空部隊からの支援が不可欠です。募集はもちろん(部隊見学、リクルータ派遣、採用試験の実施等々)、退職自衛官の再就職の援護や、予備自衛官の招集訓練の実施、あるいは本部庁舎の施設管理など、県内所在部隊から得ている支援は多岐にわたります。

 令和2年度の募集成果が確定しましたので、5月下旬から、県内の主要な部隊指揮官に対して神奈川県内の募集状況を説明するとともに、日ごろからの支援に対するお礼と、令和3年度における引き続きの支援をお願いしております。先週ご紹介した募集相談員の委嘱式に引き続き、いや並行して(汗)、またまた県内各地を飛び回っております。(私に横浜にいて欲しくないの??涙)

 この部隊説明の中で、私の故郷というべき護衛艦隊司令部へ先日挨拶に行ったのですが、横須賀市船越の新しい海上作戦センターも開設され、素晴らしい環境で勤務している元部下や同期と親しく談笑する機会も得ることができました。加えて、護衛艦隊と自衛隊神奈川地方協力本部との間でコラボし、諸々の情報を発信していく件について護衛艦隊からの了解もいただき、さっそく、護衛艦隊で現在売り出し中の「護守印」シリーズを、自衛隊の中でも強い発信力を有する自衛隊神奈川地方協力本部のツイッター、HPで案内を開始したところです。

 コロナ禍の情勢下、今後も県内所在部隊からはできる限りの支援をいただき、部隊とともに一人でも多くの神奈川県の若者に対し、「自衛官」という道を選択するきっかけを与えていきたいと改めて思いました。

 神奈川県には陸海空、大小規模の多くの部隊が所在しています。陸上自衛隊については、横須賀に東部混成団本部や第31普通科連隊、高等工科学校、横浜や座間にも駐屯地が所在しております。海上自衛隊については、横須賀地方総監部や自衛艦隊司令部、その隷下部隊の護衛艦隊司令部や航空集団司令部等、本当に多くの部隊が存在します。そして航空自衛隊についても、横須賀に第2高射隊が所在します。それぞれの部隊もツイッターやHPにより情報発信を強化している途上にありますので、自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧のみなさま方におかれましても、どうか、神奈川県内に所在する各部隊にご関心を持っていただきますよう、よろしくお願いいたします。



「水無月」(3.5.28)

【募集相談員 委嘱式】
※写真撮影の為、一時的にマスクを外しています。 
 清々しい初夏の季節になりました。自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧のみなさまにおかれましても、夏の兆しが感じられる向夏の折、ご健勝のことと拝察いたします。

 さて、令和3年度の開始から5月一杯をかけて県内各地を飛びまわり、各首長様とご一緒に、募集相談員の方々に対する委嘱式を実施させていただきました。コロナ禍の影響もあり、県内全ての市町村にお伺いすることはできなかったのですが、それでも多くの市町村で、地元の募集相談員の方々との間に建設的な議論(懇談)をする機会を得て、極めて有意義な2か月間でした。

 ところで、HPをご覧のみなさま方には、「募集相談員」という名称そのものに馴染みがないかもしれません。この募集相談員とは、個人の好意に基づいて、自衛隊への志願者に関する情報の提供、地方協力本部の行う募集のための一般的又は個別的広報に対して援助をしていただく方々であり、委嘱は各自治体の首長様と自衛隊地方協力本部長との連名で実施され、その委嘱期間は2年間とされている方々です。

 神奈川県の場合も、ポスター横断幕設置場所の提供、学校訪問への同行、市街地広報の実施、入隊入校激励会の実施等々、自衛隊神奈川地方協力本部として募集相談員の方々には、日ごろから大変お世話になっております。委嘱式における私からの挨拶でも申し述べたのですが、募集相談員の方々には『自衛隊の任務も近年更に高度化複雑化そして多様化し、少子高齢化が進み募集難と言われる情勢の中で、与えられた任務を遂行し得る人材を確保するためには、皆様のような地域に密着し、地域を良く知る方のお力添えが必要です。ですので、ぜひ、一人でも多くの地元の若者に「自衛官という選択肢」のきっかけを与えていただけたら』と思っているところです。

 5月も終わり6月が始まります。コロナ禍にあっても、我々は与えられた任務を淡々と遂行するのみ。6月は、「自衛官候補生試験」「一般曹候補生試験(2次試験)」及び2回目の「一般・歯科・薬剤科幹部候補生試験」を実施するほか、全国地方協力本部長会議が開催されます。援護・予備自関連でも「就職セミナー」「任期制ライフプラン集合教育」「キャリアビジョン設計教育」及び「予備自補招集訓練」が実施され、行事業務が目白押しの状態ですが、忙しいうちが華。

 『怠惰の冬日は何ぞ其の長きや。勉強の夏日は何ぞ其の短きや。長短は我に在りて日に在らず。』(佐藤一斎)という言葉もありますが、「長い」「短い」「早い」「遅い」はその人の主観、心の在り様次第。1日1日を短く感じることができる充実した日々を、6月も部員と一緒に楽しく過ごしていきたいと思います。



「輝け!第2回広報官対抗ポスター・チラシコンテスト」(3.5.21)

 昨年度に初めて実施し、多くのみなさまから大変な好評をいただきました広報官による「ポスター・チラシコンテスト」を、『輝け!第2回・・』と銘打って実施中です。昨年度の開催に当たっては、一部の広報官から「忙しいのに・・」「何か意味があるのか・・」等々のネガティブ意見もあったのですが(涙。

 「幹部が命令すれば、部下は命令に従って動く。しかし、心の底からその命令に従っているかは別。仕方なく動く部下もいるだろうし、嫌々従っている部下もいるだろう。そんな部下のパフォーマンスと、心の底から命令に従っている部下のパフォーマンスは全然違う。なので、部下が自分の命令に心から従ってくれるよう、自身の人間性を高めなければだめ」と、部隊で勤務していた頃には若い幹部によく指導していましたが、昨年度のコンテストは広報官の中に嫌々感満載を見て取れ、指揮官としての自身の至らなさを痛感したものでした(涙。

 今回は、実施の趣旨(広報官の勉強のためもあり、自身の担当校(大学短大専門学校高校)を徹底的に研究し、その特性に応じた募集ポスターを作成する)をよく理解してくれて、どの広報官も楽しみながらそれぞれの作品を作成し、提出してきました。今回の広報官たちの提出ぶりを見るに、昨年よりは少しであっても指揮官として成長している!と、少しだけ安心したところでした。

 今回提出されてきたポスターチラシは、昨年度よりも色使い、キャッチコピー、内容に係る広報官の技量向上を感じることができます。みなさまの目にとまり、そして心に刺さって記憶に残る作品が多数ございますので、自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧のみなさまにおかれましては是非一度、HPで紹介しております各作品コーナーを覗いていただければと思います。

 今年度については、優秀作品には予算をつけて大量のポスター化を図ることも計画しており、神奈川広報官Sの力作が、神奈川県内の多くのみなさま方の目に留まることを楽しみにしております。



「航空広報官」(3.5.14)

航空広報官による議論風景 神奈川地本キャラクター
(航空自衛官:トップニャン)
 『令和2年度の募集成果については、残念ながら全ての種目で与えられた目標を上回る結果を残すことはできなかった(数ある種目の中で、わずか1種目のみ目標に届きませんでした・・)』(本部長通信 3.4.30版)と記載しましたら、多方面(の悪友)から、「どの種目?」「どの種目?」と興味本位の質問を受けております。その種目は特定しませんが、本日は「航空広報官」の活躍についてご紹介いたします。

 神奈川県の自衛官募集に関する特性として、海上自衛隊への入隊希望者は多数存在し、また陸上自衛隊への入隊希望者も相応数存在するのですが、航空自衛隊への入隊希望者が海上、陸上に比較して少ないという特性があります。ですので毎年、航空自衛隊への入隊者確保に苦労するという弱点を有しているのですが、そのような弱点を有する自衛隊神奈川地方協力本部には、本当に勢いのある航空自衛官たちが広報官として勤務しております。その航空広報官を先日横浜へ集合させ、いかにして弱点を克服するかを討論させました。「自らの後輩は、自ら探し出し見つけ出す!」という私の指導方針もあるのですが、思いのほか長時間にわたって白熱した討論が続き、弱点克服のための多くの「奇抜な」アイデアが航空広報官から提案されたところです。

 話題は逸れますが、自衛隊神奈川地方協力本部にも数ある会議や会同がありますが、その会議会同の「質」を高めるには参加者にいかに当事者意識を持たせるか。そして、会議会同の場でいかに発言させるか。自身の意見を一度も発言しないのであれば、その会議会同に参加する必要があったのか?? そもそも、この会議会同は必要なのか??とさえ思います・・(なので、自衛隊神奈川地方協力本部の会議会同は、参加者1回の発言がMUSTです(汗))。

 いずれにせよ、活発な議論が行われたのですが、航空広報官が評価した弱点の原因はやはり、「神奈川県に大きな航空自衛隊の基地がない」こと。確かに、航空自衛隊といえば「戦闘機(航空機)」というイメージが強く、神奈川県内には航空自衛隊の航空機が主用する基地がありません。なので、地域の方々にとっては、なかなか航空自衛隊を身近に感じる機会が無いということになります。私は宮崎県日向市出身ですが、実家の近くに新田原という大きな航空自衛隊の基地があり、私の中学の同級生も数名が航空自衛官として勤務しておりました。やはり、地元に大きな基地が所在するか否かは、若者の入隊希望先にも大きな影響を与えるものです。

 この弱点を克服するため、彼らが提案してくれた「航空自衛隊関連のパンフレット増配」「航空自衛官マスコットの作成」「基地見学の増加」等々、具現化できるものは即断即決で採用し、スピード感をもって処置していくつもりです。部下が真剣に議論してくれたアイデア。本部長としては宝物のように感じます・・。

 ということで、自衛隊神奈川地方協力本部のキャラクターとしては「はまにゃん」がとても有名なのですが、まもなく「トップニャン」が画像上ではなく実物マスコットとして登場します! 航空広報官の夢の結晶「トップニャン」の登場をどうかご期待ください。(「はまにゃん」「たま」に引き続く「トップニャン」の登場により、これで神奈川県内に陸海空マスコットが揃うことになります。)



「受験生の皆様へ」(3.5.7)

 昨年度、「受験生の皆様へ」と題した本部長通信を作成中には、1年後にはきっとコロナ禍も終息していると固く信じていたのですが・・。今年度もこの時期に同じ内容の本部長通信を再掲することになり本当に残念でなりません。いや、すべては心の置き所とも言われます。どんな状況でも前向きに! 自分の口から出ていく言葉が前向きであれば、きっと気持ちも環境も前向きになるはずですから・・。

 受験生の皆様、数ある業種の中、自衛隊という組織を職業選択の一つとして検討していただきありがとうございます。いよいよ神奈川県でも、4月に実施した「予備自衛官補」の採用試験を皮切りに令和3年度の採用試験を開始しました。GW明けには、第1回目の一般幹部候補生試験を実施します。この試験を含め、これから実施する各試験においては、これまで実施してきた試験同様に、自衛隊神奈川地方協力本部は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため以下の6点を実施し、受験生の皆様が安心して受験できるよう努めますので、どうか安心して受験会場にお越しください。

 1 チェックリストによる体調確認
 2 会場での検温・消毒・マスク着用の徹底、消毒薬の準備
 3 受験時の受験者相互の距離の確保(机の間隔の保持・整列線の設置など)
 4 定期的な消毒・換気の実施による「密」の防止
 5 口述試験(面接)実施時の飛沫感染防止施策
 6 勤務員全員の飛沫拡散防止施策

 最後に、就職活動はこれからもまだまだ続くと思います。新型コロナウイルス感染防止を含め、体調管理には十分に気を付けていただき、今後の皆様の就職活動が順調に進むよう祈念申し上げます。



「出陣式」(3.4.30)

 令和3年4月20日(火) 令和3年度の出陣式を実施しました。

 本来であれば県防衛協会会長、県隊友会会長、県家族会会長様を始め、各地区募集相談員会会長様と自衛隊神奈川地方協力本部員一同が横浜に会して実施するところですが、現下の情勢にかんがみ、昨年度に引き続き規模を縮小し、部内参加者のみで実施したところです。この「出陣式」は、募集のみならず、援護及び予備自衛官業務を含めた令和2年度の自衛隊神奈川地方協力本部の活動成果を整理し、教訓を導き出し、もって令和3年度の活動を開始する上で極めて重要な結節部であり、部外から多数の関係者に参加していただき実施したかったのですが・・この点が非常に残念です。

 さて、特に令和2年度の募集成果については、残念ながら全ての種目で与えられた目標を上回る結果を残すことはできなかった(数ある種目の中で、わずか1種目のみ目標に届きませんでした・・)のですが、それでも年間を通じては元年度と同程度の成果を収め、主となる「一般曹候補生」「自衛官候補生」の2つに対する神奈川県内からの志願者数は、過去数年間で最も多くの方々に志願していただいたという成果を残すことができました。これは、地域のみなさま方からの温かいご支援とご協力、そして我々の活動に対する深いご理解のおかげであるとともに、広報官は無論、広報官の支援に当たった本部職員の努力の成果であると強く思っております。改めまして、地域のみなさま方に対し厚くお礼申し上げるとともに、全部員の労を称えたいと思います。

 いよいよ、自衛隊神奈川地方協力本部として令和3年度の荒波に出港(出陣)いたしました。依然としてコロナ禍の影響があり、旧来型とは異なる要領での募集活動になりますが、我々は引き続き高みを目指して「持ち場」を守り、「前へ」進んでまいります。そして私も、多くの部下にとって頼れる「羅針盤」となるべく精進してまいります。自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧のみなさま方におかれましては、令和3年度も変わらぬご支援とご協力をよろしくお願いいたします。



「横須賀地方総監 来訪」(3.4.23)

※写真撮影の為、一時的にマスクを外しています。
 前募集課長が異動し、彼の厳しいチェックがなくなったことを「これ幸い」と、本部長通信の更新間隔を「静かに」延ばす方向で画策中のところ、熱心な読者の皆様からの鋭いご指摘を受け、県内各地で実施中の募集相談員委嘱式の合間をぬって怒涛の勢いでPCを打鍵中です(汗。

 さて先日、海上自衛隊の横須賀地方総監が自衛隊神奈川地方協力本部に来訪され、私から神奈川県内の募集、就職援護に係る説明を実施するとともに、特に海上自衛官の広報官と懇談を実施していただき、海上広報官に対し熱い激励をいただきました。

 神奈川県内には陸上自衛隊や航空自衛隊の基地も所在しますが、横須賀と厚木に海上自衛隊の大きな基地が所在するため、県民の皆様にとっては、神奈川県の自衛隊といえばまず初めに「海上自衛隊」をイメージしていただく傾向にあります。そしてその利点としては、全国的にみても神奈川県から海上自衛隊への入隊者数が非常に多いという特徴があります。そんな募集環境上の特徴を有する神奈川県にあっても、海上広報官といえども幾多の苦労を経験している中、同じ制服の横須賀地方総監から直接激励をいただき、海上広報官たちの士気も大いに上がったものと確信しております。

 昨年度はコロナ禍にあって、横須賀や厚木での基地見学にも一部制限が設けられましたが、それでも陸、空の部隊からの暖かい支援と同じく、海上自衛隊の両基地からの暖かい支援を得ることができました。その成果もあり、まもなく確定する令和2年度の神奈川県の募集成果も、特に海上自衛隊については与えられた目標を大きく上回る成果を収めることができました。

 私が実習幹部で遠洋練習航海に参加した際の教官(随伴艦幹部)でもあり、他の実習幹部よりも厳しい指導をたくさんしていただいた横須賀地方総監に対し、「そろそろ海の上に戻して下さい」と言いそうになりましたがぐっと我慢し、『神奈川県の強みを活かして、海上自衛隊への入隊者確保に苦労している他地本の目標分まで、神奈川地本がカバーします!』と強気の宣言をしたところでした(笑。

 募集相談員の方々に対する委嘱式は継続中であり、5月末まで県内各地を飛び回る行動が続きますが、各地でいただく暖かいお言葉に本当に感謝する毎日です。我々の活動には、部内各部隊からの支援とともに、地域の皆様方からのご支援が本当に不可欠であると改めて認識している次第です。

 神奈川県も蔓延防止等重点措置が一部地域に発令になりました。時節柄、どうかお体ご自愛ください。それでは、次の委嘱式へ向かいます!



「令和3年度開始」(3.4.2)

【各部隊へ出発!!】
 今週、神奈川県から多くの入隊予定者が全国各地に向けて旅立っていかれました。もちろん、神奈川県内の部隊に着隊される方々が大多数なのですが、今回は、南は鹿児島県の国分から、北は北海道の帯広まで、県外の部隊へ着隊された方々もいらっしゃいました。一般的には地元志向が強い若者が増えており、特に全国異動が当然となる幹部自衛官となる「一般幹部候補生」の募集説明に際しては、地元志向が強い若者に対する説明に苦慮するのですが、個人的には、「交通手段の発達した現代社会」「ネット環境が進化しTV電話等で顔を見ながら会話ができる現代社会」で、「俺は神奈川県!」「俺は●●県!」といった都道府県に縛られる意義も少なくなっているのでは?と思うのです。とはいえ、やはり地元志向が若者の間で強いのは事実。その中にあって、この機会に神奈川を離れる方々には特に、神奈川県の代表としても頑張ってもらいたいと見送りの際中に思ったところです。(このような考えも地元志向でしょうか・・汗)

 いよいよ令和3年度が開始されました。コロナ禍の影響により、昨年度の4月の行事はほぼ全て取り止められましたが、今年度は感染予防を徹底した上で、真に必要な業務は少しでも以前の風景に近づけるよう計画しており、異動者の着任行事、募集相談員への委嘱式、地方協力本部長会議、出陣式(優秀広報官表彰)と行事も目白押しです。

 特に募集相談員の委嘱式については、県内全ての自治体にお伺いして各首長様と連名で委嘱させていただくもので、相当の強行軍となり、私も横浜の本部を不在にすることが多くなります。しかしながら、本部業務も当然重要であり、私が不在であっても業務が「回る」ようにしなければなりません。このような状況も想定し、令和3年度の業務方針を先日、全部員、全広報官に示達したところでした。すなわち、令和3年度は、『徹底的な意識改革、徹底的な業務削減・業務改善、徹底的な個人の充実を図り、以って「任務完遂」と「徹底的なWLB(ワークライフバランス)」』を年度の大方針に掲げ、私が横浜の本部を不在にしても、自衛隊神奈川地方協力本部の業務が済々と「前へ」進むように、各々が考えて、自主的に業務に当たれるよう部下に権限を大幅に委任し、「持ち場を守らせていく」所存です。

 新しい年度を迎え、気分を一新し、また人員も新たな態勢となり、真の意味での3年度の戦いが始まりました。既に、「一般曹候補生(春)」「一般幹部候補生」と、「予備自衛官補」の募集も開始されております。この3つの種目に限らず、全ての種目で昨年度を上回る多くの方々に自衛官という職業を志願していただけるよう広報官が各地を飛び回っております! どうか、自衛隊神奈川地方協力本部の広報官をお見かけした際には、温かいお言葉をかけていただければと思います。

 多くの若者が各地への旅立つ姿を横浜の本部で見送りつつ、今年度の更なる飛躍を心静かに誓ったところでした・・。



「令和2年度終了」(3.3.26)

【新人広報官教育】
 自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧のみなさま方には、令和2年度を終えるに当たり、年度末業務や新年度の準備等で慌ただしい日々を過ごされているのではないでしょうか。我々も、いよいよ募集に係る年度目標達成の成否を左右する「着隊業務」に突入します(入隊予定者が、全国の部隊に着隊する業務)。特に、入隊予定者を引率する広報官にとっては、最後まで入隊予定者の気持ちに寄り添った気の抜けない状況が続くのですが、暦の上ではまもなく令和2年度が終了するのに際し、今年度の自衛隊神奈川地方協力本部の実績を簡単に総括したいと思います。

 まず、今年度はなんといってもコロナ禍の影響大であった年度であり、「募集」に関しては県内各地でのイベントが中止になるとともに、自衛隊の基地見学も一時期はほぼ取り止められ、非接触型の募集活動が主流になった1年間でした。また、「援護」についても、雇用環境の悪化という情勢を踏まえ、新規企業開拓に重きを置いた1年間でした。加えて、「予備自衛官」業務についても、計画していた多くの訓練を取り止めざるを得ず、予備自衛官等の方々や雇用企業主様との間で、より一層の関係強化が求められた1年間でもありました。

 このような極めて厳しい情勢の中にあっても、自衛隊神奈川地方協力本部の全部員はよく持ち場を守り、「募集」については、最も重視するべき「一般曹候補生」「自衛官候補生」の種目において過去5年間で最多の志願者数を確保するとともに、「援護」も定年自衛官の再就職率100%を維持し続け、「予備自衛官」業務も、採用数等の目標を全て達成するという素晴らしい成果を残すことができました。コロナ禍にあって、地域の多くのみなさま方との交流機会も限られましたが、それでも多くの方々から、お手紙やメール、電話により心温まる声援をいただいたことが、我々に大きな力を与えていただいたと確信しております。本当にありがとうございました。

 もしかしたら、今年度1年間かけて見てきた風景のいくつかは、今後は当たり前の風景になるのかもしれません。いつの間にか、多くのコンビニエンスストアでは非接触型の会計が当たり前になりました。防衛省・自衛隊でも、リモート会議が頻繁に実施されるようになりました。地方協力本部の業務も、趣旨が成り立つのであれば、変化に適応させてやり方を変えていく必要があるのかもしれませんが、その意味においても、自衛隊神奈川地方協力本部の全部員が、令和2年度の変化によく適応して、自分たちでやり方を工夫し、コロナ禍をもろともせずに「前へ」進んでくれたと、これも確信しているところです。

 個人的には、今年度も多くの広報官や援護マンと一緒に外回りを実施しましたが、特に、一般曹(秋)候補生の志願受付期限間近における酷暑期での外回りや、ポスティング、広報官と一緒に行ったDM作成、各地での市街地広報・・。相当体力的に堪えたのですが、それでも楽しかった思い出しかありません。そして各地の広報官たちの「現場」での業務内容、悩み、苦しみ、そして楽しみも理解することができ、本部長としての指揮統率に大いに参考にすることもできました。まさに、『現場に宝物が溢れている』ことを改めて認識した次第です。

 令和2年度の総括を終え、自衛隊神奈川地方協力本部は令和3年度を迎えることします。令和3年度も、これまでお伝えしたことのない成果を、必ずみなさま方にお届けする覚悟であります。年度の変わり目ですが、自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧のみなさまにおかれましても、素晴らしい令和3年度を迎えられることを祈念しております。



「広報官心得」(3.3.19)

【広報官教育の一コマ】
 令和3年度を迎えるに当たり、感染予防を徹底しつつ、全ての広報官を一同に集めて広報官教育を実施しました。その際、私がこれまで自衛隊神奈川地方協力本部長として勤務してきた中で広報官に対し指導してきたこと、そして気づいたことを整理し、『広報官心得』として整理して改めて教育を行い、総員で想い(気持ち)を共有し、コロナ禍の影響を受けて、引き続き厳しい戦いになるであろう令和3年度の募集に向け、広報官に対し「前への推進力」を与えたところです。(と、期待しております(笑))

 今回は、この「広報官心得」を紹介させていただきますので、地域の皆様におかれましては、自衛隊神奈川地方協力本部の広報官がどのような心得(気持ち)で活動をしているのか、是非関心を持っていただき、令和3年度もこれまで同様の温かいご支援をお願いしたいと思っております。

「広報官心得」 自衛隊神奈川地方協力本部

1 人間性を高めよ
  募集対象者は、広報官の全人格(人となり)で感化し得ることを肝に刻み込むこと。なので広報官は、  まず人間としての魅力を身につけよ。教養を含め、人間性を高めよ。広報官は、募集対象者にとっては「 初めて」接する自衛官となる。「百術は一誠に如かず」。広報官は自身の人となりで誠実に勝負せよ。

2 言い訳をするな
  「募集難」という言葉を使って、自身の成績を正当化していないか? 「地域特性」という言葉も言い 訳ではないか? 「広報官の数が足りない」というのも言い訳ではないか? 神奈川県には、日本で2番 目に多い募集対象者が存在している。

3 常に考えよ
  募集の方法に常道なし。自身のやり方を、絶えず創意工夫すること。何も考えずに、事務所や前任者の 募集要領に前同続行で従わないこと。そして、担当地域を徹底して研究すること。事務所にいても情報は 来ない。担当地域に情報という宝物が埋まっている。とにかく外回りをして、宝を探し出せ。募集環境は 絶えず変化している。自分の五感を働かせ、担当地域の募集環境の変化を体感し、地域に応じた最適な要 領で募集せよ(変化を恐れるな)。

4 志願者を探せ
  募集活動で最も重視するべきは、「志願票の獲得」である。初めの発射台を高くしておかなければ、遠 く(目標)までは決して飛べない、到達しない。相応数の志願票を獲得しての、「受験率」「合格率」「 入隊率」。担当地域を隅々まで回り、志願していただく志願者を探し出すこと。

5 制服の力を借りよ
  警察、消防に比べて自衛隊という職業が募集対象者に認知され難いのは、地域で「自衛官」の姿を見か ける機会が無いのも一因である。対象者に、「自衛官」という姿を見てもらう努力をせよ。

6 募集情報は宝である
  募集情報に「貴賤なし」。いかなる情報であっても決して「捨てるな」。情報のえり好みをする広報官 は、成績が伸びない。「できる」広報官は、どんな情報でも志願に必ず結びつける。いかなる情報も、自 分たちの「宝」と認識すること。

7 仕事には締切がある
  募集は、部隊勤務と同じくらい厳しくあるべきであり、その厳しさを自覚し、全ての広報官は、着任後 1年間で、神奈川地本の広報官として所要の練度に到達せよ。

8 目的を抑えよ
  絶えず、対象者目線、保護者目線に立った説明を実施せよ。やった感を感じるためだけの説明、募集活 動は実施しない。この「やった感」が曲者。例えば、市街地広報はグッズ配布や、「やってる」という部 内に対するアピールが目的にあらず。募集情報の獲得が目的である。

9 「縁」を大切に
  世の中の物事は結局、最後は「人間関係」で決まる。いかなる出会いであっても、その「縁」(人脈) を大切にすること。募集情報と同じで、この出会い(縁)を捨てるな。

10 協調し、争え
  全ての広報官は仲間である。広報官同士で足を引っ張り合わない。他方で、全ての広報官はライバルで ある。切磋堕落ではなく、切磋琢磨せよ。

 令和2年度の募集活動は未だ継続中であり、入隊予定の方々に全国の各部隊へ着隊していただくという最 後の大仕事が残っておりますが、この「広報官心得」を胸に刻み、同じ目線、価値観を共有した自衛隊神 奈川地方協力本部の全広報官が、そして私の誇り、自慢の宝物である広報官が、令和2年度も最後まで、 そして令和3年度も神奈川県内各地を回遊魚の如く泳ぎ回りますので、どうか「ご期待」下さい!



「募集課長」(3.3.12)

【募集課長と広報官たち】
 自衛隊神奈川地方協力本部には4名の課長がいますが、その中でも募集課長という配置は、数字(結果)が全ての厳しい配置であり、4つの課長配置の中で唯一、自衛官が補職されております。その職責は当に「募集」。そして本部長と、各事務所の広報官との間に位置する典型的な中間管理職でもあり、本部長の企図、命令を、現場の空気になじませて職人気質の広報官に伝え、そして確実に実行させなければならない難しい配置でもあります。

 今春、この自衛隊神奈川地方協力本部の募集課長が2年間の激務を完遂し、定期異動で新たな配置に異動することとなりました。本部長からの無理難題も適切(適当)に処置し(いなして)、常に数値的な分析を行い、根拠に基づかない現場の「感覚」に決して流されることなく、募集環境が地域により大きく異なる神奈川県に適した募集要領を常に考え続け、これまで厳しい戦いを強いられていた自衛隊神奈川地方協力本部の募集活動に対し、激烈な前への推進力を与えてくれました。単身赴任の中、休日に実施される多くの試験業務のためになかなか県外の自宅にも帰れず苦労をかけたと思いますが、本当に献身的に自身の「持ち場」を守ってくれたと感謝しています。

 そして実は彼、私が防衛大学校の教官をしていた頃の直接の「教え子」なのです。直接の「教え子」という言い方ですが、防衛大学校の指導教官は一人一人、40名程度の学生を受け持つのですが、彼はその中の1人であり、当に私が直接指導していた学生でした。私が本部長に着任することを誰よりも嫌がっていたのは彼だったのだろうと、今でも確信しています。彼がそういう気持ちであろうとも、私としては着任後、学生時代と比べて人間的にも幹部自衛官としても大きく成長していた彼の姿に大きな感動を覚えたものです。

 そんな「教え子」ともまもなく2度目の別れを迎えます。そして、募集課長以外にも多くの部下が、自衛隊神奈川地方協力本部から新しい「持ち場」へ飛び立っていきます。別れに際する悲しみや寂しさもありますが、またいつか再び同じ任務を帯びて一緒に勤務できる日を夢み、3月の定期異動者を見送ろうと思います。

 上司、同僚、部下との出会いは一期一会。募集対象者との出会いも一期一会。そして多くの地域の皆様との出会いも一期一会。自衛隊は人との出会いを大切にする組織です。いよいよ令和3年度一般曹候補生(春)の募集が開始されました。自衛隊神奈川地方協力本部は人との出会いを大切にしつつ、令和3年度も天高く突き抜けていきますので、応援をよろしくお願いいたします。



「入隊入校予定者のみなさまへ」A(3.2.26)

【入隊予定者のみなさん、頑張ってください!】
 さて、みなさんがこれから歩もうとしている自身にとっての新しい「道」である自衛隊生活。きっと、つらく苦しい時期もあるかと思います。そして、家族からの温かい励ましがあったとしても、自身にとっては大きく、高いと感じる壁に当たり、心が折れそうになることがあるかもしれません。ただ、私はどんな困難な状況になっても、その困難(壁)を乗り越えることができるか否かは、結局はその人間の『心(気持ち)の問題』だと、これまでの自身の勤務経験によって確信しています。みなさんもどんな時にあっても、「自分はできる」と信じ続けて欲しいと、私は強く思います。

 よく考えてみてください。これから進もうとしている「道」は、人類が初めて通る「道」ではなく、これまでに何人もの若者が歩いてきた、そして踏み固められてきたしっかりした「道」です・・。恐れることは何もありません。

 これから、その「道」に進もうとしているみなさんに、今年度は激励の気持ちを込めて次の詩を贈りたいと思います。


 もしあなたが負けると考えるなら、あなたは負ける。
 もしあなたがダメだと考えるなら、あなたはダメになる。

 もしあなたが勝ちたいと思う心の片隅でムリだと考えるなら、あなたは絶対に勝てない。
 もしあなたが失敗すると考えるなら、あなたは失敗する。
 世の中を見てみろ、最後まで成功を願いつづけた人だけが成功してるではないか。
 全ては「人の心」が決めるのだ。
 もしあなたが勝てると考えるなら、あなたは勝つ。
 「向上したい」「自信をもちたい」と、もしあなたがそう願うなら、あなたはそのとおりの人になる。
 さあ、再出発だ。
 強い人が勝つとは限らない。すばしこい人が勝つとも限らない。
「私はできる」 そう考えている人が結局は勝つのだ! 
                          「信念の力」(ナポレオン・ヒル)


 入隊入校、おめでとうございます。「自分はできる」、と強く信じる「信念の力」を持ったみなさま方と、将来一緒に仕事ができることを本当に楽しみにしております。BON VOYAGE !

自衛隊神奈川地方協力本部長
1等海佐 夏井 隆



「入隊入校予定者のみなさまへ」@(3.2.24)

【神奈川地本一同 応援しております!】
 昨年度に引き続き、コロナ禍の影響により県内各所で計画されておりました「入隊入校激励会」が全て取り止められることとなりました。直接、入隊入校予定者のみなさまを激励したかったのですが、これも叶いませんので、HPの紙面を利用して2回に分けて、激励としての私の気持ちをお伝えしたいと思います。

 自衛隊神奈川地方協力本部を代表し、入隊入校予定者のみなさまの晴れの門出に際しまして、昨年度は激励の意味を込めて2つの話をさせていただきました。詳細は、自衛隊神奈川地方協力本部HP「本部長通信」(2.2.28及び3.6)に掲載しておりますので、是非、読んでいただきたいのですが、その1つは『個性を大切に』ということであり、もう1つは『感謝の気持ちを忘れない』ということです。(以下抜粋)

 『個性を大切に』

 自衛隊は、みなさんが持っている「人間の可能性」を無限に引き出してくれる組織です。そして、その可能性は各教官や先輩が必ず見つけ出し、引き出してくれますが、この可能性とは、根本的には自分たちの個性を源とするもの。つまり、個性はみなさんの強みでもあり、ひいては自衛隊という組織の強みにもなると私は思います。

 「出る杭は打たれる」、という言葉がありますが、みなさんにはどうか、打たれることができないくらいの、強く、長く、太い杭になってください。決して、自分らしさを見失うことなく、自衛隊という組織を信じ、個性というみなさんの強みを大切にして、これからも頑張ってもらいたいと思います。

 『感謝の気持ちを忘れない』

 みなさんは、今は大きな期待とともに、もしかしたらそれ以上の不安や寂しさを感じているかもしれません。しかし、みなさん方をこれまで大切に育ててくれたお父さん、お母さん、あるいは親族の方々は、みなさん以上の「不安」、「寂しさ」をきっと感じているはず。みなさんにはどうか、これまでお世話になった方々、とりわけ本当に大切に育ててくれた親御さんに対する感謝の気持ちを決して忘れないでいただきたい。そして、その気持ちを素直に言葉に出せる自衛隊員になってください。

 入隊入校までまだ少し時間があります。これまでお世話になった方々に対し、必ず自身の思いを伝えていただきたい、と強く思います。
 (続く)



「正解を探して」(3.2.19)

【200トン型のミサイル艇】
 前回の本部長通信(「爆弾低気圧の思い出」3.2.12)では、私が新米指揮官として「やらかしてしまった」判断ミスを紹介させていただきました。引き続きの「ネタ切れ」状態と、募集課長から受けた「本部長通信の更新は1週間に1回が基本」との指導にかんがみ、私が未だに悩み続けているある出来事も紹介させていただきます・・。

 第1ミサイル艇隊司令として200トン型ミサイル艇を指揮し、北海道余市で2度目の勤務をしていた時の出来事です。東日本大震災における捜索救助活動等に従事していた際、「青森大湊で灯油缶を搭載し、海上から被災された方々に届ける」という任務が付与されました。そこで、私達は雪の降りしきる大湊で夜を徹して多くの灯油缶をミサイル艇に搭載し、寒さに耐える被災された方々に一刻も早く暖をお届けするべく直ちに出港、示された位置に高速で進出しました。そして、現地で他部隊のミサイル艇2隻と合流し、某湾内に進入、横付けできる岸壁を探して陸上へ灯油缶の移載を行う計画だったのですが、先に湾内に進入したミサイル艇2隻が次々にエンジントラブルを発生させてしまいました。ミサイル艇はウォータージェット推進ですので、海水を船体に吸入させて推進力を得ますが、津波による多くの浮遊物が海面に存在する中、その浮遊物を船体に吸い込んでしまい、3台あるエンジンのうち2台が故障してしまったのです。無傷のエンジンは各艇1台のみ。この1台が故障すれば、ミサイル艇2隻は自力航行不能になり、あとは海に漂うしかありません。そして、私が乗艇していた3隻目のミサイル艇もこのまま湾内に進入すれ、極めて高い確率でこの2隻と同じようにエンジンが故障する可能性がありました。

 このような状況の中で、「エンジンが故障し海に漂うことを覚悟で、そのまま湾内に進入」するか、「1隻が無傷な段階でエンジンが故障した残り2隻を率い、港まで一度戻って態勢を立て直す」かの選択を私は迫れたのです。もちろん時間をかけて考える余裕はなかったのですが、それでも相当悩んだ末に、私は後者を選択しました。ここで3隻とも故障して、他部隊に面倒をみてもらうという余計な負荷をかけるよりも、自隊として自力で港に戻り態勢を立て直すべき、との結論に至ったものです。その後、我々は故障した2隻のミサイル艇の警戒を続けながら港まで一緒に戻り、2隻の不具合箇所の復旧に当たるとともに、灯油缶もその地にいた護衛艦に移載して、代わりに被災された方々に届けてもらうこととしました。

 この判断の際、肉親が行方不明であるにもかかわらずこの任務に従事していた部下が同じミサイル艇に乗艇しており、被災された方々に灯油缶を直接届けられなかったことに、彼が涙を流して悔しがっていたことを覚えています・・。

 今でも時折その時の情景を思い出すことがあり、その時の私の判断が果たして正しかったのか? と悩みますし、もう一度同じような場面に遭遇した際にはどんな選択をするべきなのか?・・・。海上自衛官としてこれまで30年近く勤務している中では、何度かぎりぎりの選択を求められる場面があったのですが、この出来事も、私にとってはぎりぎりの選択を要した出来事ですし、定年退官までになんとか、『この状況下での最適な正解は何だったのか?』という問いに対する答えを導き出したいとも思っております。

 神奈川県については緊急事態宣言が継続中ですが、梅の花も咲き始め、県内各地で春の気配を感じられるようなりました。引き続きコロナ感染防止策を徹底しての諸活動にならざるを得ませんが、その中でも、自分たちの任務をよく考えて十分な成果が出せるよう指揮統率する所存であります。

 自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方におかれましても、時節柄、お身体ご自愛ください。



「爆弾低気圧の思い出」(3.2.12)

 冬になると日本海側を度々通過する「爆弾低気圧」。この報道を観る度に、北海道の余市を母港としたミサイル艇3号で、新米指揮官として勤務していた時のある出来事を思い出します。九死に一生、とまでは言い過ぎかもしれませんが、それに匹敵するぐらいのインパクト(教訓)を私に与えた出来事であり、今でも物事の判断基準の参考にしている出来事ですので、この本部長通信の「ネタ切れ」状態にかんがみ、ここで紹介させていただこうと思います。(募集課長殿 この本部長通信は1週間に1編がノルマですか??)

 まずミサイル艇3号という船ですが、この船は2010年まで海上自衛隊で運用されていた排水量50トン(私が後に艦長を務めた護衛艦「みょうこう」の排水量は7250トンであり、その145分の1の大きさ)の水中翼船であり、機関はウォータージェット(翼走用推進)とディーゼル(艇走用推進)の2種類。最大速力46ノット(時速約80キロ)で定員11名、小さな船体と機関の特徴により、波の高さによる運用制限(平たく言えば「出港できない」)も有した、海上自衛隊が運用する船としては極めて特殊な船でした。

 海上自衛隊における私の初めての指揮官配置は、このミサイル艇3号の艇長だったのですが、その出来事は業務のために長期間母港余市を離れ、青森の大湊に展開中に起こりました。この時期は年末でもあり、度重なる爆弾低気圧が付近を通過し、北海道西方海域はいつも大荒れで大湊から余市への帰投予定日を大きく過ぎてもなお、ミサイル艇3号は大湊を出港することができずにいました。こんな状況が続けば、読者の皆様も当時の乗員の心情が容易に想像できるはず。いつまでも母港に帰れないことで、部下の士気低下は甚だしく、まさに、最悪の雰囲気・・。

 そんな中、あと1日待てば確実に海面状況が回復するという回復傾向の天気予察を受け突然、大湊での宿舎の清掃を早朝から始める部下たちの姿を目にしました。「海面は完全に回復してはいなが、回復傾向にあるのは間違いなく、“臆病な”艇長もきっと出港してくれるはず」と、彼らは思ったのでしょう。そして、一刻も早く部下を北海道で待つ家族の元に戻してあげたい、という私自身の焦りもありましたし、「帰りたい」という部下達の気持ちも十分に理解していたため、正直不安はあったものの『とりあえず出港してみて、海面状況が船体にとって耐えられなくなった時点で大湊に引き返せばいい』という安易な考えで、私は出港を決心してしまったのです。

 出港後、陸奥湾を抜けて津軽海峡付近に至った時点では、既に海面が急激に荒れ始めていたのですが、出港時には年末年始を母港で過ごす多くの護衛艦に盛大に見送られたこともあり、なんとなく大湊に引き返す格好悪さも手伝って、このまま余市に向かうか否かの判断を先延ばしにした結果、ついには燃料の関係からこのまま余市に向かうしかない地点にまで至ってしまいました。

 そこから当に地獄の始まりでした・・。幾度となく小さな船体が大きな波に打たれ、経験したことのない身体への衝撃が永遠に続き、挙句に翼走(ウォータージェットの使用)が不可能となり、大荒れの海の中で気の遠くなるような長い時間(距離)を、まるで木の葉のように艇走(ディーゼル使用。時速約9キロ程度)のみで進まざるを得ず。何度も何度も冬の荒海での遭難を覚悟しつつ、日没前に、なんとか余市にたどり着くことができたのです。

 余市に無事たどり着いたことを以って「問題なし」というのではなく、私はこの時に、「情に流されて安易な判断をしたこと」。そして乗員のためと思って判断した結果が逆に、「乗員を危険な目に逢わせてしまったこと」を大いに猛省し、その後しばらくは、といいますか、今のこの時点でさえ、「なぜあと1日待てなかったのか?」と自問自答を繰り返しております。

 この苦い経験が、私のその後の洋上勤務における数々の判断の参考になっています。情は確かに大切だと私は確信していますし、「部下を心の底から愛する」大切さも十分に理解しています。情熱と愛情。この2つの情がなければ「強い」指揮官にはなれない、とも僭越ながら思うのです。しかしながら、この情が過大になりすぎた結果がこの出来事でもあり、これ以降は『情』と『理』のバランスを大切にしつつ、勤務に励んできた次第です。

 さて、特にこのHPをご覧の若者の皆様。自衛隊ではいろいろな立場で、内容は違えど自分で「判断」することを求められる機会が多々あります。そしてその適否はともかく、この判断するという行為を通じて、自衛隊は確実に人間を成長させてくれる組織でもありますし、適切な判断ができるように指導教育も十分に実施していくのが自衛隊でもあります。(今回の出港の判断は適切ではありませんでしたが・・。)まもなく令和3年度の募集も開始されますが、人間を成長させてくれる自衛隊に少しでも興味を持っていただけるのならば、お近くの募集案内所等へお気軽にお問い合わせください。



「感 化」(3.2.5)

【VTCによる東部方面隊地方協力本部長会議】
 緊急事態宣言下にあって、1月に実施予定であった首都圏地本長意見交換会や、各予備自衛官訓練、基地見学等も取り止め、延期になりました。2月も方面創立記念行事や、横須賀(海)、入間(空)での募集等連絡会議、予備自5訓等が予定されておりますが、これらも既に一部が取り止められており、実施が不透明な情勢です。神奈川県内各地で計画されていた入隊入校激励会も全て中止となり、またまた地域の皆様方と交流させていただく機会も失いましたが、「私」という存在を忘れていただかないように「本部長通信」を頑張ります!

 さて、私が今年度最も力を入れてきた「一般曹候補生」の採用試験合格者の中には、民間企業や他公務員等と進路を併願している方々が多数いらっしゃいます。神奈川県の場合、自衛官とともに、特に警察官を併願されている方が多いのですが、警視庁や神奈川県警の採用試験合格が発表されて以降、一般曹候補生の合格者が、自衛隊ではなく警察の道を選んだと報告を受けることがあります。この類の報告が続くとさすがに凹み気味になるのですが・・。

 公安系公務員への就職を希望される方々が通われる専門学校で度々お話をさせていただくのですが、「職業に貴賤なし」「どんな仕事でも尊い仕事」「大切なのは、その職業で何をなし得るか」「自分の子供や孫に、『一生の中で何をなし得たか』を誇れる働き方が大切」と伝えた後に、『とはいえ、国民の生命財産を守り、安心安全を与える公安系の仕事を選ぶことは、素晴らしい選択の1つであること間違いなし。自衛隊ではなく警察に進もうが、消防に進もうが、一生懸命に頑張って欲しい!』と、伝えております。

 ですので、自衛隊ではなく警察や消防の道へ進もうとしている方々に対しても、広報官が何度も自衛隊という職業の魅力をお伝えするのですが、最後は本人の選択した道を心底から応援するよう広報官には指導しているところです。ただし、初めから自衛隊の魅力を伝え得ることを全く諦めている広報官に対しては、広報官自身の全人格、人となりで、進路を悩んでいる対象者の心を震わせ、感化し、自衛隊を選んでいただくよう努力せよとも指導しています。担当広報官は、募集対象者の方々にとって初めて接する自衛官である場合がほとんどであり、広報官の立ち居振る舞いや人柄、人間性を見て、自衛隊に進みたいと思っていただく方も多数いらっしゃるのも事実なのです。

 前にも書きましたが、広報官が募集対象者にとって、再び会ってみたいと思われる人間、余韻の残る人間になれば、募集対象者にもきっと自衛隊の魅力を理解してもらえると思いますし、自衛隊以外の道に進まれたとしても、たとえ違う場所で働こうとも、自衛隊に対し良い印象を持っていただければ、それはそれで素敵なことですし。

 今年度もいよいよ残り二か月で終わります。自衛隊神奈川地方協力本部の全広報官には、人間的魅力を持った誠実な広報官であってもらいたいと思いますし、そのためにも、令和2年度の終わりまで、そして令和3年度以降も指揮官先頭で、私自身の人格も陶冶していく所存であります。「誠は物の終始なり」。そして「百術は一誠にしかず」。引き続き、自衛隊神奈川地方協力本部の活動に対するご理解ご支援を宜しくお願いいたします。



「入隊入校準備」(3.1.29)

【入隊入校予定者と】
 もう昨年のことになりますが、本部長室に遊びにきてくれた入隊予定者の方から、自衛官は「特殊な人」、自衛官は「自分とは違う人間」と思っている若者が非常に多いと伺いました。

 艦艇で勤務していた頃は、お盆や正月などの長期休暇中であっても、何かあれば艦に呼び戻される。台風が来れば、家や家族を守るよりも艦に戻って出港し、艦を守るために台風から逃げる。妻に対し、出勤時には「船に『帰る』」という言葉を使いますが、結婚当初は「あなたの帰る場所はこの家であって、船ではないでしょ!」とよく注意されたものです。と、これまでの自身の勤務を振り返ると、確かに私は特殊な人間なのかもしれません(汗)。そして、この特殊性をもって自衛隊への入隊入校を躊躇される若者もいるのですが、この紙面をお借りして強く申し上げたいのは、我々自衛官も「普通の人間」です! ですので、自衛官という職業を、どうか特殊と思わないで下さい。(もちろん、私も普通の人間です!)

 前置きが長くなりましたが、最近は度々、入隊入校予定者の皆さんから「入隊までにどんな準備をしておけばいいですか?」「入校までに読んでおいた方が良い本はありますか?」といった類の質問を受けます。私からは、自身の経験に基づく若干のアドバイスと、いくつかの本を勧めたりするのですが、「それ以上にやっておくべきことがありますよ・・。それは、これまでお世話になった方々に対し感謝の気持ちをしっかり伝えることですよ!」という話をするようにしています。実はつい先日、「感謝しかありません。これまでありがとう」という言葉を私自身もいただきました。

 何年も前になりますが、舞鶴で単身赴任中のこと。休暇を利用して横須賀の自宅に帰宅した直後に、当時小学校低学年であった娘が、玄関先で私と再会してそのまま、私の手をつかんで隣の家のお友達の前まで連れていき、「みほちゃんのパパだよ! みほちゃんのパパだよ!」と嬉しそうに話をしていました。その時は、なぜ娘がこんなことをするのか理解できなかったのですが、今振り返るに、おそらくお友達に自分の父親を自慢したかったのかと。隣のお友達はいつも父親と遊んでおり、娘はいつもうらやましく感じて、あるいは寂しく感じていたのかも。なので、幼心にお友達に自分の父を自慢したかったのかな? と根拠なく思っているところです。

 そんな娘も、新年早々に「突然」入籍し、新生活をスタートさせました。父親として十分な役目を果たせなかったかもしれませんが、海上自衛官として働く私の背中をじっとみて、娘は立派に育ってくれたと、先ほどの感謝の気持ちを娘から伝えられた時に本当に嬉しく思ったところです。

 晴れの門出に際する激励として改めて申し上げますが、入隊入校予定者の皆様にはやはり、今までお世話になった方々に感謝していただきたい。「親思う 心にまさる 親心・・」という句の一節がありますが、特に、これまで自分たちを大切に育ててくれた親御さんに対する感謝の気持ちをしっかり伝え、その上で春の入隊入校を迎えていただきたいと思います。自衛隊は、国民の、生命・財産を守る組織であり、人間としての高い倫理観や徳性、知性が求められる「特殊な職業」かもしれません。そんな特殊な職業をこれからの生業にするからこそ、私は入隊入校予定者の皆様には一人の人間として、しっかりと感謝の気持ちを伝えられる人間であって欲しいと思います。それができてこそ初めて、立派な社会人、そして立派な自衛隊員になることができる、と確信しております。ですので、『感謝の気持ちをしっかり伝えること』が、入隊入校予定者にとって今なすべき大切なこと(入隊入校準備)の1つでは、と思うのです。

 このように、入隊入校予定者が諸々の準備を始める時期にあって、自衛官候補生の本年度の採用試験も2月が最終になります。進路の決まっていない皆様におかれましては、まだまだ公務員への道が残っています。詳細は各広報官が丁寧にご説明しますので、少しでも興味のある方は遠慮なくお近くの募集案内所まで遊びに来てください!



「今年の目標」(3.1.20)

 
 休暇気分がなかなか抜けない中で、神奈川県に再び「緊急事態宣言」が発令されました。自衛隊神奈川地方協力本部も、新型コロナへの感染防止に努めつつ業務を継続するために、前回宣言時と同様に交代制を導入し、部員は出勤と在宅勤務を1日おきに繰り返す毎日です。前に経験済みのこととはいえ、部員の半分しか勤務していない横浜の本部庁舎内は静かで、寂しい気がします。1月に当初予定されていた首都圏地本長意見交換会や、各予備自衛官訓練、基地見学等も取り止め、延期になりました。当然ながら、例年ならば行われるであろう各地域の方々との賀詞交歓会等も今年は全くありません。

 また、この時期は春の入隊入校に向けて、各種目の採用試験合格者に対する(合格から入隊入校までに至る)「つなぎ」が最も大切な時期であり、例年であれば各部隊等の協力を得て進路を迷われている合格者に対し基地見学等を実施するところ、募集活動の面からは、それもできない厳しい状況です。このような厳しさの中にあっては、各広報官もどことなく気分が沈みがちになるはず。ですので、指揮官としては何とかモティベーションを維持する(そして高める)工夫を沈思黙考している毎日です・・。と、そんな中、正月の箱根駅伝を激走したメンバー中の神奈川県内の高校出身者と当該校の担当募集事務所を調べ、私に報告してきた部員がおりました。聞けば、広報官が当該校に訪問した際に、先生との話の中で話題を提供できれば・・と思いついたとのこと。この調べた部員は広報官でも募集課員でもないのですが、「少しでも募集活動に役立てれば」との熱い想いを大変嬉しく思ったところです。

 『政を為すの要は、人々をして鼓舞作興して、各々自ら淬励せしむるにあり』という吉田松陰の言葉がありますが、この意味は「政のコツは、人々を激励してやる気にさせ、それぞれが自分から努力しようという気持ちにさせること」。この考えは、組織マネジメントにも当てはめることができると思います。以前にも申し上げましたが、令和3年はより大幅に部下に権限を委任し、『自分で考えて動ける地方協力本部』を目指し、指揮官としては部下部員を昨年以上に「やる気にさせ」、「成長させる」ことが目標。ですので、緊急事態宣言の再発令により従来の接触型の活動がより制限を受ける中にあって、「SNSの積極的活用」「学校との関係強化」など、来年度の大方針(案)をこの時期に全部員に示し、それぞれの課、事務所ごとに来年度の準備を開始させました。各々がこの機会を利用して、しっかり自身の「持ち場」に関係する令和3年度の情勢を見積もり、最適な行動方針を導き出すことを期待しています。

 元ラグビー日本代表監督でもあった故平尾誠二氏曰く、『強いチームというのは、指示された通りに動くだけではなく、各々がイマジネーションというのを膨らませて、それぞれの状況に応じて何をすればいいかを考え出すチーム』。そういう地方協力本部であって欲しい、といいますか、「そういう地方協力本部にしよう!」と、例年であれば多数の有志により本部近傍に所在する「伊勢山皇大神宮」に参拝するところ、感染防止のために今年は(課業終了後に)一人で参拝した時分に思ったところでした。

 厳しい寒さが続いております。お身体ご自愛ください。



「新年のご挨拶」(3.1.6)

 新年明けましておめでとうございます。自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様には、穏やかな新年をお迎えできたこととお慶び申し上げます。

 今年は新型コロナの影響もあり、昨年12月21日から1月11日までを「休暇奨励期間」として設定し、通例なら実施する年末年始行事も取り止め、自衛隊神奈川地方協力本部の部員に対しては、自身の業務と相談しながら当該期間に自由に休暇をとるよう指導しておりました。その指導が強力過ぎたのか否かは不明ですが、部員はここ数年にはない長い期間の休暇を取得したものと思います。当然ながら未だに休暇中の部員も多いのですが、休暇終了後には、それぞれ(おそらく)充実した休暇を過ごし、みな元気に新たな気持ちを持って出勤してくれるものと期待しております。

 いずれにしましても、いよいよ新しい年が始まりました。自衛隊神奈川地方協力本部は、令和3年も東部方面総監の「強靭な東部方面隊の創造」という指導方針の下、引き続き『持ち場を守れ』を私の指導方針として示し、前例のない加速度をつけて「前へ」進んでまいります。既に宣言しているとおり、令和3年はより大幅に部下に権限を委任し、『自分で考えて動ける地方協力本部』を目指し、指揮官としては部下部員を昨年以上に「やる気にさせ」、「成長させたい」と思います。

 最後になりましたが、皆様にとりまして今年1年間が素晴らしい年になることを祈念しつつ、本年も自衛隊神奈川地方協力本部に対するご支援ご協力をお願い申し上げます。



「年末のご挨拶」(2.12.21)

 神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様には、今年1年間、募集業務はもちろん、予備自衛官等の業務、援護業務など幅広い分野において多くのご支援ご協力をいただき心から感謝申し上げます。

 令和2年は、まさに「波乱」の1年でした・・。昨年の今頃には全く予想していなかった景色が目の前に大きく広がることになり、コロナ禍での各業務の実施、とりわけ、新たな生活様式に基づく非接触型の募集や援護活動は、まさに手探りの活動でした。その中にあっても、多くの方々かのご支援ご協力をいただき、無事に今年1年を終えるところまできたことに、繰り返しになりますが、感謝を心底から申し上げます。

 さて、12月に入り、次の年である令和3年の「戦い方」を一人静かに考える時間が増えてきました。(例年実施されている20以上にのぼる「忘年会」が全て取り止められ、単身赴任中の夜が余計に長く感じられます・・。)当然、年度末には今年度戦った結果を緻密に分析し、教訓を導き出し、部下部員に対し「新たな戦い方」を1つ1つ明示するのですが、今考えているのは、年度の細かな戦い方(戦術)の基本になる大きな戦い方(戦略)。そんな中、『これだ!』とヒントを得る一文(ファーストリティング会長兼社長の柳井正氏と、FC今治オーナーの岡田武史氏との対談)を月刊誌「致知」1月号の中で見つけましたので紹介いたします。

 柳井「一番いいチームは選手が自分で考えて動けるチーム」 
 岡田「経営もサッカーも一緒だなということが分かってきたんです。人をマネージすることがすべてだなと。チームが最高のパフォーマンスを発揮するためには、一人ひとりをやる気にさせられるかどうか。一人ひとりを成長させることでチームも強くなります。」

 自衛隊神奈川地方協力本部の指揮官として、部下部員に正しい方向づけをできるよう引き続き精進しますが、令和2年は部下部員に対しやや「手取り足取り」感もありましたので、令和3年はより大幅に部下に権限を委任(実は今でも相当権限を委任しているのですが・・)して、さらに加速度をつけて「前へ」進みたいと思います。そして、『自分で考えて動ける地方協力本部』を目指し、指揮官としては部下部員を今年以上に「やる気にさせ」、「成長させたい」との想いに至ったところです。

 それでは、この1年間で得られた多くのご縁を大切にし、そしてそのような素敵な縁を産み出してくれた皆様方との出会いに感謝して、今年最後の本部長通信(年間計44編!)といたします。以前にも紹介しましたが、素晴らしい言葉を最後に付記して。

 哲学者・教育者として有名な森信三曰く、「人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢える。しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎないときに。」「縁は求めざるには生ぜず。内に求める心なくんば、たとえその人の面前にありとも、ついに縁を生ずるに到らずと知るべし」と。

 令和3年も、自衛隊神奈川地方協力本部は、皆様とのご「縁」を求め続けますので、どうかよろしくお願いいたします。神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方が、穏やかに新たな年をお迎えになることを祈念し、また今年1年間の感謝の気持ちを込めて、加えて来年も変わらぬご支援ご協力をお願いしつつ、ランドマークタワーと秀峰富士を眺めることができる本部長室で、令和2年最後の打鍵を終了させていただきます。



「チャレンジ」(2.12.14)

 先日、HPをご覧の読者の方から心温まるご連絡をいただきました。本部長通信には「生き方の指針となるようなものがちりばめられている・・」と。大変恐縮しております。ありがとうございます。読者の皆様方からのご期待に応えられるように、引き続き精進してまいります!

 さて、師走を迎え、予想どおりバタバタとした日々を過ごしております。そんな中でも、多くの学生の方々に横浜の本部長室を訪れていただき、談笑懇談を通じて、「若い」力をいただいているところです。これまでに30名以上の学生の皆様方とお話をする機会があったのですが、「自衛隊に入隊しようか」「それ以外の道に進もうか」悩まれている方々に対して、私は同じことをお伝えしております。

 それは、「自衛隊に入隊しても後悔しますよ・・」。 自衛隊への入隊を勧められると構えて、私の話を聞きに来られたほとんどの学生が、この言葉を聞くと「きょとん!?!?」としてしまいます。そして私は、驚きの表情を示した学生に対し、続けざまに『自衛隊以外の道を選んでも後悔します。要するに、どの道を選んでも後悔はするはずです。長い人生、「違う道を進んでいれば今どうなっていたのだろう?」「その時、〇〇の選択をしていたらどうなっていたのだろう?」と、ふと自身のこれまでの人生を振り返り、「今と違う道を選んでおけば!」と思うこともあるはず。でも、大切なのは、その後悔の度合いをより小さくするために、今「考え」「悩む」こと。今が人生で一番考え悩むべき時期なのかもしれません。自身の将来について真剣に考え、悩み、色々な方々に相談をして、後悔の度合いが少しでも少ない人生を歩んでいただければと思います。』と、熱のこもった言葉をお伝えしております。

 というと、学生さんから時々質問を受けます・・。「本部長も、海上自衛隊に入隊して後悔したことがありますか・・?」と。もちろん「あります!!」(笑)

 海上自衛官という道を選択し、正直に言いまして私は1つだけ後悔していることがあります。それは、子供、特に下の男の子が小さい時に、あまり一緒に遊んであげられなかったことです。船乗りという職業柄、ちょうど子供が小さい頃には洋上にいることが多く、今振り返るとキャッチボールもしたことがない・・。これが1つだけの後悔です。ですので、自衛隊神奈川地方協力本部の部員に対しては、自身の後悔を伝え、同じ後悔をしないように家族保護に努めるよう指導しているところです。(本部長通信「働き方改革」進行中(2.11.1))

 いずれにせよ、引き続き多くの方々とお話をする機会を楽しみにしています。悩める若者のみなさん、自身の人生です。悔いの「少ない」選択を。と、ここまで打鍵してところで、表題(「チャレンジ」)と全く異なる趣旨の本文になっていることに気づきました・・。申し訳ありません。引き続き精進します。

 これまで何度か紹介させていただきましたが、自衛隊神奈川地方協力本部では、従前とは異なる様々な取り組みを実施しております。その中でも、この年末の時期に、3つの新しい取り組みを行いました。その1つは、年賀状に替えた「グリーティングカード」の作成です。お世話になった方々に対して感謝の気持ちをお伝えする趣旨であれば、年賀状でなくても目的は達成されるもの。ならば、「多数の方々が年賀状でご挨拶する中、違うやり方で多くの方々に感謝の気持ちをお伝えしたい!」と思った、まさに思いつきのアイデアでした・・。そしてもう1つは、地方協力本部が作成するカレンダーを、1月始まりのものから4月の年度始まりに変更したことです。学校との関係を強固にすべき広報官としては、やはり学校の始動時期である年度初めに学校へ挨拶に伺うことが適当だと思います。その機会に、年度始まりのカレンダーをお配りすれば、「学校でもよりご活用いただきやすくなるのでは」と思った次第です。

 そして3つですが、これはかなり重要というか、従前からのやり方と大きく違うものなのですが、12月の自衛官候補生の採用試験をWEB試験で実施したことです。これは、当然ながら防衛省・自衛隊として、コロナ禍における変革の1つとして採用されたものですが、WEB試験を実際の採用試験で使用するかしないかは、各地方協力本部長の判断に任せられているところ、新しいことが大好きな私は、全国の地方協力本部に先駆けて1番初めにWEB試験を実施しました。その結果、不具合はほとんどなく、試験の公平性を適正に担保した上で、従前に比して試験に係る労力を軽減できる効果も認められるとともに、そもそものねらいである新型コロナ感染症予防に十分配慮した試験を実施できたと評価しております。

 1つ1つのチャレンジはそれほど大きなものではないかもしれませんが、積もり積もれば大きな塊になり、大きなチャレンジになります。新しいことに挑戦することは、必ず苦しみを伴うもの。しかし、このチャレンジがうまくいけばきっと、募集成果の向上や職場環境の改善等、自衛隊神奈川地方協力本部の色々な分野に好影響をもたらすと確信しています。なにより大切なのは、『チャレンジのための一歩を踏み出す勇気』。

 自衛隊神奈川地方協力本部は、単なる前同続行で、従前からの業務を引き継ぐことなく、令和2年の最後まで、そして令和3年以降も、挑戦を続けてまいります。もしかしたら、本部長室に遊びに来てくれる学生の皆様にとっても、この一歩を踏み出す勇気が大切なのかもしれません・・。



「師 走」(2.12.1)

【海上幕僚長感謝状贈呈】 【防衛大臣感謝状贈呈】
 11月25日(水) 神奈川県から多数の若人が、航空自衛隊・自衛官候補生としての入隊のために、埼玉県の熊谷へ向け飛び立っていきました。担当の広報官たちと一緒に、横浜の神奈川地方協力本部庁舎から出発する彼らを見送ったのですが、どの若者の目線もしっかりしており、立ち居振る舞いも凛々たるもので、将来の活躍を楽しみにしつつ冷たい雨の中手を振ってきたところです。

 令和2年は、まさに「新型コロナウイルス感染症との戦い」の1年であり、コロナ禍の中での募集や就職援護活動、あるいは予備自衛官の訓練等は、従来の社会様相とは大きく異なる中での「戦い」でした。そんな令和2年も残り一ヶ月。11月は、地方自治体に対する「防衛白書説明」、「本部長感謝状贈呈」、「永年勤続隊員表彰」、「神奈川県自衛隊殉職隊追悼式」及び「予備自衛官訓練」といった業務を実施してまいりましたが、12月は東部方面総監に対する隊務報告や、業務計画一次指示受け、総監部による総合監察受検、そして自衛官候補生採用試験や予備自衛官訓練等の業務を実施してまいります。その中でも自衛官候補生採用試験は、全国の自衛隊地方協力本部の中で神奈川が最も早く、新しい試験態様であるWEB試験での実施になり、その準備に万全を期しているところです。そしてもちろん年末の最後まで、広報官及び援護マンの年末の挨拶回りに併せて同行し、県内各地を飛び回りたいとも思っております。

 さて、師走といえば新年を迎える準備も大切ですが、自衛隊神奈川地方協力本部も、その準備の1つとして年賀状の作成に取り掛かりました。失礼のないように、多くの方々のお名前や住所、役職等を私自身で直接確認したため、印刷開始までに時間を要してしまったのですが、新年までには間に合うはずです。いや、必ず間に合わせます! なお、今年は一部の皆様方には年賀状に替えてグリーティングカードを送付するつもりでおります。差別化を図るために、『年賀状ではなくグリーティングカードを活用するのも一工夫』と、ある本に書いていたアイデアを採用するものですが、総務課担当者が素敵にデザインしたグリーティングカードが届くことを、どうかご期待ください。

 年が明けましと、自衛隊神奈川地方協力本部は次年度に向けた準備を一気に開始する予定です。今回は、年末年始行事を全て取り止め、各人が次年度の構想を十分考えられる時間を確保しております。来年の予想される社会様相を考えつつ、WITHコロナの時代における募集、援護活動のあるべき姿に想いを巡らし、令和2年最後の一ヶ月を過ごす所存です。 自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方におかれましても、慌ただしい師走を迎えますが、どうかお体をご自愛いただき、引き続きご活躍されることを祈念いたしております。



「2万人達成」(2.11.27)

【ツイッター宣伝】 【フォロアー数の推移】
 令和2年3月19日に、自衛隊神奈川地方協力本部として開設1年5か月をもってツイッター/フォロアー数1万人を達成した際には、『今後も、神奈川地本のHP及びツイッターによる情報発信をご期待ください。自衛隊神奈川地方協力本部は、「令和2年度中にフォロアー数2万人」を絶対に達成します!』(本部長通信:「情報発信」(2.3.23))と宣言したところでしたが、自身の予想よりも早く、令和2年11月15日に、ツイッター/フォロアー数2万人を達成することができました。これは、もちろん当地方協力本部のツイッター担当者及び、ツイッターへ投稿用「具材」を提供してくれている部員の頑張りの成果ですが、それ以上に、自衛隊神奈川地方協力本部を応援してくださっている地域の皆様方からの温かいご支援と、我々の活動に対する深いご理解あってのことと思っております。紙面をお借りして、心底から改めましてお礼申し上げます。

 さて、自衛隊神奈川地方協力本部長として着任以来、しつこい程に情報発信の一手段であるツイッターに力を入れてきたのは、当然ながら募集活動に資するためでありますが、もう1つ理由があります。その理由は以下のメール(ツイッター/フォロアー数1万人を達成してしばらく経過後に、私から全部員に宛てたメール)に記載しておりますのでご紹介いたします。

 『なぜ、ツイッターのフォロアー数に執着するのか? それは、一日の増加数が明確に数字で表れるので、頑張りの成果が一目瞭然。この結果、担当を始め、投稿してくれた各所各課のモチベーションも上げやすいからである。人間のモチベーションを上げる手段はいくつかあるが、数字としてこれほど明確に、そして直ぐに結果が現れる手段はない。なので、着任以来、しつこいまでに指導してきたもの。「令和2年度中」に『2万人』が目標であるが、4月は768人、5月は855人の増加であり、このペースを維持すれば達成ぎりぎり可能である。その結果、「やればできる」という自信もつくはずである。2万人の目標を立てたとき、実現可能と思った人間は何人いたか? 「何戯言を言っているのか?」と思わなかったか? 日々統計をつけているが、神奈川地本の増加ペースは他地本を圧倒している。その結果、今月の防衛日報でも神奈川について必ず触れてくれるはずである。で、その結果として、我々の自信にも結びつくはずである。XX地本にまで手をかけている。頑張れ。』

 このねらい通り、2万人のフォロアーを達成することにより部員の士気も大いに盛り上がっております。今後大切なのは、この勢いを継続することと、募集成果に結びつけること。引き続き、本部のみならず各事務所からも多くの「具材」が提供されており、部員の意識改革は十分です。ですので、この勢いを維持することはそれほど困難ではないと希望的観測を持っております。あとは、募集成果です。多くの皆様方に、「自衛隊がXXの募集をやっている」と気づいていただければ、イベントが少ない中でも相応の志願者を得ることができるはず。ですので、多くの方々がツイッターによる募集情報に気付いていただけるように、つぶやき続けることが必要だと思っております。そして、この本部長通信をご覧の皆様方にもぜひ、「リツイート」での拡散をお願いいたします!

 まもなく師走を迎えます。令和2年という年は、本当に波乱の年でしたが、どんな年であっても我々に与えられる任務は不変であり、部員には、今年1年でやり残したことがないように最後まで「持ち場を守る」ことを指導したところです。自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方におかれましても、バタバタとした年末を迎えますが、どうかお体ご自愛ください。



「新たな取り組み」(2.11.24)

「座談会の風景」 
 先日の本部長通信において、『自衛隊神奈川地方協力本部の募集業務としては、引き続き合格者に対する入隊までの「つなぎ」がとても大切になってきます。コロナ禍の中での「つなぎ」は経験したことがなく、困難も予想されておりますが、あらゆる知恵を絞って多くの方々に対し不安懸念なく入隊していただけるよう努めてまいります(略)・・・』と申し上げましたが、先日、この絞り出した知恵の1つとして入隊希望者による「座談会」を実施しました。

 このねらいは、入隊に対し不安や懸案のある方々に集まっていただき、質問受け等を行うことにより少しでも不安等を解消していただくとともに、同じような境遇の方々との交流を通じ、自身の進路選択の参考にしていただければ、というものであります。これまで「一般幹部候補生(陸海空別)」と、「女性一般曹候補生(陸海空別)」の座談会を実施しましたが、今後も第2回目の「一般幹部候補生(陸海空別)」及び「女性自衛官候補生(陸海空別)」を計画しております。

 私は、所要のためいずれの座談会にも参加できなかったのですが、「一般幹部候補生(陸海空別)」の実施日には、座談会開始の少し前の時間に海上自衛隊の一般幹部候補生希望者の方にお集まりいただき、一緒に昼食をとりながら1時間程度お話をする機会を得ました。みなさん、既に入隊を決心いただいている方々でしたが、体力面での不安や集団生活に対する不安などを話す方がいらっしゃいました。しかしながら、同じような境遇の方々と交流することにより参加者の不安も和らぎ、そしてこの時点から「同期の絆」を感じることができたのではないか、と推察する程度に食事会は「盛り上がって」おりました。この流れで以後の「座談会」にも参加していただいたのですが、やはり相当「盛り上がった」と報告を受けております。なお、座談会で質問を受ける幹部自衛官は当神奈川地方協力本部の勤務者が基本でしたが、参加者の中に薬剤幹部希望者がいたために、今回は自衛隊横須賀病院に依頼して現役の薬剤幹部にも参加をいただいたところです。

 また、全く別の日に実施しました「女性一般曹候補生(陸海空別)」についても、会が始まる以前から「大」盛り上がりで、会終了時にはすっかり仲良くなっていたとの報告を受けており、これまでのところこの試みは成功していると感じております。

 コロナ禍の中での「つなぎ」として、この座談会の他に採用試験合格者同士でGP LINEを構成して交流を図ってもらったり、事前に撮影編集していた各部隊の紹介動画を合格者に対し放映したりと、様々な取り組みを実施しておりますが、これを企画する募集班担当者も忙しい中に充実感をしっかり感じて奮闘しております・・。(多分)

 自衛隊神奈川地方協力本部に勤務する隊員は、皆様方との出会いを本当に楽しみにしております。ですので、座談会に限らず、広報センターも有する横浜の本部にいつでも遠慮なく遊びに来ていただければと思います。そして我々との交流を通じ、少しでも自衛隊の活動に対するご理解を深めていただければと思います。



「激励文発送」(2.11.20)

 秋の深まりとともに、既に冬の気配を感じるようになり、朝夕は随分と寒くなってまいりましたが、自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。令和2年度の募集活動(志願票獲得)も、「自衛官候補生」と「高等工科学校」の2種目の採用試験のみとなっており、募集活動に関する最近の主たる活動は、これまでの採用試験合格者に対する入隊までの『つなぎ』と、来年度以降の『種まき』の2つです。  

 例年であれば、部隊見学や大規模な制度説明会などを実施して「つなぎ」に当たるところですが、コロナ禍の影響により「つなぎ」として実施可能な活動も限られており、「自衛隊の魅力をより多くの方々に伝えるにはどうすればよいか」、という課題に頭を悩ませております・・。そのような中にあって、以前にもご紹介いたしましたが、少しでも自衛隊の良さを知っていただきたく、そして自身の進路選択の参考にしていただきたく、加えて私自身の想いも直接お伝えしたく、進路を悩まれているであろう「一般曹候補生」試験の合格者に対して手書きの激励文を作成し、この都度発送を完了いたしました。春試験を合わせると合計340人に上りましたが、一人ひとりに対する激励文に踊る文字には、私の想いの「重さ」と「体温」を乗せておりますので、汚い文字についてはどうかお許しください・・。

 自衛隊神奈川地方協力本部の募集業務としては、引き続き合格者に対する入隊までの「つなぎ」がとても大切になってきます。コロナ禍の中での「つなぎ」は経験したことがなく、困難も予想されておりますが、あらゆる知恵を絞って多くの方々に対し不安懸念なく入隊していただけるよう努めてまいりますので、引き続き自衛隊神奈川地方協力本部の活動に対するご理解とご協力を宜しくお願いいたします。

XXXX 様

 自衛官採用試験に合格されましたことを、改めまして、自衛隊神奈川地方協力本部を代表し、心からお祝い申し上げます。

 自衛隊は、人間の可能性を無限に引き出してくれる組織であり、多くの感動や、多くの充実感、達成感を感じることのできる職業でもありますが、特別職国家公務員という自衛隊への入隊について、今後悩まれる場合があるかもしれません。自分自身の人生ですので大いに考え、自ら信じた道を進んでいただければとも思っております。

 とはいえ、我々といたしましては、自衛隊を選んでいただいても決して後悔させない職場だとの自信があり、また胸を張って誇れる職場でもあります。ですので、ぜひ「一緒に働いてもらいたい」と強く思っているところです。今後も広報官がお世話になることと思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。

令和2年11月
自衛隊神奈川地方協力本部長
1等海佐 夏井 隆



「自衛隊神奈川地方協力本部」の所在地(2.11.16)

「中華街とみなとみらい」
 これもよくあることなのですが・・。 海上自衛隊の基地に赴くと多くの(悪友の)海上自衛官から、「自衛隊神奈川地方協力本部って、どこにあるの??」とよく聞かれます・・。『お前たちは、本当に神奈川県内に居住している海上自衛官か?』とあきれるのですが、確かに自衛隊神奈川地方協力本部がどこに所在するのかは、多くの方々にあまりよく知られていないのかもしれません。ですので今日は、全国の自衛隊駐屯地や基地の中で、おそらく一番「お洒落」な場所にあると思われる自衛隊神奈川地方協力本部の所在地をご紹介したいと思います。

 自衛隊神奈川地方協力本部は、日本の市町村で最多の人口(約376万人)を誇る横浜市の山下町に所在し、最寄り駅であるJR石川町駅やみなとみらい線元町・中華街駅からは、それぞれ徒歩5〜8分程度の至近な場所に位置します。交通の便がよい位置に所在する自衛隊神奈川地方協力本部ですが、それ以上の特徴は、何といっても観光地として有名な横浜中華街のほぼ入口(延平門側)に位置しているということです。このため、週末には多くの観光客の皆様が本部庁舎の前を行き来されており、当広報センターにも時折遊びに来ていただきます。また、中華街を抜けると赤い靴や氷川丸で有名な山下公園があり、多くの部員にとって中華街から山下公園にかけては絶好のランニングコースになっております。もちろん、中華街は我々のお腹も満たしてくれる場所であり、多くの部員が、昼休みに昼食を兼ねて中華街を散策しています。さらに、プロ野球横浜ベイスターズの本拠地である横浜スタジアムは、自衛隊神奈川地方協力本部から徒歩10分の位置にある当に目と鼻の先にあるスタジアム。仕事帰りに時折関内駅まで歩くと、プロ野球が開催される日には多くのベイスターズフアンとすれ違いますし、部員の中には仕事帰りにプロ野球観戦を楽しんでいる者もおります。そして、おしゃれなブティックや飲食店が並ぶ元町も徒歩3分圏内にあり、多くの女性部員の心をくすぐります・・。

 少しだけ足を延ばせば(それでも、徒歩30分程度)、高層マンションやホテル群等が連なるみなとみらい地区も近く、自衛隊神奈川地方協力本部からみなとみらいに至るまでには、安価な飲食街が集まっていることで最近特に有名になっている「野毛地区」も所在し、本当に飽きさせない場所に自衛隊神奈川地方力本部は所在しております。このように、自衛隊神奈川地方協力本部の周辺の有名地、観光地等を記載するときりがないのですが、我々はそれだけ刺激的な場所で勤務してるということでしょうか・・。ですが、間違いなく言えることは、先にも書きましたが、自衛隊神奈川地方協力本部は全国の自衛隊駐屯地や基地の中で、おそらく一番「お洒落」な場所にあるということです。

 フェンスに囲まれた駐屯地等とは異なり、このように世間と近い場所で勤務できるということは、そして刺激的な場所で勤務できるということで、自衛隊神奈川地方協力本部に対して、『もっと社会情勢の変化に敏感になり、変化を踏まえた効果的な募集広報活動を行い、もって相応の成果を上げよ』、という天の声が聞こえてきそうです・・。ですので、私も本部長の執務室から見えるランドマークタワーを眺めながら、そして時折聞こえてくる横浜港からの船の汽笛を聞きながら、募集の戦い方について日々、沈思黙考しているところです。 いずれにせよ、自衛隊神奈川地方協力本部は、物理的にも皆様の身近な場所に所在しておりますので、いつでも遠慮なく遊びに来ていただければと思います。中華街に遊びに来られたついででも構いません。我々は、いつでも皆様方との出会いを楽しみにしております。




「地方協力本部長」という配置(2.11.13)

「横須賀地方総監感謝状贈呈式」 
 11月4日(水) 海上自衛隊横須賀地方総監による感謝状贈呈式が行われましたが、今年度の被贈呈者に相模原募集相談員の方がおられましたので、私も式典に参加し、日頃の募集活動に対するご支援に対し心底から感謝の気持ちを直接お伝えしてきたところです。神奈川県内に12か所ある募集事務所等の中でも、相模原地域事務所は今年度特に募集成績が好調な事務所であり、前年度比でも志願票獲得が大きく伸びている事務所です。この成果は、もちろん広報官一人一人の頑張りもありますが、やはり地域の皆様の防衛省・自衛隊の活動に対するご理解とご支援があってこその成果だと思いますので、今後も引き続き、よろしくお願いいたします。

 さて、自衛隊神奈川地方協力本部長としての勤務も1年を経過しました。最近は時間を見つけて、今後の募集活動に資する目的で、これまでの勤務録を整理し『足跡』を作成している毎日です。そんな中、先日の感謝状贈呈式でもそうだったのですが、海上自衛隊の基地に赴くたびに多くの(悪友の)海上自衛官から、「なぜお前が地方協力本部長をやっているのか?」と聞かれます・・。これまで船乗りとして典型的な経歴を歩んできた私が、船乗りとは180度性格の違う?地方協力本部長をやっていることが単純に不思議なのかもしれません。あるいは、余程「私」が持つイメージと、「地方協力本部長」というイメージが重ならないらしく、大きなギャップ(違和感)を感じるからでしょうか・・。

 地本協力本部での勤務は、多くの海上自衛官にとって必ずしも人気のある配置ではないかもしれません。しかし私は、この地方協力本部長の配置を定年までに一度は経験したいと熱望していました。

 自衛隊地方協力本部とは、各都道府県下における自衛隊の総合窓口であり、陸海空自衛隊共同の機関で全国に50個(北海道4個)設置されています。自衛隊神奈川地方協力本部は神奈川県を担任し、大きく「部外との連絡協力」「広報」「募集」「予備自衛官/即応予備自衛官/予備自衛官補」、そして「再就職援護」という任務を有しています。この地方協力本部の指揮官たる地方協力本部長は、船乗りではあまり経験できない民間の方とのお付き合いや、自治体との調整にも正面で当たる配置であり、洋上が活動の場である船乗りたる海上自衛官にとっては、その職務内容が極めてレアな配置と言えます。ですが、先にも書きましたが、私はこの配置を熱望しておりました。その理由の第1は、船乗りでしか通用しない特殊で狭い世界の中で勤務し続けるよりも、多くの民間の方と接することができる地方協力本部勤務を通じて、今以上に広い視野を持てる可能性があるのでは、と思っていたこと。第2に、地方協力本部長の勤務は、ある意味において数字が全て。成果も数字で直ぐに現れますし、評価も曖昧模糊とした表現ではなく数字で明確に表現されます。ですので、数字から決して逃げることができない、数ある自衛隊の配置の中でもかなり刺激的な「しびれる(重圧)」配置の1つではないかと思います。そのような「しびれる」配置に憧れたことが地方協力本部長を熱望した理由の1つです。このような理由を総じて、以前から地方協力本部長という配置に、自身をより高めることができる可能性を感じておりました。

 20代前半に上司から教わった私の大好きな言葉に、「配置が人をつくり、人が配置をつくる」という言葉があります。その意味するところは、『与えられた配置で頑張れば人間として成長する。そして、その結果頑張りが認められ、その配置よりもっと「難しい」配置が与えられる。この繰り返しで人間は成長していく。』というものですが、着任から1年を経過し、この地方協力本部長という配置は、まさに「人をつくる配置」「自身を成長させてくれる配置」だと、強く感じている次第です。

 自分たちの後輩は、自分たちで見つけ出すしかありません。多くの海上自衛官に是非、自分を成長させてくれる、この魅力ある地方協力本部勤務を希望してもらいたいと思っております。



「働き方改革」進行中(2.11.1)

 第6護衛隊司令として、とある海域で護衛艦を指揮し、とある任務に従事していた昨年の今頃、『令和元年11月6日付 自衛隊神奈川地方協力本部長』との内示をいただきました。自衛隊神奈川地方協力本部長として勤務し始めて、まもなく1年が経過しますが、振り返れば本当にあっという間の1年間でした。

 どんな自衛官でも、「地方協力本部長」という職名を聞いて最初にイメージする仕事は、やはり「募集」でしょう。ポジティブな私は、地方協力本部長として着任する前からこの「募集」について、ある1つの決意を持っていました。それは、『「募集難」という言葉を決して目標未達成の言い訳にしない』ということです。特に神奈川県は、全国有数の募集対象者人口を有しており、この募集対象者が県内から消滅したのならともかく、『広報官の目の前のフィールド(担当地域)には、本当に多くの募集対象者が存在しているではないか!!』とも考えておりました。ですので、『募集成果を上げられない場合は、その根本原因を探求し、早期に必要な処置をとる』との強い決意と相当の覚悟を持って、この横浜の地に着任したことを覚えております。

 早期に必要な処置をとるため、自衛隊神奈川地方協力本部長として着任後は、可能な限り広報官の業務に帯同し、徹底した現場主義(「冷暖自知」)を貫き、募集対象者に対し広報官がどのようなアプローチを行い、募集成果を上げるためにどんな努力をしているのか。そして、広報官の日常業務はどのようなもので、どんな業務に苦労し悩んでいるのか。広報官の担当地域を一緒に回りながら、広報官と二人っきりの業務車の中で現状を聴き取り、『募集効果を上げるための必要な処置とは何なのか?』を常に考え、この1年間で様々な手を打ってきましたが、その際に根底に置いていたのは次の考えです。

 『自身の職場に誇りを持てない人間が、「同じ職場に入隊してもらいたい」という説明を心底から実施できるはずがない。募集対象者は、広報官の姿に自衛隊の魅力を感じとるもの。活き活きと働いている広報官であればこそ、自衛隊の魅力を熱を持って伝えることができるはず。例えば、某自動車会社の車が世界中で売れるのは、営業マンが会社ブランドに誇りを持ち、その会社の職場環境も抜群であるために活き活きと仕事ができるからではないのか・・。なので、我々の職場がいわゆる「ブラック」と呼ばれることがないよう、徹底した業務削減(改善)を実施し、WLB(ワークライフ・バランス)を充実させ、自身の職場に誇りを持たせ、その上で広報官には募集対象者への説明に当たってもらおう・・。』

 この考え方に沿って、自衛隊神奈川地方協力本部では徹底した合理主義を採用し、コロナ禍の前から会議数の削減、ペーパレス化、文書持ち回り合議の極限、行事の集約等の業務削減(効率化)を図り、時差通勤を奨励し、「働き方改革」を推し進めてきたところです。(別添:『「本部長」の「働き方改革宣言」』を部員全員に共有)

 令和2年度の募集活動は未だ道半ばであり、これまでの取組の成果がどのような形で現れるか不透明ではありますが、志願票の獲得状況をみるに、第2級賞状をいただいた昨年度よりも全種目で志願票数は上回っており、あとは「つなぎ」の成否だけ、という段階にまでたどり着くことができております。着任から1年を経過するこの時期に改めて初心を思い出し、引き続き「持ち場を守り」、募集対象者に魅力を持っていただけるような職場環境の構築=「働き方改革」を強力に進めつつ、全部員とともに前へ歩んでいきたいと思います。

 11月も地方自治体に対する「防衛白書説明」、「本部長感謝状贈呈」、「永年勤続隊員表彰」、「神奈川県自衛隊殉職隊追悼式」及び「予備自衛官訓練」といった業務を実施しつつ、冷暖自知の考えを基本として広報官、援護マン業務に可能な限り同行し、県内各地を飛び回りたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。



「情報発信」(2.10.23)

HP担当とTwitter担当
  自衛官の募集案内を皆様に周知する方法は、大きく2つに区分されると思います。その1つは、社会情勢の変化にかかわらず地道に実施していく方法であり、ポスターの掲示やDM、チラシによる周知活動、学校等での説明会、イベントでの案内。もう1つは、社会情勢の変化に適応し、新たに実施すべき、あるいは力を入れるべき方法(活動)であり、SNSによる情報発信は、まさにこの1つの方法だと思います。その理由は、電車で登下校中の学生の様子や、若者を観察すれば明白ではないでしょうか? 電車内のほとんどの学生若者が、携帯電話を「いじって」いませんか? そして、多くのイベントが中止になるコロナ禍にあっては、SNSによる非接触型の情報発信を通じて、いかに多くの方々から自衛隊に対する理解を得るかが極めて大切だと思うのです。

 昨年11月に自衛隊神奈川地方協力本部長として着任以来、広報官を含む部下隊員に対し機会を見つけては、積極的かつ主体的な情報発信の重要性を度々指導してまいりました。部下隊員に対し、情報発信の重要性を数値的科学的に理解させたく、今年度は神奈川県内の自衛官への志願者に対し各種アンケートを実施しているのですが、多くの志願者が効果的広報手段としてSNSを挙げるとともに、志願の契機になった1つに、「自衛隊神奈川地方協力本部のHPやTwitterを見たから」という方も多々おられました。アンケート結果からも、やはり社会情勢の変化に適応した情報発信による募集効果は明白であり、その重要性を改めて強く自覚しているところです。

 さて、情報発信の1つの強力なツールである「Twitter」を評価する1つの要素としてフォロアー数があります。自衛隊神奈川地方協力本部のTwitterフォロアー数は、まもなく20,000人の大台に到達する勢いであり、某大手新聞(神奈川県版)からも記事として取り上げられる等、主たる関係者のみならず、積極的に「ネタ」を投稿してくれる全部員の頑張りによりTwitterによる広報効果も確実に現れていると推察しております。また、自衛隊神奈川地方協力本部のHPも、閲覧される方々に飽きさせない工夫をし、掲載内容を頻繁に更新するよう指導中であり、この結果、全国の地方協力本部の中では、絶えずアクセス数第1位を維持しております。現在は自衛隊神奈川地方協力本部としてYouTubeも実施中ですが、今後はさらにInstagramにも準備出来次第「参入」予定ですので、自衛隊神奈川地方協力本部の今後の情報発信に、どうかご注目をお願いいたします。

 この本部長通信も、他の地方協力本部長に比較すればかなりの頻度で更新中ですが、自身がHPの強化を指導する上では、やはり率先垂範。最近はネタ切れの傾向もあるのですが、ネタは自身で作るもの、という相も変わらないポジティブな考えを自身に言い聞かせ、今後も他地方協力本部長を圧倒する投稿を目指し頑張ります・・・。

 愛犬ソイ君との散歩が週末の大きな楽しみの1つですが、散歩する朝夕はすっかり肌寒くなってまいりました。神奈川県内の木々も一気に紅葉に向かって「衣替え」が進んでおります。季節はまさに実り豊かな「秋」。自身もこの秋の深まりとともに、自衛隊神奈川地方協力本部長として、より「人間の深み」「人間味」を増せるよう精進してまいります。『頭山満翁の言葉にこうある。「世界にはいろいろな料理がある。中華料理、西洋料理、日本料理、どれもうまいけれど、この世で最高の味と言えば、それは人間味という味だ。料理の味は腹の中に入ったら忘れてしまうが、人間の味は人々の想い出の中だけでも生き続ける」と。』 (「感奮語録」行徳哲男 致知出版社) 

 忘れられない味の出せる「自衛隊神奈川地方協力本部長」になりたいものです・・。



「防衛白書説明」(2.10.19)

 「本部長感謝状」の贈呈とともに、ここ数日県内各地を飛び回っている理由の1つが、地方自治体に対する令和2年版防衛白書の説明です。南関東防衛局との棲み分けで説明を実施しておりますが、それでも神奈川県内の大多数の市町村にお伺いをし、首長様に直接お会いをして説明を実施しております。今年度はこれまで、真鶴町、箱根町、大井町、中井町、二宮町、小田原市、湯河原町に対し実施させていただきました。昨年度は、前職の第6護衛隊司令から神奈川地方協力本部長として着任直後の時期に、右も左も分からない状況の中で、地方協力本部長として一番初めの仕事がこの防衛白書の説明でした。それまでは、主として神奈川県沿岸部しか馴染みのなかった私にとって、県内各地を回ることになり、とても新鮮だった記憶があります。とともに、時が経過するのも早いもので、あれから1年経ったのか・・と想う今日この頃です。

 今年度は防衛白書の説明も2回目ですので、昨年度よりも「練度」を向上させ、より理解していただくように工夫をしながら説明を実施しております。その防衛白書ですが、今年の特徴は以下の説明文に整理されますので、自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方にも、少しでも防衛白書、ひいては我が国の防衛政策等について関心を持っていただきたく、紹介させていただきます。

 1970年の創刊から50周年を迎えた令和2年版防衛白書は、よりわかりやすく、使いやすい白書になるよう、様々な工夫を凝らしております。また、表紙については、「令和」の元号は万葉集の梅の歌に由来していることから、梅の花と色を基調としたデザインにするとともに、50年前の白書の表紙にも用いられた富士山を描いております。

 大きな特徴の第1は、「重要な国際情勢や防衛省・自衛隊の活動については、全体像を俯瞰できるよう、巻頭特集「防衛この1年」やダイジェストをこれまで以上に充実」していることです。その第2は、「国内外で様々な活動に従事する自衛隊員の生の声について、令和元年版白書から倍増させ、約50名を紹介」していることです。そして、その第3は、「本文に関連した動画を50本以上用意し、本文内にQRコードを配置。スマホ等で再生可能」としていること。第4は、「記述対象期間について、「おおむね6月前後までの約1年間」から「基本的に3月末まで(年度区切り)」に変更」していること。最後にその第5は、「防衛省HP上で巻末資料編については編集可能なデータを掲載」していることであります。

 どちらかと言えば、楽しみは防衛白書説明ではなく、その説明後のわずかな時間に実施していただく懇談です。多くの首長様から、防衛省・自衛隊の日頃の活動に対する理解と感謝の言葉をいただいた時は、本当にありがたく感じます。そして、私からも、地方自治体様からいただいております募集等に係るご支援に対し感謝を申し上げ、引き続き、相互に連携を深めていくことをお願いしているところであります。 今後も防衛白書説明が続きますので、これから実施する説明に際しましても、よろしくお願い申し上げます。



「本部長感謝状贈呈」(2.10.15)

   
 自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方におかれましては、「天高く馬肥える秋」をいかがお過ごしでしょうか? 留学経験のあるインドで、次の言葉を教わったことがあります。この言葉の意味するところのように、部下隊員に対しても、時間を無駄にすることなく充実した日々を過ごすように指導しているところです。

 「Live as if you were to die tomorrow.  Learn as if you were to live forever」
 (明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのうように学べ。)(マハトマ・ガンディー)

 さて、自衛隊神奈川地方協力本部に与えられた「募集」、「援護」等の任務の完遂には、当然ながら我々のみの力では不十分であり、我々の活動に対する地域の皆様からのご理解とご支援が不可欠です。例えば、ポスター掲示場所の提供、募集情報の提供、学校訪問への同行、雇用企業主様の紹介等々、様々な形で、地域の多くの皆様方から温かいご支援を得ているところです。最近は、長年にわたりご支援をいただいた地域の皆様方に対し、自衛隊地方協力本部としての深い感謝の意味を込めまして、『本部長感謝状』を贈呈させていただく毎日。例年であれば、「横浜の本部庁舎で感謝状贈呈、その後近傍のホテルで会食を実施」という流れなのですが、コロナ禍の影響により、本年度は私自身が各地にお邪魔させていただき、直接感謝状を贈呈させていただいております。防衛白書説明とともに、県内各地を本当に飛び回る毎日・・。以前の本部長通信にも書いた記憶がありますが、神奈川県の広さに改めて驚いているところ。他方で、県内各地に所在する名所旧跡を移動の途上で実際に見たり、その土地の名産を食する機会もあり、県内の長時間移動も、それほど苦にならない毎日でもあります。

 先日も、相模原地区から静岡県に移住された方に対し、感謝状の贈呈を実施してまいりました。その方は、神奈川県を離れた今でも、相模原地区の募集状況を気にかけていただいており、現在の募集状況を直接私からご説明し、ご安心いただいたところです。また、今後の募集活動に資する貴重なご助言、お話をいただくなど、本当に有意義な時間を過ごすことができ、静岡まで行かせていただき本当に良かったと感じているところです。

 直接的なご支援でなくても、地域特性や地域事情を踏まえた募集活動に係るご助言をいただいたり、ご相談に応じていただくだけでも、自衛隊神奈川地方協力本部の今後の活動に資するものです。地域の皆様方におかれましては、引き続き、自衛隊神奈川地方協力本部の諸活動に対するご支援、ご協力をお願いいたします。

 一般曹候補生(秋)2次試験も終了し、今年度の募集種目も10月22日締め切りの防衛大学校(一般)及び11月1日から受付開始の高等工科学校、並びに通年募集の自衛官候補生のみとなりました。あとは、各試験の合格者に対し、自衛官という職業の魅力を伝え、そして部隊見学等を通じて実際に感じてもらい、入隊を決心していただくのみ。自衛隊神奈川地方協力本部は、地域の皆様方とともに、引き続き「前へ」進んでまいります。



「天高く 馬肥える秋」(2.10.1)

 つい先日まではうだるような暑さでしたが、朝晩は随分と過ごしやすい季節となりました。気候変動により、四季の移り変わりを明確に感じることも少なくなっていましたが、朝〇時過ぎ(朝がとても早いので時間は内緒で・・)には官舎を出て最寄りのJR桜木町駅まで、横浜みなとみらいのランドマークタワーを眺めながら出勤していますと、本当に心地よい日本の『秋』を感じております。

 10月の主要業務は、各種採用試験の継続実施のほか、神奈川県内の各地方自治体に対する防衛白書説明、東部方面総監部内地本長会議、県募集相談委員会連絡協議会が予定されるとともに、これに加えた広報官、援護マン業務帯同等を実施していきます。コロナ禍がやや落ち着いている時期に、「やれることはやってしまう!」という方針で、自衛隊神奈川地方協力本部内の業務を進めていきますが、この「防衛白書説明」。神奈川県内のほぼ全ての市町村に私自身直接行かせていただくもので、多くの方々と出会うことができる本当に楽しみな業務の1つです。が、防衛白書の説明が「しっかり」できるよう日々、白書の読み込みを進めております・・。

 そんな中、大変嬉しい出来事がありました。先月、私の部屋に某市役所への就職か、陸上自衛隊一般幹部候補生として進むかを非常に悩まれている大学生が遊びに来てくれました。その際、色々とお話をさせていただきましたが、『最終的には自身の人生でもあり、大いに悩んで、後で振り返った時に後悔の少ない選択を! どんな選択であれ応援します!』、と言って別れたところでした。その学生から、「最終的には陸上自衛隊にお世話になります」という知らせを直接いただきました。直ぐに担当広報官に連絡をとり、互いに喜び合ったところでした。

 ・・君、近い将来、一緒に働くことができることを本当に楽しみにしてます! 幹部候補生学校でも頑張ってください。

 地方協力本部長として日々の業務をこなす中、いろいろな出会いを経験し、多くの方々から素敵な刺激をいただき、そして人間として自身少しでも成長できるよう努めておりますが、この大学生との出会いも、私にとっては一生の宝。そして、この大学生にとっても、私との出会いが彼の一生の宝の1つになれるように、歳50を過ぎましたが、引き続き精進してまいります。(いつも心に言い聞かせているのですが、伊能忠敬が日本地図を書き始めたのは50過ぎからと言われております。それを考えると、私自身も「まだまだいける!」と勝手に判断しております。)

 タイトルにも書きましたが、時期はまさに「天高く、馬肥える秋」。令和2年秋という人生の一瞬を無駄にすることなく、自衛隊神奈川地方協力本部は引き続き総員で前に進んでまいります。



「シルバー・ウィーク ?」(2.9.25)

予備自衛官集合 射撃訓練視察

 9月19日(土)から22日(火)はシルバー・ウィークでしたが、自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様におかれましても、楽しく充実した休日を過ごされたことと思います。報道によれば、コロナ禍前を上回る人出を記録した観光地もあったとか。 私も、コロナ禍における自粛生活と「容赦なく」継続する募集活動のストレス解消のため、気分転換を図り愛犬ソイ君と一緒に遠出でも・・。と、連休前はささやかな夢を抱いておりましたが、その夢も完全に打ち砕かれました・・。

 といいますのも、この4連休は採用試験(「一般曹候補生」「航空学生」)が行われるとともに、予備自衛官の訓練も行われていたために視察の毎日でした。私は当然のことなのですが、休日にあっても業務に当たる多くの部員と、そのご家族のことを想うと頭の下がる思いですが、それぞれの業務は人の一生を左右する重要なもの。また、予備自衛官の皆さんも本来の職や家族保護がある中での訓練参加であり、業務に当たった部員も真摯に業務に取り組んでくれてました。

 今回の予備自衛官訓練においては(小銃・拳銃)射撃訓練の視察を行ったのですが、年1回の射撃訓練という中で、各予備自衛官の「きびきび」とした動作と、射撃規律もよく守られた訓練に大変感心したところです。海上自衛隊でも射撃訓練はあるのですが、訓練機会が限られるために銃の取扱いを思い出すので精一杯。「標的に確実に弾を当てるための技量習得などは・・」と思いつつ視察をする中、現役の医師2名の方が実施した射撃訓練においては、相当の数の弾が標的に当たっていることに驚愕し、自身の技量不足、考えの至らなさを反省したところです。

 昨年の台風19号及び新型コロナウイルス感染症対策、そして、本年7月の九州豪雨に係る災害派遣に予備自衛官及び即応予備自衛官が従事するなど、予備自衛官が活躍する場は益々広がっております。また、国民の皆様方からの予備自衛官に対する期待も高まっております。このような情勢の中、訓練に参加した予備自衛官は責任ある一社会人として、また極めて多忙な生活を送りながら、『予備自衛官』としての崇高な使命感をもって訓練に参加したものと思います。なので、「訓練の労を多とするとともに、今後のご健勝と、社会人としてのご活躍を祈念します」と、最後にお伝えしたところでした。       

 予備自衛官等の制度についてご存じでない方もたくさんいらっしゃるかと思います。この制度に関心、興味を持っていただいた方は、ぜひ、神奈川地方協力本部予備自衛官課までご連絡をお願いいたします。



     

「一般曹候補生(第2回)志願受付終了」(2.9.17)

   
 広報官を支える本部部員  横須賀広報官S

 9月10日(木)をもって、『一般曹候補生』(第2回)の志願受付が終了いたしました。志願していただいた方々におかれましては、自身の将来に係る選択肢の中の1つに、自衛隊への入隊の可能性を残していただき本当にありがとうございます。明日9月18日(金)以降の試験に際してましては、自衛隊神奈川地方協力本部として新型コロナウィルス感染拡大防止策を徹底して行い、皆様方に安心して受験していただけるよう万全の態勢をとりますので、どうか安心して試験会場に来場していただきたく思います。

 さて、先日の本部長通信(8.31/9.9)にも記載しておりましたが、当初、『一般曹候補生』の志願状況が極めて低調であり、「まずい・・」「やばい・・」「朝霞に行けない・・」を私の心の中で繰り返す毎日でしたが、全広報官の頑張りにより、受付期間の後半には驚異的な志願者数の伸びを示し、最終的には昨年度を大きく上回る方々に『一般曹候補生』を志願していただきました。

 コロナ禍の影響により、今年度は自衛隊の魅力を募集対象者の方々に十分にお伝えすることができない中、「今できることを地道やる」という広報官の姿勢が、最後の最後に実った瞬間でした。私は、本当に部下を誇りに思います。

 広報官の、「酷暑の中、また雨の中、シャツが乱れ、マスクが汗で変色しても歩き続け、どんなに無視されても声を掛け続けた」姿。

 広報官の、「遅くまで事務所に残り、嫌がられても掘り起こしのために電話をかけ続けた」姿。

 これらの姿を、9月11日(金)の朝に思い出しつつ、心底から全広報官の労をねぎらい、感謝の言葉を伝えたところでした。そして、ここに至るまでには、本来業務をおいて広報官の支援に当たってくれた本部部員がいること。日ごろから各所の勤務環境に意を払うとともに、広報官が募集業務に集中できるように他業務を後回しにしてくれた本部部員がいること。これらの本部部員の存在も決して忘れることのないよう、広報官に改めて伝えたところです。

 今後は、できるだけ多くの方々に受験していただくとともに、合格された方々に是非とも自衛隊に入隊していただくことが大切になりますが、自衛隊神奈川地方協力本部の広報官であれば必ず昨年度以上の実績を残せるものと確信しております。とはいえ、我々の見たことのない景色をみるための「高み」に到達するには、皆様方からの強い力が不可欠でありますので、今後も引き続き、自衛隊神奈川地方協力本部の活動に対するご理解とご協力を宜しくお願いいたします。

 『一般曹候補生受験者の皆様、明日からの試験、頑張ってください!』



     

「激励文作成」(2.9.14)

   
   「昨年度」  「今年度」

 今春に実施した第1回「一般曹候補生」試験の合格発表が先日実施されました。神奈川県からも多くの方々が合格されましたが、改めまして、自衛隊神奈川地方協力本部を代表し、合格された方々に対し心からお祝い申し上げます。

 さて、合格された方々の中には、他公務員や民間企業への就職と、自衛隊を併願なさっている方々もおられます。そのような方々におかれましては、今後の自身の進路について深く考え、色々な方々と相談をし、そして大いに悩まれることと思います。その結果、自衛隊以外の道を選択されたとしても、広報官との間に生まれた「絆」をこれからも大切にしていただきたいと思っております。また私も、広報官に対して、合格された方々がいかなる選択をしようとも、これを応援するように指示しているところです。

 とはいえ、やはり我々と「一緒に働いてもらいたい」という強い想いもありますので、最近は合格された方々に対し「激励文」を書く毎日です。少しでも自衛隊の良さを知っていただきたく、そして自身の進路選択の参考にしていただきたく、加えて私自身の想いも直接お伝えしたく筆を激走させる毎日。昨年11月に本部長として着任した際には、本部長として駆け出しの時期でもあり、第2回「一般曹候補生」試験の合格者に対しそれほど多くの激励文を書くことができなかったのですが(それでも100人以上・・)、今年度は私の部下も遠慮なく激励文を書いて欲しいと「要求」してくるために、腕が腱鞘炎になるのではないか、という程度の数を書き続けております・・。本部長としての恒常的な業務もあり、時間的にも体力的にも相当きついのですが、一人ひとりに対する激励文に踊る文字には、私の想いの「重さ」と「体温」を乗せておりますので、汚い文字についてはどうかお許しください・・。

 自衛隊神奈川地方協力本部の業務としては、これからは各種目の合格者に対する入隊までの「つなぎ」がとても大切になってきます。コロナ禍の中での「つなぎ」は経験したことがなく、困難も予想されておりますが、あらゆる知恵を絞って多くの方々に対し不安懸念なく入隊していただけるよう努めてまいりますので、引き続き自衛隊神奈川地方協力本部の活動に対するご理解とご協力を宜しくお願いいたします。



     

「一般曹候補生 継続募集中 市街地広報」(2.9.9)

   

 自身で最も力を入れてきた採用種目の1つである『一般曹候補生』の志願受付の期限が、いよいよ明日(9月10日)となりました。これまで、多くの方々からのご支援ご協力を得ながら、自衛隊神奈川地方協力本部の広報官は県内各地を駆け回り、どんな小さな情報であっても大切にし、これを素敵なご縁に結びつけるように努力してきたところです。とても暑い日が続いてる中、そしてコロナ禍の影響を直接的に受ける(非接触型の募集)厳しい募集環境の中にあっても、各広報官は本当によく頑張っております。確かに現時点では昨年度比で志願実績が下回っているものの、明日にはきっと相当の成果が上がるものと確信しております。

 広報官の頑張りはもちろんですが、最近では横浜の本部部員たちも広報官と一体となり、本来業務とは別に様々な募集支援を自ら申し出てくれるようになり、本部長としては嬉しい限りです。その支援の1つに、「市街地広報」がございます。これは、駅前や人通りの多い地域で行き交う方々に対し募集案内を行うものですが、この酷暑期での市街地広報ほど身体にこたえるものはありません。そして、案内(チラシ)を受け取ってもらえなかった時の挫折感、失望感も相当です・・。しかしながら、少しでも募集成果につながるならばと、先日は小田原、藤沢、そして相模原での市街地広報に、私も副本部長とともに参加してまいりました。その際には、決して辛い想いだけではなく、多くの方々から励ましのお言葉を直接いただくことができ、広報官の苦労を実際に体感することもできました。これが少しでも募集成果に結びつけばいいのですが・・。

 禅語に「冷暖自知」という言葉がありますが、これは『実際に触ってみなければ冷たいか熱いかは分からない』という意味で、徹底した現場主義の大切さを説く言葉でもあります。本部長として、この言葉を今後も常に念頭においた指揮統率を心掛けていく所存ですが、その意味で、今回の市街地広報は本当に貴重な経験になりました。

 いずれにせよ、「一般曹候補生」の志願受付の期限は明日(9月10日)までです。「平和を一生の仕事」とし、自衛隊の中では中堅リーダーへの近道と言われる種目である一般曹候補生への志願、是非お願いいたします。



     

「一般曹候補生 募集中!」(2.8.31)

 「一般曹候補生 募集中」

 自衛隊では、現在多くの種目を募集中(「一般曹候補生」「自衛官候補生」「航空学生」「防衛大学校」「防衛医大(医学科/看護学科)」)です。どの種目もとてもやりがいがある、また我々にとっても大切な種目なのですが、その中でも今日は『一般曹候補生』について少しご紹介いたします。

 「平和を一生の仕事にする。」のキャッチコピーのもとに募集を行っている『一般曹候補生』は、自衛隊の中では中堅リーダーへの近道と言われる種目です。18歳以上33歳未満の方を募集対象にしており、陸上・海上・航空自衛隊の中核となる自衛官を養成する種目。毎年、高校新卒者から社会人経験者まで、多様な経歴を持った方々に入隊していただいております。また、定年まで活躍できる非任期制自衛官であり、2〜3年で任期を更新する任期制自衛官とは異なり、自分の能力や志向に合わせて知識と技術を高めながら、定年まで自衛官として勤めることができます。そして、明確なキャリアシステムにより幹部への道も拓けております。当然ながら、特別職国家公務員としての身分も有し、各種手当のほかに、制服・作業服・食事などが支給または貸与されます・・。

 と、ここまで令和2年度の採用案内を見ながら打鍵しておりましたが、キーボードを叩けば叩くほど、一般曹候補生の魅力を上手くみなさまに伝えられない自身を猛省しております。コロナ禍の影響により公務員志向が強まるとの予想もありましたが、ここまで全くの苦戦中。理由が分かれば手の打ちようもあるのですが、昨年度比で志願者の数が大幅に減る可能性のある現状を劇的に打開する術が思いつかず・・。少しでも一般曹候補生の良さをみなさまに理解していただきたく、この本部長通信に至った次第です。

 おそらく、自衛隊に対する誤解(例:全員が体育会系)も少なからずあり、また雇用環境の悪化から就職よりも進学を希望されるみなさまもいるのではないかと推察しております。が、先ほど述べたとおり、一般曹候補生は他種目と同じく、人間の可能性を無限に引き出してくれる種目です。そして、自衛隊の職種は多種多様であり、きっと自分に合った「やりたい」が見つけられるはずです。全ての自衛官がレンジャー隊員や船乗りといった隊員ばかりだと思われているかもしれませんが、どうでしょうか? この自衛隊神奈川地方協力本部のような地本に勤務している自衛官も多数存在します。食事を作る給養や、会計、機器整備など、自衛隊には本当に色々な仕事場があります。学校教官や警察に類する警務官としても勤務している自衛官も存在します。自衛隊は職種が多種多様だからこそ、自分に合った「やりたい」を見つけることができるのです。そして、防衛省・自衛隊も特に最近はワークライフ・バランスにも力を入れており、各種福利厚生制度もより充実してきました。それだけ、安心して働ける職場でもあるのです。自衛隊を職場の1つとして選択していただいても、決して後悔させないという自信もあります。

 一般曹候補生の志願締切は「9月10日」です。この本部長通信を書いているのが8月30日ですが、あと10日間の期間があります。進路を迷われている高校生、専門学校生、大学短大生のみなさま、また、既卒者の方で転職をお考えのみなさま、どうか、その選択肢の1つとして、自衛隊への入隊に結びつく一般曹候補生への志願をお考えいただきたくお願い申し上げます。

 護衛艦「むらさめ」が本日横須賀を出港していきました。派遣情報収集活動水上部隊として重責を担い、長期間展開します。その出港を見送りながら、多くの方々にこのやりがいのある素晴らしい職場で、一緒に働いてもらいたいと強く思ったところです。



     

「留学の想い出」(2.8.24)

   
 「浴室内に設置した大型バケツ」  「壁から崩落したAC」

 「国を守る!」という崇高な気持ちではなく、当時の人気映画「トップガン」でトム・クルーズが着ていた白の詰襟制服に憧れ、そして『海外に行ってみたい!』という強い想いで海上自衛隊に入隊し、現在に至っております。その間、希望どおり(当然ですが)白い詰襟制服も着ることができ、またこれまでに30か国近い国を仕事で訪問することもでき、自身の視野も大いに広げることができたと思っております。その中でも、約1年間に及ぶニューデリーに所在するインド国防大学での留学経験は、私の人生観を変えるくらいの大きなインパクトのある「素敵な」経験でした・・。その際の滞在記録を、先日ふと読み直していると、素敵な思い出がよみがえってきました・・。

 【官舎生活】(滞在記録抜粋)

 インドに入国した時期は、インドでは真冬の季節。気温自体は、日本に比較すればそれほど低くないものの、いかんせん、石造りの家と、広い家での体感気温は氷点下なみになります。そのため、シャワーでお湯を使用するのが必須なのですが、このお湯がすぐに水になってしまいます。ギザと呼ばれる湯沸かしタンクが小さいためです。このため、大型バケツにいったん熱湯をため、これに水を継ぎ足しながら体を洗うのが一般的。インドでは水道が発達していないので、各家の屋上に貯水タンクがあります。これに、その都度水を補給して、各家庭が使用するという流れ。これがまたくせものです。冬はいいのですが、夏は、この貯水タンクが直射日光にさらされるために、水の蛇口をひねっても、出てくるのは水ではなく熱湯なのです。なので、日中はほとんど水道水が使用できない状況になるのです。

 インドの夏は、恐ろしいほど気温があがります。この時期になると、日中は死んだように寝ている犬を路上で多数みかけます。犬にとっても、人間にとっても日中に野外で活動することは寿命を短くするようなもの。官舎でのAC使用も必須。しかしながら、官舎の壁があまりにも老朽化が進んでいるために、突然、官舎の壁からACが崩落してきました・・。

 日本の暑い夏を過ごす中で、インドで経験した40度以上が当たり前の生活をふと思い出し、真夏のインドでの熱湯やAC崩落などの「事件」がよみがえってきて、日々の業務の合間に「くすっ」と一人笑ったところでした。自衛隊には、様々な形での海外勤務(留学)の道もあります。その経験はきっと自身の懐を深く、広く、大きくしてくれます。そして、人間の可能性を無限に引き出してもくれます。そんな素晴らしい組織である自衛隊について、ぜひ興味を持っていただければと思います。

 Strong Japan is in the best interest of India, and strong India is in the best interest of Japan.



     

「残暑お見舞い申し上げます」(2.8.18)

   
「高射隊見学 」
     

 梅雨明けと同時にまさに夏本番、といいますか、厳しい暑さを通り越して酷暑の毎日ですが、自衛隊神奈川地方協力本部のHPを御覧の皆様方におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。また、コロナ禍の影響により、例年とは異なる夏をお過ごしのことと推察いたします。

 自衛隊神奈川地方協力本部も、コロナ禍の影響により例年とは全く異なる夏を経験しているところです。年度当初に実施できなかった各種の採用試験を、後ろ倒しにして集中的に実施。本部職員はお盆休み迄の間、毎日毎日、横須賀や横浜の試験会場に通い詰めで試験業務を実施しました。また、例年であれればこの時期は学校の夏休みを利用して、希望者に対し部隊見学等を実施していただき、自衛隊(官)という職業についての理解を深めていただくところ、今年は当然のことながら部隊側でも見学を厳しく制限しており、十分な募集広報が実施できない状況にありました。そんな中、県内所在部隊の御理解を得て、いくつかの部隊見学を募集対象者に対し実施していただきました。海上自衛隊横須賀基地における艦艇見学や厚木基地見学、横須賀に所在する航空自衛隊第2高射隊見学ですが、見学に参加していただいた皆様が少しでも自衛隊に対する理解を深めることができたのであれば幸いです。そして、本当に暑い中、また業務多忙な中にあって、多くの募集対象者の見学を受け入れていただいた県内所在部隊に対し、改めてお礼申し上げます。

 お盆休み後は、いよいよ募集で最も力を入れるべき種目の1である「一般曹候補生」の志願締切も迫ってまいります。自衛隊神奈川地方協力本部の全広報官は、どんな酷暑日であっても、出会いを求めて県内各地を締切ぎりぎりまで歩き回ると思います。そして、その出会いは広報官にとってはもちろん、広報官が出会った方々にとっても『一期一会』。哲学者・教育者として有名な森信三曰く、「人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢える。しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎないときに。」「縁は求めざるには生ぜず。内に求める心なくんば、たとえその人の面前にありとも、ついに縁を生ずるに到らずと知るべし」と。広報官は皆様との「縁」を求めて、これからも皆様の面前に「ぐいぐい」出てくるとは思いますが、これも何かのまさに『縁』。自衛隊という職業、自衛官という生き方に少しでも興味のある方は、広報官に対し何なりとご質問いただければと思います。

  自衛隊神奈川地方協力本部は、これからも体力測定、転入者紹介行事、コンプライアンス講習等といった部内業務をこなしつつ、募集はもちろん援護、予備自衛官業務にまい進し、暑さにも負けず、コロナにも負けず、絶えず「前へ」進み続けます。



     

「募集対象者」(2.8.3)

 

 先日、自衛隊神奈川地方協力本部内の「広報センター」に展示してある「防衛白書」の抜粋を必死にメモしている大学生を見かけ、声を掛けてみると「一般幹部候補生」の2次試験に備えて防衛白書を購入しようとしたものの、市内の書店で防衛白書を見つけることができず、広報センターに来てみたとのこと。残念ながら、広報センターでも防衛白書は販売しておりませんので、仕方なく防衛白書の抜粋をメモしていたとのことでした。

 この大学生は、「一般幹部候補生」以外にも「一般曹候補生」を受験していただいており、『どうしても自衛隊(陸)に入隊したい』とう熱望者でした。私は、一途な想いの彼を気の毒に思い、そのまま本部長室に入ってもらって少し雑談をしたのですが、礼儀正しく、話の受け応えも非常にしっかりしており、自衛隊に入隊していただければ大いに活躍してもらえると確信し、「激しく」激励をして送り出したところです。

 最近は、横浜の自衛隊神奈川地方協力本部にも多数の募集対象者が来館されます。本部と同じ建物内に横浜中央募集案内所が存在するため、広報官との試験手続きに係る調整のために来館されるのですが、その際に広報センターにも立ち寄っていただく中で、私自身も募集対象者を直接お見かける機会が増えました。私はその都度、募集対象者に声をかけさせていただき、激励も行っておりまして、このような募集対象者との交流機会が増えたことを嬉しく思っております。

 そして、本日は海上自衛隊に入隊するか、他公安系の公務員に就職するかを悩まれている女子大生が、広報官に連れられて私の部屋を訪れました。彼女は海上自衛隊でも特に護衛艦勤務に興味を持っているということで、私のこれまでの「船乗り」としての経験、海上勤務の魅力、そして「厳しさ」を正直にお伝えするとともに、『自衛隊は他の職業では感じることのできない「達成感」「充実感」を必ず感じられる職業』『人間の可能性を最大限まで引き出してくれる職業』ということをお伝えしました。初めは緊張していた彼女ですが、最後の方には多くの笑顔を見せてくれて、「がんばります」との決意表明とともに私の部屋を後にしたところです。

 私は、募集対象者の方に話をする際、「自衛隊を仮に選んでいただかなくても、この縁を大切にし、自身の選択した道をしっかり進むことを応援させてもらいます。自分自身の人生ですので、どの道を選択されても応援します!」と話すようにしております。大事なのは、職を選ぶことではなく、『就職してから何をするか』『その職で何を達成するか』。これまで出会ってきた、そしてこれからも出会うであろう募集対象者の皆様方が、どの職業についてもその「持ち場」でしっかり活躍されることを祈っている次第です。

 とはいえ、我々といたしましては、自衛隊も胸を張って誇れる職であります。多くの募集対象者の方々に自衛隊に入隊していただき、「一緒に働いてもらいたい」と強く思っているところです。自衛隊神奈川地方協力本部のHPを御覧の募集対象者の皆様、ぜひ、横浜の本部長室に遊びに来てください!



     

「防衛講話」(2.7.27)

   

 防衛講話は、防衛省・自衛隊の活動に対し少しでもご理解いただくことを眼目としつつ、自衛隊神奈川地方協力本部の活動についてもご理解を得るとともに、私にとりましても、今後のご支援ご協力を直接お願いすることができる貴重な機会であります。例年であれば、県内各地の諸団体協会の方々からご依頼を受け、防衛講話をかなりの回数実施させていただくところですが、コロナ禍の影響により昨年度末から「パタリ」と防衛講話を実施する機会がなくなっており、大変残念に思っておりました。このような情勢の中、この都度、「防衛大学校家族会」からのご依頼により、本当に久しぶりに防衛講話を実施させていただきました。

 当日は、時折ゲリラ豪雨のような激しい雨に見舞われる中、多くの防衛大学校家族会の方々に参加していただきました。お話をさせていただく対象が防衛大学校学生のご父兄様でしたので、我が国周辺の安全保障環境に少し触れた後に、幹部自衛官としての経歴管理(道筋)を中心として、また、家族支援策を含む自衛隊の福利厚生の面についても若干お話をさせていただきました。加えて、せっかくの機会ですので、私が防衛大学校学生時代に「やっておけばよかった」と後悔している内容も紹介させていただき、ご子息に対しぜひ「私の後悔」をお伝えしてもらいたいとお願いしたところです。

 容易に想像できると思いますが、私の後悔とは『もっと勉強しておけばよかった』というもの。長い自衛隊生活の中でも、4年間も勉強をできる時間が与えられるのは防大4年間のみです。幹部自衛官として勤務する上では、やはり「教養」が不可欠であり、防大卒業後に自身の教養のなさにどれほど恥ずかしい思いをし、後悔したことか・・。現役防大生のみなさん、4年間を大切にして下さい!

 また、「人間関係の大切さ」についても、幹部自衛官としての勤務において感じることがありましたので、私の想いをお話させていただきました。これまでの勤務において、特に苦労したことの1つは部下との関係。命令と権限に基づき実施する「指揮」以上に、自身の全人格で部下を感化し、部下を率いる「統率」は極めて難しく、やはり若い時代から精進していかなければ決して身にはつかないもの。防衛大学校には学生舎生活や校友会活動といった人間性を高め得る手段が多々あります。現役防大生のみなさん、日々精進を忘れずに!

 今後も、情勢が許せば積極的に防衛講話をお受けして、色々な方々と直に交流させていただきながら防衛思想の普及に努めてまいりますので、どうか興味のある方におかれましては、遠慮なく自衛隊神奈川地方協力本部までお申し付けください。

 まもなく7月も終わります。夏の定期異動により多くの隊員が他部隊等へ異動し、また新しい隊員が自衛隊神奈川地方協力本部に加わります。梅雨もまもなく明けると思いますが、自衛隊神奈川地方協力本部は梅雨の明けた真っ青な空を見上げながら、新しいメンバーで引き続き任務にまい進してまいります。
     

「練習艦隊」(2.7.23)

   

 昨日、海上自衛隊の練習艦隊が前段の海上実習を終了して横須賀へ帰港しました。横須賀地方総監部で入港歓迎式が実施され、私も参加させていただきましたが、これまでコロナ禍の影響によりお会いすることができなかった多くの地域の皆様にもご挨拶を実施でき、また、溌剌颯爽とした若い実習幹部の姿を目の当たりにすることもでき、自身の気持ちに心地よい新風を吹き当てることができました。

 岸壁に整列した若い実習幹部を見ていると、自身が実習幹部として遠洋練習航海に参加した約30年前を思い出しました。我々の遠洋練習航海は、いわゆる「南米コース」であり、ブラジルやアルゼンチンなどの南米各国を訪問しつつ、海上実習を約6ヶ月間実施しました。実習幹部を「卒業」し、海上自衛隊の幹部として勤務し始めて以降、部内幹部候補生に対するものを含めて遠洋練習航海に計3回、RIMPACに1回、テロ対策特別措置法に基づくインド洋補給支援活動に1回、そしてハワイやインドへ留学した勤務経験を通じ、絶えず国際感覚を涵養し、広い視野を身につけるよう努力してきましたが、その嚆矢になったのは、やはり自身が実習幹部として参加した「南米コース」の遠洋練習航海です。当時訪問したブラジルにおいては、日本から遠く離れた南米の地において多くの日系人が地に根を下ろし大活躍されている姿に、そして、アルゼンチンの日系人ご家庭に招待された際、小さな美しい娘さんが「君が代」を立派に歌っている姿に、深い感動と衝撃を受けたことが思い出されます。また、日本では考えられない程の貧富の格差を有する国や、治安の悪い国を訪問することにより、我が国日本の素晴らしさに感じ入ったこともありました。

 今年度の海上実習は、コロナ禍の影響により通常とは異なる態様のものであり、他国への訪問はないと聞いており、実習幹部の国際感覚の涵養は十分に図れないのかもしれません。しかしながら、今後の勤務においても国際感覚を涵養する機会が多々あるとともに、同期と一緒に長期間の海上実習に取り組むことは例年と変わらないものです。実習幹部には、初級幹部として必要な素養を修得するため後段の海上実習も頑張ってもらいたいと思っております。また、この機会にぜひ、日本の歴史、文化についても関心を持ってもらいたいと思います。他国の海軍士官と交流する中において、「海上自衛官は英語をうまく話せない。」と言われることがあります。しかし、これは私見ですが、うまく英語を話せないのは語学力の問題だけではありません。英語を話せないのではなく、他国海軍士官に対し「話題」を提供できないのです。日本の歴史、文化についてよく知らなければ、他国海軍士官との交流をより深化させることはできないと思うのです。

 この本部長通信を作成しているのは、7月23日(木)4連休の初日の朝7時過ぎです。先ほど6時過ぎには、本日実施される自衛官候補生の採用試験のため、多数の本部職員が横須賀へ向け出発しました。明日24日(金)も同じように試験が実施されます。自衛隊神奈川地方協力本部も、練習艦隊の実習幹部と同じようにコロナ禍であっても「前へ」進み続けます。

 自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様におかれましては、引き続き我々の活動に対するご理解と御協力をお願い申し上げます。


     

「就職援護」(2.7.16)

 
 「援護課長と援護センター長」
     
 
 令和2年7月豪雨災害において被害を受けられた方々に対し、心からお見舞い申し上げます。

 7月も半ばを過ぎ、自衛隊神奈川地方協力本部も新型コロナ感染防止策を徹底しつつ、募集に係る各種試験業務や予備自衛官業務を行い、私自身も、広報官に同行しての学校訪問や、退職自衛官の再就職先確保のために「援護マン」と呼ばれる隊員に同行しての企業訪問等、相変わらず日々バタバタと県内各地を駆け回っております。

 そんな中、ふと思うところあり、過去、護衛艦「みょうこう」の艦長時代の勤務録を自身で整理した書き物(タイトル:「足跡」)を読み返すことがありました。「足跡」の中身はわずか数年前の出来事ですが、洋上を離れて随分と時間がたった気がするとともに、当時の状況が懐かしく思い出されました。『何といっても、海上自衛隊の数ある指揮官配置の中で、多くの生身の人間に接しつつ直に指揮統率の能力を発揮できるのは、艦長の配置でしかない。護衛隊司令など、艦長以上の海上部隊指揮官であっても、艦長のように多くの部下と日常から交わり、陸上でも、海の上でも、部下と生活を共にしつつ指揮統率を行う配置ではない。』と自身で足跡の中に記載しておりました。多くの海上自衛隊の後輩幹部にも、このやりがいのある「艦長」を目指して頑張ってもらいたいと思ったところです。

 話を元に戻しますが、私自身で最近特に力を入れているのが「企業訪問」です。新型コロナの影響により、社会情勢が大きく変化する中、一般報道にもあるとおり神奈川県内の雇用環境も悪化の一途にあります。このような社会情勢にあっても、自衛隊神奈川地方協力本部の大切な任務の1つとして、退職する自衛官に対する就職援護があります。退職自衛官の再就職に係る要望(処遇、勤務地、職務内容等)を可能な限り満足させるため、少しでも多くの企業様から求人を得ることが必要です。ですので、援護マンと一緒になり、多くの企業を訪問させていただき、豊富な経験を通じて得られた「規律」「協調性」「リーダーシップ」等の優れた資質を有する退職自衛官の優位性を丁寧にご説明させていただいているところです。「募集」は自衛隊の『入口』であり、「援護」は自衛隊の『出口』に相当します。この「出口」がしっかりしていなければ、当然組織としての魅力も低下し、募集という「入口」にも影響を与えます。

 自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様におかれましては、退職自衛官の雇用について少しでもご関心を持っていただけましたら、ぜひ、当協力本部までご連絡をお願いいたします。まもなく梅雨も明け、暑い日が続くと予想されておりますが、どうかお体をご自愛いただき、引き続き我々の活動に対するご理解と御協力をお願い申し上げます。



     

「溢れる緊張感」(2.7.1)

   
 
 緊急事態宣言の解除に伴い、自衛隊神奈川地方協力本部の業務もほぼ以前の状態に戻り、援護業務も、予備自衛官業務も、第2波の到来を想定して前倒しで業務を進めております。その中にあって、募集業務もこれまで実施できなかった試験業務を再開し、先日、相模原で実施した「一般曹候補生」の試験業務を視察してきたところです。
 
自衛隊に入隊してからも数々の試験を受けてきましたが、やはり、ある意味においてその人の人生(将来)がかかった試験ともなると、私自身は大学受験以来経験した記憶なく、相模原の試験会場に溢れる受験者の緊張感を肌で直接感じることができました。新型コロナ感染防止策に万全を期して会場準備をしておりますので、受験者の皆様には、どうか安心して今後の試験も受験いただければと思います。私も、今後も機会を見つけて皆様方の溢れる緊張感を共有させていただくべく、試験業務の視察を継続したいと思っております。

 さて、そのような溢れる緊張感の中で、ある出来事がございましたので紹介させていただきます。受付から試験会場まではエレベーターで移動するのですが、エレベーターで一人の受験者と同乗させていただきました。その際に、私は当然マスクを着用していたのですが、私の「4階でいいですか?」という声に返ってきた言葉は、「学校の授業ではお世話になりました!」というものでした。聞けば、私が自衛隊神奈川地方協力本部長として着任後に一番初めに防衛講話を実施した某専門学校の学生らしく、その受験生が私の「声」を聞いて、その時の講話を思い出したということです・・。

 少しでも防衛思想の理解促進に役に立てば、との想いで防衛講話を各地で実施させていただきますが、このような形で受講者と再会できたことを本当にうれしく思った次第です。

 7月が始まりました。これからは新型コロナ感染防止とともに、熱さ対策も大切になってきます。自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方におかれましても、どうかお体をご自愛いただくとともに、我々はいかなる猛暑の中でも部員一丸となって「前へ」進み続けますので、引き続き我々の活動に対するご理解と御協力をお願い申し上げます。     
    

「高みを目指して」(2.6.22)

   
 
 令和2年6月22日(月) 自衛隊神奈川地方協力本部は、令和元年度の活動成果を評価いただき、陸上幕僚長から「第2級賞状」を受賞いたしました。この栄誉は、神奈川地本の全隊員の努力、頑張りの結果であることはもちろんですが、地域のみなさま方の平素からのご支援ご協力のおかげでもあり、改めまして感謝申し上げます。令和2年度は気持ちを新たにし、「第1級賞状」という高みを目指し、神奈川地本一丸となって「持ち場を守り」、「前へ」進んでまいりますので、引き続き我々の活動に対するご理解を賜りたくお願い申し上げます。

 さて、今回の「第2級賞状」の受賞に際し、私は全部下隊員に対し次の話をいたしました。『ある意味、まだ上(第1級賞状)があってよかったかもしれない。吉田兼好の「徒然草」に、易経の『亢龍の悔いあり』を解説した言葉がある。「天上に昇りつめた龍は後悔する。月は満月になれば欠け、物事は繁栄すれば衰退する。万事頂点に達してしまうことは、破綻へと向かう道理なのである。」と。我々は、未だ天上に昇りつめていない龍である。この悔いを懸念する必要もない立場にある。令和2年度は後のことは考える必要もなく、みなでより「高み」を目指す!』と。

 令和2年度当初から、自衛隊神奈川地方協力本部は、これまでにない取り組みを実施中です。おそらく、他のどの地方協力本部もやっていないのではないか?とも思います。通常であれば、広報官が年度目標とする獲得入隊者数は、横浜の本部から有無を言わさずに示します。しかし、今年度は、この目標を広報官自身で設定させました。従前の要領では、広報官が目標としている「数」は本部から課せられる「ノルマ」であり、自らの意思で追い求める「目標」と、「ノルマ」は少し意味合いが違うではないか? という疑問もこれあり、従前の要領が広報官自身の士気にどのような影響を与えていたかも疑問がありました。なので、今年度は過去の実績を踏まえた目標数を広報官自身で考えさせ、『目標を必ず達成する!』という強い覚悟を広報官に植え付けることとしたものです。なお、全広報官が自身で立てた目標数を達成すれば、間違いなく『亢龍の悔い』を心配しなければならない高みに到達できる規模感の目標数となっており、自衛隊神奈川地方協力本部の令和2年度目標としても十分なものです。この新しい取り組みが大きな成果を収めるために、広報官のみならず、私を含む本部職員の総員が常に現場目線で業務を遂行し、全力で広報官を支える所存でもあります。

 いずれにせよ、令和2年度はより高い「高み」を目指すことを、第2級賞状の受賞に際して、改めて心に刻み込んだところです。


 

     

「受験生の皆様へ」(2.6.12)

 
 
 受験生の皆様、数ある業種の中、自衛隊という組織を職業選択の一つとして検討していただきありがとうございます。東京に引き続き、いよいよ神奈川でも自衛官採用試験を開始いたします。第1回目の試験は6月13日(土)の種目:「自衛官候補生」です。この試験を含め、これから実施する各試験においては、自衛隊神奈川地方協力本部は新型コロナウィルスの感染拡大防止のため以下の6点を実施し、受験生の皆様が安心して受験できるよう努めますので、どうか安心して受験会場にお越しください。

 1 チェックリストによる体調確認
 2 会場での検温・消毒・マスク着用の徹底、消毒薬の準備
 3 受験時の受験者相互の距離の確保(机の間隔の保持・整列線の設置など)
 4 定期的な消毒・換気の実施による「密」の防止
 5 口述試験(面接)実施時の飛沫感染防止施策
 6 勤務員全員の飛沫拡散防止施策

 最後に、就職活動はこれからもまだまだ続くと思います。新型コロナウィルス感染防止を含め、体調管理には十分に気を付けていただき、今後の皆様の就職活動が順調に進むよう祈念申し上げます。




     
     

「再始動」(2.6.1)

 
 「担当者とともに再開を待つ広報センターで」

 神奈川県も緊急事態宣言が解除となり、コロナ禍前と同様にはいかないものの、自衛隊神奈川地方協力本部も「通常態勢」に復帰しました。感染拡大防止策を踏まえ、在宅勤務日と出勤日を隔日に繰り返す日常でしたが、宣言解除後にあっては横浜の本部内にもやっと、コロナ禍前の「活気」が感じられるようになりました。募集や援護活動、あるいは予備自衛官関連の業務実施に制約を受ける中にあって、私から部下には「今できることを地道にやる」という指導を徹底してまいりましたが、この間、それぞれが「今できること」を主体的に考え、見つけ出し、各々の業務をしっかり遂行してくれたと思っております。

 各募集案内所等においても、ポスティング、ポスターの張替え、担当校進路担当者との手紙/電話連絡、ポスター/チラシ作成、WEBでの説明会実施、入隊者に対するアフターケア、そして現情勢下にあっても自衛隊を職業の1つとして考えて下さる志願者への対応を地道に実施。私自身も、この期間を利用して県内主要部隊指揮官に対する業務説明、地域のみなさまへの手紙によるご挨拶、アフターコロナを見越した業務要領の変更(改善)、SNSによる情報発信の強化に努めてきたところです。

 とはいえ、やはりこれまでの「接触型」の活動と大きく異なるため、どことなく気持ちも下がり気味であったことは事実です。また、おそらく部下隊員も、私と同じような気持ちではなかったかと推察しておりました。そこで、何度か彼ら、彼女たちには、私の大好きな言葉の1つを紹介していたところです

 『何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く。』(高橋尚子の座右の銘)(「人生を動かす賢者の名言」池田書店)。

 いずれにせよ、自衛隊地方協力本部に与えられている「募集」「援護」「予備自衛官」という業務は不変です。そして、コロナ禍であっても、自衛隊地方協力本部として必要な業務を継続していく必要があります。緊急事態宣言解除に合わせて、どことなく心地良い風を感じるようになり、我々の制服も夏仕様に衣替えしました。真っ白な夏制服に袖を通しつつ、今後の再始動に係る覚悟を改めて持ったところです。

 宣言解除後にあっても、対象者の方々の状況をみつつ、あるいは社会情勢をみつつ、引き続き慎重な活動になります。しかしながら、部下隊員がこれまで伸ばしてきた「根」が、今年度もきっと大きな花を咲かせるものと確信しておりますので、自衛隊神奈川地方協力本部に対するご支援ご協力を引き続きよろしくお願いいたします。
       

「ポスターコンテスト」(2.5.22)

   
「広報官の作成したポスター」

 みなさま方のお住いの周辺で、「自衛官募集」のポスターをお見かけしたことはあるでしょうか? コロナ禍の影響により、これまで広報官が各地のイベントに出向き、募集情報を獲得してくる活動から、それが実施できない「非接触型」の募集活動が主になっている現状にあっては、非接触型の募集ツールとして、ポスターの重要性が少なからず高まっているとの認識です。そんな中、先日、とある住民の方から、「昨年度の募集要項が記載されているポスターが未だに掲示されている」とのお叱りを受けたところです(汗)。確かに、汚れたポスター、破れたポスターをいつまでも掲示し続けることは、広報効果を逆に低下させてしまうことが当然であり、ましてや「昨年度」の内容を掲示し続けているとは・・。直ちに、自衛隊神奈川地方協力本部の全広報官に対し、『5月中に受け持ちのポスターを確認し、要すれば貼りかえるように!』と指示したところです。みなさま方におかれましては、引き続き当地方協力本部の活動でお気づきの点がございましたら、何なりとお申し付けください。

 さて、今回の件が生起する以前から、自衛隊神奈川地方協力本部として1つの企画を進行中でありました。それは、広報官による「ポスターコンテスト」の実施です。広報官の勉強のためもあり、自身の担当校(大学短大専門学校高校)を徹底的に研究し、その特性に応じた募集ポスターを作成するよう指示。全広報官から提出されたポスターを、「募集対象者(担当校)の目線に合った内容になっているか」「色合い」「キャッチコピーの印象度」等を審査し、秀作20点の選定が終わったところです。今後、本HP上において、みなさま方からの御意見を参考にさせていだくコンテストを実施する計画です。また、広報官が作成したポスターは、ほんの一部(申し訳ありません。見るに堪えないものもありました・・。)を除き、担当地域(校)に掲示していただくよう調整する計画です。神奈川広報官Sの力作が、神奈川県内の多くのみなさま方の目に留まることを楽しみにしております。
     

「出陣式」(2.5.11)

 
 「ダルマの目入れ式」

 令和2年5月11日(月) 本来であれば県防衛協会会長、県隊友会会長、県家族会会長様を始め、各地区募集相談員会会長様と自衛隊神奈川地方協力本部職員一同が横浜に会し、令和2年度の募集活動開始に際しての「出陣式」を実施するところですが、現下の情勢にかんがみ、これを取り止めることと致しました。とはいえ、令和元年度の募集成果を整理し、教訓を導き出し、もって令和2年度の募集活動を開始する上では重要な結節部でもあり、自衛隊神奈川地方協力本部の全職員に対し、書面により「出陣」を令したところです。

 これまでの数年間、自衛隊神奈川地方協力本部としては十分な募集成果を収めることができず、とても悔しい想いをしてきたところですが、元年度は見違える程の成果を収めることができました。これは、地域のみなさま方からの温かいご支援とご協力、そして我々の活動に対する深いご理解のおかげであるとともに、前本部長である兼本1等海佐の優れた指揮統率力並びに広報官は無論、広報官の支援に当たった本部職員の努力の成果であると強く思っております。改めまして、ご支援をいただきました関係者のみなさま方に対し厚くお礼申し上げるとともに、全職員の労を称えたいと思います。

 さて、令和2年度の募集活動は既に開始しております。しかしながら、例年とは異なる募集活動(具体的には、これまで広報官が各地のイベントに出向き、情報を獲得してくる活動から、それが実施できない「非接触型」の募集活動)に、各広報官はかなりの苦戦を強いられおり、現在実施中の「一般幹部候補生」「一般曹候補生」の募集にあっては、志願者数が低調になっております・・。そもそも、まずは自衛官という職業を選択肢の1として募集対象者に持ってもらうことが先決でありますが、これがなかなか実施できない・・。このジレンマをいかに解消し、時代にマッチングした募集活動の方法を見つけ出すことに、現在私の思考を集中させているところです。

 いずれにせよ、自衛隊神奈川地方協力本部として令和2年度の荒波に出陣いたしました。自衛隊神奈川地方協力本部のHPをご覧のみなさま方におかれましては、本年度も変わらぬご支援とご協力をよろしくお願いいたします。
     

「護衛艦「おおなみ」出国」(2.4.28)

 
 「護衛艦「おおなみ」艦長の石寺2等海佐」
 
 令和2年4月26日(日)海上自衛隊横須賀基地から、護衛艦「おおなみ」が中東地域へ向けて出港いたしました。本来であれば、私も出国行事に参加させていただくところですが、行事が規模縮小とされたため、横須賀基地近くのヴェルニー公園で多くの乗員家族のみなさまと一緒に、静かに「おおなみ」の見送りを実施したところです。

 現在、護衛艦「たかなみ」が中東地域に派遣されておりますが、この「たかなみ」とともに「おおなみ」も、私が昨年11月まで指揮しておりました第6護衛隊の1艦であり、大多数の乗員は私の元部下であります。特に、艦長の石寺2等海佐は、防衛大学校学生時代からの付き合いであり、何度も横須賀の夜の街で楽しいひと時を過ごした仲の良い後輩であるため、地方協力本部長という立場での見送りというよりも、違った感情を持って見送ったところです。

 護衛艦の海外派遣に際しては、通常でも相当の準備が必要となりますが、今回は新型コロナ感染防止への万全の処置も必要であり、恐らく、準備に際して通常以上の苦労が乗員にあったものと推察しております・・。このように勝手に推察していると、私が初任3尉時代(約25年前)、元々の海外派遣護衛艦が出国直前に感染症(詳細は忘れましたが)患者を発症させ、急遽、私が乗艦していた護衛艦がその代替艦に指定されたときのバタバタ劇をかすかに思い出しました。四国沖に展開し、最も厳しい訓練の1つを実施していた最中に急遽訓練を取り止め、母港の呉に高速で帰投。その後は、食糧を大量に搭載したり、予防接種をしたり、IDを作成したりと約2週間で出国準備を整えたと記憶してます。ただし、その際は、バタバタの苦労よりも、訓練が取り止められたことと、海外に行けるという喜びの方が大きかった記憶がありますが・・。

 いずれにせよ、護衛艦「おおなみ」の乗員には、日本の代表として、我が国の国益を守るために頑張ってきてもらいたいと。また、無事の帰国を強く願っております。そして、帰国までには現下の情勢が終息し、乗員家族のみなさまが岸壁でご主人、ご子息をお迎えできますことを強く祈念しております。
 
  頑張れ、護衛艦「おおなみ」!       
     

「今やれることを地道に・・」(2.4.22)

   
   
「リニューアルした広報センター」
 
 令和2年度が始まり約1か月が経過しました。今年の4月ほど、例年と大きく異なる4月はありませんでした・・。本来であれば、各地の入隊入校式、あるいは各地区各団体の総会に参加させていただきつつ、また多くの防衛講話を実施させていただきつつ、昨年度お世話になった学校等にご挨拶に伺わせていただくところですが、そんな場合ではない社会情勢。その中にあっても、募集や援護という地方協力本部に課せられた任務は普遍であり、「今やれることを地道にやっていくのみ」と、先行き不透明な情勢のためになんとなく閉塞感や不安感を有する部下を日々、叱咤激励しているところです。

 ある本に記載されておりましたが、アフリカの草原で草を食べている動物の群れの中に1匹のみ、草を食べずに周囲を見渡している動物がいるとか。その1匹が群れのリーダーであり、ライオン等の敵の接近を見張っているとのこと。この先見性を持って行動することが、リーダーの役目だと記載されておりました。私も、地方協力本部長として、今の社会情勢を踏まえての部下の差配が求められているとは思いますが、如何せん、今の状況は人類史上初めての事態と言っても過言でないもの。これまで諸先輩が取り組んできたやり方が全く通用しない状況下であり、「どうして私の時に・・。」と愚痴も言いたくなるのですが、これもある本に書いてありました。人間を成長させるには、「メンター(師)」と「学」と、そして『修羅場』をいかに多く経験するか。振り返れば、私のこれまでの海上勤務も修羅場の連続でしたので、今の情勢も私自身を成長させる機会と捉え、引き続き『前へ』進んでまいります。

 そんな中、休館中の広報センターですが、いつでも再開できる準備が整いました。多くの方々の温かいご協力をいただき、また若い担当が寸暇を惜しんで準備を進めてまいりました。一日も早く現下の情勢が終息し、センター再開が可能となることを祈念し、そして再び皆様方にお会いできることを楽しみにしつつ、生まれ変わった広報センターとともにお待ちしております! コロナには決して負けません!
     

「沈思黙考」(2.4.9)

 「横浜における入隊者の見送り風景」
 
 しばらく本部長通信を「さぼって」おりました。が、他の地方協力本部に比較すればかなりのスピード感と回数で本部長通信を続けておりましたので、しばらく一休みしておりました。といいますのも、あまりにも社会情勢が変わりすぎており、これまでの業務のやり方が全く通用しないことが予想され、募集はもちろん、援護業務(自衛官の退職後の再就職支援業務)も困難なことが予想されるために、しばらく自身の動きを止め、静かに沈思黙考していたところでした。

 自衛隊神奈川地方協力本部も、業務間における濃厚接触を極限するために、防衛省等で実施中の交代制勤務を採用しているところです。普段の半分の人員で、いつもどおり、いや、それ以上に厳しくなる情勢に立ち向かっている当に際中であります。本来であればこの時期は、各地で実施される入隊式に参列させていただき、入隊者を直接激励できる機会もあったところ、これも、年度末の入隊激励会と同じく「全く」なくなりました・・。非常に残念でしたが、多くの広報官と一緒に、横浜の本部庁舎から各地に出発していく彼ら、彼女たちを見送ることができ、「少しは若人の励みになったのかな?」と、自身をも励ましているところです。

 まずは、自衛隊神奈川地方協力本部としても、この事態を一刻も早く終息させるために感染拡大防止に全力を尽くしつつ、やれる範囲で効果的に実施できる業務要領を、沈思黙考し続けてまいります・・。

     

「情報発信」(2.3.23)

   
 「1万達成イベントでの1コマ」

 「募集難」と言われる時代にあって、社会情勢の変化にマッチングした募集のやり方を考えなければ、「募集対象の方々から自衛隊は決して関心を持ってもらえない」。 このような強い危機感のもと、昨年11月に本部長として着任以来、自衛隊神奈川地方協力本部HPの更新、ツイッターによる情報発信を強化してまいりました。そんな中、令和2年3月19日に、開設1年5か月をもってツイッター/フォロワー数1万人を達成しました!(驚)。 フォロワーのみなさま方はもちろん、これまで神奈川地本を応援していただいたHPをご覧のみなさま方に対し、心から感謝申し上げます。
 
 全国のほとんどの地方協力本部も、神奈川地本と同様にツイッターを開設しております。フォロワー数に係る某データによれば、神奈川地本は未だ全国地本中23位ではありますが、1年数か月の短期間でフォロワー数1万人を達成したことはとても素晴らしいことだと少しだけ自画自賛。これに満足することなく、『令和2年度中にフォロワー数2万人』を目指す覚悟を改めて持ったところです。実は、現ツイッター担当はHP担当をも兼ねているのですが、自身ではHPをこれまで作成した経験もなく、昨年末から民間のHP作成教室に通いつつ、神奈川地本ツイッターの更新も担任させており、ここ数ヶ月は相当厳しい業務をさせていたはずです(ごめんなさい汗)。ツイッターのフォロワー数を増加させるには、時機に応じた「UPする内容の選定」、「動画/静止画との効果的な交差」、より多くの視聴を狙った「UP時間」等々、やみくもにUPするのではなく、戦略的にUPする必要があります。その意味において、担当は本当に頭を使い、一生懸命に頑張ってくれました。また、当然ながら動画や静止画の提供を行ってくれた各募集案内所等も含め、神奈川地本全職員の頑張りも誇らしく、改めて、彼ら、彼女たちを頼もしく思ったところです。

 今後も、神奈川地本のHP及びツイッターによる情報発信を、ご期待ください。自衛隊神奈川地方協力本部は、『令和2年度中にフォロワー数2万人』を絶対に達成します!
      
      

「選 択」(2.3.13)

 

 年度末に計画されていた各種行事、イベントも中止、あるいは規模縮小がやむを得ない状況にあって、私自身の気持ちもどことなく停滞モードの気持ちの中、昨日は転出者(主として自衛官)行事を実施。これまで広報官や本部職員として頑張ってくれた多くの部下を見送りました。彼ら、彼女たちには、新しい任地においてもそれぞれの「持ち場を守り」、さらに活躍してくれることを期待しているところです。と、親しい部下との別れにより、停滞モードが更に加速し始めた瞬間、1つとてもうれしい知らせを受けることができました。

 相模原地域事務所の担当であった某大学の学生のことです。彼自身、4月からの入隊に相当悩まれていたのですが、某大学が私の息子と同じという縁もあり、先月には私も直接当該学生にお会いして、お話をさせてもらいました。私からは、話の最後に「どんな選択(自衛隊以外の道)をしても、今日の縁を大切にし、一人の社会人として立派に活躍してくれることを期待し、そして応援するから!」といって彼と握手をし、別れたところでした。

 その彼が、ぎりぎりのこの段階で「入隊を決心していただいた」という知らせです。彼は私の息子と同世代の若者ですが、私の息子と比較にならない程、とてもしっかりした受け答えもでき、初対面から好印象の立派な学生さんでした。しかしながら、まだまだ若い。きっと、これまで随分悩まれ、考えられ、色々な方々に相談をして、そして「入隊」という自身の進路選択をされたと思います。お会いした時の彼の表情を思い出しながら、喜びが真に伝わってくる相模原地域事務所所長の声を通じ、特別の感情を持ってこの知らせを聞いたところでした。そして、私以上に、担当の広報官は大きな喜びを感じたことでしょう。ここに至る過程において、担当広報官も本当に親身になって彼の相談に乗り、そして多くの時間を彼と一緒に過ごしたはずですから・・。

 きっと、彼と同じように自身の進路選択について多くの時間をかけて考えられ、悩まれ、そして「入隊」という選択をされた方が、他にも大勢いらっしゃると思います。この「選択」を後で振り返って後悔することがないよう、これからも我々は全力でサポートいたします! 
     
     

「入隊入校予定者のみなさま へ」A(2.3.6)

   
 広報官と入隊予定者の2ショット

 その第2は、「感謝の気持ちを忘れない」、ということです。
 みなさんを見ていますと、私自身が防衛大学校に入校した32年前を思い出します。私自身、当時は期待以上に不安が非常に大きかったと覚えております。私の出身地である宮崎の場合は、入校者がみな空港に集まって一緒に東京へ上京し、そして防衛大学校に着校したのですが、空港ゲートに入る際には多くの家族や広報官から見送りを受けました。私の母は気丈な女性であり、それまでも、そしてそれ以降も、母の涙をみた記憶がありませんでした。その気丈な母が私を見送る際、私の手を黙って握りしめ、泣いていたことが今でも忘れられません。

 みなさんも、今は大きな期待とともに、もしかしたらそれ以上の不安や寂しさを感じているかもしれません。しかし、みなさん方をこれまで大切に育ててくれたお父さん、お母さん、あるいは親族の方々は、みなさん以上の「不安」、「寂しさ」をきっと感じているはずです。みなさんにはどうか、これまでお世話になった方々、とりわけ本当に大切に育ててくれた親御さんに対する感謝の気持ちを決して忘れないでいただきたい。

 自衛隊は、国民の、生命・財産を守る組織であり、人間としての高い倫理観や徳性、知性が求められます。しかし、私はそれ以上に、みなさんには一人の人間として、しっかりと感謝の気持ちを伝えられる人間であってほしいと思います。それができてこそ初めて、立派な社会人、そして立派な自衛隊員になることができる、と確信しております。
 感謝の気持ちを忘れず、そして、それを素直に言葉に出せる自衛隊員になってください。入隊入校までまだ少し時間があります。これまでお世話になった方々に対し、必ず自身の思いを伝えていただきたい、と強く思います。

 繰り返しになりますが、みなさま方の入隊入校に際し、自衛官の先輩として激励の意味で申し上げたいことは、たった2つだけです。

 個性を大切に、そして、感謝の気持ちを忘れずに。
 個性を大切に、そして、感謝の気持ちを忘れずに。

 みなさま方と、将来一緒に仕事ができることを本当に楽しみにしております。

                                 令和2年3月
                                 自衛隊神奈川地方協力本部長
                                 1等海佐 夏井 隆
     

「入隊入校予定者のみなさま へ」@(2.2.28)

 氷取沢高校を訪問し、入隊入校予定者に対し採用通知を手交
 
 諸般の事情により、県内各所で計画されておりました「入隊入校激励会」が取り止められることとなりました。これまで準備に当たっていただいた関係者のみなさまに対しまして、心からの感謝の意をお伝えいたします。
 私も、その際に入隊入校予定者に対し、激励の意味を込めて準備していた挨拶文がございます。直接、入隊入校予定者のみなさまへお伝えしたかったのですが、これも叶いませんので、HPの紙面を利用して2回に分けてお伝えしたいと思います。

 平素からの防衛省・自衛隊に対するご支援をいただいておりますことを、改めましてお礼申し上げます。

  まず、入隊入校予定者のご家族の方々に対し、自衛隊神奈川地方協力本部を代表して一言、申し上げます。この度は、大切なご子息、ご息女を我々の同僚に加えていただき、本当にありがとうございます。今後は、我々の仲間としてお子様を大切にお預かりさせていただきますので、どうかご安心いただきたく。

 とはいえ、お子様方にとりましては、自衛隊での生活は何分初めてのことばかりであり、時にはくじけそうになることがあるかもしれません。ご家族のみなさま方におかれましては、どうか、機会をみてお子様に対し引き続き温かいお言葉をおかけいただければと思います。ご家族からの温かい励ましが、きっと彼ら、彼女たちにとりましては何よりの激励になるものと思っております。

 さて、入隊入校予定者のみなさま、みなさまの晴れの門出に際しまして、僭越ではありますが一人の自衛官の先輩として、2つだけ、激励の意味を込めてお話をさせていただきます。たった、2つだけです。

 その第1は、「個性を大切に」、ということです。
 自衛隊での仕事には、「集団行動」や「規律」が非常に
大切になります。職務の性質上、一人ひとりが「ばらばら」に行動すれば取り返しのつかない結果を招く可能性があることは、みなさんにも簡単に想像がつくはずです。そのため、みなさんが自衛隊入隊した直後は、おそらく各学校や教育機関では、みなさんを「形にはめ込もう」とする教育が初めになされるはずです。

 私が言いたいのは、これはこれで大切ですが、その中にあっても、みなさんには自分たちの持つ「個性」を大切にしてもらいたいということです。自衛隊は、みなさんが持っている「人間の可能性」を無限に引き出してくれる組織です。そして、その可能性は各教官や先輩が必ず見つけ出し、そして引き出してくれると思います。しかし、その可能性は、根本的には自分たちの個性を源とするものであり、そして、その個性はみなさんの強み、ひいては自衛隊という組織の強みにもなるのです。

 「出る杭は打たれる」、という言葉があります。みなさんはどうか、打たれることができないくらいの、強く、長く、太い杭になってください。出ようとしない杭は、居心地がいいかもしれませんがそのうち腐ります。出る杭は打たれますが、出過ぎた杭は誰も打つことはできません。決して、自分らしさを見失うことなく、自衛隊という組織を信じ、個性というみなさんの強みを大切にして、これからも頑張ってもらいたいと思います。(続く)      

「予備自衛官等」(2.2.25)


訓練終了後の「編成解組式」
     
 自衛隊には、「予備自衛官」「即応予備自衛官」「予備自衛官補」の制度があるのをご存じでしょうか? 私も当然ながら、そのような制度があることは理解していたのですが、これまでの勤務において、全くこの制度に携わったことがなかったため、全国の地方協力本部の中でも数少ない「予備自衛官課」(所属する予備自衛官等の数が多い地方協力本部のみに設置)を有する神奈川地方協力本部長として着任し、当該制度への習熟にまい進してきました。先日も、横須賀市に所在する陸上自衛隊第117教育大隊で実施された予備自衛官訓練に参加し、その訓練終了に際し、約100名近い予備自衛官の方々に次の言葉をかけさせていただいたところです。

 『本来の職業に加え、また、それぞれのご家庭の事情もある中、本訓練に参加されることは、我々がうかがい知ることのできないご苦労があることと思います。その意味では、みなさんは我々常備自衛官に負けない強い使命感を有しておられるはずであり、皆様方の訓練参加に、改めて敬意を表したいと思います。これから、「みなさんと一緒に働くことがない」ことを祈っておりますが、万が一、皆様方の力が必要になる状況になれば、一緒に日本のために頑張っていただきたいと思います。』

 予備自衛官等の制度についてご存じでない方もたくさんいらっしゃるかと思います。この制度に関心、興味を持っていただいた方は、ぜひ、神奈川地方協力本部予備自衛官課までご連絡をお願いいたします。

 コロナウイルス感染拡大防止のため、国内では年度末に予定されていた各種イベント等も多数取り止められ、大変残念ではありましたが、神奈川地方協力本部も関係していた行事も取り止められております。また、季節の変わり目でもございますので、神奈川地方協力本部HPを御覧の皆様方におかれましても、どうかお体をご自愛ください。


「アウェイ感解消」(2.2.10)

 
 
 この本部長通信ですが、先日うちの募集課長に対し「これってみんな読んでくれてるのかな〜?」とつぶやいたところ、「たくさんの方に読んでもらってます!」(1月のアクセス数:約1,200)と嬉しい報告を受けました。神奈川地方協力本部のHPを御覧のみなさま、本当にありがとうございます!
 
 確かに、先日護衛艦「たかなみ」の出国行事に参加した際、横須賀で多くの護衛艦艦長から「読んでますが、とってもまじめすぎて・・」とコメントを受けておりました・・。そんな元部下たちに、「どんな人間でも勤務初めのうちはより真面目にやるでしょ?」と毒づいてきたところです。私の今の立場は、上司が陸上自衛官の東部方面総監という地方協力本部長。着任当初は多くの陸上自衛官の中でアウェイ感満載であったところ、最近は海上自衛隊の基地に行ってもアウェイ感を感じるようになり、私の居場所はどこ・・? 本部のある中華街だけ・・?(涙)。

 しかしながら、先日の東部方面総監に対する隊務報告で朝霞駐屯地に行った際には、なぜか朝霞駐屯地の構内に詳しくなっている自分に気がつき、また、その後日実施された東部方面内地本長会議においては、多くの先輩地方協力本部長から親切にしていただき、アウェイ感も段々と薄らいできております。陸上自衛隊の方々にはとてもよくしてもらっておりますので、海上自衛隊の方々、どうぞご安心ください。

 この時期の地方協力本部業務は、最後までより多くの入隊者を確保することに努力を集中すべきところ、これが「7」で、残り「3」は次年度準備を開始するよう指示済みです。現在進行形の業務と、次年度の準備の、まさに同時並行での戦いですが、私も広報官に負けないように相も変わらず県内を駆け回っており、本部職員からは「回遊魚」とあだ名をつけられる始末です。回遊魚はむやみやたらに泳ぎ回っているのではありません! 適した水温や餌、産卵場などを求めて移動しているのです。本部職員の皆さん、私も目的を持って駆け回っておりますので・・。私の広報官業務視察が少しでも若い広報官の力になれば、県内を「回遊」した価値もあると思っております。

 令和元年度も残りわずか。神奈川地方協力本部は、年度の最後まで駆け抜け、そして次年度も県内を駆け回り続けます!


「帽振れ・・」(2.2.7)

 
 既に一般報道で広く周知されておりますが、令和2年2月2日(日)海上自衛隊横須賀基地から、護衛艦「たかなみ」が中東地域へ向けて出港いたしました。

 自衛隊神奈川地方協力本部を代表し、私もその出国行事に参加し、横須賀で護衛艦「たかなみ」の出港を見送りましたが、実は、私は昨年11月までは第6護衛隊司令として勤務しておりまして、私の後任者がこの派遣部隊指揮官でもあり、護衛艦「たかなみ」艦長を含む大多数の隊員は、私の元部下であります。その意味においては、地方協力本部長という立場での見送りというよりも、違った感情を持って、元部下たちを見送ったところです。

 出港に際しての凛とした彼らの表情を見ることができ、その任務完遂を確信するとともに、彼らには、日本の代表として、我が国の国益を守るために頑張ってきてもらいたいと。また、無事の帰国を強く願っております。

 これまで私自身も何度か海外派遣(遠洋練習航海4回、テロ特措法に基づくインド洋派遣、米国派遣訓練)を経験し、その都度、家族からの見送りを受ける側の立場だったのですが、家族からは後に「出港していく側はまだよい。残される側は、船のいなくなった岸壁が本当に何もなく、寂しく、つらかった・・。」と聞かされたことがあります。今回の見送りは、残されるご家族まではないとしても、まさに、ご家族と同じような感情をもって、最後まで帽振れを実施しました。

 令和2年1月も既に終了しました。1月は、各地における賀詞交歓会や、地方自治体首長に対する最後の白書説明、南関東自衛隊家族会地域協議会、神奈川県募集相談員連絡協議会、県自治体等就職推進連絡会同への参加、また広報官に同行しての各所視察、各学校訪問、市街地広報等(大井町産業まつり、ラグビー・トップリーグ)の職務を遂行してまいりましたが、自衛隊地方協力本部での職務も防衛省・自衛隊のみならず、我が国の国益にも資する大切な職務。私自身、横須賀を出港していった元部下たちに負けないよう頑張ります。

    頑張れ、第6護衛隊(「たかなみ」)!
     

「自衛官としての体力」(2.2.3)

 1月28日(火)自衛隊神奈川地方協力本部の自衛官は、「体力検定」を実施しました。小雨と強(寒)風が吹く横浜において、遠くは小田原からも広報官がかけつけ、「腕立て伏せ・腹筋」と、私が最も苦手な「3000m走」を実施したのですが、この年齢になると本当にきつく、体力検定後の業務(横浜市長に対する白書説明)に大きな影響を与えるほどのダメージを受けてしまいました・・。いつもは業務で横浜を不在にすることが多いのに、この日だけは何故か他業務が入っていない担当のスケージュール管理には驚かされましたが・・。

 「3000m走」では、肺が口から飛び出てくるような感覚を覚えつつ、女性隊員にも後れを取る中、なんとか完走(ビリではありません!)したのですが、アスリートの様な陸上自衛官の広報官も存在し、改めて、自衛官としての体力維持の重要性を感じました。

 民間企業との大きな違いの1つは、このような体力検定が職場で行われることではないでしょうか? この年齢になるまで体力維持を重視する職場(自衛隊なので当然ですが・・。)は、とても健康的で素晴らしいものかと。3000mを走った直後のこの時には決して思いませんが、筋肉痛が過ぎ去った日にはきっと思うことでしょう・・。

 入隊を希望する方の中には、自身の体力に不安を覚えている方もいらっしゃいますが、決して心配は要りません。自衛隊には、専門の体育教官も存在し、必要な体力がつくまで親身になって指導してもらえるはずです。それも、その指導は「科学的」です。防衛大学校1学年時、私の同期の中には水泳がまったくできない同期もいたのですが、確か1か月位程度の訓練で、相当長い距離の遠泳も実施できるようになっておりました。

 いずれにせよ、寒風小雨の中の激走・・きつかったです。来年は今年よりもよい記録で走れるよう、意思が続く限り運動します!

「広報センター」(2.1.23)


     
 
 皆様、神奈川地方協力本部本部庁舎(横浜)の1階に、「広報センター」が設置されているのをご存じでしょうか?自衛隊関連の資料やグッズを展示しており、入隊前の学生さんや、中華街に訪れた(本当に一部の)観光客の方々に時折訪れていただけるのですが、令和2年は、「もっと多くの」お客様に訪れていただけるよう、現在若い隊員2名がSTUDY中です。彼ら(彼女)には、「自分たちの考えでプランを進めてよい」と指導しておりましたが、この都度、いくつかの企画を提示してくれて、この具現化に向けて、地方協力本部として準備を開始しました。その第1弾として、年度当初には自衛隊装備品展示(要するに、プラモデル展示)を企画しておりますので、どうかご期待ください。

 さて、先日この広報センターを訪れていた高校生から、私自身に対し直接質問を受ける機会がありました。『自衛隊はきついですか??』という質問でしたが、私はこう答えました。「きついかきつくないかは、人間の主観の問題なので・・。例えば、君にとってはきついかもしれないけど、僕にとってはきつくないかもしれない。あるいは、その逆もあり得るでしょ? きついかどうか不安はあると思うけど、こう考えれば? 自分一人が初めてやることではなく、今までにたくさんの人間がやってきたことでもあり、もちろん君の同期も一緒にやること。なので自分にもきっとできるはず。」「だから、きついかどうかは深く考えなくてもいいのでは・・??」

 その高校生は、少し安心した表情を見せておりましたが、彼の不安感を少しでも和らげることができたと思い、本部長としても幸せな気分になったところです。

 広報センターにもっと多くのお客様が訪れていただければ、このような機会もきっと増えることと思います。広報官のみならず、私を含めた本部職員も皆様方と触れ合える機会を楽しみにしております。ですので、なんとしても広報センターの活性化を進めたいと思っている今日この頃です。

「広報官業務」(2.1.17)


広報官から厚木地区の状況説明を受ける
     
 私自身の「現場重視」の考えの下、また「実際に自分でやってみないと部下指導はできない」との考えの下、新年の業務開始から可能な限り横浜の本部庁舎を離れ、各地の出張所等に出向き、広報官の恒常業務を一人一人の広報官と一緒に行っております。先日は、平塚地域事務所に早朝から出向き、一人の広報官と一緒に高校の通学経路や登校風景を確認しつつ、ポスターの掲示やティッシュ配りを初めて実施したところです。(その際は、近傍に住まわれている募集相談員の方も一緒になってティッシュ配りを実施していただきました。ありがとうございました。) また、厚木や川崎では、高校や大学の進路指導、就職担当者の方にも担当広報官と一緒にご挨拶させていただき、担当広報官へのご協力を依頼させていただきました。

 広報官の業務は、これまでの私の自衛隊生活では全く経験したことのないものであり、海上自衛隊の部隊で声高く言われている「術科」(例えば、目標を正確に撃墜する射撃能力)とは全く異なる能力技量が各広報官には求められていると改めて感じました。また、彼ら広報官の苦労も私自身で少しは理解できたつもりです。彼らは、例えば飛込で学校を訪問したり、路上で自衛隊入隊の案内を実施することもあり、その際には相手先からいい顔をされるばかりではないと思います。そのような状況にあっても、目標達成のために地道に活動している広報官には頭の下がる思いです。また、彼ら広報官がもっと活躍できるよう、「私のできることはなんでもやる」という覚悟を改めて持ったところです。

 これからも、機会を見つけて広報官と一緒に各地を回り、お声がけをさせていただくこともあるかと思います。引き続き、広報官の活動に対するご理解とご協力を何卒お願い申し上げます。

「新年のご挨拶」(2.1.7)

明治学院大学の学生からインタビューを受けました。
 
 新年明けましておめでとうございます。神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様には、穏やかな新年をお迎えできたこととお慶び申し上げます。

 神奈川地方協力本部の隊員も、それぞれ(おそらく)充実した休暇を過ごし、みな元気に新たな気持ちを持って出勤してまいりました。まさに「充電完了」といったところでしょうか。昨日は有志により本部近傍に所在する「伊勢山皇大神宮」に参拝を行い、今年1年間の無事故とそれぞれの活躍を祈念したところです。

 さて、この時期は、入隊予定者の中にあっても自身の進路について悩まれ、自衛隊への入隊に迷いを生じている方もいらっしゃいます。私は、そのような方々に対しまして、『激励』の趣旨でお手紙を出させていただいております。少しでも多くの方々に「私の想いを直接お伝えしたい」、という気持ちで一文字一文字に魂を込めて書き上げているつもりでございます。その趣旨はもちろん、「自衛隊で一緒に働いてもらいたい」というものですが、他方で「仮に自衛隊以外の選択をされたとしても、これまでお付き合いさせていただいた時間を大切にしつつ、社会人として是非ご活躍していただきたい」というものです。

 この神奈川地方協力本部HPをご覧の皆様の中にも、きっと自身の進路について悩まれている方もいらっしゃると思います。今後も各広報官が最後までお付き合いをさせていただくと思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。

 最後になりましたが、皆様にとりまして今年1年間が素晴らしい年になることを祈念しつつ、本年も神奈川地方協力本部に対するご支援ご協力をお願い申し上げます。

     

「年末のご挨拶」(1.12.20)



     
 神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様には、今年1年間、募集業務はもちろん、予備自衛官等の業務、援護業務など幅広い分野において多くのご支援ご協力をいただき心から感謝申し上げます。神奈川地方協力本部としては、現在令和2年1月から3月までを来年度の募集活動に向けた準備期間と位置づけ、今年度実施してきた各活動の成果を精緻に分析し、数値的根拠に基づき限られた資源を効果的に運用できるようSTUDY中でございます。HPをご覧の皆様からも多くのアイデア、ご意見をいただきたいと思っているところです。

 前回の本部長通信以降も、県内各首長に対する防衛白書説明、12月7日(土)第15期自衛官候補生課程入隊式(武山)、12月8日(日)相模原ライオンズクラブ防衛講話(相模原)、12月11日(水)首都圏地本長意見交換会、12月14日(土)第14期一般陸曹候補生課程卒業式への参加等の職務を遂行してまいりましたが、各所で本当に多くの皆様との交流を持たせていただき、まさに「一期一会」。慣れ親しんだ艦艇勤務とは全く異なる新鮮な感覚を日々楽しんでおります。今年の主たる業務も、12月21日(土)・22日(日)の江の島における掃海艇「はつしま」の一般公開・体験航海のみとなりましたが、引き続き多くの出会いを大切にさせていただきながら、令和2年まで突き進んでまいります。ちなみに、11月6日に着任以来、約1か月間での県内移動距離3450km。横浜からベトナム・ハノイまでの距離をこれまでに移動してきたことになります(汗)。

 神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方が、穏やかに新たな年をお迎えになることを祈念し、また今年1年間の感謝の気持ちを込めて、加えて来年も変わらぬご支援ご協力をお願いしつつ、ランドマークタワーと秀峰富士を眺めることができる本部長室で、令和元年最後の打鍵を終了させていただきます。

 追 伸
 私の「素」を知る一部の海上自衛官から、この本部長通信に対し「硬すぎる」との批判を受けております。令和2年は、できるだけ「素」を出せるように頑張ります!

新たな「絆」(1.12.10)



箱根町で防衛白書の説明を実施しました。

     
 12月4日(水)、第18期自衛官候補生入隊・入校式(航空自衛隊 熊谷)に参加する機会をいただきました。神奈川県からは10名以上の入隊者がいたのですが、着隊のために彼らが神奈川地方協力本部庁舎から熊谷に向け出発する際、多くの広報官と共に見送った時の表情(不安感満載)と、明らかに異なる表情(凛々)をしておりました。また、入隊・入校式後の会食においては、数名の自衛官候補生から「〜広報官によろしくお伝えください。」「〜広報官に自分は元気と伝えてください。」との言葉をもらいました。私から直接各広報官に彼らの言葉を伝えたのですが、各広報官も大変喜んでおりました。

 募集対象者と広報官の関係から、同じ自衛官として、同僚と同僚の関係(仲間)になった瞬間に立ち会え、新たな「絆」の誕生を肌で感じ、私自身もこの仕事のやりがいを改めて感じたところです。

 前部隊において、私は指導的立場にある部下に対しては、「部下の悩みも自分の悩みと感じ、部下の家族の悩みをも自分の悩みと感じることができる人間になれ」と指導してきました。神奈川地方協力本部の広報官にも、募集対象者のみならず、募集対象者の家族の悩み(不安、疑問等)をも、自分のこととして感じることができるよう指導しているところです。そしてその結果が、同じ「絆」でも、より強い、より深い「絆」になると思う次第です。

 これからも、我々は新たな「絆」を見つけるために前に進み続けます!

始 動(1.11.25)

東京IT会計法律専門学校横浜校において初めての防衛講義を実施しました。
 
 着任以来、地域の皆様方に対するご挨拶を直接実施させていただきつつ、県内12ヶ所に所在する出張所等の視察や地方協力本部長としての恒常業務に邁進している中、まさに「あっという間」に師走を迎えようとしております。これまでの職務を通じ、改めて我々の活動には多くの皆様からのご理解とご支援が不可欠だと認識するとともに、「神奈川県」の広さを実感しているところでございます。

 これまで、地方自治体首長に対し令和元年度版「防衛白書」を説明させていただきながら、神奈川県殉職隊員追悼式、防衛大学校開校記念祭、首都圏合同企業説明会、第14期自衛官候補生課程卒業式に参加させていただきながら、また、東京IT会計法律専門学校横浜校において初めての防衛講義を実施させていただきながら、まずは「足元(職場)を固める」との考えのもと、本部隊員に対する面接や、神奈川地方協力本部の有する業務を1つ1つ確認しているところです。

 地方協力本部長として、私は神奈川地方協力本部の隊員1人1人が、自らの職場に誇りと自信を持ち、胸を張って国民の皆様方にアピールできる職場環境の構築に努めていく所存であります。そうすれば、例えば募集現場にあっても、広報官が対象者に対し自身の属する「職場(職業)」について活き活きと説明できると確信しております。そして、私自身も、1人の広報官として「自らを見ていただき」、多くの皆様方に少しでも自衛官という職業の将来像を描いていただけるよう積極的に現場に赴き、神奈川地方協力本部一丸となって任務に邁進していく覚悟を改めて感じているところです。

 令和の時代を迎えて初めての師走を前に、神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方におかれましては何かとお忙しい時期ではございますが、12月も変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

新着のご挨拶(1.11.6)


着任式時集合写真

 令和元年11月6日付、第33代自衛隊神奈川地方協力本部長を拝命いたしました夏井です。地域の皆様におかれましては、平素から神奈川地方協力本部に対し、また、防衛省・自衛隊の活動に対し、深いご理解と多大なるご支援を賜っておりますこと、改めまして、神奈川地方協力本部を代表し深くお礼申し上げます。

 約30年前、防衛大学校への入学を機に初めて神奈川県民となり、その後も、横須賀での勤務が5回を数え、家族も神奈川に居住している中、この愛着ある神奈川県において地方協力本部長としての重責を担うことに、身の引き締まる思いであります。

 我が国を取り巻く安全保障環境が不透明さを増す中、自衛隊活動の正に中核となる人的基盤の強化は待ったなしの状況下にあります。このような厳しさの中にあっても、これまで私が自衛隊生活で経験してきた素晴らしい感動や、多くの自衛隊の魅力を、たくさんの県民の方々に共有していただけるよう、また、これまで私を育ててくれた自衛隊に対する恩返しの意味も込めて、「持ち場を守れ」という指導方針を掲げ、募集、広報、就職援護、すべての職責に対し誠心取り組んでいく所存であります。

 神奈川地方協力本部のHPをご覧の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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