内倉統合幕僚長 記者会見
日時:令和8年10月09日(金)14:00~14:11
場所:防衛省A棟10階会見室
備考:定例会見
1.発表事項
なし。
2.質疑応答
記者:
現在、複数の企業に対して、サイバー攻撃とみられる情報漏えい事案が相次ぐ状況にあります。自衛隊のサイバー防衛隊は、今月から能動的サイバー防御の任務に就いていますが、現状、取られている措置があれば教えてください。
統幕長:
お尋ねにありましたとおり、9月下旬以降、国内の民間企業に対するサイバー攻撃被害が増加しており、サイバー攻撃の手法なども多様化していることから、その動向に注視していく必要があると考えております。
お尋ねの後半ですが、現在、分野を問わず事業者、団体等を狙ったサイバー攻撃が発生している中、自衛隊が対応するかについては、政府全体で把握した情報を踏まえ、個別の状況に応じて判断される事柄であるため、お答えすることは差し控えたいと思います。
いずれにしましても、自衛隊としましては、国家サイバー統括室や警察をはじめとする関係機関と緊密に連携してまいります。
記者:
今月初め、在沖海兵隊員の男が強盗殺人容疑で逮捕された件でお伺いいたします。在沖米軍はこの事件を受けて、2日間の運用停止と、反省期間として30日間の夜間外出禁止などを実施しております。19日から始まる日米共同統合演習「キーン・ソード27」では、米海兵隊員も含め、多くの在沖米軍が沖縄県内の離島などに展開する予定です。米軍の部隊や装備の展開に影響はございますでしょうか。
統幕長:
ご質問がありました事案につきましては、現在、捜査等が行われているものと承知しており、事実関係や捜査の内容については、私から申し上げることは差し控えたいと思います。その上で、米軍関係者による事件・事故は国民の皆様に大きな不安を与えるものであり、断じてあってはならないと考えております。統幕長として、私自身も深刻かつ重大に受け止めております。日米同盟や在日米軍の活動は、国民の皆様のご理解とご協力が大前提であります。また、今回のことを踏まえまして、ご質問のありました二つの項目について、自粛等の措置を講じていることについても承知しております。
一方で、日米共同訓練は、各種事態における日米共同対処及び自衛隊の統合運用について演練・検証し、共同統合運用能力の維持・向上を図るために必要なものであります。従いまして、現時点で日米共同訓練を中止するといったり、内容を変更することは考えておりません。在沖米軍についても同じであります。
今回、事件が起きたことを軽視するということは決してありませんが、こういったことへの対応と、訓練の必要性は別個に判断すべきものと考えております。訓練については、安全確保や地元への影響、米側の対応状況等を踏まえ、個別具体的に適切に判断してまいりたい、このように考えております。
記者:
今回の「キーン・ソード27」では、与那国町に初めて米軍の最新型地対艦ミサイルシステム、ネメシスと防空統合システム、マディスを初展開いたします。台湾や中国にも近い与那国や石垣にこのような長射程ミサイルを展開することで地域の緊張が高まりかねないと思いますが、この点について統幕長のお考えを教えてください。
統幕長:
同種の質問を先週、この場でもいただいたと思いますが、個別の部隊、個別のアセットの配置先、訓練展開先について逐一お答えすることは、この場では差し控えたいと思います。後ほど報道担当の方から答えさせます。
記者:
個別のアセットについてではなく、南西諸島全体では、地対艦、地対空などの多くの装備品に加えて、日米のオスプレイ、艦艇なども使用して日米共同演習としては過去最大規模の訓練となっております。このような訓練規模になっている理由について、改めて教えてください。
統幕長:
前段部分につきましては、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、国民の命と平和な暮らし、そして我が国の領土、領海、領空を守り抜くためには、我が国自身の防衛体制を強化するとともに、日米同盟の抑止力、そして対処力を一層強化していくことが重要です。先島諸島を含む島嶼部に自衛隊及び米軍のアセットを実際に機動展開し、指揮統制、部隊輸送、補給、共同対艦戦闘等の一連の活動を演練することは、日米双方の機動展開能力を向上させるとともに、即応性及び相互運用性を高める上で大変意義があると考えております。さらに、南西地域における様々な地理的特性、運用上の特性などを踏まえまして、各種事態において迅速かつ柔軟に部隊を運用し、必要な場所に必要な能力を展開することは不可欠であると考えております。このようなことを総合的に勘案し、日米で訓練に臨む規模が決まっており、その結果、最大に近い規模となったことは、危機感の表れであり、訓練ニーズの表れだとお考えください。
記者:
南西諸島に中国や台湾を射程に含めた長距離ミサイルを置くことによって、地域住民の皆様からすると、有事の際に巻き込まれるのではないかという声も聞こえてきますが、その懸念に対して何かお言葉があれば教えてください。
統幕長:
ご質問の件ですが、本演習は、特定の国や地域を念頭に置いたものではなく、あらゆる事態に適切に対処できる態勢と能力を構築するためのものであり、日米が共同対処の意思と能力を平素から示し、その実効性を不断に高めることは、我が国及びインド太平洋地域の平和と安定に寄与するものと考えております。繰り返しになりますが、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさと複雑さを増している中、日米の共同訓練は地域の平和と安定にとって不可欠であり、日米同盟の抑止力、対処力を強化することが重要であると考えております。その上で、住民の皆様に様々なご意見があるということは承知しております。自衛隊といたしましては、引き続き、地元の皆様に対する丁寧な説明や適切な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
記者:
「キーン・ソード27」について伺います。沖縄で米海兵隊員が強盗殺人容疑で逮捕されましたが、今回の沖縄での訓練で、海兵隊の参加を見送るよう米側と調整する等のお考えはありますでしょうか。
統幕長:
お尋ねの件につきましては、繰り返しになり恐縮ですが、現在、捜査等が行われているものと承知しており、事実関係や捜査の内容については、私から申し上げることは差し控えたいと思います。
その上で、後半部分のお尋ねですが、海兵隊という軍種を今回の演習の中から減じたり参加を取りやめたりといったことは現時点で考えておりません。その理由は、事件を軽視することは決してありませんが、事件への対応と訓練の必要性は別個に判断すべきものと考えており、訓練については、安全確保や地元への影響、米側の対応状況等を踏まえ、個別具体的に適切に判断してまいります。また、その間、私のカウンターパートであるジョスト司令官等にも、綱紀粛正の徹底ということを繰り返し伝えたいと考えております。
記者:
事件発生を受け、統幕として米側と沖縄県内での訓練規模縮小の調整をするお考えはありますでしょうか。
統幕長:
先ほどお答えしたつもりでしたが、もう一度重ねてお答えします。今、お尋ねの件への対応と訓練の必要性は別個に判断すべきものと考えております。そこを踏まえると、日米調整の中で、特定の軍種や訓練規模、訓練場所を変えるということは、現時点では考えておりません。個別に判断をしております。綱紀粛正の徹底、そして再発防止策の徹底と訓練目標を達成するということを両立できるように取り組んでまいりたいと考えております。その際、しっかりと説明し、そして必要な情報を提供してまいりたい、このように考えております。