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内倉統合幕僚長 記者会見

日時:令和8年10月02日(金)14:00~14:23

場所:防衛省A棟10階会見室

備考:定例会見

    1.発表事項

    本日は私から、インドネシアにおける国際緊急援助活動について申し上げます。
     自衛隊は、インドネシア政府からの要請を踏まえ、同国で発生した山林火災に対し、陸上自衛隊のCH-47輸送ヘリコプターによる消火活動を実施いたしました。9月29日をもって現地における活動を終了し、現在、日本への帰国準備を実施しています。
     今回の活動は、自衛隊のアセットを用いた国際緊急援助活動により、消火活動を実施した初めての事例となりました。活動に当たった隊員は、煙霧により視界が遮られるといった厳しい環境の中で、与えられた任務を着実に遂行しました。
     この場を借りて、隊員一人ひとりの献身的な活動に敬意を表するとともに、活動を支えていただいた全ての関係者に感謝を申し上げます。
     自衛隊は、引き続き関係省庁と緊密に連携し、国際社会の平和と安定に貢献してまいります。

    2.質疑応答

    記者:

    幹事社から1問、冒頭発言に関してお伺いします。インドネシアは日本の安全保障にとっても重要な関係国でありますけれども、そういった観点で、今回、災害派遣ということではありますけれども、関係の強化といった成果はあったのでしょうか。

    統幕長:

    今回の活動では、インドネシア側の支援ニーズを踏まえまして、陸上自衛隊のCH-47輸送ヘリコプター3機を活用しまして、現地関係機関と緊密に連携しながら消火活動に取り組みました。具体的には、カリマンタン島西部に位置するキジン港周辺及びそれから約300km南に下がりましたクタパンという場所の周辺で、14日間にわたり消火活動を行い、計56回、約280トンを散水いたしました。
     お尋ねの件ですが、成果という点に着目しますと、9月30日にインドネシア政府より、山林火災の消火活動に従事した隊員に対する表彰をいただきました。今回の表彰には、お忙しい中、シャフリ国防大臣にお越しいただき、活動に従事した隊員に対する高い評価と感謝の意が直接示されまして、隊員の士気も大いに上がり、また、達成感を感じたことと認識しております。自衛隊としましては、派遣部隊の安全確保に万全を期しつつ、隊員及び装備品を撤収させ、全員を安全に帰国させるまで、引き続き緊張感を持って対応してまいります。
     今次の活動で得られたインドネシアとの関係でありますが、これまで「ガルーダ・シールド」、あるいはそれが発展しました「スーパー・ガルーダ・シールド」といった訓練においては、複数回インドネシアに赴き実施しておりましたが、今回のような消化活動は初めてでありました。まさに先方のニーズにしっかりと応えることができたということが、大きな成果だと思います。目に見える形でインドネシアへの支援ができた、要望に応えることができた、これが大きな成果かと思います。

    記者:

    冒頭のインドネシアの火災の関連で、国内でも山火事が最近増えていて、その中でも消火活動に災害派遣で当たってきた知見を、今回のインドネシアの火災でどのように活用できたかという点と、今回、インドネシアのニーズに応じてこういう活動になって、今後も海外での災害派遣、国際緊急援助活動における消火活動という新たなことができたということは、非常に意義があることだと思います。今後のそういった活動の展望みたいなものが、もしございましたら、この2点を教えていただければと思います。

    統幕長:

    今のご質問につきましては、まず派遣する前にも見通しということで述べさせていただきました。近年多発しております国内の林野火災への対応を通じて培いましたノウハウを、インドネシアにおける国際緊急援助活動で発揮することができました。不安全事項なく消火活動を終了できたことは、国内で蓄積してきた経験が、国際的な災害救援の現場においても有効であることを示した成果であると認識しております。また、今回の活動は、自衛隊のアセットを用いた国際緊急援助活動として初めての消火活動でありまして、海外における大規模な山林火災への対応、陸上自衛隊のヘリコプターと海上自衛隊の輸送艦を組み合わせた展開及び航空自衛隊の輸送機による輸送支援といった陸・海・空自衛隊による統合オペレーション、現地関係機関との調整など、多くの知見が得られたものと考えております。具体的な教訓や課題につきましては、派遣部隊の帰国後に時間をかけてしっかりと取りまとめる予定です。指揮・調整、航空運用、後方支援、安全管理などの様々な観点から検証いたします。特に私が感じましたのは、海上自衛隊の「くにさき」を派遣したことから、日によって煙の流れる方向、その密度が変化しまして、固定的な場所からの運用であればかなり厳しかったと思いますが、「くにさき」で艦上運用することによって、毎日飛べる場所というのを探りながら、一生懸命にその機会を探って活動したということに私は本当に心を打たれました。多分、そういった真摯な取組、懸命な取組が、最終的にシャフリ大臣まで来ていただいて、表彰いただくということにもつながったのだと思います。表彰いただくことはあくまでも副次的なことですが、一つでも多くの火点を消すという、そういう意気込みで、毎日、毎回のフライトを懸命にやっておりました。今後も自衛隊としましては、このような教訓ですとか、検証結果を関係部隊で共有しますとともに、必要に応じて計画、そして態勢の改善に反映し、将来の国際緊急援助活動をより迅速かつ効果的に実施できるよう努めてまいります。
     また、展望ということに関しましては、今回の規模であったり、例えば1機であっても出せるかどうかというのは、その時々の情勢によって適切に判断してまいりたい、このように考えております。

    記者:

    19日からの「キーン・ソード27」の関係でお尋ねします。25式地対艦誘導弾の訓練について、今回初めての展開ということですけれども、今回の25式地対艦誘導弾を訓練として展開することの意義について、どうお考えか教えてください。また、訓練場所として大野原演習場で実施するということの意義、場所の特性などポイントがあれば、それも併せてお願いします。

    統幕長:

    ご質問にありましたとおり、25式地対艦誘導弾を初めて健軍駐屯地外に展開させる予定であります。場所は大野原演習場及び健軍駐屯地において関連する訓練を実施する予定であります。自衛隊は本年中の三文書改定によって示される新しい戦い方への対応を実現するために、スタンド・オフ防衛能力を含む統合作戦能力の強化を重点ポイントとして取り組んでいく考えでありまして、当該能力強化のための訓練の実施には重要な意義があるものと認識しております。

    記者:

    大野原の場所のポイントとか、特性とか何かあればお願いします

    統幕長:

    細かいポイント、特性については、後ほど報道官の方から回答させます。

    記者:

    この25式地対艦誘導弾の訓練、今回は自衛隊のみの訓練ということですけれども、米軍と連携されないのはどうしてか、理由があればお願いします。

    統幕長:

    その時々の訓練や演習におきまして、米軍との連携機会というのは当然ながら探ってはおります。今回は総合的に判断した結果、まずは自衛隊のみでの活動となったと認識しております。もし差異があれば、後ほど担当の方から補足させます。

    記者:

    インドネシアへの自衛隊の派遣関連で、輸送艦の移動により拠点を変えながら活動できたという点が一つの知見であるとおっしゃられましたけれど、今回、海外だったわけですが、国内でも今後、自衛隊の活動に活かせるようなものと考えられているということでよろしかったでしょうか。

    統幕長:

    今般は「くにさき」を使って、飛べる場所、活動できる場所を探りましたが、その時々において、根拠となり得る場所が複数取れるような場所、地上に確保できる場合については、わざわざ輸送艦を派遣することもありませんので、ケース・バイ・ケースで最適な運用方法というのを考えてまいりたいと思います。

    記者:

    AIについての考え方を伺いたいと思います。アメリカのヘグセス国防長官が演説で、AIを搭載した自律型ドローンなどを使った統合軍などを創設すると発表しています。この発表そのもののことを聞きたいわけではなく、防衛省・自衛隊でも、今後、AIによる意思決定支援を本格的に導入していくと思いますが、改めて、このAIの導入の重要性について、統幕長のお考えを伺いたいというのがまず1点です。加えて、自律型兵器、人の意を介さず、AIの判断だけで動く兵器については、国際社会からかなり慎重な意見も出ています。これについても、改めて、自律型AI兵器を将来、自衛隊としても導入する必要があるかについてなど、展望があれば伺いたいと思います。

    統幕長:

    まず、ご質問の前提となりましたヘグセス国防長官のお話について、私も全て読ませていただきました。その内容についての質問ではないということで、それについて逐一コメントすることはいたしません。AI全般のことについてお答えいたします。AIについては、意思決定を一つの例としてご質問がありましたが、まさにそのとおりだと思います。AIに関しましては、不可欠なものだと思っています。例えて申しますと、業務効率化のためのツールというものではなくて、今後の運用の基盤になっていくようなものだと思います。そして、その上で、自律型兵器との関連性についてもお尋ねがありましたが、当然、国内法、国際法、そういったものと整合を図りながら、装備品の導入、運用を実装化していくと思いますので、引き続きしっかりと、ご指摘のことに留意しながらやってまいりたいと思います。

    記者:

    今の意思決定支援AIについて、もちろん人的なリソースを補うという面でのメリットというのは重々承知しているんですが、もう一つ、スピード面でのメリットもあると思います。ここについては、統幕長がどのようにお考えになられているか伺わせてください。

    統幕長:

    ご質問にありましたとおり、AIについては多種多様な能力を持っていると思います。提示される選択肢の幅と深さもさることながら、それを導き出す圧倒的なスピード、これは人知を超えたものがあると思います。AIの特徴としまして、最終的に人間が関与する「ヒューマン・イン・コマンド」という言い方をしますが、最終的に出された選択肢に対して、それを決心する責任と決断をするのは人間だということは、これまでも同じようなご質問で何回も重ねてお答えしてまいりました。その考え方は揺るぎないものであります。ただ、そこで気をつけなければいけませんのが、せっかくAIがスピーディーに出してくれた選択肢を、時間をかけて意思決定をすると元も子もありませんので、そこの最終的な意思決定のスピードというものを上げる必要があると思います。それは日頃の演練ですとか、AIに対するリテラシーを高める、そして訓練・演習においてもAIをどんどん取り込んで演練していくということです。人間自身のレベルも上げていく必要があろうかと思います。最後にまとめますと、AIとともに働く、協働する時代がもう来ていると思います。

    記者:

    今月から始まる日米の大規模実動訓練「キーン・ソード27」についてお伺いいたします。与那国島や石垣島で、米軍のネメシスやマディス、ハイマース等のミサイルシステムを展開するとの報道がありました。事実関係を教えてください。

    統幕長:

    お尋ねのありました報道については承知しております。現時点で最終調整中と承知しておりまして、確たることを申し上げる段階ではありませんので、お答えは控えさせていただきます。

    記者:

    統幕長として、沖縄県を含む南西諸島、特に台湾に近い先島諸島で、米軍と自衛隊が共にミサイル兵器等を使って展開し訓練する必要性と意義について教えてください。

    統幕長:

    沖縄、そして南西諸島の戦略的な意義・重要性については、今この時点で申し述べるまでもなく重要であります。そこで、自衛隊と米軍が共同して演練を行うことにより、日米同盟による抑止力・対処力が向上するということは、確たる自信を持って申し上げることができます。

    記者:

    ネメシスは、今年の6月に米海兵隊の方に配備されていると思うのですが、日頃から演練していくために、そういった新たな装備、ミサイルというのを、各島々で展開していくメリットはあるのでしょうか。

    統幕長:

    今ご質問のあった個々の装備品における今後の運用要領等については、ここで細かく逐一申し述べることは控えたいと思います。

    記者:

    先ほどのAIに関する「ヒューマン・イン・コマンド」の点ですが、日本の場合、誤爆の可能性も含めて自衛権の行使は必要最小限であり、それを短時間で排除することは、意思決定支援システムを使って可能か、お考えを教えてください。

    統幕長:

    AIと申しましても、様々なAIがございますし、それを組み込んだ意思決定支援システムもまだ架空の仮説でしかございません。従いまして、それの持つ能力やアウトプットについて正しいか、その正誤について現時点で申し上げることは控えたいと思います。その上で申し上げますと、ご指摘のような誤爆が生起しないようにするということは当然だと考えております。

    記者:

    自衛権を行使するに当たって、必要最小限度の武力行使の範疇で、最終的に司令官は判断をするわけですが、AIによる意思決定支援システムを使った場合に、スピードと慎重さ両方のバランスが必要になってくる点についてはどのようにお考えでしょうか。

    統幕長:

    ご質問のようなことを総合的に踏まえた上で、最終的に正しい決断を下す。そして、その前提としてありました我が国の防衛政策の中で決断するということは、当然のことだと考えております。

    記者:

    自律型兵器の関連で、統幕長のお答えとして、国内・国際法との整合性を図りながらやっていきたいというようなことをおっしゃったかと思います。その「やっていきたい」のニュアンスを確認させていただきたいのですが、検討していきたいとか、導入していきたいとか、受け取り方が幅広いのでお願いいたします。

    統幕長:

    先ほど「やっていきたい」という表現を使いましたが、「やっていく」ということで、やっていくのは当然だということに訂正したいと思います。

    記者:

    自律型兵器の導入をしていくということですか。「やる」の主語は何になるのですか。自律型兵器の検討をやっていくということですか。

    統幕長:

    そういうことではありません。私どもが導入した装備品を国内法、国際法に照らし合わせて運用していくということが、当然だということであります。

    記者:

    昨日、10月1日から「能動的サイバー防御」の態勢が本格始動といいますか、動きが始まったかと思います。一義的に警察がやった上で、さらに烈度の高い状況に置かれた場合などには、自衛隊もアクセス・無害化措置を行っていくことになると思います。この制度が始まっていくに当たって、改めて受け止めと、今後の自衛隊としての動きのポイントのようなものがあれば教えてください。

    統幕長:

    まず、お尋ねの前半の受け止めについてお答えしたいと思います。サイバー空間におきましては、より組織化、そして洗練化されたサイバー攻撃が国家安全保障上の脅威となっております。こうした中、本年10月1日にサイバー対処能力強化法等が施行され、自衛隊にアクセス・無害化措置の遂行に万全を期すための命令がJJOC司令官に対し下令されました。これにより、自衛隊の指揮・統制、情報システム、国や基幹インフラなどに対する安全保障上の懸念を生じさせる一定の重大なサイバー攻撃に対して、被害を未然に防止することが可能となりました。アクセス・無害化措置は、有事に至る前の段階から組織的・継続的に行われるサイバー攻撃から国民生活や経済活動を守ることはもとより、有事における自衛隊の任務を確実に遂行する上でも、極めて重要な取組だと考えております。自衛隊は、いかなる事態におきましても、国民の生命、財産と我が国の領土、領海、領空、そしてサイバー空間を守り抜くため、アクセス・無害化措置任務の遂行に全力を挙げてまいります。

    記者:

    このアクセス・無害化措置のところは、一義的にまずは警察がやるということで、さらなる脅威になった場合に自衛隊も動いていくかと思いますが、イメージがまだ湧いていないところもあり、自衛隊が動く上でのポイントがあれば教えてください。

    統幕長:

    そこはしっかりと規定されておりますので、その条件に合致した時に、平時、そして有事において、しっかりと行動してまいりたいと考えております。