内倉統合幕僚長 記者会見
日時:令和8年8月28日(金)16:30~16:42
場所:防衛省A棟10階会見室
備考:定例会見
1.発表事項
本日は、私から、日米韓共同訓練「フリーダム・エッジ26」についてお知らせします。自衛隊は、9月7日から11日までの間、日米韓共同訓練「フリーダム・エッジ26」を実施します。本訓練は、日米韓3か国による共同訓練であり、領域横断作戦を含む日米韓相互運用性の向上を図るとともに、力による一方的な現状変更を許容しない安全保障環境の創出に寄与するため、米韓との連携強化を図ります。
今後とも自衛隊は、共同訓練等をはじめとする様々な機会を通じて、同盟国・同志国との連携を強化してまいります。
2.質疑応答
記者:
冒頭の「フリーダム・エッジ26」ですが、参加する意義についてさらに詳しく教えてください。
統幕長:
本訓練は、令和5年8月の日米韓首脳会合や、令和6年6月の日米韓防衛相会談において一致した、日米韓3か国による共同訓練であり、昨年9月に続いて、今回が4回目の実施となります。「フリーダム・エッジ26」は、自衛隊の戦術技量の向上を図るとともに、領域横断作戦を含む日米韓の相互運用性の向上を図るための訓練です。具体的には、海上のアセット、そして航空のアセット、こういったものが連携することによって領域横断と申しております。我が国を取り巻く安全保障環境は、一層厳しさと複雑さを増している中、日米韓3か国の連携は、地域の平和と安定にとって不可欠であり、インド太平洋地域の平和と安定に係る3か国の堅固な意思を示し、力による一方的な現状変更を許容しない安全保障環境の創出に寄与するものと考えております。
記者:
関連してお伺いです。今月にあった米韓合同軍事演習がトランプ大統領の指示で縮小される形となりました。「フリーダム・エッジ26」への影響があるのか、統幕長のご見解を教えてください。
統幕長:
お尋ねにありました、トランプ大統領による投稿については承知しております。その上で申し上げれば、米側及び韓国側との「フリーダム・エッジ26」訓練の実施に向けて諸準備を進めておりますが、私の知り得るところ、現時点において本訓練の実施に特段の影響は出ていないと認識しております。
昨今の厳しい安全保障環境において、日米韓3か国の連携は地域の平和と安定にとって不可欠でありまして、本訓練を通じて引き続き3か国の協力を強化してまいりたい、このように考えております。
記者:
北方領土の関連で伺います。先日、プーチン大統領が初めて択捉島を訪問し、その後、北方領土周辺で軍事演習も行われました。この一連の動きに対する統幕長の受け止めと、プーチン大統領の択捉島訪問の意図について、我が国への示威行為であると捉えていらっしゃるのか、お考えをお聞かせください。
統幕長:
ロシアのプーチン大統領が、択捉島を訪問したとの報道については承知しております。しかしながら、統幕長としてプーチン大統領の択捉島訪問に関してお答えする立場にありません。また、目的・意図について確定的にお答えすることが困難であることをご理解ください。その上で申し上げますと、北方領土は、歴史的にも国際法上も我が国固有の領土でありまして、今般の訪問は、北方領土に関する我が国の一貫した立場と相容れないと承知しております。ロシアは近年、北方領土において、各種装備の配備や施設整備、大規模演習などの軍事活動を継続しておりまして、我が国周辺における中国との軍事面での連携を含む最近の動向も踏まえまして、重大な関心を持って情報収集・分析を行っているところであります。いずれにしましても、自衛隊としましては、ロシア軍の我が国周辺における動向について、引き続き強い関心を持って注視しますとともに、我が国周辺海空域における情報収集・警戒監視に万全を期してまいります。
記者:
自衛隊は今、南西シフトを進めていますが、こうしたロシアによる極東での活発な軍事活動が依然として続いていることを踏まえて、南西と北方、この二正面に対応するために、我が国の北方防衛の在り方というのは、これからどうあるべきだとお考えでしょうか。
統幕長:
防衛省・自衛隊としましては、これまでも国際情勢、そして、我が国を取り巻く安全保障環境を総合的に判断しながら、防衛力整備を進めてまいりました。各自衛隊、そして防衛力の配置におきましても、そういった総合的な判断の下に適切に行われてきたと考えております。現在、三文書の改定を行っておりますが、改定された暁には、それに基づいて粛々と、適切な防衛力の配置、そして訓練・演習等を行ってまいりたい、このように考えております。
記者:
今月でウクライナ侵攻から4年半が経過しましたが、侵攻の長期化がロシアによる北方領土や極東正面での軍事活動について、どのような影響や変化を与えているとお考えでしょうか。
統幕長:
ロシアによるウクライナ侵略は4年半を超えましたが、ウクライナ侵略を行う中にあっても、ロシアは我が国周辺において活発な軍事活動を継続しています。例えば、先週21日にも、今月3回目となりますロシアの情報収集機による我が国周辺の飛行を確認・公表したほか、中国とともに、本年6月には我が国周辺における長距離にわたる爆撃機の共同飛行、そして先月には我が国を周回する形で艦艇の共同航行を実施するなど、ロシアの軍事動向は中国との戦略的な連携と相まって、防衛上の強い懸念となっております。防衛省・自衛隊としましては、我が国周辺におけるロシアの軍事動向について、引き続き強い関心を持って注視するとともに、情報収集・警戒監視に万全を期してまいります。簡潔にまとめますと、長期化はしておりますが、我が国周辺の活動は抑制されるどころか、活発化しているように見て取れます。
記者:
「フリーダム・エッジ26」について一点伺わせてください。今年の共同訓練の特色や、これまで実施した3回の訓練との違い等があればお聞かせください。
統幕長:
前回の「フリーダム・エッジ25」と比べますと、規模についても内容についてもほぼ同じであります。一つだけ特徴的な事項は、今回の「フリーダム・エッジ26」におきまして、初めて米空軍のKC-135空中給油機が航空自衛隊の美保基地へ展開し、航空自衛隊の所属部隊と部隊間交流等を行う予定であります。
記者:
先月の頭に、統幕長が開設されましたXのアカウントについてお尋ねしたいと思います。開設から間もなく2か月が経ちます。その際の統幕長のご説明で、統幕長の視点からいろいろな立場・角度を変えた発信によって、国民の理解の一助としたいという趣旨のご回答をいただいていたかと思いますが、最近拝見すると、3週間ほどツイートがなかったり、その前は記者会見のホームページをそのまま上げていたりというところもありまして、ご説明にあったところとダイレクトに結び付かないのかなという印象もあるんですけれども、今後、せっかく開設されたアカウントで、どのような発信をされていきたいとお考えか、改めて伺いたいと思います。
統幕長:
ご指摘がありましたとおり、開設した際に、その目的というものをここでご紹介いたしましたが、その後、7月28日に令和8年熊本地震が起きまして、さらに2週間後に令和8年8月千葉豪雨が起きました。また、昨日の石川県、それと富山県氷見市における豪雨など、立て続けに自然災害が起きていることから、私がどういった形で発信するのが目的にかなうのかというところで、私の発信をせずとも、統合幕僚監部という組織としての発信で、ほぼ毎日のように活動状況をアップしておりましたので、ここでさらに私がこの状況の中で付け加えて発信することは控えた方がいいと思い、今ご指摘のような状況になっております。もう少し落ち着きましたら、当初ご説明しましたとおり、もう少し私の立場で分かりやすい形で、統合運用ですとか、私しか発信できないようなことに、もう少し力を注いでまいりたいと思います。