内倉統合幕僚長 記者会見
日時:令和8年8月7日(金)14:00~14:10
場所:防衛省A棟10階会見室
備考:定例会見
1.発表事項
本日は、私から、令和8年熊本地震について申し上げます。
7月28日16時27分頃、熊本県熊本地方を震源とする地震が発生いたしました。改めまして、お亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、謹んでご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。そして、被災されました全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。自衛隊は、引き続き、陸上自衛隊第8師団を中心とする自衛隊員、約5,100名態勢で活動を行っております。自衛隊は引き続き、自治体、関係機関や民間事業者と連携し、日々変化する被災者のニーズに少しでもお応えできるよう力を尽くしてまいります。
2.質疑応答
記者:
冒頭御発言にあった地震についてです。今週末、台風13号の接近が懸念され、現地でも備えが進んでいます。また、昨日には宇城市で発生した林野火災 もあって、自衛隊への派遣要請を受けての空中消火活動というのもありました。こうした災害が複合的に発生する可能性がある中で、今後の地震に対する救援活動の態勢維持に向けた準備状況等を伺いたいと思います。
統幕長:
まず、自衛隊としては、自治体、関係機関と緊密に連携しながら、気象情報や現地の状況について継続的に情報収集を行っております。その上で、被災地における支援活動については、住民の皆様の安全確保を最優先としつつ、可能な範囲で必要な支援を継続できるよう態勢を整えております。
実際、過去の熊本地震や能登半島地震におきましても、支援活動期間中に豪雨や酷暑、台風等の厳しい気象条件に直面した事例がありましたが、自衛隊は隊員及び被災者の安全を確保しつつ、支援を継続してまいりました。今回も自治体、関係機関や民間事業者と緊密に連携し、状況に応じて柔軟に、そして適切に対応してまいります。
現在実施している生活支援における給水支援に関しては、台風の状況を判断しつつ継続しています。入浴支援に関しては、防衛省が借り上げている民間船舶「はくおうⅡ」は、台風13号の影響により離岸しております。再開は10日以降になる見込みです。また、各所で提供している入浴支援につきましても休止又は一時休止の可能性があり、適宜、防衛省のHPにおいてご連絡させていただきます。
林野火災についてお尋ねがありました。今日、私ども、朝の定例会議におきまして、林野火災がこの時期に起きたことを複合災害と位置付け、両方にしっかり対応しようということでした。今回もしっかりと現地部隊で役割分担をしながら、必要な生活支援を継続しつつ、林野火災にも適切に対応できたものと思います。早期に鎮火できて良かったです。
記者:
北朝鮮がミサイルを発射しました。北朝鮮をめぐっては、先日の護衛艦「ちょうかい」のトマホークミサイル実射試験について、反発を表明しています。今回のミサイル発射との関係について、統幕長のお考えをお聞かせください。
統幕長:
まず、お尋ねがありました、トマホークミサイル実射試験を念頭において北朝鮮がミサイルを発射した可能性があるという報道につきましては承知しております。しかしながら、その関連性につきましては、北朝鮮による個々の発射の意図について、我が方から確定的にお答えすることは困難であることをご理解ください。そして、これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含めまして、一連の北朝鮮の行動は、我が国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであります。また、このような弾道ミサイル発射は、関連する安保理決議に違反していまして、国民の安全に関わる重大な問題であります。今回の発射については、我が国として北朝鮮に対し、北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議し、強く非難したと承知しております。防衛省としましても、国民の生命・財産を守り抜くため、引き続きアメリカや韓国とともに緊密に連携し、情報の収集・分析及び警戒監視に全力を挙げてまいります。
記者:
北朝鮮のミサイルに関しての質問です。海外の報道によると、ウクライナ国防省関係者の話として、北朝鮮のミサイル部隊がロシア南西部の州に展開を始めたという報道がございます。このようなミサイル部隊の展開は初めて見られるとのことですが、こうした報道も含めて、統幕長として、北朝鮮のミサイル技術の習熟度というのはどのように受け止めているのか教えてください。
統幕長:
ご質問のありました報道については承知しております。後半部分の習熟度については、我々も逐次分析しておりますが、事柄の性質上、ここでお答えすることは控えたいと思います。ロシアとの関連でのご質問でしたが、ロシアと北朝鮮の連携というのは、強化されていると認識しており、引き続き注視してまいります。
記者:
先日公表された今年の防衛白書で、北朝鮮・ロシア・中国の軍事連携が深まっていることへの記述というのが非常に多かったと思います。ロシアと北朝鮮による軍事面の連携で、これまでにない形でウクライナ侵攻などが進展しておりますが、改めて、周辺国のこうした軍事連携にどう対応していくのか、統幕長の考えを伺います。
統幕長:
ご質問のありました、令和8年版防衛白書においても記載されておりますように、中国とロシアの連携、さらにはロシアと北朝鮮の協力は、近年、軍事面を含めて着実に深化しているものと認識しております。とりわけ、中露の連携につきましては、爆撃機による共同飛行や艦艇の共同航行、各種共同演習等を継続的に実施しており、その活動態様も拡大しております。また、白書においても、中露両国によるこうした活動は、我が国に対する示威的な側面を有し、安全保障上の重大な懸念であると整理されており、私も同じ認識であります。また、露朝関係につきましても、北朝鮮によるロシアへの兵士の派遣及びウクライナとの戦闘への参加や、ロシアによる北朝鮮からの弾道ミサイルを含む武器・弾薬の調達及び使用など、露朝の軍事協力を深化させております。自衛隊としましては、これらの国々の軍事動向を引き続き高い関心を持って注視し、情報収集や分析についても万全を期してまいります。また、日米同盟の抑止力・対処力を強化するとともに、豪州・インド・韓国・フィリピンをはじめとする同志国との連携を一層強化してまいります。さらに、統合幕僚監部としましては、統合作戦司令部を中核とする統合運用体制の強化や、領域横断作戦能力の向上を通じて、我が国自身の防衛力・抑止力・対処力を着実に高めていく考えです。いずれにしましても、中露連携や露朝協力を含む安全保障環境の変化を的確に分析しながら、我が国の平和と安全を確保するため、警戒監視及び対領空侵犯措置等に万全を期してまいりたい、このように考えております。