内倉統合幕僚長 記者会見
日時:令和8年7月31日(金)16:30~16:39
場所:防衛省A棟10階会見室
備考:定例会見
1.発表事項
本日は、私から、令和8年熊本地震について申し上げます。
7月28日16時27分頃、熊本県熊本地方を震源とする地震が発生いたしました。お亡くなりになられた方に哀悼の誠を捧げますとともに、謹んでご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。そして、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。自衛隊におきましては、発災同日、熊本県知事から陸上自衛隊第8師団長に対し、情報収集、人命救助、物資輸送、生活支援等に係る災害派遣要請があり、同日1730に受理いたしました。これまでに人的被害や建物倒壊、火災や停電、道路の損壊など、大規模な被害が確認をされております。発災直後から警察、消防、自治体などと連携し、活動に当たってまいりました。今後も酷暑が続く中、厳しい生活を強いられている被災者の方々のニーズに少しでもお応えできるように全力を尽くしてまいります。
2.質疑応答
記者:
今のご発言に関連して、熊本地震で発災直後からクーラーの現地輸送やイオンモールでの捜索救助活動等、自衛隊がご活動されていると思いますが、現時点での所感や認識している課題について教えていただけますでしょうか。
統幕長:
現在までの活動において、自衛隊は自治体、警察、消防、関係機関等と緊密に連携しながら、人命救助、生活支援、物資輸送などの災害派遣活動に全力で取り組んでまいっております。多くの隊員が、被災者の皆様に寄り添いながら任務を遂行しているところであります。私自身、災害対応におきましては2点から成っていると思っています。1つ目は、命を救う活動であります。そして2つ目は、助かった命をつなぐ活動だと思っております。それらの活動に、西部方面隊、第8師団の隊員を中心に懸命に当たっております。また、陸・海・空自衛隊が一体となって統合運用能力を発揮し、関係機関との連携の中で対応できていると考えております。また、先週、統合防災演習を行いました。その際に想定したシナリオと今次発生しました地震とは内容は違いますが、関係機関との連携、そして指揮幕僚活動、そういったところについてはそのまま適用できることがありましたので、初動においては極めて迅速・的確に対応できていると思います。また、陸上自衛隊の特性が出ていると思っておりまして、私も25年ほど前に1年間、陸上自衛隊東部方面総監部に防災担当幹部として勤務した経験がありますが、陸上自衛隊は、もとより地元の方々との交流、関係構築を大変重視しております。そして、陸上自衛隊の言葉で「地皺を読む」という言葉があります。そのぐらい地元に対して、地域に対して知悉しています。そして地元の方々との交流もしっかり行っております。いろいろなレベルで交流し、信頼関係が構築できていると思います。関係機関の方々、警察、消防、そういったところと日頃の関係をフル活用しながら、今次の災害派遣においては、初動から的確・迅速に対応できているとみているところであります。また、先週の演習との共通点、酷暑下の災害派遣ということをテーマに行っております。被災者の方はもとより、災害派遣に当たる隊員も35度を超えるような環境下で実施しております。先週は、あくまでも指揮所演習でありましたが、そこで得られたノウハウというのを実践してくれているものと感じております。
補足として、午前中の大臣の会見からの変化事項を申し上げます。本日、陸上自衛隊のオスプレイ及び海上自衛隊のヘリコプターにより、熊本県西方海域に停泊中である「いせ」に搭載しておりました物資を高遊原分屯地などに輸送する予定であり、現時刻では概ね終わったような状況であります。また、同じく大臣から言及のありました陸上自衛隊による入浴支援の準備も順調に進んでおります。
記者:
2016年の熊本地震の際には、在日米軍からの災害派遣も一部、オスプレイを使用したものであったと把握していますが、今回の熊本地震では、在日米軍からの支援というものは予定されていますでしょうか。
統幕長:
現段階において、在日米軍からの協力を受ける予定はないと認識しております。他方で、発災直後から在日米軍司令官であるジョスト司令官から、「支援することがあれば遠慮なく申し出てほしい」とのことや、在日米軍のみならず、同志国の参謀総長から、同様の温かいメッセージをいただいております。いずれにしましても、米国、オーストラリア、そして同志国のカウンターパートと意思疎通をしっかりと図ってまいりたいと思います。
記者:
冒頭発言でもありましたが、酷暑の中での被災地支援になっていると思いますし、クーラーの輸送なども特徴的だと思います。先日のJXRでも、酷暑下の災害派遣を実施されていたというふうに、おっしゃられておりましたが、そこで得られたノウハウを実践できているという部分を、もう少しご説明いただくことは可能でしょうか。
統幕長:
一昨日、クーラーを約300個、経済産業省の方々と連携をしながら運んだわけですが、同様にそのような暑熱対策に関わる物資などの輸送というものが想定されておりましたので、クーラーの輸送を省庁間協力という観点で行いました。そして、使えるものを全て使う、すなわち、航空自衛隊のC-2輸送機の利用、そして、二次輸送では地元の陸上部隊がしっかりと被災者まで届けるといったような省庁間協力と統合運用、この2つの観点で、しっかりと実践できたと思っています。酷暑ということに対しましては、隊員1人1人に着目しますと、当初から大臣よりご指示、ご助言をいただいておりましたが、隊員も当然人間ですので、例えば、ネック・クーラーや、冷却タオルなどを活用しながら、あるいは、隊員はこのような際に頑張り過ぎますので、しっかりと指揮官は隊員の状況、顔色、目の輝きなどを見つつ、ローテーションを行いながら、フルに活動ができるように、そういった隊務管理や、部隊管理の指示を受けております。そういった言葉・指示を胸に刻みながら、各指揮官、そして各隊員は1人1人任務に当たっているというふうに考えております。