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内倉統合幕僚長 記者会見

日時:令和8年6月19日(金)14:00~14:18

場所:防衛省A棟10階会見室

備考:定例会見

    1.発表事項

    本日は、私から、米国主催多国間共同訓練「ヴァリアント・シールド2026」への参加についてお知らせいたします。
     自衛隊は、6月22日から7月1日までの間、米国主催多国間共同訓練「ヴァリアント・シールド2026」に参加し、自衛隊の戦術技量の向上を図るとともに、同盟国及び同志国との連携を強化し、インド太平洋地域における抑止力・対処力の強化を図り、我が国の防衛及び地域の平和と安定に寄与してまいります。

    2.質疑応答

    記者:

    冒頭述べられました「ヴァリアント・シールド2026」ですけれども、2回目の参加と承知しております。参加の意義と狙いについて教えてください。またお知らせではですね、各種戦術訓練等とありますが、具体的にどのような訓練を想定されているか可能な限り教えてください。

    統幕長:

    冒頭で申し上げましたとおり、自衛隊は6月22日から7月1日までの間、米国主催多国間共同訓練「ヴァリアント・シールド2026」に参加いたします。本訓練は、お尋ねのありましたとおり米軍が西太平洋地域において2006年から隔年で実施している実動訓練であり、自衛隊は、本訓練が多国間共同訓練へと拡大された2024年から諸外国と共に本格的に参加しており、2回目となります。我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、本訓練に参加し、自衛隊の戦術技量の向上を図るとともに、同盟国・同志国との連携を強化し、インド太平洋地域における抑止力・対処力の強化を図ることは極めて意義が高いと考えております。続きまして、戦術訓練の中身についてであります。まず、前回との相違点ということに関して申し上げますと、航空自衛隊の千歳基地に展開する米軍のC-17を活用した搭載検証を実施するほか、対航空戦闘訓練、統合対艦戦闘訓練、空挺降下訓練、衛生訓練、滑走路復旧訓練など、幅広い分野の訓練に参加する予定です。また、前回から追加された訓練項目としましては、共同対潜戦、共同電子戦、そして情報作戦、共同輸送などがあります。

    記者:

    「ヴァリアント・シールド2026」の関係で、鹿児島の鹿屋基地の方に一時展開される米軍のタイフォンとハイマースは、「ヴァリアント・シールド2026」の後に、「オリエント・シールド」終了後、10月中旬頃まで長期にわたって一時展開される予定ですけれども、今回のそれぞれの一時展開の意義をどのようにお考えかお願いいたします。

    統幕長:

    我が国周辺の安全保障環境が一層厳しく複雑になる中、我が国への武力攻撃そのものを抑止するために、日米同盟としての共同の抑止力・対処力を強化していくことが必要です。共同対艦戦闘訓練に参加するため、米陸軍のミサイルシステム、これらが、海上自衛隊鹿屋航空基地に一時展開し、引き続いて9月に実施する「オリエント・シールド」にも参加すると承知しています。
     高い機動性を有する米軍のアセットを自衛隊施設に一時展開させ、共同訓練を積み重ねることは、米軍の機動展開能力の向上に寄与するとともに、日米の即応性や相互運用性を向上させるものと考えております。
     自衛隊としましては、このような日米同盟の抑止力・対処力を強化するための取組を不断に検討し、引き続き、日米で連携して取り組んでまいりたいと考えております。

    記者:

    昨年、岩国基地に国内で初めてタイフォンが展開された際は、中国やロシアからの反発の声も上がりました。今回の一時展開に関しても、そうした地域情勢の影響が指摘される可能性がありますが、統幕長として地域の安定にどのような影響を与えると認識しているかお願いいたします。

    統幕長:

    繰り返しになりますが、今般の取組は、米軍の機動展開能力を向上させるとともに、日米の即応性や相互運用性を向上させるために実施するものであり、特定の国や地域を念頭に置いたものではありません。そのため、地域の緊張を高めるといったご指摘には当たらないと考えております。自衛隊としましては、引き続き我が国への武力攻撃そのものを抑止するべく日米同盟の抑止力・対処力を強化させるための取組を不断に検討し、日米で連携して取り組んでまいりたいと考えております。

    記者:

    今回も訓練に伴う米軍の一時的な展開ということですが、将来的に、タイフォンが国内に本格的に配備されたりとか常駐したりする可能性について現時点でどのようにお考えかというところと、将来的に日米でどのような運用態勢を構築していくことが望ましいと考えているかというお考えもお願いいたします。

    統幕長:

    まず、米軍の配備を含めた将来構想について、お答えする立場にはありません。その上で申し上げますと、午前中の大臣もおっしゃいましたが、本年9月に実施される日米共同訓練「オリエント・シールド」終了後に撤収のための作業を終えて、10月中旬をめどに鹿屋航空基地から一旦撤収し、在日米軍施設・区域に保管されますが、今回の展開は日本への恒久的な配備ではないとの説明をアメリカ側から受けていると承知しております。繰り返しになりますが、将来については予断をもってお答えすることは差し控えたいと思います。

    記者:

    タイフォンは米陸軍のアセットですが、自衛隊の基地で展開することによる運用上のメリットがあれば教えてください。

    統幕長:

    今次「ヴァリアント・シールド2026」において鹿屋航空基地を選定した理由ですが、航空輸送に必要な施設や整備が整っていること、また自衛隊の部隊運用、すなわち鹿屋航空基地に所在しております様々な部隊の運用に差し支えがないこと、3点目は、今ご指摘のあった装備品を一時展開する地積があるかどうか、こういったことを総合的に検討して、鹿屋航空基地で行うこととしました。軍種をまたいで米陸軍が海上自衛隊の基地に展開することの利点ということですが、現在は領域横断作戦という言葉が一般化しているように、どの軍種が、その自衛隊が、ということはさほど関係なくなっています。むしろ、水中、海上、陸上、航空、宇宙、それぞれのドメインに存在するアセットを最大活用しながら、データリンクとネットワークを活用しながら最大限発揮することが肝になっておりますので、今次、海上自衛隊の基地に米陸軍のアセットが展開することについて、私自身は何ら違和感は持っていないところであります。

    記者:

    今後、日米共同訓練を実施していく上で、今回のタイフォンの例のように、自衛隊の基地に米軍アセットが展開するケースが増えていくのかどうか、どのような見通しをお持ちか教えてください。

    統幕長:

    その都度、総合的に検討し、適切に判断することになるかと思いますので、予断をもってお答えすることは差し控えたいと思います。いずれにしましても、日米同盟において抑止力・対処力を高めていくことについては、検討を含めて揺るぎない方向性だと思っております。

    記者:

    先ほど、タイフォン、ハイマースを一時展開する意義についてご説明いただいたと思いますが、タイフォンに限って言いますと、米中のミサイル戦力の差が言われている中でのタイフォンの一時展開の戦略的意義について、どのようにお考えでしょうか。

    統幕長:

    米中のミサイル戦力比でありますが、どの資料を用いるかによって戦力の差というのは一概には言えないところがございます。また、今般の「ヴァリアント・シールド2026」は、特定の地域や国等を念頭に置いたものではありませんので、お答えは差し控えたいと思います。

    記者:

    イラン情勢関連で、米国とイランが覚書に署名したことへの受け止めがありましたらお願いいたします。また、海峡での機雷除去の必要性についても触れられていますが、自衛隊派遣の必要性などについて現状コメントがあればお願いいたします。

    統幕長:

    今回の覚書署名を、事態収束に向けた大きな一歩として歓迎いたします。今後、米国・イランの合意とそれに伴う実際の情勢を見極めていきたいと考えておりますが、いずれにしましても、自衛隊の派遣については何ら決まっておりませんで、同盟国であるアメリカや、同志国、関係国ともよく意思疎通をしながら、国際法及び国内法の範囲の中で必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

    記者:

    米国防総省が「インド太平洋軍」を「太平洋軍」に改称したことを発表したことについて、統幕長の所感をお聞かせください。

    統幕長:

    米国時間の6月16日、米インド太平洋軍は、「インド太平洋軍」の名称を「太平洋軍」とすること、名称変更後もその担当地域に変わりはないことを発表したと承知しております。同時に名称変更後も、その担当地域や基本的任務、そして、自由で開かれた作戦地域を維持するという揺るぎないコミットメントに変わりはないことを発表しているとも承知しています。
     その上で、私としては、アメリカの国家防衛戦略、これまでの日米防衛相会談、先月のシャングリラ会合におけるヘグセス長官のスピーチなどを通じ、アメリカがインド太平洋地域を重視していることは累次にわたって明確に示されており、この地域におけるアメリカのコミットメントに、揺るぎはないものと確信しています。なお、私自身もパパロ司令官と緊密に連絡を取りあっており、同じ内容を確認しております。
     引き続き、日米で緊密に連携し、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化するとともに、率先して地域の平和と安定に貢献してまいります。

    記者:

    統幕長からパパロ司令官に、何か伝えたことはありますでしょうか。

    統幕長:

    相手がございますので、控えたいと思いますが、我々の連携、それから友情は揺るぎないということ、そういった趣旨のことを回答しました。

    記者:

    インド太平洋軍の名称が、日本外交が進めてきたFOIPの成果として象徴されるものの一つだと考えられますが、ある意味で「インド」が抜けることで、FOIPの考え方が減退したり、クアッドの枠組みに影響したりとか、そういった懸念について統幕長は、どうお考えでしょうか。

    統幕長:

    繰り返しになり恐縮ですが、名称変更後も、その担当地域や基本的任務、そして、自由で開かれた作戦地域を維持するという揺るぎないコミットメントに変わりはないことを発表していると承知しています。また、アメリカの国家防衛戦略、これまでの日米防衛相会談、先月のシャングリラ会合におけるヘグセス長官のスピーチなどを通じ、アメリカがインド太平洋地域を重視しているということは、累次にわたって明確に示されておりまして、この地域におけるアメリカのコミットメントは揺るぎないものと確信しております。名称変更後も不変だと考えております。

    記者:

    「ヴァリアント・シールド2026」について、タイフォンの実弾射撃は実施しないとのことですが、ミサイルは持ち込むのでしょうか。また、9月の訓練後にタイフォンは10月中旬から在日米軍基地区域で保管するとのことですが、具体的な場所、期間は決まっているのでしょうか。

    統幕長:

    米軍の運用に関わることですのでお答えを差し控えたいと思います。また、2つ目のお尋ねについて、在日米軍基地のどの場所かについては、私自身は承知しておりません。

    記者:

    タイフォンについて、フィリピンでは過去、訓練参加から現在まで配備が続いているかと思います。日本でも、自衛隊施設ではなく、在日米軍関連施設で配備が続くという懸念はないでしょうか。

    統幕長:

    米軍のタイフォンがフィリピンに常続的に置いてある、この事実について、私自身はしっかりとした内容を承知しておりませんので、お答えは控えたいと思います。その上で申し上げますと、日本においての今後の配備についても、先ほどのお尋ねと同じように米軍の運用のことですので、現時点において私が予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。また、懸念という言葉についても同じであります。

    記者:

    タイフォンの存在は、日本が今、力を入れているスタンド・オフ防衛能力についてプラスになるとお考えでしょうか。

    統幕長:

    繰り返しになって恐縮ですが、今般の一時展開は、米軍の機動展開能力の向上に寄与するとともに、日米の即応性や相互運用性を向上させるものと考えております。従いまして、お尋ねのありましたスタンド・オフという文脈のみではなく、総合的に日米同盟の抑止力・対処力の向上、そしてなかんずく米軍の即応性、そして日米間の相互運用性を向上させるものだというふうに考えております。