山崎統合幕僚長 記者会見
日時:令和3年12月16日(木)14:30~14:45
場所:防衛省A棟10階会見室
備考:定例会見
1.発表事項
まず初めに、本年12月8日、インド南部タミルナド州において、インド国防参謀長、ビピン・ラワット陸軍大将が搭乗したインド空軍ヘリコプターが墜落し、ラワット大将がお亡くなりになりました。私が陸上幕僚長を務めていた時期からのカウンターパートであります。故ラワット大将とは、数多くの会談等を通じ、インド太平洋における安全保障上の認識を共有しました。故ラワット大将は、共同訓練や防衛交流などの成果を多く残され、日印の防衛交流の推進に大きく貢献されました。大変信頼できる私の友人である故ラワット大将に対し心からお悔やみ申し上げます。
本日が今年最後の会見となります。今年一年の総括を述べさせて頂きたいと思います。現在の我が国を取り巻く安全保障環境はより一層厳しさを増していると感じています。周辺国による軍事力の更なる強化や軍事活動の活発化の傾向は依然として顕著であります。
中国についてですが、尖閣諸島周辺において、海警局船舶が連日にわたり接続水域内で確認されるとともに、領海への侵入を繰り返しております。また、新型空母の建造や極超音速ミサイルの開発など軍事力を近代化しており、接近阻止及び領域拒否の能力の強化などを図っております。10月には、中露艦艇による我が国の周回航行及び11月には両国軍機の共同飛行など、軍事的連携を強化するとともに、その活動を活発化させております。
北朝鮮は、3月以降、合計6発の弾道ミサイルを日本海へ発射するなど、ミサイル関連技術及び運用能力の向上を図っております。
ロシアは、核戦力を含む装備の近代化を推進し、極東地域へ最新装備を配備するとともに、新型兵器の開発等や新領域における活動を活発化させており、その動向を注視する必要があります。
この厳しい安全保障環境下においても、自衛隊の使命を果たすべく、日々の警戒監視、対領空侵犯措置、弾道ミサイル攻撃対処、瀬取り対応をはじめ、各種事態に対し平素から切れ目なく対応するための態勢を保持することができたと思っています。
国内における活動については、全国の総接種回数の約1%にあたる約196万人に対してワクチン接種をおこなった自衛隊大規模接種センターの運営や、熱海市をはじめとした豪雨災害への対応、離島からの急患輸送、鳥インフルエンザ、豚熱、山林火災などに対する災害派遣、東京オリンピック・パラリンピック支援など、様々な任務に柔軟に対応して参りました。また、11月に行われた自衛隊統合演習をはじめとする各種の訓練・演習では、新たな領域を有機的に融合させた統合運用や領域横断作戦に必要な能力の向上に努めて参りました。
国外においては、ソマリア沖・アデン湾において、海賊対処活動や中東における情報収集活動を継続し、船舶の安全な航行を確保してまいりました。加えて、積極的平和主義のもと、UNMISS、MFOへの要員派遣など、国際平和活動等にも取り組んできました。また、8月には、アフガニスタン情勢を受け、輸送機等4機を現地に派遣し、在外邦人等の輸送を実施いたしました。日米関係においては、我が国防衛の基軸である日米同盟の強化にあたり、インド太平洋軍司令官と在日米軍司令官とともに、南西方面の日米共同部隊訪問等を通じて離島防衛の重要性を再認識いたしました。
各国との安全保障協力については、日本に寄港したイギリス、フランス、ドイツとの共同訓練といった、様々な防衛協力・防衛交流を行うなど、特に、欧州各国との関係が「新たな段階に入った」と表現するにふさわしい一年にすることができたと思っています。
自衛隊は、これまでの経験と得られた教訓を生かし、引き続き国家、国民の皆様の安心・安全を確保するため、陸海空自衛隊が一丸となり、使命の完遂に全力を尽くしていきます。