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第II部 わが国の安全保障・防衛政策

4 各国との比較

国防費について国際的に統一された定義がないこと、公表国防費の内訳の詳細が必ずしも明らかでないこと、各国ごとに予算制度が異なっていることなどから、国防支出の多寡を正確に比較することは困難である。

そのうえで、わが国の防衛関係費と各国が公表している国防費を、経済協力開発機構(OECD:Organization for Economic Co-operation and Development)が公表している購買力平価5を用いて、ドルに換算すれば、図表II-4-2-5(主要国の国防費(2021年度))のとおりであり、わが国は、G7諸国、オーストラリア及び韓国と比較し、国防費の対GDP比は最も低い。また、1人当たりの国防費は、オーストラリア・韓国・英国・フランス・ドイツいずれもわが国の約2から3倍となっている。なお、北大西洋条約機構(NATO:North Atlantic Treaty Organization)加盟国は、2024年までに対GDP比2%以上の国防支出を達成することで合意しており、NATOの発表によると、2021年(推定額)は米国、英国を含む8か国が2%を上回っている。

図表II-4-2-5 主要国の国防費(2021年度)

また、1998年以降における主要国の国防費の推移は、図表II-4-2-6(主要6か国の国防費の推移(対数グラフ))のとおりである。

図表II-4-2-6 主要6か国の国防費の推移(対数グラフ)

参照資料11(各国国防費の推移)

5 各国でどれだけの財やサービスを購入できるかを、各国の物価水準を考慮して評価したもの。
なお、それぞれの通貨単位を外国為替相場のレートにより換算する方法もあるが、この方法で換算した国防費は、必ずしもその国の物価水準に照らした価値を正確に反映するものとはならない。