サイバー領域の利用については、脅威認識の共有、サイバー攻撃対処に関する意見交換、多国間演習への参加などにより、関係国との連携・協力を強化することとしている。
防衛省は、オーストラリア、英国、ドイツ、エストニアなどとの間で、防衛当局間によるサイバー協議を設け、脅威認識やそれぞれの取組に関する意見交換を行っている。また、NATOとの間では、防衛当局間のサイバー協議である「日NATOサイバー防衛スタッフトークス」を実施するとともに、2019年12月には、これまでオブザーバーとして参加していたNATO主催のサイバー防衛演習「サイバー・コアリション2019」に初めて正式に参加するなど、運用面での協力も見据えた取組を行っている。
さらに、エストニアに設置されているNATOサイバー防衛協力センター(CCDCOE:Cooperative Cyber Defence Centre of Excellence)が主催する「サイバー紛争に関する国際会議」(CyCon:International Conference on Cyber Conflict)への参加のほか、同年3月より、防衛省から同センターに職員を派遣し、NATOとのサイバー分野での協力関係を発展させている。また、これまでオブザーバー参加していたCCDCOE主催のサイバー防衛演習「ロックド・シールズ2021」に、2021年4月にわが国として初めて正式に参加した。
このほか、シンガポール、ベトナム、インドネシアの防衛当局との間で、ITフォーラムを実施し、サイバーセキュリティを含む情報通信分野の取組及び技術動向に関する意見交換を行っている。また、能力構築支援として、2017年12月、2019年3月及び同年8月並びに2020年1月に、ベトナム軍に対するサイバーセキュリティ分野の人材育成セミナーを実施するなど、協力の拡大を図っている。