わが国は、米国との間で、1992年以降、29件の共同研究と2件の共同開発を実施している。現在は、5件の共同研究(①モジュール型ハイブリッド電気駆動車両システム、②無人航空機へ適用するAI技術、③高出力マイクロ波システム、④無人水中航走体の水中障害物回避、⑤AI搭載無人航空機の安全性確保技術)のほか、科学技術者の相互派遣を行っている。
また、日米は、極超音速滑空兵器(HGV:Hypersonic Glide Vehicle)を滑空段階で迎撃するという課題に対し、両国の技術を結集して対処していくため、2023年8月、滑空段階迎撃用誘導弾(GPI:Glide Phase Interceptor)の共同開発を開始することを決定した。
さらに、2025年6月、防衛省および米戦争省は、「無人水中航走体の水中障害物回避に係る日米共同研究」に関する事業取決めの署名を行った。本研究は、水中戦において求められる長期化する任務への対応のため、複雑な実海洋環境において無人水中航走体の航行上の危険を検知・回避できる状況認識・対処能力の向上を目指すものである。
また、同年9月、防衛省および米戦争省は、「AI搭載無人航空機の安全性確保技術に係る日米共同研究」に関する事業取決めの署名を行った。本研究は、人工知能(AI)搭載無人航空機の安全性確保を目指し、ランタイム・アシュアランス6(RTA:Runtime Assurance)技術について共同で研究を実施するものである。ここで得られた成果は、次期戦闘機と連携する無人機などに適用することが期待されている。
このほか、2023年には、ペトリオット・ミサイルの米国への移転について、国家安全保障会議において海外移転を認め得る案件に該当することを確認している。本移転は、米軍および世界規模においてペトリオット・ミサイルの需要が予想を超える水準にあるなか、米国からの要請に応え、米軍のペトリオット・ミサイルの在庫をできるだけ早く補完し、米軍の態勢を支えるというこれまでに例のない取組である。これは、米国との安全保障・防衛協力を新たな段階へと高めるとともに、わが国の安全保障およびインド太平洋地域の平和と安定に寄与するものである。
参照3節4項(次期戦闘機の共同開発)、III部1章2節3項(無人アセット防衛能力の強化)、資料79(日米共同研究・開発プロジェクト)