馬毛島(まげしま)における施設整備について
馬毛島に自衛隊施設を整備する必要性
我が国を取り巻く安全保障環境は格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増しています。
我が国の周辺には、質・量に優れた軍事力を有する国家が集中し、軍事活動の活発化が顕著となっています。
我が国島嶼部に対する攻撃への対処等のため、南西地域に自衛隊の活動・訓練拠点を整備
南西諸島は南北に長大ですが、自衛隊の施設は限定されており、自衛隊の活動・訓練拠点の「空白地域」です。
緊急時の活動拠点、平素の訓練拠点が必要です。
アジア太平洋地域における米空母の活動を確保し、日米同盟の抑止力・対処力を維持・強化
米空母がアジア太平洋地域で恒常的に活動するためには、FCLP施設が我が国に必要です。
硫黄島は配備地(岩国)から遠く安全性が問題となっています。

大規模災害発生時には、この地域における救援活動が、より的確に行えるようになります。
航空自衛隊の馬毛島基地(仮称)の施設配置案
種子島の施設整備
安定的な運用・適切な維持管理のための施設
航空自衛隊の馬毛島基地(仮称)を整備するにあたっては、種子島において、馬毛島基地(仮称)の一部として、馬毛島の施設の安定的な運用及び適切な維持管理を目的とした施設を整備することとしています。
今後、関係機関等との調整を経て、決定していくこととなります。
宿舎
航空自衛隊の馬毛島基地(仮称)に恒常的に勤務する自衛隊員は、150名~200名程度を見込んでおり、自衛隊員とその家族は、種子島に整備する宿舎に居住することとしています。
宿舎は、西之表市、中種子町、南種子町に配置する計画です。
具体的な設置場所等は、種子島内での用地調査をもとに、部隊運用、交通の便、周辺環境などの様々な条件を考慮し決定します。

港の活用
通勤のために、種子島~馬毛島間を運航する定期便を、民間業者に委託する予定です。
中種子町の浜津脇港は、種子島の中央に位置し、宿舎との位置関係等を踏まえ、通勤港として活用したいと考えています。また、港の利用状況に応じて、西之表港などの港も活用する計画です。
環境アセスメント
馬毛島の自衛隊施設の整備は、環境影響評価法を順守し、環境に配慮して進めていきます。
これまでの主な経緯
令和3年2月 | 環境アセスメントの手続きを開始 調査、予測、評価の手法についての計画を示した 環境影響評価方法書を公告 ☞参考 馬毛島基地(仮称)建設事業に係る環境影響評価方法書のあらまし |
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令和3年4月 | 環境影響評価方法書についての意見書の概要を鹿児島県知事等へ送付 ☞参考 環境影響評価方法書についての意見書の概要 |
令和3年7月 | 環境影響評価方法書に関して、環境保全の見地からの鹿児島県知事等から意見を受領 |
令和4年4月 | 環境影響評価準備書を公告 ☞参考 馬毛島基地(仮称)建設事業に係る環境影響評価準備書のあらまし |
主な取組
西之表市との協議の場(令和4年2月~)
令和4年2月、西之表市からのご提案を踏まえて、馬毛島における自衛隊施設の整備に関する、鹿児島県西之表市と防衛省との協議の場を設置しました。
この協議の場において、市民の方々の期待に応え、不安を解消する方策について西之表市と議論を積み重ねています。
過去の西之表市との協議の場の資料
第1回(2022年2月28日) | |
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第2回(2022年3月16日) | |
第3回(2022年4月6日) | |
第4回(2022年4月11日~12日) | |
第5回(2022年4月19日) | |
第6回(2022年5月18日) | |
第7回(2022年6月15日) |
中種子町長及び中種子町議会への説明(令和4年5月)
令和4年5月、最近の防衛省の取組等について、中種子町長及び中種子町議会に説明しました。
地域と自衛隊との連携について説明・公表(令和4年4月)
部隊の安定的な活動には、地域社会の支えが不可欠です。地域と自衛隊との連携について説明し、公表しました。
防衛大臣の馬毛島視察(令和4年4月)
令和4年4月、防衛大臣として初めて馬毛島を訪れました。また、種子島で八板西之表市長、田渕川中種子町長、小園南種子町長と面会し、地元自治体と緊密に連携しながら、航空自衛隊の馬毛島基地(仮称)の整備を進めていくとの防衛省の考えを改めてお伝えしました。




令和4年度予算案・日米「2+2」の説明(令和3年12月~令和4年1月)
鹿児島県、西之表市、中種子町、南種子町等に対して、環境アセスメント後の工事費を計上した令和4年度予算案や日米「2+2」といった、年末から年始にかけて進めてきた様々な取組について説明しました。
基地の施設配置案、種子島の施設整備、環境保全措置の検討状況及び交付金・補助金について説明・公表(令和3年12月)
鹿児島県並びに西之表市・中種子町・南種子町それぞれの首長及び議会等に対して、基地の施設配置案や交付金・補助金の事例等について説明し、公表しました。
馬毛島基地の施設配置案、種子島の施設整備、環境保全措置の検討状況について
交付金・補助金について
港湾施設の整備について説明・公表(令和3年8月)
港湾施設の配置案、海上ボーリング調査の進捗状況、漁業補償などについて説明し、公表しました。
デモフライトの実施、音の測定結果について説明・公表(令和3年5月・6月)
馬毛島周辺で、実際のFCLPに近い方法により空自戦闘機を使用したデモフライトを実施しました。(5月16日・25日の日中・夜間)
この際、西之表市、中種子町、南種子町、屋久島町、南大隅町、三島村に測定器を設置し、音の状況を把握しました。
デモフライトの音の状況について説明し、公表しました。(6月)
説明会等での質問への回答・公表(令和3年4月)
住民の方々に等しく情報をお届けするため、住民説明会等における「騒音・環境」等の質問への回答を公表しました。
住民意見書の概要の送付・公表(令和3年4月)
環境アセスメント方法書に関する住民意見書の概要を、鹿児島県知事、西之表市長、中種子町長、南種子町長、屋久島町長、南大隅町長に送付し、公表しました。
馬毛島基地(仮称)建設事業に係る環境影響評価方法書についての意見概要書(PDF)
環境アセスメント方法書に関する住民説明会の実施(令和3年3月)
環境アセスメント方法書を縦覧するとともに、地域住民の方々に対して、環境アセスメント方法書について説明しました。(計5回)
馬毛島基地(仮称)建設事業に係る環境影響評価方法書のあらまし(PDF)
説明会の実績
西之表市、中種子町、南種子町、屋久島町、南大隅町
馬毛島に自衛隊施設を整備する必要性、自衛隊の訓練計画について説明・公表(令和2年11月)
鹿児島県知事、西之表市長、中種子町長、南種子町長、屋久島町長、南大隅町長に対して、「馬毛島に自衛隊施設を整備する必要性」や「馬毛島における自衛隊の訓練計画」について説明し、公表しました。
西之表市及び西之表市議会馬毛島対策特別委員会からの質問書等への回答(令和2年2月、3月、4月、9月、11月)
「施設整備」や「交付金・補償金」などに関する質問(西之表市52問、西之表市議会馬毛島対策特別委員会72問)に回答しました。
過去の質問書等への回答
馬毛島の施設整備に関する住民説明会等の実施(令和2年10月~12月)
地域住民の方々に対して、馬毛島における施設整備について説明しました。(計35回)
説明会の実績
地域住民の方々に対して、西之表市校区長会:1回
住民説明会:19回(西之表市16回、中種子町2回、南種子町1回)
市町議会 :西之表市議会、中種子町議会、南種子町議会
各種8団体:商工会、漁協、農協等
馬毛島における施設整備について説明しました。(計35回)
馬毛島の施設整備について説明・公表(令和2年8月)
鹿児島県知事、西之表市長、中種子町長、南種子町長に対して、山本防衛副大臣(当時)から、馬毛島における施設整備について説明し、公表しました。
その他
馬毛島の特性
- 我が国の南西地域に所在。
- 種子島から約10キロ離れており、2019年12月20日時点において、無人島。
- 平坦な地形であり、滑走路等の施設建設が比較的容易。


FCLP(空母艦載機着陸訓練)とは
FCLP(Field-Carrier Landing Practice)の概要
FCLPとは、空母出港前に空母艦載機パイロットの資格を回復するために必要な訓練です。

FCLP訓練は、年間概ね1~2回を予定しています。
現在硫黄島で実施されている訓練は1回当たり10日間程度で、訓練は日中から深夜にかけて実施します。
なお、事前の準備を含め1回の訓練期間は、約1ヶ月で実施予定です。
FCLPの経緯
FCLP施設に係る主な経緯
- FCLP(空母艦載機着陸訓練)は、空母ミッドウェイが横須賀を母港化した昭和48年に三沢、岩国の各飛行場で開始され、昭和57年からは主として厚木飛行場で実施していたが、市街化が進展したため、特に夜間の訓練(NLP)による深刻な騒音問題が発生。(平成24年5月には、厚木飛行場において3日間訓練が実施)。
- また、米側も厚木飛行場では十分な訓練ができないとして、 代替訓練場の確保を要請。暫定措置として平成3年から硫黄島での訓練の一部を開始。平成5年度以降、本格的な訓練を実施。
- 一方、米側は硫黄島は厚木飛行場から約1,200㎞の遠距離に所在し、緊急時の代替飛行場もないことなどから訓練に種々の負担・制約があり、安全面等から早期の代替訓練場の確保を強く要請。

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平成17年10月「2+2」「日米同盟:未来のための変革と再編」
恒常的な訓練施設の特定。
それまでの間、現在の暫定措置に従い、米国は引き続き硫黄島でFCLPを実施。 -
平成18年5月「2+2」 共同発表「再編の実施のための日米ロードマップ」
恒常的な空母艦載機離発着訓練施設について検討を行うための二国間の枠組みが設けられ、
恒常的な施設を2009年7月又はその後のできるだけ早い時期に選定することを目標とする。 -
平成23年6月「2+2」「在日米軍の再編の進展」
新たな自衛隊施設のため、馬毛島が検討対象とされ、同施設は、併せて米軍のFCLP施設として使用される旨記載。 - 平成29年9月、5年ぶりに厚木飛行場においてFCLPを実施(9月1日(金)から5日(火)までのうち、日曜日を除く4日間の日中)。
- 平成30年3月、空母艦載機部隊が厚木飛行場から岩国飛行場に移駐完了。
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平成31年4月「2+2」
米国は、馬毛島の取得に係る日本の継続的な取組に対する評価を表明。恒久的な施設整備の早期完了のため、緊密に取り組む。 -
令和4年1月「2+2」
日本側は、馬毛島における施設整備を進めることとし、環境影響評価プロセス終了後に着手する建設工事の経費を来年度予算案に計上したことを説明の上、早期の整備に向け政府全体として努力していく旨表明。米側は日本側の取組を歓迎。
過去(令和2年7月以前)の御説明資料等
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2022年6月15日更新