硫黄島における米空母艦載機着陸訓練

米空母艦載機着陸訓練(FCLP:Field Carrier Landing Practice)とは

空母艦載機が、海上で安全に着艦できるよう、パイロットの練度の維持・向上を目的として、 陸上の飛行場の滑走路の一部を空母に見立てて実施する着陸訓練で、米海軍の艦載機のパイロットにとって必要不可欠な訓練です。

硫黄島におけるFCLPの経緯

昭和57年2月から、米海軍空母ミッドウェイの艦載機による夜間着陸訓練が、厚木基地で行われるようになったため、 市街地化の進展が著しかった同飛行場の周辺地域においては、当該訓練による騒音等の問題が発生しました。

平成元年1月、厚木飛行場周辺地域における航空機騒音を軽減するためには、同飛行場で実施されている 空母艦載機による夜間着陸訓練を早期に他に移転することが重要と考え、代替施設を確保するまでの間、

硫黄島を暫定的に使用することについて、米側と合意を得ました。

これを受け、平成元年度から4ヶ年の計画により、硫黄島に灯火施設等滑走路関連施設、給油施設、宿舎及び倉庫等の施設が整備されました。

この施設整備が進められている中、平成3年8月、硫黄島において初のFCLPが行われ、 施設整備が概ね完了した平成5年度以降、本格的なFCLPが同島において行われることとなりました。

北関東防衛局による訓練支援

北関東防衛局は、硫黄島におけるFCLPが円滑に行われるよう、職員を硫黄島に派遣し、器材の使用及び支援物資の輸送に関する連絡調整、 訓練施設の維持管理、給食などの役務の調達・提供等の支援を行っています。

北関東防衛局としては、今後とも、恒久的なFCLP施設を確保するまでの間、暫定的なFCLP施設である硫黄島において多くの訓練が実施され、 本土の飛行場周辺における航空機騒音の軽減が図られるよう努めてまいります。