海賊対処行動

海賊事案が多発するソマリア沖・アデン湾

 ソマリア沖・アデン湾は、アジアとヨーロッパを結ぶ海上輸送の大動脈。毎年、我が国に関係のある約2,000隻を含む、およそ20,000隻の船舶が通過します。
そんな重要な海域であるアデン湾で、近年海賊による被害が拡大しているのです。

ソマリア沖・アデン湾における海賊対処のための活動(統合幕僚監部)

我が国の取り組み

 我が国はこうした状況に対して、海上警備行動に基づく護衛艦による民間船舶の護衛と海賊対処法の整備という対応策を講じました。 アデン湾では、2隻の護衛艦が護衛対象の船舶を前と後ろからガードし、900kmほどの航路を一日半ほどかけて進んでいきます。P-3C哨戒機はアデン湾上空をパトロールし、不審な船舶を発見した場合などに、護衛艦や他国の艦艇、周囲を航行する民間商船等に随時情報を提供します。
平成21年7月に海賊対処法による護衛活動が開始されてからは、我が国に関係する船舶だけではなく、あらゆる船舶を護衛することができるようになりました。

■第151連合任務部隊(CTF151)への参加


 平成25年7月、防衛省・自衛隊は、より柔軟かつ効果的な運用を行うため、海賊対処を行う多国籍部隊であるCTF151に参加して、ゾーンディフェンスを実施することを決定しました。


 これを受けて、海上自衛隊・水上部隊は、これまでの直接護衛に加え、同年12月からCTF151に参加して各国が連携して護衛を行うゾーンディフェンスを実施しています。


 同じく海自・航空隊も、平成26年2月からCTF151に参加しました。
これにより、広範な情報の獲得及び柔軟な警戒監視が可能となるなど、各国のとの連携も強化されました。

 さらに、平成26年8月からは、CTF151司令部に要員を派遣するとともに、平成27年5月から8月までの間、多国籍部隊の司令官として自衛隊創設以来初めてとなるCTF151司令官を派遣し、各国部隊との連携強化及び自衛隊の海賊対処行動の実効性を向上させてまいりました。

 平成29年3月からは海上自衛隊では2人目の司令官を派遣しました。
 今後もCTF151の活動に積極的に参加することにより、わが国として国際社会の平和と安定に一層貢献していくことができるものと考えています。


■CTF151 司令官派遣

※官職名・階級は、派遣当時のものです。

①派遣期間:平成30年3月上旬~6月下旬
 派遣隊員:第3護衛隊群司令 海将補 梶元 大介

②派遣期間:平成29年3月上旬~6月下旬
 派遣隊員:第4護衛隊群司令 海将補 福田 達也

③派遣期間:平成27年5月~8月
 派遣隊員:第4護衛隊群司令 海将補 伊藤 弘

写真で見る派遣海賊対処行動航空隊/派遣海賊対処行動支援隊の活動

写真で見る水上部隊の活動

動画で見る派遣海賊対処行動水上部隊