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第III部 防衛目標を実現するための3つのアプローチ

2 大量破壊兵器の不拡散などのための国際的な取組

北朝鮮やイランなどが大量破壊兵器・ミサイル開発を行っているとして強く懸念した米国は、2003年5月、「拡散に対する安全保障構想(PSI:Proliferation Security Initiative)4」を発表し、各国にこの構想への参加を求めた。これに基づき、大量破壊兵器などの拡散阻止能力の向上のためのPSI訓練などをはじめ、政策上、法制上の課題の検討のための会合を開催するなどの取組が行われている。

防衛省・自衛隊は、関係機関・関係国と連携し、各種会合に自衛官を含む防衛省職員を派遣するとともに、継続的に訓練に参加している。

2022年8月、米国で実施された「拡散に対する安全保障構想(PSI)」訓練「Fortune Guard 22」に陸自化学学校の隊員などが関係機関の職員とともに参加した。参加者は、机上訓練及び港湾訓練においてPSI活動に関する取組の共有や国際的な連携などに関する討論などを行った。

PSI訓練において各国、関係機関代表者とのディスカッション(2022年8月)

PSI訓練において各国、関係機関代表者とのディスカッション(2022年8月)

防衛省・自衛隊としては、わが国周辺における拡散事例などを踏まえ、大量破壊兵器などの拡散防止や、自衛隊の対処能力の向上などの観点から、各種訓練や会合の主催、他国の実施する同種活動への参加など、PSIを含む不拡散体制の強化に向けて取り組んでいる。

参照資料62(PSI訓練への防衛省・自衛隊の参加実績(2012年度以降))

動画アイコンQRコード資料:軍備管理・軍縮及び不拡散への取組
URL:https://www.mod.go.jp/j/approach/exchange/dialogue/fukakusan/index.html

4 大量破壊兵器及びその関連物資などの拡散を防止するため、既存の国際法、国内法に従いつつ、参加国が共同して取り得る措置を検討し、また、同時に各国が可能な範囲で関連する国内法の強化にも努めようとする構想