第II部 わが国の安全保障・防衛政策
第2節 国家防衛戦略の内容
本節では国家防衛戦略（防衛戦略）の策定の趣旨や内容について記載する。防衛戦略の内容は、既に防衛省HPで公表されていることから、本節では、防衛戦略における要点を中心に、その背景や考え方などを記載する。なお、策定の経緯については、第II部第1章第3節（わが国の安全保障政策の体系）を参照。
1 基本的な考え方─防衛力の抜本的強化─
防衛戦略は、以下の認識のもと、1976年以降6回策定されてきた自衛隊を中核とした防衛力の整備、維持及び運用の基本方針である防衛大綱に代わって、わが国の防衛目標、この防衛目標を達成するためのアプローチ及びその手段を包括的に示すものである。
今般、防衛戦略及び整備計画において、政府が決定した防衛力の抜本的強化とそれを裏付ける防衛力整備の水準についての方針は、戦後の防衛政策の大きな転換点となるものである。中長期的な防衛力強化の方向性と内容を示す防衛戦略の策定により、こうした大きな転換点の意義について、国民の理解が深まるよう政府として努力していく。
また、安保戦略、防衛戦略及び整備計画に示された防衛力の抜本的強化の方向性などに基づき、令和5年度以降に実施する事業などの進捗管理を徹底し、防衛省・自衛隊が一丸となり、予算を効果的かつ効率的に執行していくため、2023年4月、浜田防衛大臣のもとに「防衛力抜本的強化実現推進本部」を立ち上げた。こうした体制のもと、防衛力の抜本的な強化を実現していく。
防衛力抜本的強化実現推進本部会議の様子
