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第II部 わが国の安全保障・防衛政策

6 30大綱

30大綱8は、わが国を取り巻く安全保障環境が格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増していることを踏まえ、「統合機動防衛力」の方向性を深化させた真に実効的な防衛力を構築すべく策定された。

具体的には、①全ての領域における能力を有機的に融合し、その相乗効果により全体としての能力を増幅させる領域横断(クロス・ドメイン)作戦が実施でき、②平時から有事までのあらゆる段階における柔軟かつ戦略的な活動の常時継続的な実施を可能とし、③日米同盟の強化及び安全保障協力の推進が可能な性質を有する、真に実効的な防衛力として、「多次元統合防衛力」を構築することとした。特に、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における能力は、軍全体の作戦遂行能力を著しく向上させるものであることから、各国が注力している分野である。わが国としても、このような能力や、それと一体となって、航空機、艦艇、ミサイルなどによる攻撃に効果的に対処するための能力の強化や、後方分野も含めた防衛力の持続性・強靱性の強化を重視していくこととした。

参照図表II-3-1(防衛力の役割の変化)

図表II-3-1 防衛力の役割の変化

8 「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱について」(平成30年12月18日国家安全保障会議及び閣議決定)