防衛装備庁

防衛装備庁について

陸上装備研究所

概要

陸上装備研究所は、火器、弾火薬類、耐弾材料、耐爆構造、車両、車両用機器、施設器材、個人装具、CBRN対処技術などの調査研究を行っています。

CBRN:Chemical(化学剤),Biological(生物剤),Radiological(放射線),Nuclear(核)

陸上装備研究所広報ビデオ(YouTube防衛装備庁公式チャンネルに移動します)

陸上装備研究所パンフレット(令和6年版) (PDF)

システム研究部

火器・弾火薬類、施設器材及び車両のシステム化、並びに、放射線、生物剤及び化学剤に対処するための技術などについての考案、調査研究及び総合的な試験評価を行っています。

弾道技術研究部

火器・弾火薬類の要素技術、装備品等の耐弾材料・構造などについての考案、調査研究及び総合的な試験評価を行っています。

機動技術研究部

車両の要素技術、車両用機器、施設器材の要素技術についての考案、調査研究及び総合的な試験評価を行っています。

主な研究内容

レールガンの研究

電気エネルギーを利用して弾丸を加速、発射するレールガンの研究です。レールガンは火薬のエネルギーを利用した従来の火砲では実現できない高初速で弾丸を発射することができ、大きな威力を持つことに加えて、より遠方の目標への対処が可能です。

EMPシステム化技術の研究

目標近傍で強力な電磁パルスを放射し、敵部隊のセンサ・情報システムなどの電子機器を一時的または恒久的に無力化するシステムの研究です。誘導弾、爆弾、砲弾、UAV、USVやUGVへの搭載のほか、洋上ブイなどへの適用に向けた敷設型とするなど、広く運用ニーズに応えられるよう検討を進めています。

EMP:Electro-Magnetic Pulse(電磁パルス) UGV:Unmanned Ground Vehicle(陸上無人機)
UAV:Unmanned Aerial Vehicle(無人航空機) USV: Unmanned Surface Vehicle(無人水上航走体)

耐高衝撃弾頭技術の研究

コンクリート壁などを貫通する耐高衝撃弾頭の研究です。2枚以上のコンクリート壁を貫通できる侵徹技術、衝撃に抗たんし起爆信号を出力可能な耐高衝撃技術、そして貫通中の状況に応じて起爆秒時の遅延制御などを行う自律遅延制御技術、という3つの技術の確立を目標としています。

無人戦闘車両システムの研究

無人車両での戦闘に必要となる、不整地の自律走行技術と、複数無人機の同時運用技術に関する研究です。シミュレータと無人車両を構築し、実環境を模擬した仮想環境でのシミュレーション試験、そして実環境での検証により技術を確立することを目標としています。

AI:Artificial Intelligence(人工知能)

UGVの環境認識技術の実証試験

UGVを遠隔操縦や自律で走行・作業させるには、UGVの位置、周囲の地形や障害物の位置などの情報を正確に把握する必要があります。そのため、UGVに搭載されたカメラやLiDARなどのセンサを用いた車両周辺の俯瞰表示技術や3次元地図作成技術について研究しています。また、これらの研究成果を自衛隊の装軌車両に反映し、実証的な試験を行っています。

UGV  :Unmanned Ground Vehicle(陸上無人機)
LiDAR:Light Detection and Ranging(レーザーの反射光により周囲の物体の形状を取得するセンサ)

SLAM:Simultaneous Localization and Mapping(位置推定と地図作成を同時に行う技術)

将来個人用CB防護装備の研究

高脅威CB汚染環境下の偵察・除染などの任務で使用される化学防護衣の研究です。特殊武器防護能力を向上させるため高性能素材を適用し、防護装備システムとして検討することで、防護性能向上と生理負担低減の両立を目標としています。

CB:Chemical, Biological(化学剤、生物剤)

IM弾薬技術の研究

火災や敵の攻撃などによる高温、高衝撃の影響を最小限にし、弾薬の安全性を向上させる、低感度弾薬(IM)についての研究です。IM化には火薬類の低感度化だけでなく、機構・構造的な安全化も必要です。この研究では、火災の熱により反応したエネルギー物質から発生する内部圧力を開放し反応レベルを低下させるベント機構や、銃撃などの衝撃を緩和し反応レベルを低下させるライナー構造を研究しています。

IM:Insensitive Munition(低感度弾薬)

危険物探知性能向上要素技術の研究

地雷探知を空中から安全かつ効率的に行うための技術の研究です。現状の地雷探知作業は、隊員が地雷原に進入し、潜伏する敵兵からいつ射撃されてもおかしくない状況で、携帯型地雷探知器を用いて行う、非常に危険な作業です。隊員が安全に作業できるよう、地雷原から離れた位置から地雷原周辺の情報を得られる地雷探知UAVを実現するための技術の確立を目標としています。

UAV:Unmanned Aerial Vehicle(無人航空機)

モジュール型小型高出力ハイブリッド技術の研究

装輪車を対象としたパラレル方式のハイブリッド技術の研究です。静粛走行、静粛監視、車両内外への給電性能の向上を主な研究目的としています。
 この研究は日米共同研究として進めています。

パラレル方式:エンジンとモータの両方で車を駆動する方式

揚陸支援器材技術の研究

島しょ部などでの着上陸侵攻事態対処のための事前の部隊展開、そして水陸両用作戦に引き続く後続部隊の上陸などに使用する、揚陸支援器材の研究です。複数の浮体を連結した桟橋の解析・評価技術の確立を目標としています。

機動力評価技術向上の研究

軟弱地や不整地での機動力評価の向上についての研究です。水陸両用車をはじめとした車両の研究開発などに利用することを目的に、水際域(砂浜)や陸上域の土質パラメータを決定し、それをもとに車両用多種環境シミュレータを活用して研究を進めています。

主な試験

火力性能試験、防護性能試験

戦車の火力性能、並びに防護性能を確認するために、射撃試験、耐弾・耐爆試験等を実施しています。

射撃試験
耐爆試験

機動性能試験

戦闘車両の機動性能を確認するために、加速試験、最高速度試験、登坂試験等を実施しています。

登坂試験
酷暑地機動性試験

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