自衛隊募集相談員、部隊研修を通じて意識高揚を図る
~熊本県自衛官募集相談員部隊研修~
自衛隊熊本地方協力本部(本部長 笹島 昭佳 1等陸佐)は、1月24日(水)~26日(金)の間、熊本県自衛官募集相談員12名を招へいし、陸上自衛隊目達原駐屯地、前川原駐屯地、海上自衛隊佐世保地区及び航空自衛隊高良台分屯基地の協力を得て、九州北部地区の部隊研修を実施した。
本研修は、熊本県における防衛基盤の充実及び組織的募集基盤の強化のため、募集相談員に対して自衛官等募集に関する知識の深化及び自衛隊の現状を再認識していただく機会として実施した。
初日は、雪が降る寒い中、陸上自衛隊目達原駐屯地を研修した。目達原駐屯地の概要説明、広報館見学後、九州補給処の整備工場及び第1戦闘ヘリコプター隊のAH-64Dの整備風景を見学し、整備の重要さ、隊員の責任感ある仕事ぶりを見て感銘を受けられていた。また、装備品展示では、各装備品整備担当の説明に熱心に耳を傾けていた。その後、募集会議を実施し、募集相談員に対して令和5年度の募集状況の説明及び令和6年度における志願者に関する情報提供の依頼を行う等募集意識の向上を図った。
2日目は、海上自衛隊佐世保教育隊、イージス艦「こんごう」及び佐世保史料館を見学した。佐世保教育隊では新隊員の教育方針や営内居室、短艇訓練場、防火訓練場では実際の訓練場を見学し、艦艇油火災では、海水で消火対応しなければならないという海上での消火訓練の対応を学んだ。その後、立神岸壁で日本初のイージス艦として就役し30周年を迎えたイージス艦「こんごう」を見学し、艦長の川合1海佐を囲んでの和やかな雰囲気の懇談のあと、概要説明を受け、艦艇勤務におけるリアルな職場環境を見学した。イージス艦の運用には、やはり人が大事であり、必要最小限の隊員で日々苦労しているという話を聞かれ、参加者は、適齢者情報収集・提供に寄与できるようにとの思いを新たにされた。佐世保史料館においては、徳川幕府時代から現在の海上自衛隊の歩みまでの歴史や活動艦艇模型、各種資料が展示されており、参加者は、ここに記されてきた先代の遺烈のおかげで現在の日本があると感謝している様子であった。
3日目は、陸上自衛隊前川原駐屯地及び航空自衛隊高良台分屯基地の研修を実施した。前川原駐屯地においては、陸上自衛隊幹部候補生学校長である吉川陸将補より歓迎の挨拶を受けた後、剛健大講堂で幹部候補生学校の概要説明を受け、史料館では明治建軍以来の日本陸軍に関する資料、軍人の事跡などに触れ知識を深めることが出来た。質疑応答では募集相談員から多くの質問が寄せられ熱心に研修する姿が見られた。
高良台分屯基地では、西部高射群第8高射隊副隊長より分屯基地の沿革や任務等についての概要説明を受け、その後、軽装甲機動車、救急車、電源車、高い性能と撃堕能力を持つ地対空誘導弾システム「ペトリオット」を見学し、性能や各種任務における用途等を熱心に質問していた。終了間際には「熊本県には航空自衛隊がないので、航空自衛隊に興味がある学生に対して説明する内容が分からなく困っていた。しかし今回の研修を通じて航空自衛官へのイメージができ、今後の募集相談員活動においてとても役に立つ。」旨の感想をいただいた。
研修の全日程を終えて、研修者からは「今回の研修を通して知り得た知識を活用し、自衛隊に興味のありそうな学生等に受験を提案しやすくなる。」「自衛官募集相談員としての役割を再認識し、今回の研修を通して知り得た知識を活用し、引き続き、一人でも多くの入隊希望者情報を提供したい。」との言葉をいただいた。
熊本地本は、「募集相談員と連携しながら、本部長要望事項である「燃やせ、情熱」「深めよ、連携」の通り、情熱をもった熱い募集広報と積極的な連携で、募集目標達成のため邁進していく所存である。