募集広報所感文
勤務先・階級氏名:熊本分駐所・空士長 後藤 千晶
熊本募集案内所におけるリクルータとして臨時勤務を経験し、「社会性」の重要さを改めて感じました。この「社会性」はすべての職業に通じて必要なものですが、なかでも「自衛隊」に焦点をおいたとき、募集・広報活動をするうえで最も重要なことだったと思います。
勤務内容としては、母校を含めた学校訪問、駅前における街頭募集、パネル設置、地域イベント、自衛隊フェスタ、市街地におけるサテライトブース勤務です。なかでも特に印象深かったことは学校訪問です。学生と直接関わることができる点、また私自身が学生の頃に実際に広報官の方とリクルータの方からの説明を受けて「自衛隊」に対して感銘を受けた経験があったという点から、臨時勤務前から特に楽しみにしていました。まさか私が自衛官としてこのような活動に携わることができるとは思っていなかったのでとても嬉しかったです。
母校訪問については、高校生の頃の担任の先生に久しぶりにお会いしてたくさんお話をすることができ、自衛官としての私の姿を見せることができて身が引き締まる思いでした。
また、学校のみならず市街地のサテライトブースでの広報活動にも参加し、自ら「自衛隊」を発信するという新たな経験ができたことで、より一層自衛官としての使命感や責任感を自覚しました。募集広報を行うことが初めてだったため、最初は「どのように説明したらよいのか」と不安もありましたが、私が自衛官じゃなかったらどんなことに疑問に抱くのか、どんなことを知りたいか、と「自衛隊」を客観的に見ることで募集活動のヒントになったり、何をアピールしたいか、どのように話をしたら興味を持つのかを考えることができるようになり、スムーズな説明へつながったことで私自身も楽しみながら自衛隊の魅力を多くの方へ伝えることができました。市街地に立っていると、「がんばってください」と励ましのお言葉をいただいたり、写真を一緒に撮らせていただいたりと市民の方と「自衛隊」との結びつきの強さを肌で感じることができました。普段の部隊勤務ではなかなか関わる事のない市民の方々との触れ合いによって、改めて「自衛隊」はそれぞれの地域に根付いた誇り高い仕事であると実感することができ、それが日々の国家防衛につながっているのだと感じました。
また、多くの同期にも恵まれました。同じ期間一緒に臨時勤務している隊員と協力しながら説明会の補助を行ったり、それぞれが持つ「自衛隊」に対するイメージを共有して文字に起こし、「自衛隊」の概念について話し合ったり、陸上自衛隊や海上自衛隊のそれぞれの部隊の話を聞くことができました。日常生活や普段の業務、部隊の雰囲気等、興味深い話をたくさん聞けたことで新たな知識も増え、自分自身の視野を広げることへもつながりました。
必ずしも自衛官全員が経験できるわけではないリクルータ勤務に就くという経験ができたこと、この勤務を通して多くの人に出会えたこと、「自衛隊」の魅力を新たに見つけることができたことは私にとってかなり大きな出来事でした。ここで得られたものを大切にしながら、もっと多くの方に「自衛隊」を知っていただき、今後の募集にも活かしていきたいと考えています。