自衛官OBの声
- 氏名
- 稲子 誠氏
- 最終所属部隊・階級
- 第8師団第8後方支援連隊・3等陸尉
- 自衛隊退官日
- R4.3.21退官
- 現勤務先
- 熊本電気鉄道株式会社
現勤務の概要
(1)バス運転手
(2)市内の路線を主に運転
菊池線・清水ヶ丘線・新地団地線・立石南原線・セミコン・合志市レターバス
再就職の経験談
自衛隊在職中は、人事係として複雑多岐に渡る人事業務(根拠に基づき隊員の昇任・昇給・賞罰等の処理業務)を遂行しておりました。また、最先任上級陸曹として大隊長への上意下達・下位上達をし指揮官の補佐をしてまいりました。その中でも、大隊長の企図を鹿児島県・熊本県・宮崎県・大分県に配置されている隷下9個部隊へ隊員の目線で伝え、隊員の基本基礎の指導や隊員の身上(心情)及び服務現況把握を詳細に把握し、隊員の帰属意識の高揚に努めてまいりました。
再就職先を検討する際、自分に何ができ、何ができないかを分析し、どのような分野の職業に適しているか考察しました。まず、資格免許・人とのコミュニケーション能力を活かせる職業であること。そして、いち社会人として意識改革に取り組みつつ、企業の理念等を理解した上で、仕事の何にやりがいを見いだせるかという観点で判断いたしました。
再就職した当初は、バスの運転操作や車内案内を覚えるのに苦労しました。また、運行路線12路線の経路及びバス停の名称を覚えるのが大変でありましたが、教官・同期入社のサポートにより乗務する事ができるようになりました。
現在は、乗務するにあたり入社時からの経験を活かし、バス車両が綺麗な状態で乗客を迎え、常に感謝の気持ちを持ち「熊本電鉄バスに乗って良かった」と思われる案内を心掛け、安心安全な乗務を通して、地域住民の方々との信頼構築に寄与していると思っています。
後輩、退職予定隊員への一言
定年は必ず訪れます。焦る必要はありませんが、意識改革が必要です。自衛官は階級社会のため命令系統で任務遂行しておりますが、再就職後、現役時代の階級章はついていません。企業では新人であり、自衛官で例えるなら新隊員です。何もできないのに今までの様な態度では、社員の先輩は何も教えてくれなくなり、孤立していきます。新隊員2等陸士になるよう意識改革してください。
企業はお客様第一です。企業のイメージは、社員で決まります。怖い顔では、企業イメージが悪くなりますので、笑顔と挨拶のできる社会人への意識改革をしてください。
最後になりますが、資格等の準備はもちろんのこと、理想のライフプランを立て、早めの資産形成をして、第2の人生の準備を進めてください。