防衛大学校National Defense Academy

学校長挨拶

防衛大学校長 挨拶

学校長 吉田圭秀

学校長 吉田圭秀

防衛大学校ホームページをご覧いただき、誠に有り難うございます。
4月1日付で、第11代防衛大学校長に着任した吉田圭秀です。どうぞよろしくお願い致します。
防衛大学校長に、初級幹部から定年まで全うした生え抜きの幹部自衛官が任用されるのは初めてであり、私には、幹部自衛官としての学生のロール・モデルとなることが期待されていると理解しています。
さらに自衛官退官後の生き様においても学生のロール・モデルとなるべく、学生と共に研鑽を積んでいく所存です。

私自身、自衛官退官後には教育者の道に進みたいという、かねてからの念願が叶い感無量の思いです。その一方で、この「動乱の時代」ともいえる世界史的な難局に、この国の行く末を託す若者達を送り出していく責任の重さも痛感しています。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まった2022年を境に、国際社会は、2つの世界大戦の戦間期であるE.H.カーの名著「危機の二十年」の再来ともいうべき、「パワーポリティクス」の時代に入りました。私が自衛官として過ごしてきた40年間よりも、在校生がこれから挑む40年間の方が間違いなく遙かに厳しい時代となることでしょう。

本校は、昭和28年4月、槇智雄初代防衛大学校長の下、第1期生を迎え、当初は「保安大学校」という名称で開校しました。敗戦後の悲惨な状況から国民と共に我が国の再興を期する思いと共に創設されたのです。学生に、広い視野、科学的思考力、豊かな人間性を求めた「槇イズム」と呼ばれる建学の精神は、今なお(いや寧ろ難局の時代の今こそ)、輝きを放っています。以来73年間、本校卒業生は、幹部自衛官として営営と自らが生きる「時代の責任」を果たし続けて参りました。これからの防大生も、先輩方の志を引き継ぎ、この動乱ともいうべき時代に生きる者の責任として、幹部自衛官の道を目指す中で、これからの「時代の責任」を果たしていくこととなります。

本校の教育は、その生来的な特徴として、他大学と同じ高等教育と、他国でいう士官候補生教育との二面性を有しています。そのため、アカデミック・フリーダムと、ミリタリー・ディシプリンの両立(均衡)を図っています。前者においては、「槇イズム」でいう「リベラル・アーツ」、即ち深い教養の涵養を特に重視します。後者においては、「槇イズム」でいう「ノーブレス・オブリージュ」、即ち地位に応じた責務を負いつつ、人間味溢れる人格の陶冶を目指します。これらは、将来の難局に立ち向かうリーダーとして、最も重要な素地となるでしょう。

私は、着任に当たり、今後、我々の追求すべき目標として、「自主自律に基づく、自由で開かれた防衛大学校」を掲げました。既にお気づきの方も多いと思いますが、この目標は、「法の支配に基づく、自由で開かれた国際秩序」という国際政治上の理念を防衛大学校の目標に置き換えたものです(その意味するところは、別掲の「着任訓示」をご覧ください)。

現在、急速に進展する人工知能(AI)をはじめとする先進技術の融合する「第4次産業革命」は、社会の仕組みそのものを変えるインパクトがありますが、人間とAIの協同において、AIによって代替することができない人間の最も重要な役割は、リーダーシップです(具体的な要素については、別掲の「入校式式辞」をご覧ください)。したがって、将来、国際社会の荒波に立ち向かい、新たな時代を切り拓いていくリーダーシップの素地を涵養する防衛大学校の価値は、我が国においても、国際社会においても、著しく高まっていくと確信しています。正に光輝く「防大ブランド」です。

諸先輩の築き上げた七十有余年の防衛大学校の伝統の上に、新たな輝きを加えるため、教職員と在校生が「チーム小原台」として一丸となり、将来の我が国発展の礎となる新たな防衛大学校の歴史の一ページを作って参ります。

今後とも、防衛大学校に対し、更なるご期待とご関心をお寄せいただきますよう、謹んでお願い申し上げます。

令和8年4月10日

第11代防衛大学校長 吉田圭秀

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